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「人生すべて博打だぞ!」「幸福は金で買える」……「こち亀」両津勘吉のタメになる(?)迷言4選

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リアルサウンド

 『週刊少年ジャンプ』に長期間連載され、多くの人の「人生のバイブル」となっていた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。

 主人公の両津勘吉は独特な思考を持つ人物だけに、その発言にツッコミを入れられることも多いが、なかには「名言」として、語り継がれるものもある。

 そこで今回はそんな両津のタメになる名言を検証してみよう。

「人生はビッグゲームだぞ!おもしろおかしく生きた方が勝ちだ!」

 寺井が不動産情報誌を読んでいる様子を見た両津は、「4年前に家を買ったばかりじゃないか」と声をかける。

 顔色を変えない寺井は「通勤時間3時間30分は、近頃辛くてね」とその理由を説明。両津は「4年後に開けますよと不動産屋が言ってたが、やっとエコマートが立っただけ。はっきり言って、騙されて買ったようなもんだな、お前は」とバッサリ。

 言い過ぎたことに気がついた両津は「ちょっと言い過ぎた。きっと(家が)売れるよ」と声をかける。すると寺井は「この不況時代に家を持つのは大変なんだよ。両さんは浅草に実家があるから、なんの苦労もないからいいけど!」と表情を変えずに皮肉る。

 両津は「バカいえ。わしはあんな家住むもんか。佃煮屋はオヤジの代でおしまいだ。あんなボロ家潰して駐車場にしたほうが世の中のためになる」と驚きの発言。

 不思議そうな寺井は「将来両さん、どこに住むつもりだい?」と質問する。すると両津は「そんなこと知るもんか。なんとかなる」と豪語。「豪快な生き方だからな、羨ましいよ」と返す寺井に「お前が心配しすぎなんだよ。すべて計算通りの人生なんて面白くもなんともないだろ」と返す。

 そして「人生はビックゲームだぞ。面白おかしく生きたほうが勝ちだ」と説く。思想が違いすぎる寺井は「わかった、もういいよ、相談しないから」と話した。

 堅実派の寺井と、「なんとかなる」と現在を面白おかしく生きることを選ぶ両津。どちらも参考になる生き方だが、「人生はビッグゲーム」と両津の言葉を参考に、大きな夢を追うのもいいかもしれない。(50巻)

「幸福は金で買える」

 麗子の父が娘を結婚させるため、事前にコンピューターではじき出した花婿候補1,300名参加の争奪コンテストを開催することになる。父は大金持ちの中川を勝たせるよう仕組んでいたが、なぜか両津もエントリーされる。

 コンピューターも驚く強さで争奪コンテストを勝ち抜く両津。麗子父の企みで中川有利なテストが続くと、「直接交渉しかない」と「僕と結婚しよう。幸せにするよ」と口説き始めた。

 その様子に中川は、「先輩は麗子さんが好きだったんですね」と話す。両津は「別に。作戦に決まっているだろ、婿入りのための。財産を手に入れるためにはワシは何でもやる男だ」と凄む。

 「お金より愛の力が強いはずです」と中川は憤るが、「ふざけたことぬかすな」「金が全てだ、金が」と返す。本田も「ナイスバディーも魅力的ですけど……」とツッコミを入れるが、「ナイスバディーよりもナイスマネーだ」と譲らない。

 さらに「今までは遠回りで金儲けしていたけどな、麗子とくっついて離れるのが一番の金儲けだと今回気づいた」「幸福は金で買える。ワシの座右の銘だ」とうそぶいた。

 結局最終対決の相撲で中川に勝利して結婚する権利を手に入れた両津だが、財産目当てで出場したことを中川が麗子に話したため結婚を断られ、父も「冗談はここまで」と全てなかったことになってしまった。(103巻)

 「幸福は金で買える」発言は賛否両論だが、幸せにある程度のお金が必要になることは間違いない。現実世界でも両津のように「幸せは金で買える」と考える人もいるだけに、両津の「座右の銘」も納得できる。

「えらいやつってのは始めからワルなんかにならねえの!」

 部長とともに派出所に現れた悪そうな男。それは「まさし」という人物で、姿を見た両津は「どうしたんすか部長、またそいつ万引きでもしたんですか?」と質問する。すると部長は「今年の夏からちゃんと社会人になったんだ」「更生して悪いことせず真面目になったんだなあ」と褒める。

 麗子や中川も褒め称えるが両津は「こいつのどこが偉いんだ」「偉いやつってのは始めからワルにならないっての。正直で正しい人間が偉いに決まっているだろ」「こいつなんかわがままで、勉強もしないで、やりたいことやって、それが普通に戻っただけだぞ」と説く。

 ひねくれていると反論する部長だが、「こいつに金とられた真面目な学生やバイク取られた人のほうが悲惨でしょう。『正直者が馬鹿を見る』の手本を示している。こいつのどこが立派なんですか」「同じ年で新聞配達など頑張っている人のほうが立派でしょうが」と力説した。(42巻)

 この発言後、男が就職した会社を上司と喧嘩して辞めていたことが発覚。それを受けて両津が紹介した仕事も、なんかやんやと理由をつけて辞めてしまった。もちろん現実には更生してしっかりと働く人もいるのだが、犯罪に手を染める、グレるなどした過去から更生した人間を「立派」と称賛し、ずっと真面目に生きている人がないがしろにされている傾向はあるかもしれない。

 漫画のようなケースは現実にも散見されるだけに、両津の発言は当を得たものといえるだろう。

「人生すべて博打だぞ!」 

 ファミコンの野球ゲームで190キロの速球をホームランされ激怒し、徹夜で手に入れたカセットを踏み潰して壊した両津。派出所に子供を呼び寄せると、おもむろに競馬新聞を読み、予想を始める。

 場外馬券場に制服でいたところ、その姿を撮影されてしまったそうで、馬券を子供に買いに行かせようとする両津。中川は「この子たちに買わせる気ですか?」と憤り、麗子も「ひどいわね、子供たちにそんなことをさせるなんて」「ギャンブルに子供を巻き込むのは良くないわ」と苦言を呈す。

 発言に怒った両津は「なんだと!ギャンブルのどこが悪い」と一喝。そして、「入試 就職 結婚 みんなギャンブルみたいなもんだろ! 人生すべて博打だぞ!」と吠える。説得力があるようにも思えたが、麗子は「そう思って無計画に生きているのは両ちゃんだけよ」中川も「みんなはギャンブルと思ってませんよ」と真っ向から否定されてしまった。(60巻)

 かなり極論ではあるが、人生のなかでギャンブル的な選択を迫られることもある。両津の持論もあながち間違いとは言い切れないはずだ。

迷言?も『こち亀』の魅力

 『こち亀』の魅力は様々なものがあるが、その1つに両津の名言がある。「迷言」にもなりうるものだが、生きるうえで良くも悪くも参考になるものばかり。もう一度、確認してみると、新たな世界が見えてくるかもしれない。