レビュー

自転車通勤に最適なワークウェアスーツ「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」を試す!

密を避ける通勤手段のひとつに自転車通勤があるが、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツタイプの自転車に乗っている場合、乗車姿勢が前傾になるため、スーツでは乗りづらさを感じやすい。そんな時に役立つのが、“スーツに見える作業着”「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」だ。数々のワークウェアスーツがある中、今回は、自転車販売専門店の「サイクルベースあさひ」が参画した自転車通勤用スーツ「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」の着心地を確かめてみた。

自転車通勤に最適化されたワークウェアスーツ

自社の水道工事会社の作業着をスーツ型にすることから始まったワークウェアスーツ(WWS)。2018年に登場した当時は、「スーツに見える作業着」として販売されていたが、現在は、作業着やスーツという枠組みのないボーダーレスウェアとして展開され、さまざまな企業とコラボレーションしている。そんなワークウェアスーツは、細かい仕様はモデルによって異なるものの、「Ultimex(アルティメックス)」という素材を使っているのが特徴だ。作業着としても使えるウェアを作るために開発された素材なので、撥水性や速乾性にすぐれ、ストレッチ性もよく、シワになりにくい特性を有しており、かつ、自宅の洗濯機で毎日洗っても問題のない耐久性も完備。ガンガン気兼ねなく動くことができ、洗濯も普通の服と同じように行える。それでいて、ビジネスシーンでも違和感のないデザイン。今回紹介する「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」は、自転車用ウェアとビジネススーツとしての機能性とあわせ持つ仕上がりとなっている。

フラップ付きのポケットを装備するなど、一見した感じは、一般的なビジネススーツ。ジャケット「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI JK」(価格は19,580円/税込)とパンツ「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI PT」(価格は13,200円/税込)がラインアップされている。サイズはS/M/L/XLの4サイズ、カラーは「ブラック」「グレー」「カーキ」「ネイビー」の4色を用意

フラップ付きのポケットを装備するなど、一見した感じは、一般的なビジネススーツ。ジャケット「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI JK」(価格は19,580円/税込)とパンツ「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI PT」(価格は13,200円/税込)がラインアップされている。サイズはS/M/L/XLの4サイズ、カラーは「ブラック」「グレー」「カーキ」「ネイビー」の4色を用意

セットアップで着用してみた。身長175cmの筆者にはLサイズがちょうどいい感じ。比較的タイトなシルエットだが、きゅうくつさはなく、けっこうラクな着心地だ。長時間着ていても疲れにくそう

セットアップで着用してみた。身長175cmの筆者にはLサイズがちょうどいい感じ。比較的タイトなシルエットだが、きゅうくつさはなく、けっこうラクな着心地だ。長時間着ていても疲れにくそう

着心地がラクなだけでなく、着用する時も着やすい。このように感じるのは、高いストレッチ性を備える「Ultimex」素材のおかげだろう。写真は、パンツを手で引っぱってみた様子。縦にも横にもよく伸びる

着心地がラクなだけでなく、着用する時も着やすい。このように感じるのは、高いストレッチ性を備える「Ultimex」素材のおかげだろう。写真は、パンツを手で引っぱってみた様子。縦にも横にもよく伸びる

膝を曲げて動かしてみても、まったく引っかかりを感じることもなく動きやすい。ペダリングがしやすそうだ

膝を曲げて動かしてみても、まったく引っかかりを感じることもなく動きやすい。ペダリングがしやすそうだ

もちろん、「Ultimex」素材を使っているので撥水性もバッチリ。少しくらいの雨なら、濡れずに済みそうだ。なお、この素材は、汚れにくく擦れにも強いので、バックパックを背負っても毛玉になりにくいという

もちろん、「Ultimex」素材を使っているので撥水性もバッチリ。少しくらいの雨なら、濡れずに済みそうだ。なお、この素材は、汚れにくく擦れにも強いので、バックパックを背負っても毛玉になりにくいという

ここまで紹介した特性は、ワークウェアスーツであれば、同じ素材を使っているのでどのモデルでもほぼ同様の効果が得られる。自転車通勤用スーツとして開発された「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」は、ワークウェアスーツの特性に加え、高い通気性を確保するベンチレーションやパンツの裾を絞れる機構など、自転車に乗る際に効果を発揮するギミックが随所に装備されているのがポイントだ。

