商標法違反の罪に問われるとどうなる?早期に弁護士へ相談・依頼するメリットを解説

商標法違反の罪に問われるとどうなる?早期に弁護士へ相談・依頼するメリットを解説
商標法違反の罪に問われるとどうなる?早期に弁護士へ相談・依頼するメリットを解説

商標法違反は犯罪です。たとえば、権利者に無断でブランドロゴを模造したり、本物の類似品を勝手に販売すると、商標法違反の容疑で罪に問われます。

商標法違反が捜査機関に発覚すると、逮捕・勾留によって長期間身柄拘束される可能性があります。また、商標法違反に該当する行為で権利者に多額の損害が生じたときや、権利者の処罰感情が強いときには、初犯でも実刑判決が下されかねません。さらに、商標法違反事件は民事の賠償責任も問われるので、今後の更生可能性を少しでも高めるには、できるだけ早いタイミングで防御活動をスタートする必要があると考えられます。

そこで今回は、過去に偽ブランド品の販売・転売などをおこなって商標法違反の容疑で刑事訴追されるか不安を抱えている方や、ご家族が商標法違反の容疑で逮捕された方のために、以下5点について分かりやすく解説します。

  1. 商標法違反に該当する犯罪行為の具体例
  2. 商標法違反以外に問われる可能性がある法的責任
  3. 商標法違反の行為が捜査機関に発覚したときの刑事手続きの流れ
  4. 商標法違反の容疑で逮捕されたときに生じるデメリット
  5. 商標法違反の容疑で逮捕されるか不安なときに弁護士へ相談するメリット

当サイトでは、商標法違反や不正競争防止法違反に強い弁護士を多数掲載中です。少しでも軽い刑事処分を獲得し、早期に民事責任を果たすためにも、すみやかに信頼できそうな法律事務所までお問い合わせください。

目次

商標法違反に関する基礎知識

商品やサービスに付されるマーク・ロゴ・ネーミングなど(商標)は、”商品・サービスの顔”ともいえる重要な役割を担っています。

そして、個人であろうが企業であろうが、他人の商標を侵害することは許されません

まずは、商標法違反に関する基礎知識や、どのような行為が商標法違反として罪に問われるのかを解説します。

商標及び商標権とは

商標権侵害について理解する前段階として、商標及び商標権の定義・内容を把握しましょう。

商標とは

商標とは、「人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状もしくは色彩またこれらの結合、音その他政令で定めるもの(標章)であって、以下に該当するもの」のことです(商標法第2条第1項、第2項)。

  • 業として商品を生産し、証明し、または、譲渡する者が、その商品について使用するもの
  • 業として役務(小売や卸売の業務においておこなわれる顧客に対する便益の提供を含む)を提供し、または、証明する者がその役務について使用をするもの

分かりやすく言い換えると、「自己の取り扱う商品やサービスを他社のものと区別するために使用するマーク(識別標識、trademark、™)」を意味します。

たとえば、ブランドロゴ、サービスの名称、動き商標、ホログラム商標、色彩のみの商標、音商標、位置商標などが挙げられます。

商標の機能4つ

商標が有する役割は以下の通りです。

  • 識別機能:商標によって自己の商品・サービスと他者のそれとを明確に区別できる
  • 出所表示機能:商標によって商品・サービスの提供元を明示できる
  • 品質保証機能:商標によって商品・サービスの品質が一定水準に維持されていることを担保される
  • 宣伝広告機能:商標が有するブランド価値で宣伝広告が容易になる

このように、商品やサービスに付された商標には社会的・法的な価値が備わっている以上、他人の商標を侵害する行為に対しては厳しいペナルティが科されても仕方ないでしょう。

商標権とは

商標権とは、「登録商標の独占的使用を認める権利」のことです。

すべての商標について商標権が発生するのではなく、商標法に規定されている設定登録手続きを履践した“登録商標(registered trademark/®)”について商標権が発生します(商標法第28条第1項)。

商標権はさらに以下2つの権利に具体化されます。

  • 専用権(積極的効力):指定商品または指定役務について登録商標を独占的に使用する権利(商標法第25条)
  • 禁止権(消極的効力):登録商標と類似した商標の使用や、指定商品または指定役務と類似した商品・役務についての登録商標等の使用を排除する権利(商標法第37条)

商標法違反に問われる商標権侵害行為と法定刑

商標権侵害の法定刑は次の3パターンに区別されます。

  • 「商標権侵害行為」に該当する場合
  • 「商標権侵害の準備行為」に該当する場合
  • 法人が商標権侵害をした場合

商標権侵害行為と法定刑

商標権や専用使用権を侵害すると、「10年以下の懲役刑または1,000万円以下の罰金刑(併科あり)」の法定刑の範囲で処断されます(商標法第78条)。

たとえば、勝手に既存の企業のロゴをつけた偽ブランド品や、ブランドロゴに類似したマークを使った商品を実販売・ネット販売・製造したときに、商標権侵害が成立します。

商標権侵害の準備行為と法定刑

「商標権または専用使用権を侵害する行為とみなされる行為(商標権侵害の準備行為など)」をおこなったときには、「5年以下の懲役刑または500万円の罰金刑(併科あり)」の範囲で刑事罰を科されます(商標法第78条の2)。

「”商標権または専用使用権を侵害する行為”とみなされる行為」は以下の規定によって判断されます(商標法第37条)。

  • 指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用
  • 指定商品又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品であつて、その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為
  • 指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供するために所持し、又は輸入する行為
  • 指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供させるために譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持し、若しくは輸入する行為
  • 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をするために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を所持する行為
  • 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持する行為
  • 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をし、又は使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造し、又は輸入する行為
  • 登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、譲渡し、引き渡し、又は輸入する行為

たとえば、権利者から使用を許可されていない登録商標を無断で印字した商品を販売目的で所持していたようなケースでは、実際に当該商品を売却しない段階でも刑事処罰の対象とされます。

法人が商標権侵害をしたときの法定刑

法人の代表者や代理人、使用人その他の従業員が、業務に関して、商標権侵害行為または商標権侵害の準備行為をおこなったときには、両罰規定として、当該法人に対しても「3億円以下の罰金刑」が科されます(商標法第82条第1項第1号)。

