レビュー

手ごろな価格ながら高性能! パナソニックの“スチーム専用”衣類スチーマー「NI-GS400」も優秀

パナソニックの衣類スチーマーと言えば、女優の綾瀬はるかさんのCMでおなじみ、かけ面を備えたタイプが有名。衣類スチーマー市場でも圧倒的なシェアを誇る製品なので、知っている人も多いだろう。そんなパナソニックが2021年9月に、かけ面を備えない“スチーム専用”の新たなモデル「NI-GS400」を発売。その実力を確かめてみた。

有名な主力モデルよりたっぷりのスチーム量

衣類スチーマーの中には、普通のアイロンのようにアイロン台を使ってプレスすることもできる製品もあるが、基本的には、ハンガーに衣類をかけたままシワを伸ばすのが主な使い方であり、その手軽さが大きな魅力だ。スチームの熱と水分でシワを伸ばす仕組みなので、スチーム量やスチームの噴射具合などの違いがシワの伸ばすスピードや使いやすさに影響する。今回紹介するNI-GS400は、アイロンのようなかけ面を備えていない純粋なスチーマータイプで、噴射されるスチーム量が多いのが特徴。パナソニックの主力製品である、かけ面のあるタイプ「NI-FS780」と比較して約1.4倍のスチーム量を実現しているという。大量のスチームが噴射されるということは、その分、多くの給水が必要になるが、大容量のタンクを搭載しているため、スチーム噴射は約9分持続するとのこと。重量は約950gとかけ面のある主力モデルと比べると100gほど重いが、1kgを切っているので、それほど負担になることはないだろう。

パナソニックの衣類スチーマーといえば、このタイプ(写真は2022年3月に発売された最新モデル「NI-FS780」)。ハンガーに衣類をかけたままシワを伸ばす際にも、かけ面を使って効率よくシワを伸ばすことができる

パナソニックの衣類スチーマーといえば、このタイプ(写真は2022年3月に発売された最新モデル「NI-FS780」)。ハンガーに衣類をかけたままシワを伸ばす際にも、かけ面を使って効率よくシワを伸ばすことができる

かけ面を備えないタイプのNI-GS400は、従来のパナソニック製品とは形状がまったく異なる。サイズは、約115(幅)×280(高さ)×145(長さ)mmで、重量は約950g。コンセントの位置を気にせずに使えるように、電源コードは約2.5mと長くしているとのこと

かけ面を備えないタイプのNI-GS400は、従来のパナソニック製品とは形状がまったく異なる。サイズは、約115(幅)×280(高さ)×145(長さ)mmで、重量は約950g。コンセントの位置を気にせずに使えるように、電源コードは約2.5mと長くしているとのこと

衣類スチーマーは普通のアイロンに比べて使いたい時にサッと使えるのが魅力なので、多くの製品が立ち上がりの早さにもこだわっている。セットする水の量が多めのNI-GS400も、その点はぬかりなし。電源を入れて約30秒で利用可能となる。

使用前の準備は、水タンクに水を入れることからスタート

使用前の準備は、水タンクに水を入れることからスタート

水タンクの口はそれほど大きくはないが、水道の蛇口から直接給水することもできる。容量は約160ml

水タンクの口はそれほど大きくはないが、水道の蛇口から直接給水することもできる。容量は約160ml

電源コードをコンセントに差し、電源ボタンをオンにスライドさせたら準備完了。立ち上がるまでの時間を計測してみると、カタログ値の30秒より短い22秒という早さで立ち上がった(下の動画参照)

電源コードをコンセントに差し、電源ボタンをオンにスライドさせたら準備完了。立ち上がるまでの時間を計測してみると、カタログ値の30秒より短い22秒という早さで立ち上がった(下の動画参照)

使用する際は、スチームボタンを押してスチームを噴射させる。ボタンを押している間しかスチームは出ないが、本体を持つと親指の付け根あたりが自然とボタンに触れる設計になっているので、ボタンを押すことをそれほど意識しなくても使えるだろう。本体中央部分のくびれたところに持ち手が定まるので、持ちやすさもかなりいい印象だ

使用する際は、スチームボタンを押してスチームを噴射させる。ボタンを押している間しかスチームは出ないが、本体を持つと親指の付け根あたりが自然とボタンに触れる設計になっているので、ボタンを押すことをそれほど意識しなくても使えるだろう。本体中央部分のくびれたところに持ち手が定まるので、持ちやすさもかなりいい印象だ

実際に噴射されるスチームは、以下の動画で確認してほしい。スチーム量は平均約16g/分ということだが、見るからにたっぷり出ている。

シャツに付いたシワを伸ばしてみよう

さっそく、NI-GS400を使って衣類のシワを伸ばしてみる。ハンガーにかけた衣類の裾を軽く引っぱりながらスチームを当てて伸ばしていくと上手にシワが伸ばせるという。なお、「スチーム禁止」の表示がある衣類や、皮革製品には対応していない。

衣類から1cmほど離した位置からスチームを噴射させ、シワを伸ばしていく

衣類から1cmほど離した位置からスチームを噴射させ、シワを伸ばしていく

本体を左右90°まで傾けてもスチームは出る。タンクの水が少なくなると、この角度ではスチームが出にくくなることもあるが、角度をつけて使えるのは便利

本体を左右90°まで傾けてもスチームは出る。タンクの水が少なくなると、この角度ではスチームが出にくくなることもあるが、角度をつけて使えるのは便利

効果がわかりやすいように、向かって左側だけシワを伸ばしてみた。NI-GS400を使うのは今回が初めてだが、左側の表面のシワを伸ばすのにかかった時間は1分未満。もとは右側と同じようにシワシワだったが、十分着られる状態だ

