南井正弘の「毎日走って、わかった!」

GPSウォッチ「スント 5 ピーク」は39gの軽量ボディで100時間駆動を実現!

スントは、北欧ブランドならではの洗練されたデザインと高機能を融合することで、アウトドア&スポーツ向けGPSウォッチの世界で確固たるポジションを築き、ランナーからも高い信頼を得ているブランドだ。

そんなスントが2022年3月31日に発売を開始したGPSウォッチが、「スント 5 ピーク(Suunto 5 Peak)」だ。39gという軽量性を始め、あらゆるアクティビティに対応するスポーツ・アウトドア機能、GPS機能オン状態で最大100時間というバッテリー駆動時間、ミュージックコントロール機能、そして睡眠と毎日の健康の追跡管理など、従来の「スント 5」から大きく機能性が向上している。

「スント 5 ピーク」の「Ridge Sand」。公式サイト価格は43,890円(税込)

「スント 5 ピーク」の「Ridge Sand」。公式サイト価格は43,890円(税込)

「スント 5」は、2019年にリリースされて以来、そのすぐれた機能性により同ブランドのキープロダクトの地位に君臨してきた。「GPSモード」で最大40時間のバッテリーライフを始めとした高機能をアスリートに提供し、良好なセールスを記録してきた。高価格帯製品の多いスントのラインアップでは、どちらか言うと買いやすいプライスだったのもうれしい点だった。

そんな「スント 5」のニューバージョンとして今春に登場したのが、「スント 5 ピーク」である。外観の大きな変更点でまず気付くのは、そのサイズ。「スント 5」が46(横)×46(縦)×14.6 (厚さ)mmなのに対し、「スント 5 ピーク」は43(横)×43(縦)×12.9(厚さ)mmと、小さく薄くなった。重量も66gから39gへと大幅に軽量化された点も注目に値する。そして、バッテリーライフに関しても、GPS作動時で最大100時間へと駆動時間を大きく伸ばしており、100kmのウルトラマラソンはもちろんのこと、100マイル(約160.934km)のロングトレイルレースにも対応することが可能になったのは、トレイルランニング愛好家には朗報と言えるだろう。

ランニングはもちろんのこと、80種類以上のアクティビティに対応

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カラーディスプレイを採用しており、走行中も視認しやすいフォントがありがたい

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専用アプリ「Suunto」では、さまざまなデータを収集・分析でき、パフォーマンスアップに活用できる

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現在もフィンランドで生産されていることは、ガジェット好きには購買動機のひとつになるはず!

現在もフィンランドで生産されていることは、ガジェット好きには購買動機のひとつになるはず!

快適な着け心地と軽さで走行時のジャマにならない!

実際に使ってみた!

実際に使ってみた!

「スント 5 ピーク」を手に取ってまず感じたのは、その軽さである。最近はカロス(COROS)のGPSスポーツウォッチ「ペース 2」のように、29g(ナイロンバンド使用時)という、GPS機能搭載ウォッチとしては驚異的な軽さを誇るプロダクトも存在するが、これを除くと「スント 5 ピーク」は、同社製品のみならず、業界最軽量レベルの軽さと言っていいだろう。

実際に身に着けてみると、シリコンストラップのフィット性の高さもあり、快適な着け心地。走り始めると、その軽さをより一層体感できた。従来モデルの中には、長時間のランニング時に手首部分が痛くなるGPSウォッチもあったが、「スント 5 ピーク」にはその心配はまったくなし。筆者はスントのGPSデバイスにおいて、「アンビット」シリーズ以降の歴代モデルを使用しているが、ここまで軽量かつフィット感の高いスント製品は存在していなかったと思う。

ここ最近、自分が日常生活とランシーンの両方で使っているのは、2021年10月に本連載で紹介した「スント 9 ピーク チタニウム」であり、こちらも52gと、従来のスントのプロダクトと比較すると十分に軽かったが、「スント 5 ピーク」の軽量性はそれよりもワンランク上。ランニング時の腕振りをまったく妨げないのである。

「スント 5 ピーク」のインターフェイスは、スント製品を使っているユーザーならすぐに理解できるが、タッチパネルは採用していないので、先述のとおり、タッチパネル採用の「スント 9 ピーク チタニウム」が最近のメインウォッチとなっている筆者が、ついクセで文字盤部分を触ってしまったのはご愛敬ということで。

セレクトできるアクティビティは、ランニングやサイクリングのような一般的な有酸素運動以外に、ヨガやピラティス、障害物競走、乗馬、カヤックのようなマニアックなスポーツもラインアップされる。アクティビティデータについては、「Suunto」アプリで管理可能な点は以前と同様で、アクティビティ終了後のデータ移行も、特別な操作は基本的に必要ない。機能とは関係ないが、ヨーロッパ発祥ブランドらしい洗練されたデザイン&カラーリングと、現在もフィンランドで生産されているという点はガジェット好きにはたまらない点だろう。

【まとめ】「スント 9 ピーク」を価格であきらめていた人におすすめ!

以上のように、「スント 5 ピーク」は、高性能とスントらしいスタイリッシュなデザインを、従来モデルではなかった超軽量なボディに集約させることに成功している。価格も、スントのラインアップからすると高いほうではないので、「『スント 9 ピーク』を買いたかったけれど、価格が……」というユーザーにもピッタリな選択となるだろう。

いっぽうで、軽量化によって失われた部分があるのも事実。それは、ボディサイドに配された5つのボタンを押す際の感触が、「スント 9」などの上級機種と比べると、やや高級感に欠けること。これは自動車で言うと、ドイツ車のドアを閉める時の重量感のある「バスン!」という感じに慣れると、国産車の「パン!」という音に物足りなさを覚えるのに似ている気がする。

このように「スント 5 ピーク」は、機能自体にはまったく問題ないのだが、先述のように、「スント 9」を始めとした上級モデル、他ブランドで言えばガーミンの「フェニックス」シリーズあたりに慣れたユーザーは、最初は違和感を覚えるかもしれない。そこさえ気にならなければ、非常によくまとまったGPSウォッチだと言っていいだろう。

南井正弘
Writer
南井正弘
ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間50分50秒。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映画雑誌の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。電動シェーバーやロボット掃除機といった白物家電のほか、加熱式タバコやホビー、フード、文房具、スポーツ、ファッションを担当しています。
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