事業に関連して商標権侵害をおこなうと、民事賠償責任に加えて高額な罰金刑の負担リスクも生じるので、自社商品やサービスにロゴマークなどを印字するときには、かならず事前に特許関係に強い弁護士・弁理士の意見を参考にするべきでしょう。

転売が商標権侵害になるケース

近年、メルカリなどのフリマアプリを通じて市場に流通している商品を転売する行為が普及しています。

しかし、転売する行為は状況次第で商標権侵害になる危険性が生じる点に注意が必要です。

転売行為が商標権侵害を構成するのは次のようなケースです。

  • 商標権者の許諾を得ずに第三者が商標を付けた不正品を転売する行為
  • 商標権者が一般の市場で販売する予定がなかったサンプル品や不良品を転売する行為
  • 商標権者が販売した真正品を改造して転売する行為
  • 商標権者が販売した真正品を小分け・再包装して転売する行為

これらの転売行為は、商品の識別機能を損なうため、商標権侵害に該当すると扱われます。

なお、商標権者が商標を付けた真正品をそのまま転売する行為には識別機能を害するおそれがないので、商標権侵害に問われることはありません。

商標権侵害以外の商標法違反

商標権侵害以外にも商標法違反の容疑で逮捕されるケースは存在します。

詐欺の行為の罪

「詐欺の行為によって商標登録・防護標章登録・商標権や防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録・登録異議の申立てについて決定または審決を受けたとき」には、「詐欺の行為の罪」に問われます(商標法第79条)。

「詐欺の行為の罪」の法定刑は、「3年以下の懲役刑または300万円以下の罰金刑」です。

虚偽表示の罪

以下の行為をおこなったときには、「虚偽表示の罪」に問われます(商標法第80条)。

「虚偽表示の罪」の法定刑は、「3年以下の懲役刑または300万円以下の罰金刑」です

  • 登録商標以外の商標の使用をする場合において、その商標に商標登録表示またはこれと紛らわしい表示をする行為
  • 指定商品または指定役務以外の商品・役務について登録商標の使用をする場合において、その商標に商標登録表示またはこれと紛らわしい表示を付する行為
  • 商品それ自体やその包装に登録商標以外の商標を付したもの・指定商品以外の商品それ自体やその商品の包装に商品に関する登録商標を付したもの・商品やその商品の包装に役務に関する登録商標を付したものであって、その商標に商標登録表示またはこれと紛らわしい表示を付したものを譲渡・引渡しのために所持する行為
  • 役務の提供にあたってその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標以外の商標を付したもの・指定役務以外の役務の提供にあたりその提供を受ける者の利用に供する物に役務に関する登録商標を付したもの・役務の提供についてその提供を受ける者の利用に供する物に商品に関する登録商標を付したものであって、その商標に商標登録表示またはこれと紛らわしい表示を付したもの(役務に係る虚偽商標登録表示物)を、これを用いて当該役務を提供するために所持・輸入する行為
  • 役務に係る虚偽商標登録表示物を、これを用いて当該役務を提供させるために譲渡・引き渡し・譲渡する行為、引渡しのために所持・輸入する行為

偽証等の罪

商標法の規定で宣誓した証人・鑑定人・通訳人が特許庁やその嘱託を受けた裁判所に対して虚偽の陳述・鑑定・通訳をしたときには、「偽証等の罪」の容疑で処罰されます。「偽証等の罪」の法定刑は、「3カ月以上10年以下の懲役刑」です(商標法第81条第1項)。

なお、事件の判定に関する謄本が送達される前や、登録異議の申立てについての決定や審決が確定する前に、偽証について自白をしたときには、刑が任意的に減免されます(同法第81条第2項)。

秘密保持命令違反の罪

商標権または専用使用権の侵害に関する訴訟で、裁判所から下された秘密保持命令に違反したときには、「秘密保持命令違反の罪」が成立します。「秘密保持命令違反の罪」の法定刑は、「5年以下の懲役刑または500万円以下の罰金刑(併科あり)」です(商標法第81条の2第1項、同法第39条、特許法第105条の4第1項)。

なお、「秘密保持命令違反の罪」は親告罪なので、商標権者などからの告訴がなければ公訴提起される心配はありません(同法第81条の2第2項)。この意味で、同罪の容疑をかけられたときには、すみやかに商標権者との間で示談を成立させて民事的解決を目指すのが重要でしょう。

その他過料が科されるケース

「特許庁やその嘱託を受けた裁判所から呼び出しを受けたのに正当な理由なく出頭しなかったときや、正当な理由なく宣誓・陳述・証言・鑑定・通訳を拒んだとき(商標法第84条)」「正当な理由なく、特許庁やその嘱託を受けた裁判所からの書類その他の物件の提出・提示命令に違反したとき(同法第85条)」など、特許法では「10万円以下の過料」に処されるさまざまなケースを定めています。

このように、商標法違反に関する事件では細かい手続き上のペナルティが設定されています。知的財産権に関する事件に詳しい弁護士へ相談のうえ、不利な状況に追い込まれないように手続きを履践しましょう

【注意!】商標法違反の罪に問われるときに発生するその他の法的責任

商標法違反の容疑をかけられるときには、他の法的責任も同時に問われる可能性があります。

不正競争防止法違反

不正競争防止法は、事業者間の公正な競争及び国際的な事業者間競争を的確に実施する目的、また、公正競争によって国民経済の健全な発展を促進させる目的で、不正な競争などを禁止する法律です(同法第1条)。

不正競争防止法では、「他人の商品等表示(人の業務に関する氏名・商号・商標・標章・商品の容器や包装その他の商品または営業を表示するものなど)として需要者の間に広く認識されているものと同一もしくは類似の商品等表示を使用すること」「商品等表示を使用した商品の譲渡・引き渡し・譲渡や引渡しのための展示・輸出入・電気通信回線を通じた提供によって、他人の商品または営業と混同を生じさせる行為」を規制対象である「不正行為」に掲げています(同法第2条第1項第1号)。