効果がわかりやすいように、向かって左側だけシワを伸ばしてみた。NI-GS400を使うのは今回が初めてだが、左側の表面のシワを伸ばすのにかかった時間は1分未満。もとは右側と同じようにシワシワだったが、十分着られる状態だ

その後、残りの面もシワ取りを実行。ひとつのシワに対して5〜10秒間、2回ほどスチームを当てるくらいでシワが取れた印象だ。シャツ全体のシワを伸ばすのに3分ほどかかったが、腕や手首などに疲れは感じない

その後、残りの面もシワ取りを実行。ひとつのシワに対して5〜10秒間、2回ほどスチームを当てるくらいでシワが取れた印象だ。シャツ全体のシワを伸ばすのに3分ほどかかったが、腕や手首などに疲れは感じない

なかなか取れない付着臭にもスチームが効く!

高温のスチームは衣類のシワを伸ばすだけでなく、衣類に付いたニオイもケアできる。繊維表面や内部にあるニオイ粒子を、熱とスチームの勢いで飛ばして脱臭するのだ。NI-GS400は、生乾き臭、ペット臭、タバコ臭、汗臭、飲食臭、加齢臭、防虫剤臭を脱臭できるという。ということで、まずはタバコ臭の脱臭効果を確かめてみた。

タバコの煙を充満させたビニール袋にジャケットを入れ、煙が漏れないようにしっかりと口を縛って約3時間放置

タバコの煙を充満させたビニール袋にジャケットを入れ、煙が漏れないようにしっかりと口を縛って約3時間放置

タバコのニオイがしみ付いたジャケットにスチームを当てていく。内部までスチームと熱が浸透するように、1か所に約5〜10秒間スチームを当てた

タバコのニオイがしみ付いたジャケットにスチームを当てていく。内部までスチームと熱が浸透するように、1か所に約5〜10秒間スチームを当てた

NI-GS400でケアしたあとのジャケットのニオイを確かめてみると、まったくタバコ臭がしない! タバコの煙は粒子が非常に小さいため衣類の繊維の奥まで入り込みやすいのだが、高温かつ微細なスチームの粒子がニオイ粒子を除去したことが確認できた

NI-GS400でケアしたあとのジャケットのニオイを確かめてみると、まったくタバコ臭がしない! タバコの煙は粒子が非常に小さいため衣類の繊維の奥まで入り込みやすいのだが、高温かつ微細なスチームの粒子がニオイ粒子を除去したことが確認できた

そして、別日に焼肉ランチに出かけたところ、着用したジャケットに焼肉のニオイが付いてしまった。これもNI-GS400の力で脱臭してもらおう!

溶け出した肉の油分を含んだ煙が空気中のニオイの粒子と結合し、衣類に付着する“焼肉臭”は吸着力が高く、繊維の内部で溶け出すため、ニオイが落ちにくい。わかっていたのに、ジャケットを着てきてしまった。少しでもニオイが付かないように少し離れた場所にあるハンガーにかけておいたのだが、焼肉のニオイは強い……

溶け出した肉の油分を含んだ煙が空気中のニオイの粒子と結合し、衣類に付着する“焼肉臭”は吸着力が高く、繊維の内部で溶け出すため、ニオイが落ちにくい。わかっていたのに、ジャケットを着てきてしまった。少しでもニオイが付かないように少し離れた場所にあるハンガーにかけておいたのだが、焼肉のニオイは強い……

会社に戻り、さっそくNI-GS400で脱臭を試みる。タバコ臭の脱臭と同じやり方で、ジャケットに鼻を近づけてみたが気にならない程度までニオイが消えた

会社に戻り、さっそくNI-GS400で脱臭を試みる。タバコ臭の脱臭と同じやり方で、ジャケットに鼻を近づけてみたが気にならない程度までニオイが消えた

まとめ

NI-GS400はかけ面が装備されていないタイプの衣類スチーマーなので、シワを伸ばすのに時間がかかるかと思っていたのだが、スチームを噴射させながらなぞるように当てていくだけでシワが消えていった。今回試したシャツの場合、ハリも出て、想像以上の仕上がり。ボディが少し大きめだが、実際に使うと重さもサイズ感も負担には感じず、使い勝手もいい。持った時のなじみのよさ、立ち上がりの早さ、そして、扱いやすく、本体を傾けてもスチームがきちんと出る設計など、シンプルな構造ながら、さすがパナソニックと言いたくなるような違いを実感できた。

また、脱臭効果の高さも評価できるポイント。タバコや焼肉の強烈な付着臭がいとも簡単に脱臭できたので、天日干ししたり、クリーニングに出すといった手間が省けてありがたかった。しかも、脱臭すると同時に除菌もできるのだそう。多くの菌は高熱によって死滅するため、高温のスチームを噴射することで除菌効果が得られるのだ。ダニ由来や花粉などのアレル物質抑制にも効果があるということなので、脱臭・除菌をメインに使ってもいいだろう。

布製のバッグや綿マスクを脱臭・除菌するのもいい使い方

布製のバッグや綿マスクを脱臭・除菌するのもいい使い方

NI-GS400の価格は約6,900円(税込)と、かけ面のある衣類スチーマー「NI-FS780」の半額程度で購入できる(2022年3月24日時点の価格.com最安価格)。かけ面がないため、アイロンのように衣類の袖や襟に折り目を付けることはできないが、そうした用途がない、またはアイロンを別途持っているなら、NI-GS400は価格も手ごろなので、かなり狙い目だ。

毛利真大
Writer
毛利真大
編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。
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中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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