脇と太もも部のサイドに、開閉できるベンチレーションを完備。開口部が大きいので、かなり涼しそう

脇と太もも部のサイドに、開閉できるベンチレーションを完備。開口部が大きいので、かなり涼しそう

裏地の熱がこもりやすそうな部分にはメッシュ素材が用いられている

裏地の熱がこもりやすそうな部分にはメッシュ素材が用いられている

ジャケット内側には、胸部左側にファスナー付きのポケット、右側にボタン付きのポケットがひとつずつと、下のほうにボタン付きのメッシュ地のポケットが左右にひとつずつ装備。ファスナーやボタンが付いているので、自転車乗車時にポケットの中のものが飛び出る心配も少ない

ジャケット内側には、胸部左側にファスナー付きのポケット、右側にボタン付きのポケットがひとつずつと、下のほうにボタン付きのメッシュ地のポケットが左右にひとつずつ装備。ファスナーやボタンが付いているので、自転車乗車時にポケットの中のものが飛び出る心配も少ない

メッシュ地の内ポケットは二重になっており、それぞれに異なる物を収納できる

メッシュ地の内ポケットは二重になっており、それぞれに異なる物を収納できる

さらに、左側のメッシュ地の内ポケットには着脱可能なキーリングも装備されているのだが、これが非常に便利。ボタンを外さなくても隙間から出し入れでき、キーリングからも片手で簡単に取り外しできる(下の動画参照)

さらに、左側のメッシュ地の内ポケットには着脱可能なキーリングも装備されているのだが、これが非常に便利。ボタンを外さなくても隙間から出し入れでき、キーリングからも片手で簡単に取り外しできる(下の動画参照)

パンツにはスラックスのポケットと、お尻のポケットを装備。お尻のポケットの左側は、ファスナー付きとなっている

パンツにはスラックスのポケットと、お尻のポケットを装備。お尻のポケットの左側は、ファスナー付きとなっている

パンツのベルトループにはDリングが付いている。また、自転車に乗っている際の動きやすさを考慮してか、パンツの腰部にギャザーが設けられているが、ベルトを通せば目立たないので野暮ったさはそれほど感じない

パンツのベルトループにはDリングが付いている。また、自転車に乗っている際の動きやすさを考慮してか、パンツの腰部にギャザーが設けられているが、ベルトを通せば目立たないので野暮ったさはそれほど感じない

スポーツタイプの自転車に乗る際に役立つ、パンツの裾を絞るためのスナップボタンも完備。複数のボタンが装備されているので、足に合わせて絞り具合を調整できる

スポーツタイプの自転車に乗る際に役立つ、パンツの裾を絞るためのスナップボタンも完備。複数のボタンが装備されているので、足に合わせて絞り具合を調整できる

自転車に乗った際の動きやすさを検証

普通に着用しているだけでも一般的なスーツよりも断然動きやすいが、重要なのは自転車走行時の可動性の高さ。実際にロードバイクに乗って、チェックしてみよう。比較のため、まず、筆者所有の普通のスーツを着て走行してみた。

「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」よりもゆったりとしたシルエットだが、一般的なスーツのほうがきゅうくつな印象。伸縮性があまりないためか、着脱のしづらさも感じた

「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」よりもゆったりとしたシルエットだが、一般的なスーツのほうがきゅうくつな印象。伸縮性があまりないためか、着脱のしづらさも感じた

一般的なスーツは、そのまま自転車に乗るとパンツの裾がチェーンに巻き込まれる恐れがあるので、別途ストラップなどを用意して裾に装着しなければならない

一般的なスーツは、そのまま自転車に乗るとパンツの裾がチェーンに巻き込まれる恐れがあるので、別途ストラップなどを用意して裾に装着しなければならない

裾の巻き込みを防止するため、ストラップを巻いた状態。それほど高くないので価格はそれほど問題にはならないが、家から出る時に持ってくるのを忘れると、取りに戻らねばならないのが少々めんどう。また、外すのを忘れてストラップを巻いたままお店などに入ってしまうと目立つため、恥ずかしさを感じることも……

裾の巻き込みを防止するため、ストラップを巻いた状態。それほど高くないので価格はそれほど問題にはならないが、家から出る時に持ってくるのを忘れると、取りに戻らねばならないのが少々めんどう。また、外すのを忘れてストラップを巻いたままお店などに入ってしまうと目立つため、恥ずかしさを感じることも……

