アニータ・アルバラードさん@チリ

〈2010/03/17 登録〉

震災復旧のさなか、チリでは20年続いた中道左派から同右派への歴史的「政権交代」 ── 新大統領にかの地の大富豪、セバスティアン・ピニェラ氏が就任いたしましたぁ。

チリの巨大企業グループを統括している新大統領。長かった野党時代は、自身の持つTV局《CHV-チリビジョン》を通じて、社会の疲弊や政策の不備不正をビシバシ攻撃。過激な批判や嗤いをお茶の間に届け、国民(特に若年~働き盛り層)の喝采を浴びてきたのですね。

そんなお神輿のひとつに奉られて「出稼ぎ娼婦からセレブ芸能人に」なったのが、みなさんよ~くご存知の、あのアニータさん^^;

青森の巨額横領事件の渦中に曝された2002年あたりは、たしかにアニータさん自らが“舞い上がって”ました。歌手してみたりヌード女優になったり、夢にまで見たキラ星のスターになれるかも?の一念で“欲負けの悪ノリ”気味な部分がありました。《CHV》も彼女の豊胸手術をドキュメンタリー番組にしたり、ゲテモノ好奇路線に彼女を誘い込みました。

k1936479426しか~し、マスコミに見せびらかしていた豪邸もほどなく(追い出されて)競売にかけられ、自身も「知人を儲け話でそそのかして、日本に呼び寄せたのではないか?」という《売春幇助》容疑で逮捕されちゃうに至って芸能界からの“ラブコール”は激減。あたかも『ロス疑惑』の故・三浦容疑者みたぃな「灰色イメージ」が彼女の周囲を脅(おびや)かすように。。。

彼女とその親族らは(ナンとか隠しおおせた蓄財を元手に)ボディガード付きの高級アパートに閉じこもるよーになり、丸3年ほどの間、TV番組への露出は途絶えたのでした。

で、フツーならこのまま(冷たい世間の風に吹かれて)忘れ去られるところが、意外や意外の「大逆転」劇!? 2007年になってまたまた次期大統領の操る人気チャンネル《チリビジョン》が、「ゲイシャのアニータ」を再び華やかなショウビジネスの表舞台へと“引っ張り出したんでありますねぃ^^;

コトの顛末は、↓こうです。

別の(与党寄りの)TV局ネットが、アニータさんが売春を幇助していた嫌疑は濃厚だ!と(一部は勝手な憶測で)報道したことに対し、彼女は孤高に闘いを挑み、報道当事者を提訴。家族も最後まで片寄せあい励まし合い。。。ついには高額で正当な示談金を勝ち取ったんですね。こりゃ左派政権攻撃のネタに使える!って(お偉方の)思惑もはたらき、この間のアルバラード一家の「波乱万丈の5年間」を独占取材。ゴールデンタイムに二週連続で、誰もが泣ける“人間ドキュメンタリー”番組を仕立てよう♪ っつぅことになったのです。

出来上がった「感動巨編」は、まんまと30%の高視聴率を稼ぐ大成功! 件の番組《Beautiful People》をドル箱プログラムにしちゃったのでありました。

>第1回放送・・・現在の慎ましい?暮らしぶり & TV復帰に感涙のアニータ
>第2回放送・・・は、観るまでもありませんね。事件後初めて日本の刑務所に“ダンナ”を見舞う、あの呆れた『バカ騒ぎツアー』を美談化した「ドキュメント」です。

まあ悲しいかな、多くのチリ国民の羨望の的なワケです彼女は。貧困から叩き上げて金持ちに ── 大きな天変地異があれば公然とスーパーマーケットで集団強奪をやらかして悪びれない国民性。社会不安から少子化が進むチリに住みながら、4人の男から7人の子宝をもうけ、オトコたちの手など借りずに大枚を稼ぎ、がっつりと育て上げる ── そのための手段の善悪がどーであれ、誰かを面白半分に殺したのでもなく、この世の不公平を逆手にとったのなら、嗚呼ナンてタクマしい母親。。。あなたこそは神々しい「英雄 ☆ 市民の誇り(慕)」なのです。

で。こーゆう、大衆からの支持をTV局はほっときません。

もちろん、自由競争下の勝ち組を讃えたがる新政権にとっても望ましいキャラで、下手したら末は国政に担ぎ出されるやも!?しれません。今では《CHV-チリビジョン》お抱えの、なく子も黙らす『ご意見番』。 (日本でいったらサンジャポ・ファミリー的な)「準レギュラー級」コメンテーターとして引っ張りだこ!のアニータおばさん・・・なのでした。

最後にひとつ、余談。

かの、青森の県住供給公社の経理主幹(2016年に出所)は「ナンで、アニータみたく“ブサイクなガイジン女”になんか惚れこんだの??」と、さぞかし平成世代のオトコなら疑問に思うだろ。

元・受刑者と同じ世代なら、その答えは簡単明瞭だ。彼が思春期の時分、ニッポンには《ゴールデン・ハーフ》というセクシー系アイドルグループが存在した。なかでもダントツ一番人気だったメンバーが、ドリフ(ターズ)伝説のTV番組『8時だヨ❕ 全員集合』のゲストコント等で男児ティーンを虜(とりこ)にしたエバ、って娘。で実は実は……当のアニータこそ、その想い出の”エバ嬢”に激似の❕❔顔立ちだったのだ。

馬鹿だよねえ。

しがないオトコの(思春期にシコシコ育て上げた)一途な妄想なんて、本当に救いよーもなく愚か。そんなんで軽々しく巨額横領にノメり込み、自身の後半生をポ~ン🎵と棒に振るんだもの。今や60歳越えた元・受刑者に安定した再就職先は望むべくもなく、2019年にはあろうコトか世話になった更生支援機関のカネ十数万円をも、横領と持ち逃げした疑いを持たれている。

ってな次第で……貢いで地獄。貢がれて天国 ─── ふしだらな男女関係の決壊は、かくも鮮やかな明暗を太平洋の両端に与えたり。黙祷っ

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