商標法は「商標登録」だけが保護対象です。これに対して、不正競争防止法では、模倣品によって一般市場に誤認や混同を生じさせる危険性を有するものであれば、商標登録設定手続きを経ていなくても規制対象に含まれます。たとえば、他人が使っているロゴマークや文字が商標登録ではなくても、世間一般が「このマーク等は〇社の商品で使われている」と認識しているものなら、このマーク等を勝手に使って商品を売却すると不正競争防止法違反で罪に問われます。

ロゴマークの不正使用によって不正競争防止法違反の罪に問われたときには、「5年以下の懲役刑または500万円以下の罰金刑」の範囲で処断されます(同法第21条第2項第1号)。

詐欺罪

他人のロゴマークを使って偽ブランド品を製造して売却した場合や、偽物であることを知りながら正規品であると偽って転売した場合には、「詐欺罪(1項詐欺罪)」の容疑で逮捕される可能性もあります。

詐欺罪とは、「人を欺いて財物を交付させたとき」に成立する犯罪類型です(刑法第246条第1項)。詐欺罪の法定刑は、「10年以下の懲役刑」です。

民事責任

商標権侵害などを理由に商標法違反で逮捕されると、刑事責任とは別に民事責任も発生します。

まず、商標権者から侵害の停止・予防を請求されたときには(差止請求)、これに応じなければいけません。さらに、偽ブランド品などの廃棄や製造施設・道具などの除去などにも対応する必要があります(商標法第36条)。

次に、商標権侵害によって相手方に損害が生じたときには、「不法行為に基づく損害賠償責任」に問われます。

なお、不法行為に基づく損害賠償請求をするときには被害者側が「損害額」を主張立証するのが基本ルールですが、商標権侵害に基づいて損害賠償請求をするときには損害額がみなされたり推定されたりする点に注意が必要です(商標法第38条各項)。そのため、商標権侵害が原因で賠償責任を負わされるときには、賠償責任が高額になったり、減額について争う余地が残されていなかったりします

知的財産権問題に強い弁護士に相談すれば、高額になりがちな商標権侵害事件でも粘り強く商標権者側と交渉をして、現実的な賠償額での示談成立を目指してくれるでしょう。

商標法違反で逮捕されるときの刑事手続きの流れ

偽物のブランド品を売却した行為などが捜査機関に発覚して逮捕された後の刑事手続きの流れについて解説します。

  • 商標法違反の容疑で警察に逮捕される
  • 商標法違反の容疑について警察段階の取調べが実施される
  • 商標法違反の罪について検察官に送致される
  • 商標法違反の容疑について検察段階の取調べが実施される
  • 商標法違反の罪について公訴提起するか否かを検察官が判断する
  • 商標法違反の罪について公開の刑事裁判にかけられる

商標法違反の容疑で警察に逮捕される

商標権侵害などの商標法違反の容疑がバレると、警察に逮捕される可能性が高いです。

商標法違反は「通常逮捕」されるのが一般的

通常逮捕とは「裁判官の事前審査を経て発付される逮捕令状に基づいて実施される身柄拘束処分(強制処分)」のことです(刑事訴訟法第199条第1項)。

たとえば、被疑者が所在する可能性が高い平日早朝に、逮捕状を持参した捜査員が自宅などにやってきます。逮捕状が執行されると、被疑者の身体・行動の自由はその時点で制限されて、警察署に連行されます。逮捕状が執行された以上、「別の日に警察署に出頭するので今日はやめて欲しい」「警察署に連行される前に家族や会社に電話連絡を入れたい」などの要望には対応してもらえません。

商標法違反の罪で通常逮捕される具体的場面

商標法違反の容疑で通常逮捕されるのは、「通常逮捕の要件」を満たしたときです。後述のように、商標法違反の罪が警察に発覚したとしても、通常逮捕の要件を満たさないときには、任意捜査(在宅事件)の対象になります。

通常逮捕の要件(逮捕状の発付要件)は、次の2つです(犯罪捜査規範第118条、同規範第122条)。

  1. 逮捕の理由:被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
  2. 逮捕の必要性:留置の必要性(被疑者の身柄を強制的に拘束した状態での取調べを実施する必要性、逃亡または証拠隠滅のおそれ)があること

たとえば、商標法違反事件が以下の事情を有する場合、逮捕状発付要件を満たすことによって通常逮捕される可能性が高いでしょう。

  • 住所不定・無職・職業不詳で逃亡するおそれがある場合
  • 商標法違反や知的財産関係の前科・前歴がある場合
  • 商標法違反について余罪への関与が疑われる場合
  • 商標法違反を根拠付ける証拠品(偽ブランド品やスマホ・PCの取引履歴など)を隠蔽するおそれがある場合
  • 商標権者に生じた被害額が高額の場合
  • 商標権者との間での示談が成立していない場合
  • 商標権者の処罰感情が強い場合
  • 商標法違反の容疑についての任意の出頭要請を拒絶した場合、事情聴取で黙秘・否認をした場合
  • 複数人の関与によって組織的に商標法違反事件を起こした場合(共犯者との口裏合わせの可能性がある場合)
商標法違反の罪が警察にバレるきっかけ

商標法違反の罪が捜査機関に発覚する代表的な理由・きっかけとして、以下の端緒が挙げられます。

  • 偽ブランド品と知らずに購入した被害者が商標権者・警察に相談する
  • Web上の販売元情報がきっかけで被疑者の身元や連絡先が発覚する
  • 税関から通報される
  • 商標権侵害の商品がECサイトやフリマアプリで売却されているのを商標権者が発見する、警察のサイバーパトロールで見つかる
商標法違反の罪はいつまで通常逮捕されるのか

過去に商標権違反の罪を犯したとしても、将来ずっと逮捕リスクを抱えるわけではありません。

というのも、他の刑法犯罪と同じように、商標権違反の罪についても公訴時効制度が適用されるからです。

公訴時効とは、「犯罪類型ごとに定められている公訴時効期間が経過すると検察官の公訴提起権が消滅する制度」のことです。逮捕などの捜査活動は将来的な起訴を目的として実施されるものなので、公訴時効が完成することによって逮捕される可能性も消滅します(刑事訴訟法第253条第1項)。

