川口さんショート

大学時代にアルバイトをしたイタリア料理店でイタリアワインに魅せられ、26歳のときにイタリアのソムリエ試験に挑戦しました。本来は3年ほど現地でのソムリエ経験が必要なのですが、海外からの受験者用に用意された半年間の養成コースがあり、貯金をはたいて参加を決意。ワインの銘醸地、北イタリアのピエモンテ州のソムリエスクールに1カ月間通ったあと、レストランで実技経験を積み、半年後にソムリエ試験を受験しました。

イタリアのソムリエ試験には、筆記試験はありません。一次は出されたワインをテイスティングして評価する試験、二次はサービスの試験です。お客様役の試験官にワインをサーブをしながら、そこで聞かれた質問に的確に答えられるかどうかがポイントになります。
「トスカーナの郷土料理に合わせるならどのワインがいいか」
「このワインのアルコール度数は何%か」
質問はすべてイタリア語です。通訳はいますが、頼りすぎると減点対象になってしまいます。

日本から参加した10人のうち、合格者は自分を含めて3人だけ。それほど難関の試験に挑戦しようと思ったのは、将来の開業を見据えて、武器を身に着けたかったからです。

帰国後もイタリア料理店で修業を積み、2020年2月にようやく自分のお店を持つことができました。京都の四条通りから1本入った路地にある、イタリアワイン専門店です。 イタリアには「料理を楽しむためにワインがある」とう考え方が根底にあります。料理もワインも一緒に高め合う、食いしん坊文化が私はすごく好きです。お店では料理に合わせて、いろんなワインを楽しんでもらうため、置いてある数十種類のワインはすべてグラスでもお出しします。これまで蓄積してきた経験や知識を生かし、1人でも多くの人に、イタリアワインの魅力を知ってもらいたいと考えています。

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