今回は南禅寺にある朝がゆで有名な料亭「瓢亭」をご紹介します。
冬の朝、お店の周辺は凛とした雰囲気が漂います。老舗ならではの風格とも言えます。そして、数奇屋造りの風流な佇まい。
数奇屋造りとは、日本の建築様式の一つで、茶室を取り入れた住宅様式。語源となる「数寄」(数奇)とは和歌や茶の湯、生け花など風流を好むことであり茶室を意味する。それもあって、お料理は茶懐石の影響を強く受けています。
今回は、わりとリーズナブルに食べられる別館で頂いた時の朝食をご紹介します。
お料理はすでに予約の段階で注文。最初にこちらが運ばれてきます。以前の、この時期それぞれ違う日に来た時のお料理。器は瓢箪型になっていて、三段重。お揚げと菜っ葉の炊いたん、お魚は鯛で銀あんがかかってます。そして、炊き合わせ。柚子の風味がいいですね~
そして、八寸。1月にちなんでお正月を意識したお料理。黒豆やらクワイの絵馬ですかね。鴨ロースや一口押し寿司はマス、鯛の昆布締め。もうこれだけで朝からお酒が飲みたくなります。現にお酒を飲んでいる方も(笑)
そして、こちらも朝がゆと同様看板メニューの瓢亭玉子。有名ですよね。
今では調理科学的に黄身白身の凝固温度も解明されてますが、当時としては画期的だったんでしょうね。白身はしっかり、黄身はトロンと。少し出汁醤油が黄身に入っています。もう絶品!!
もともと、その昔祇園界隈で夜遊びしていた旦那衆が朝帰りに芸妓さんと連れだって寝ている主人を起こして作らせたのが、この朝がゆのはじまりだそうです。
そして、12月~3月15日の期間はこちらのうずら粥。細かく刻まれたうずら肉と三つ葉。うっすら出汁が効いた粥。そして、添えられた香の物と一緒にさらさらと頂く。うずらの滋味あふれるお出汁が身体に染み渡りますね。至福の朝。
自分へのご褒美。たまの贅沢として、こんな朝食はいかがでしょうか。日々の煩わしい雑事も意識から遠のく絶品の朝がゆ。これぞ、おとなの朝食ですね。