たとえば、商標法違反のうち、商標権侵害の罪に関する公訴時効は「5年」です(同法第250条第2項各号)。偽ブランド品などを売却した最後の日から公訴時効がカウントされます。

商標法違反の罪を犯したときに「時効逃げ切り」を狙うのは得策ではありません。なぜなら、5年の公訴時効期間は想像しているよりも長いですし、商標権侵害行為から数年が経過してようやく市場に流通した偽ブランド品が原因で刑事事件化するケースも少なくないからです。たとえば、公訴時効完成直前に商標法違反の容疑で逮捕されると、それまで築き上げたキャリアや社会生活がすべて崩れ去ってしまいかねません。警察に商標権侵害行為などが発覚する前に自首などの防御活動を尽くせば、軽い刑事処分を獲得できる可能性が高まります。警察から連絡があるか否かにかかわらず、できるだけ早いタイミングで弁護士へ相談のうえ、今後の対処法について検討してもらいましょう
商標法違反の罪について公訴時効が完成した後も、不法行為に基づく損害賠償責任を追及される可能性があります。なぜなら、民事賠償責任の消滅時効期間は以下のように規定されており、刑事の公訴時効期間とはズレが生じるからです(民法第724条各号)。

  • 被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知ったときから3年間行使しないとき
  • 不法行為のときから20年間行使しないとき

「偽ブランド品を売却してから5年以上過ぎたから今さら逮捕されることはないだろう」と油断していると、その後商標権者からいきなり内容証明郵便や訴状が届く可能性もあるので、かならず弁護士に相談をして、現段階や今後抱えている法的リスクを評価してもらいましょう

【注意!】商標法違反は通常逮捕以外の手段で捕まることもある

商標法違反の行為が発覚したときのシチュエーション次第では、通常逮捕以外の方法で身柄を拘束される場合があります。

たとえば、偽ブランド品を扱う店舗を自らで営業しているところ、捜索差押令状を有する警察がやってきたり、110番通報を受けてかけつけた捜査員がやってきて、偽ブランド品が発見されると、その場で「現行犯逮捕」される可能性があります(現行犯逮捕とは、「現に罪を行い、または、罪を行い終わった被疑者に対する無令状での身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第212条第1項))。

また、職務質問などのタイミングで商標法違反の容疑で指名手配されている人物であることが発覚し、その場で身柄を拘束しなければ今後刑事訴追するチャンスが失われるようなケースでは、その場で「緊急逮捕」される可能性もあります(緊急逮捕とは、「死刑、無期懲役刑、長期3年以上の懲役懲役刑・禁錮刑にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときに、逮捕状の発付手続きを後回しにして理由を告げるたけで身柄拘束できる逮捕処分」のことです(刑事訴訟法第210条第1項))。

現行犯逮捕や緊急逮捕で身柄を拘束されると、後述のような厳格な時間制限が設定された刑事手続きを避けることができません。少しでも有利な状況を作り出すためには弁護士のサポートが不可欠なので、すみやかに商標法違反や知的財産事犯の経験豊富な私選弁護人までお問い合わせください

【注意!】商標法違反の罪がバレても逮捕されずに済む可能性もある

商標法違反の罪が捜査機関に発覚しても、常に通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕されるわけではありません。

というのも、各逮捕手続きにはここまで紹介したような要件が定められているからです。たとえば、通常逮捕の場合であれば、「逮捕の理由」「逮捕の必要性」という2つの要件を満たすときに逮捕状が発付されますが、商標法違反事件の状況次第では、「逮捕の必要性」を満たさないケースも少なくないでしょう。

つまり、商標法違反事件について警察から問い合わせがあったとしても、逃亡や証拠隠滅の様子を見せずに誠実に事情聴取に対応すれば、逮捕という身柄拘束処分を受けることなく刑事手続きに対応できるということです。

そして、逮捕されずに済むと強制的な身柄拘束が生じないので、日常生活に生じるさまざまなデメリットも回避できるでしょう。逮捕処分回避には早期の的確な防御活動が欠かせないので、警察から問い合わせがあるか否かにかかわらず、すみやかに弁護士までご相談ください

商標法違反の容疑で警察段階の取調べが実施される

商標法違犯の容疑で逮捕された後は、警察段階の取調べが実施されます。

事情聴取中にどのような供述をするかは自由ですが、取調べ自体を拒絶することはできません。また、逮捕処分に基づく取調べが実施されている期間中は、自宅に戻ることも、スマホなどを使って家族や会社に連絡を入れることも不可能です。

なお、商標法違反についての取調べには「48時間以内」という制限時間が設けられています(刑事訴訟法第203条第1項)。

商標法違反の容疑で送検される

警察段階の取調べが終了すると、商標法違反事件は検察官に送致されます(刑事訴訟法第246条本文)。

なお、一部の極めて軽微な犯罪類型については「微罪処分」獲得によって早期に刑事手続きを終結させる可能性がありますが、商標法違反の罪は比較的重い犯罪類型に位置付けられるので、微罪処分を獲得するのは難しいでしょう。

商標法違反の容疑で検察段階の取調べが実施される

商標法違反の罪について警察段階の取調べが終了すると、検察段階の取調べが実施されます。

警察段階と同じように、検察段階の取調べ期間中も被疑者の身体・行動の自由は大幅に制限されます。検察庁に身柄を押さえられている期間中は、帰宅することや外部と連絡をとることがすべて禁止されます。

商標法違反事件の検察段階の取調べは原則24時間以内

検察段階で実施される取調べの制限時間は「原則24時間以内」です(刑事訴訟法第205条第1項)。

警察段階48時間以内と検察段階24時間以内を合算した「72時間以内」に、商標法違反の罪について公訴提起するか否かが判断されます。

商標法違反事件が勾留請求されると身柄拘束期間は例外的に延長される

ただし、商標法違反事件のような複雑な事件類型では、原則的な72時間以内の捜査活動では公訴提起判断に必要な証拠を収集できないケースも少なくありません。

「やむを得ない理由」によって捜査機関が72時間の制限時間を遵守できないときには、検察官による勾留請求が認められています(刑事訴訟法第206条第1項)。裁判官が勾留状を発付すると、被疑者の身柄拘束期間は「10日間~20日間」の範囲で延長されます(同法第208条各項)。