ロードバイクでは前傾姿勢になるため、肩や腰回りがかなりきゅうくつ。姿勢を維持するだけでもスーツの生地が引っぱられる感じがあり、ペダリング時も足を動かしづらい

ロードバイクでは前傾姿勢になるため、肩や腰回りがかなりきゅうくつ。姿勢を維持するだけでもスーツの生地が引っぱられる感じがあり、ペダリング時も足を動かしづらい

続いて、「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」に着替えて、ロードバイクで走行してみた。

自転車に乗る前に、パンツの裾がチェーンに巻き込まれないようにする作業は発生する。しかし、裾に付いているスナップボタンを留めて絞るだけなので、一般的なスーツで使ったストラップは不要。持ってくるのを忘れたというような失敗はない

自転車に乗る前に、パンツの裾がチェーンに巻き込まれないようにする作業は発生する。しかし、裾に付いているスナップボタンを留めて絞るだけなので、一般的なスーツで使ったストラップは不要。持ってくるのを忘れたというような失敗はない

裾を絞ると、チェーンとの接触は心配なくなる

裾を絞ると、チェーンとの接触は心配なくなる

ちなみに、ボタンを留めて絞る前の状態でも裾があまり広がらないデザインなので、このままでも問題なく乗れるかもしれない。とはいえ、裾の破損や汚れを防ぐために、裾は絞っておいたほうが安心だろう

ちなみに、ボタンを留めて絞る前の状態でも裾があまり広がらないデザインなので、このままでも問題なく乗れるかもしれない。とはいえ、裾の破損や汚れを防ぐために、裾は絞っておいたほうが安心だろう

自転車にまたがる際にも、一般的なスーツとの違いが際立った。フレームをまたいでシートに座るまでの動作も、軽く前傾姿勢をとってもスーツの圧迫感がない

自転車にまたがる際にも、一般的なスーツとの違いが際立った。フレームをまたいでシートに座るまでの動作も、軽く前傾姿勢をとってもスーツの圧迫感がない

走りだしても、そのラクな感覚は変わらず。ケイデンス(ペダルの回転数)を高めてスピードを出しても、ヒザが動かしやすく快適だった

走りだしても、そのラクな感覚は変わらず。ケイデンス(ペダルの回転数)を高めてスピードを出しても、ヒザが動かしやすく快適だった

ロードバイクを漕ぐ際は、下半身だけでなく上半身も積極的に動かしてペダリングする場面もあるが、そうしたシーンでもスーツで動きが制限されることはなかった

ロードバイクを漕ぐ際は、下半身だけでなく上半身も積極的に動かしてペダリングする場面もあるが、そうしたシーンでもスーツで動きが制限されることはなかった

太もも部に装備されたベンチレーションを開けてると、こもる熱が緩和された。パンツのベンチレーションはジャケットで隠れる位置に配置されているところも好印象

太もも部に装備されたベンチレーションを開けてると、こもる熱が緩和された。パンツのベンチレーションはジャケットで隠れる位置に配置されているところも好印象

また、パンツの裾を絞った状態でもそれほど違和感はない。これなら、スナップボタンを留めたままお店などに入っても恥ずかしくはないかも!?

また、パンツの裾を絞った状態でもそれほど違和感はない。これなら、スナップボタンを留めたままお店などに入っても恥ずかしくはないかも!?

まとめ

自転車通勤用のウェアには、動きやすさと通気性が求められる。普通に考えると、ビジネススーツに求められる要素とは大きく異なる。しかし、「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」はビジネススーツとしてきちんと成立するデザインでありながら、サイクルウェアとしての性能も完備。ベースとなるワークウェアスーツに、自転車販売専門店の「サイクルベースあさひ」のアイデアが加わったことで、自転車での乗りやすさだけでなく、自転車通勤する際に役立つちょっとしたギミックがちりばめられており、完成度の高さがうかがえる。自宅の洗濯機で洗えるので、ケアもしやすい。

以上のことから、会社でスーツに着替える場所や時間がないけれど、自転車通勤したいなら「WWS×417 for CYCLE BASE ASAHI」は最適な1着だと言える。ジャケットとパンツが別々で販売されているので、パンツだけ購入し、その動きやすさを体感してみるのもいいかもしれない。

仕事中に着ていても違和感のないデザイン。自転車で取引先に向かうようなシーンでも、まったく問題がない

仕事中に着ていても違和感のないデザイン。自転車で取引先に向かうようなシーンでも、まったく問題がない

増谷茂樹
Writer
増谷茂樹
カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。
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中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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