学習 社会

親潮と黒潮 混同しがちな日本近海の海流は名前の由来を調べて印象づける

2018年5月30日 ゆずぱ

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社会科の勉強をしていると、どうしても混同してしまうものがありますよね。勉強した記憶はあるのに、どっちがどっちだか忘れてしまう。世の中には数多くの語呂合わせや、工夫を凝らした暗記法がありますが、正攻法の暗記法として名前の由来や背景にあるストーリーを調べることで記憶に印象づけるという方法があります。

中学受験で混同しがちな「親潮」や「黒潮」といった日本近海の海流も、名前の由来を子供と読み合わせるだけで記憶の定着には効果バツグンです。

本題の前に、中学受験でおさえるべき4つの海流と水産資源

名前の由来を調べる前に中学受験でおさえるべき4つの海流をおさらいしましょう。太平洋側の暖流と寒流、日本海側の暖流と寒流の4つです。

そして、太平洋側の海流にはいずれも別名が付いています。それが親潮と黒潮ですね。そして、中学受験を乗り切るためには暖流と寒流にのってやってくる水産資源(とれる魚)をおさえておく必要があります。

太平洋側の親潮(千島海流)と黒潮(日本海流)

太平洋側の暖流は 黒潮(日本海流)

日本のはるか南からやってきて、日本の太平洋側をとおり千葉県の房総半島あたりまでおよぶ暖流です。この暖流付近では、日本の食文化の王様ともいえる「まぐろ」や「かつお」がとれるのがポイントです。静岡県の焼津港で「まぐろ」や「かつお」の漁獲量が多いのはこのためですね。

太平洋側の寒流は 親潮(千島海流)

黒潮とは反対で、日本の北から流れてきて岩手県の三陸海岸あたりまでおよぶ寒流です。この寒流付近では「さんま」や「たら」がとれます。これも日本の食卓ではメジャーですね。北海道の釧路や岩手県や宮城県の漁港はこれらの魚をとっています。

そして、黒潮と親潮がちょうどぶつかる、岩手県の三陸海岸沖あたり海域を「潮目(しおめ)」といいます。暖流の魚も、寒流の魚もとれる海域なので良いとこ取りですね!

岩手県に漁港が多い理由のひとつとして、リアス式海岸で波が穏やかなので港をつくりやすいというのもありますが、もうひとつの理由がこの潮目に近いからです。

日本海側のリマン海流と対馬海流

日本海側の暖流は 対馬海流

この海流は 太平洋側を流れる黒潮の支流にあたります。沖縄あたりで黒潮から分かれて、日本海側に流れ込む海流です。この海流には「ぶり」が回遊しています。「ぶり」の漁獲量を見てみると、長崎県や石川県や島根県などの日本海側の漁港が名を連ねますが、対馬海流のおかげですね。

注意事項が1点だけあります。この対馬海流の恩恵をいちばん受けている長崎県は「たい」の漁獲量も圧倒的に高いのですが「たい」は暖流にのってやってきたわけではありません。「たい」はあまり移動しない魚なのです。

日本海側の寒流はリマン海流

日本の北の方からやってきて日本海側に流れ込みます。この海流には「にしん」が回遊しており、北海道では「にしん」がたくさんとれていますね。

親潮や黒潮の名前の由来を調べてみる

親潮や黒潮はなぜそのように呼ばれているのか? 暗記方法の正攻法のひとつとして、由来や背景にあるストーリーを調べてみるというものがあります。

なぜ由来を調べるだけで記憶に残りやすいのか? 人間の脳は意味のない物事を自然と忘れるようにつくられています。単なる単語ではなく、背景にあるストーリーを知ることで意味のある情報に変えて忘れないようにするのです。

親潮の名前の由来は?

親潮は黒潮に比べ栄養分が豊富であることがその由来です。栄養分が豊富なので「魚を育てる親のような存在」ということで名付けられたということです。

実際に中学受験でも出題される年間5万トン以上の漁獲高のある漁港を日本地図に書いてみると、この親潮が通る流域に集中していることがわかりますね。

黒潮の名前の由来は?

黒潮の名前の由来は、その名のとおり「青黒く見えるから」です。黒潮は親潮とは対照的に栄養分が少ないために透明度が高く、青く黒く見えるのです。

暖かい方が栄養が多く、冷たい方が栄養が少ないように思えてしまいますが、実際は逆なんですね。

黒潮は栄養分は低いですが、その流れにのって「まぐろ」や「かつお」が日本近海までやってきます。特に焼津港の漁獲量に大きく貢献しています。

まとめ

日本近海には4つの海流があり、どうしても混同してしまいがちですね。語呂合わせや暗記の工夫も良い方法かとは思いますが、名前の由来など背景にあるちょっとしたストーリーを知ることで頭に残ったりします。

親潮は栄養が豊富で魚を育てる親のような存在。その結果、三陸海岸や北海道には多くの漁港があります。黒潮は栄養が少ないために青黒く見えます。しかし、「まぐろ」や「かつお」を日本まで運び、焼津港などに貢献しています。

※記事の内容は執筆時点のものです

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