つまり、商標法違反の罪を犯して逮捕・送検された後、検察官が勾留請求に踏み出すと、最長23日間の身柄拘束期間が生じるということです。

身柄拘束期間が長期化するほど日常生活に生じるデメリットは甚大なものになります。社会生活への支障を軽減するためには「身柄拘束期間短縮化」を目指した防御活動が欠かせないので、かならず商標法違反事件の経験豊富な弁護士までご依頼ください

勾留請求される可能性が高い商標法違反事件の具体例

検察官が勾留請求をするのは「やむを得ない理由」があるときです。

たとえば、商標法違反事件や被疑者の態度などに以下の事情が存在する場合、勾留請求によって身柄拘束期間が長期化する危険性があります。

  • 商標法に抵触する多種多様な偽ブランド品を製造・販売した疑いがかけられている場合
  • 長期的に商標法違反の偽ブランド品を取り扱っており事件の全貌把握に相当の時間を要する場合
  • 商標権者や偽ブランド品の購入者など、多数の関係者の参考人聴取に時間を要する場合
  • スマホやECサイトの販売履歴の調査やログ解析に時間を要する場合
  • 偽ブランド品などの商標法違反行為が組織的に行われていた場合
  • 商標法違反の罪について被疑者が黙秘・否認している場合

「事情聴取で罪を認めると不利になるかもしれない」「警察や検察官の事情聴取には黙ってやり過ごした方が得だ」という考えは適切ではありません。

むしろ、真摯に反省の態度を示しながら不利にならない範囲で丁寧に供述をした方が身柄拘束期間の短縮化や軽い刑事処分獲得を達成しやすくなるでしょう。

捜査活動に対してどのような対応をするかは、商標法違反事件の態様によって異なります。かならず刑事事件経験豊富な弁護士の意見を参考にしながら、事情聴取への対応方法についてもアドバイスをもらいましょう。

商標法違反について起訴・不起訴が決定される

商標法違反事件について検察段階の取調べが終了すると、検察官が公訴提起するか否か(起訴か不起訴)を決定します。

起訴処分とは、「商標法違反事件を公開の刑事裁判にかける旨の訴訟行為」のことです。これに対して、不起訴処分とは、「商標法違反事件を公開の刑事裁判にかけず、検察限りの判断で刑事手続きを終結させる旨の意思表示」を意味します。

日本の刑事裁判の有罪率は約99%です。つまり、検察官が起訴処分を下して刑事裁判にかけられることが確定した時点で、有罪を避けるのは難しいということです。

以上を踏まえると、商標法違反の罪を犯して実刑判決・執行猶予付き判決が下されるのを避けたいのなら、「不起訴処分の獲得」は必須です。不起訴処分を獲得するには捜査段階からの防御活動が欠かせないので、できるだけ早いタイミングで刑事事件に強い私選弁護人までご依頼ください

商標法違反の容疑で刑事裁判にかけられる

検察官に起訴処分を下されると、商標法違反の容疑で刑事裁判にかけられます。

公開の刑事裁判が開廷されるタイミングは「起訴処分から1カ月~2カ月後」です。公訴事実に争いがなければ第1回公判期日で結審して後日判決が言い渡されます。これに対して、否認事件の場合には複数の公判期日で弁論手続き・証拠調べ手続きが行われて判決言い渡しに至ります。

たとえば、商標権侵害の罪の法定刑は「10年以下の懲役刑または1,000万円以下の罰金刑(併科あり)」なので、初犯でも一発実刑の危険性に晒されます。刑務所への服役を強いられると刑期を満了するまで社会生活から完全に隔離されるため、社会復帰の難易度が高くなってしまいます。

したがって、商標法違反の容疑で逮捕・起訴されたときには、執行猶予付き判決や罰金刑獲得を目指した防御活動が不可欠です。自首減軽や酌量減軽などの選択肢を増やすためにも、できるだけ早いタイミングで刑事事件に強い弁護士までご相談ください

商標法違反の罪で逮捕・起訴されると刑事裁判まで身柄拘束のリスクに晒される

商標法違反の罪について起訴処分が下された後、すみやかに保釈請求をおこなってこれが認められたら身柄拘束処分が解かれて日常生活に復帰できます。

しかし、保釈手続きを履践しなかったり、以下の理由をもって保釈請求が却下されたりすると、起訴後勾留によって刑事裁判まで身体拘束が継続する危険性があります(刑事訴訟法第60条第1項)。

  • 被告人が定まった住居を有しないとき
  • 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があるとき
  • 被告人が逃亡すると疑うに足りる相当の理由があるとき

このようなケースでは、起訴後2カ月(場合によっては1カ月ごとに延長)身柄拘束が継続するため、仮に執行猶予付き判決を獲得できたとしても、日常生活に復帰するのが困難になりかねません

したがって、商標法違反の罪で逮捕・起訴されたときには、すみやかに弁護士のアドバイスを参考に、適切な保釈手続きを履践してもらいましょう。

商標法違反の容疑で逮捕・起訴されたときは略式手続きも選択肢に入る

商標法違反の罪で逮捕・起訴されたときには、略式手続きによる刑事手続きの早期解決も選択肢に入ってきます。

略式手続き(略式起訴・略式命令・略式裁判)とは、「簡易裁判所の管轄に属する刑事事件について100万円以下の罰金刑が想定される場合に、被疑者側の同意がある場合に限って、公開の刑事裁判を省略して簡易・簡便な形で罰金刑を確定させる裁判手続き」のことです(刑事訴訟法第461条)。

たとえば、商標権侵害の罪の法定刑は「5年以下の懲役刑または500万円の罰金刑(併科あり)」なので、検察段階までの捜査手続きで適切な防御活動を展開した結果、検察官が100万円以下の罰金刑を求刑する予定のときには、公開の刑事裁判を省略して罰金刑を早期に確定させることができます。

ただし、略式手続きを選択すると、公開の刑事裁判で反論する機会を放棄することになりかねません。否認事件で無罪判決獲得を目指すなら、略式手続きに同意するべきではありません。

刑事裁判経験豊富な弁護士へ相談すれば刑事裁判で無罪判決を獲得できる可能性や罰金の金額を引き下げられる可能性を見込んで、現段階で略式手続きに同意するべきか否かを判断してくれるでしょう。

商標法違反で逮捕されたときに生じるデメリット6つ

個人がフリマアプリなどを使って偽ブランド品を販売したような事案でも、商標法違反の罪を犯したことを理由に逮捕される可能性があります。

そして、商標法違反の容疑で逮捕されると、以下6つのデメリットが生じる可能性が高いです。

  1. 身柄拘束期間が長期化する危険性に晒される
  2. 実名報道されるリスクに晒される
  3. 高額の賠償責任を問われる可能性が高い
  4. 商標法違反の容疑で逮捕されたことが勤務先にバレると懲戒処分の対象になりかねない
  5. 商標法違反の容疑で逮捕されたことが学校にバレると何かしらの対象になりかねない
  6. 商標法違反の容疑で逮捕・起訴されると前科がつく可能性が高い

悪質な商標法違反のケースでは長期間身柄拘束される可能性が高い

商標法違反事件の態様次第では、長期間身柄拘束されるリスクに晒されます。

たとえば、警察からの任意の出頭要請を無視すると、通常逮捕によって起訴・不起訴が確定するまで72時間以内(2~3日間)の身柄拘束期間を覚悟しなければいけません。勾留請求がおこなわれると、身柄拘束期間は最長23日間に及ぶリスクまで生じます。さらに、保釈請求が却下されて起訴後勾留が続くと、刑事裁判が確定するまでの数カ月間日常生活から隔離される危険性にも晒されます。

日常生活へ生じるデメリットの大きさを考えると、身柄拘束期間はできるだけ短い方が良いです。たとえば、仮に不起訴処分を獲得できたとしても、それまでに数週間に及ぶ身柄拘束期間が生じるだけで刑事訴追された事実が会社にバレてキャリアにキズが付くリスクに晒されるからです。

身柄拘束期間を回避・短縮化するには、警察から連絡があった時点で弁護士へ相談をして「逮捕・勾留されない防御活動」に着手してもらうのが有効です。現段階で警察から問い合わせがない状況でも、商標法違反に心当たりがあるなら、すみやかに弁護士までお問い合わせください

悪質な商標法違反は実名報道されるリスクがある

偽ブランド品の転売などは世間の関心が高いトピックなので、実名報道される危険性に晒されます。

実名報道されるタイミングは「商標法違反の罪で逮捕されたとき」が多いです。その後不起訴処分になろうが、執行猶予付き判決が確定しようが関係ありません。

そして、実名報道されると、インターネット上に犯罪に加担した事実が一生残ります。身近な人に知られるだけではなく、今後転職活動するときの支障にもなりかねません。

実名報道を回避するには、「逮捕されないこと」が重要です。いきなり通常逮捕されたときには実名報道リスクを回避しきれませんが、事前に任意の出頭要請をかけられたときには捜査に真摯な姿勢を見せて在宅事件化を目指すべきでしょう。

商標法違反は高額の賠償責任を問われる可能性がある

商標権侵害など、商標法違反の容疑で逮捕されると、刑事責任とは別に民事の賠償責任を追及される可能性が高いです。

そして、商標法では損害賠償額についてケースごとに推定規定を置いているので、賠償責任が非常に重くなる危険性があります。

たとえば、被疑者・被告人が商標権侵害によって利益を得たときには「その利益の額」が損害額として推定されます(商標法第38条第2項)。また、実際に利益を得ていないとしても「登録商標の使用に対して受けるべき金銭の額に相当する額」が損害額の推定を受けます(同法第38条第3項)。

商標権侵害に基づく損害賠償責任は自己破産をしても免責される可能性は低いです。財産の強制執行などのリスクもついて回るので、早期に弁護士へ相談をして支払い可能な金額・支払方法などについて示談成立を目指してもらうべきでしょう。

商標法違反の容疑で逮捕されたことが会社にバレると懲戒処分の対象になりかねない

偽ブランド品の売却など、商標法違反の容疑で逮捕・起訴されたことが勤務先に発覚すると、何かしらの懲戒処分が下される可能性が高いです。

どのような懲戒処分が下されるかは、勤務先の就業規則に規定されている懲戒事由次第です。一般的な懲戒処分は「戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇」に分類されます。

たとえば、他社のロゴマークを使って大量に偽物を市場に流通させた深刻な事案では懲戒解雇処分が下されても文句を言いにくいでしょう。これに対して、フリマサイトを通じて1回だけ偽ブランド品を売却したような事案では、比較的軽い懲戒処分で済む可能性もあります。

刑事事件に強い弁護士へ相談をすれば会社側から下された懲戒処分に対して異議を申し立てるなどの対抗策を検討してくれます。また、在宅事件化や不起訴処分獲得など、「会社にバレない防御活動」も意識してくれるでしょう。

商標法違反の容疑で逮捕されたことが学校にバレると何かしらの処分が下されかねない

学生が商標法違反の罪を犯して学校にバレると、何かしらの処分が下される可能性が高いです。

学校側から下される処分内容は、学則・校則の内容にしたがって判断されます。

たとえば、犯罪行為に対して厳しい考え方をもっている学校の場合、商標法違反の罪を理由に退学処分を決定することもあるでしょう。また、普段の生活態度や更正の見込みを考慮して、厳重注意や短期間の停学処分で済む可能性もあります。

単位や出席日数への影響を軽減するなら、「学校にバレないこと」が何より重要です。在宅事件化や不起訴処分獲得が有効な防御活動になるので、できるだけ早いタイミングで刑事事件に強い私選弁護人のサポートを受けるべきでしょう

商標法違反の容疑で逮捕・起訴されると前科によるデメリットに悩まされ続ける

商標法違反の容疑で逮捕・起訴されると、高確率で有罪判決が下されます。

そして、有罪判決が下されると、刑事責任以外に「前科」が付く点に注意が必要です。実刑判決だけではなく、執行猶予付き判決や罰金刑でも前科が付きます

前科とは、「有罪判決を受けた経歴」のことです。前科者として扱われると、今後の社会生活に以下のデメリットが生じます。

  • 前科情報は履歴書の賞罰欄への記載義務が生じる(就職活動・転職活動が困難になる)
  • 前科を理由に就業が制限される職業・資格がある(士業、警備員、金融関係など)
  • 前科や逮捕歴は「法定離婚事由」に該当するので、配偶者からの離婚申し出を拒否できない
  • 前科を理由にビザ・パスポートの発給が制限されると、自由に海外旅行・海外出張できない
  • 前科者が再犯に及ぶと刑事責任が重くなる可能性が高い

「前科が原因で仕事ができなくなると困る」「恋人に前科がバレるのは避けたい」と希望するなら、「前科をつけないこと=不起訴処分を獲得すること」が重要です。

特に、商標法違反の容疑で逮捕されたときには、起訴・不起訴の判断までの期間が限られているので、刑事事件実績豊富な弁護士に短期間で効果的な防御活動を展開してもらいましょう

商標法違反の容疑で逮捕されたときに弁護士へ相談するメリット3つ

商標法違反の容疑をかけられたときには、すみやかに弁護士へ相談することを強くおすすめします。

なぜなら、知的財産関係や刑事事件を専門に扱っている弁護士のサポートを受けることで、以下3つのメリットを得られるからです。

  1. 商標権者との間で早期に示談成立を目指してくれる
  2. 少しでも軽い刑事処分獲得を目指してくれる
  3. 接見機会を通じて身柄拘束中の被疑者にさまざまなメリットをもたらしてくれる

なお、商標法違反の容疑で逮捕されたときには「当番弁護士制度」も利用できますが、少しでも有利な刑事処分を獲得して社会復帰の可能性を高めたいなら「私選弁護人」と契約するべきです。

当番弁護士制度を利用してもどのような専門分野の弁護士がやってくるかは分かりませんが、私選弁護人なら知的財産問題に強い専門家をご自身の判断で選ぶことができるでしょう。

商標権者との間で早期の示談成立を目指してくれる

弁護士は、商標権者との間で早期の示談成立を目指してくれます。

示談とは、「刑事事件事件の加害者・被害者の当事者同士で解決策について直接話し合いを行い、一定の示談条件で合意を形成したうえで和解契約を締結すること」です。

本来、示談は民事責任に関するものですが、「当事者間で示談が成立していること」が刑事処分の重さを決定するときに重要視されるのが実情です。たとえば、示談が成立していることで、不起訴処分や執行猶予付き判決・罰金刑を獲得しやすくなります

示談契約にどのような条件を掲げるかは当事者が自由に決定できるのが原則ですが、一般的な示談条件として以下のものが挙げられます。

  • 加害者が商標権者に対して一定の示談金(営業損害額、慰謝料など)を支払う
  • 示談成立をもって、商標権者は提出済みの被害届・告訴状を取り下げて、「処罰感情がないこと」を捜査機関や裁判所に伝える(宥恕条項)
  • 被害申告前なら、示談成立をもって事件の終局解決とし、商標権者は捜査機関に被害届・告訴状を提出しない

商標法違反事件の示談交渉を弁護士へ依頼するメリット

示談交渉は当事者同士で自由に進めることができます。

しかし、民事責任・刑事責任の両者に気を配りながら少しでも有利に示談交渉を進めたいなら、弁護士に依頼をした方がスムーズです。

示談交渉を得意とする弁護士へ依頼することで、以下のメリットを得られます。

  • 身柄拘束中の被疑者に代わって商標権者との示談交渉を進めてくれる
  • 弁護士が代理人に就任した方が商標権者の連絡先を入手しやすい
  • 和解契約書の準備や実際の交渉など、弁護士が示談手続きすべてを代理してくれるので、労力を節約できる
  • 高額になりやすい商標権侵害の賠償額を常識的な範囲に抑えてくれる、返済可能な支払い条件での合意を形成できる

特に、商標法違反事件では、賠償額の算定が相当テクニカルになる可能性が高いです。

生じていない損害額まで背負わされると一生弁済生活が続いて安定した生活基盤を確保しにくくなるので、弁護士に交渉を代理してもらったうえで、常識的な範囲の示談条件締結を目指すべきでしょう。

少しでも軽い刑事処分獲得を目指して尽力してくれる

弁護士は、刑事手続きの各ステージに応じて適切な防御活動を実施して、少しでも有利な刑事処分獲得を目指してくれます。

自白

偽ブランド品の売却などの商標法違反が捜査機関に発覚する前なら、「自首」が有効な防御活動として挙げられます。

自首とは、「まだ捜査機関に発覚しない前に、犯人自ら進んで商標法違反該当行為に及んだ事実を申告し、刑事処罰を求める意思表示」のことです(刑法第42条第1項)。

自首が有効に成立すれば、「刑の任意的減軽」というメリットを得られます。たとえば、商標法違反の容疑で逮捕・起訴されたとしても、実刑判決を回避して執行猶予付き判決・罰金刑を獲得しやすくなるでしょう。

ただし、公訴時効完成直前で逃げ切りが期待できそうな状況で、わざわざ数年前の商標法違反について捜査機関に申告する実益は乏しいと考えられます。特に、偽ブランド品を大々的に売却して相当の収益を得ていたような事案では、自首をしたとしても、逮捕・勾留による身柄拘束処分を受けて実刑判決が下される可能性もゼロではありません。

したがって、商標法違反について自首をするときでも、かならず出頭前に弁護士へ相談をして、「自首をするべきか否か」「自首をした後の取調べでどのような供述をするのか」についてアドバイスをもらうべきでしょう。

勾留阻止

商標法違反の罪で逮捕されたときには、「勾留阻止」を目的とした防御活動が欠かせません。

なぜなら、勾留請求されると身柄拘束期間が最短でも10日間延長されるため、社会生活に生じるデメリットが大きくなるからです(たとえば、勾留を回避すれば会社バレ・学校バレのリスクを大幅に軽減できますが、勾留請求で数週間の身柄拘束期間が生じると学校や会社に隠し通すのは不可能に近いでしょう)。

勾留を阻止するには、事情聴取へ誠実に対応したり、公訴提起判断に至るまでに商標権者との間で示談を成立させることが役立ちます。警察から連絡が来る前に弁護士に相談をすれば捜査活動に先んじて示談交渉を開始できるでしょう。

勾留阻止活動を進める過程で、捜査機関から「逮捕の必要性がない」という判断を勝ち取ると、公訴提起判断に至る前の段階でも在宅事件に切り替わるケースもあります。この場合、身柄拘束期間は数時間程度で済む可能性もあるでしょう。「逮捕の必要性がない」と判断されるには、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを証明しなければいけません。早期の身柄釈放を希望するなら、弁護士のアドバイスを参考にして、事情聴取には誠実に対応するとともに、捜査機関からの要請に応じて証拠物等を提出するべきでしょう。

不起訴処分

商標法違反の容疑で逮捕・勾留されたときには、「不起訴処分の獲得」が最大の防御目標になります。不起訴処分を獲得できれば、有罪リスクは完全に消滅しますし、前科によるデメリットに悩まされることもなくなるからです。

偽ブランド品の売却経験がある被疑者のなかには、「実際に商標法違反の行為に及んだ事実には間違いないのだから、刑事裁判にかけられるのは仕方ない」と諦めてしまう人が多いです。

しかし、不起訴処分は以下3種類に分類されるので、実際に商標法に抵触しても不起訴処分を獲得するのは不可能ではありません。

  • 嫌疑なし:商標法違反の行為に及んでいない冤罪・誤認逮捕のケース
  • 嫌疑不十分:商標法違反の罪を立証する証拠が不足しているケース
  • 起訴猶予:商標法違反の罪を根拠付ける証拠は存在するが、諸般の事情を総合的に考慮すると刑事裁判にかける必要がないと判断できるケース

商標法違反の罪の容疑で逮捕・勾留されたときの防御目標は「起訴猶予処分の獲得」です。

起訴猶予に付するか否かを判断するときには、犯人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の情況などの諸般の事情が総合的に考慮されます(刑事訴訟法第248条)。

検察官から起訴猶予処分を引き出すには、示談が成立していることや、事情聴取で真摯に反省の態度を示していることなどのポイントを押さえた防御活動が不可欠です。かならず不起訴処分獲得実績豊富な私選弁護人までご依頼ください。

保釈請求

商標法違反の容疑で逮捕・起訴された後は、起訴後勾留を回避するために、早期の保釈手続きが不可欠です。保釈請求が認められると、刑事裁判期日までは社会生活に復帰できます(その後、執行猶予付き判決・罰金刑が確定すると、そのまま更生の道がリスタートします)。

保釈請求は以下3種類です。弁護士の意見を参考に、状況に応じて適切な手続きを履践してもらいましょう。

  • 権利保釈(保釈除外事由に該当しない限り認められる保釈)
  • 裁量保釈(裁判官の裁量によって認められる保釈)
  • 義務的保釈(身柄拘束期間が不当に長期化している場合に認められる保釈)

執行猶予付き判決

商標法違反の罪で逮捕・起訴されたときには、「執行猶予付き判決の獲得」が防御目標になります。

執行猶予とは、「所定の猶予期間を無事に満了すれば、実刑判決が執行されることなく刑事責任が消滅する制度」のことです。刑務所に服役することなく刑事責任を果たしたことになるので、キャリアや学歴が途絶えるリスクを大幅に軽減できます。

ただし、執行猶予付き判決を獲得するには、「3年以下の懲役刑・禁錮刑・50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたとき」という要件を満たさなければいけません(刑法第25条第1項)。

つまり、商標権侵害などの法定刑は「5年以下の懲役刑または500万円の罰金刑(併科あり)」なので、自首減軽や酌量減軽などの防御活動を尽くして量刑を下げなければ執行猶予は付かないということです。

したがって、不起訴処分の獲得に失敗に終わったときには、かならず刑事裁判経験豊富な弁護士のノウハウを活かしてもらうべきでしょう。

その他商標法違反に役立つ法的主張

商標法違反や知的財産事件に強い弁護士は、事案の状況に即した法的主張を展開してくれます。

具体的な反論方法として以下のものが挙げられます。

  • 類似性を否定して商標権侵害がないと主張する
  • 「商標的な使用ではない」と主張して侵害に該当しないと主張する
  • 先使用権を主張して真の商標権者であることを示す
  • 商標不使用を根拠に他社の商標の取り消しを求める
  • 他社による横取りを根拠に商標無効を主張する
  • 「偽物であること」に対する故意が欠けていると主張する

商標法違反の罪で刑事訴追された場合、一般の刑法犯罪よりもテクニカルな防御方法を検討する必要があります

法律事務所のホームページには過去の実績や得意分野が掲載されているので、かならず商標法事犯や知的財産関係に強い弁護士までお問い合わせください

身柄拘束中の被疑者に対して接見機会を通じてさまざまなメリットをもたらしてくれる

逮捕・勾留中の被疑者は接見禁止処分が付されることが多いので、弁護士以外の第三者とは一切面会できません

しかし、身柄拘束中の被疑者には接見交通権</strong>が認められているので、弁護士とだけはいつでも自由に面会でき、また、書類・物の授受が可能です(刑事訴訟法第39条第1項)。

弁護士との接見は被疑者に以下のメリットをもたらしてくれるでしょう。

  • 身柄拘束中の被疑者の唯一の味方として励ましてくれる
  • 時々刻々と推移する捜査状況を踏まえて防御方針を明確化してくれる
  • 「被疑者ノート」を差し入れて違法捜査への警告をしてくれる
  • 家族や会社への伝言、安否確認をしてくれる

商標法違反の容疑で逮捕されるか不安なときは弁護士へ相談しよう

偽物のブランド品を売却するなど、商標法違反の罪を犯して刑事訴追されると、初犯でも厳しい刑事処罰が下される可能性が高いです。

社会復帰への難易度を少しでも軽減するには、示談交渉などの防御活動へ早期に着手する必要があります。

当サイトでは知的財産権に関する紛争に強い法律事務所を多数掲載しておりますので、実績・年齢・性別などから信頼できる弁護士までお問い合わせください

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。
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