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アップル「iPhone 14」シリーズ、どこから購入するのがお得?

今年もアップルの「iPhone」シリーズ新モデルの販売が2022年9月16日から始まりました(※「iPhone 14 Plus」は10月7日から)。日本国内ではアップルからの直接販売に加えて、例年どおり大手キャリアのNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルが取り扱っています。

iPhoneシリーズはどのキャリアで購入してもハードウェアの仕様は同じなので、たとえば「ドコモで購入したiPhone 14をauの回線で使う」といったこともできます。2021年に発売された「iPhone 13」シリーズ以降、キャリア版のiPhoneもSIMフリーで販売されるようになりました。iPhone 14シリーズもSIMロックを解除する必要はなく、サービス内容やエリアなどに応じて、好きな回線と組み合わせて使うことができます。

そこで今回は、各キャリアが販売する「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」の本体価格について、代金の一部支払いが免除される買い替えサービスを利用する場合や、ほかのキャリアから乗り換える場合を含めて比較してみたいと思います。

※記事の内容は2022年10月3日時点での情報をもとにしています。記事中の価格は特に断りがない限り税込です。

各キャリアの「iPhone 14」シリーズ本体価格はいくら?

iPhone 14シリーズの本体価格をチェックする前に、各キャリアが提供している「iPhone本体の返却を前提に、分割支払の一部を免除するサービス」(以下「買い替えサービス」と表記)の内容を確認しておきましょう。本記事の本体価格比較表では、買い替えサービスを利用しないケースの価格を「最後まで使う」、買い替えサービスを利用するケースでいちばん安くなる場合の価格を「2年で返却」としています。

また、NTTドコモの「いつでもカエドキプログラム」には早期利用特典が用意されていて、22か月目までにiPhoneを返却すると、返却翌月〜23回目までの分割支払額に対する割引を受けることができます(割引額はモデルにより異なる)。そのため、ユーザーが翌年のiPhoneシリーズ新モデル登場時に早期利用するケースを想定して「1年で返却」する場合の支払総額(13〜23回目まで11回分の分割支払額が割引される)も試算しています。

各キャリアの買い替えサービス

各キャリアの買い替えサービス

それでは、iPhone 14シリーズの本体価格を見てみましょう。NTTドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルがオンラインで販売している「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」の本体価格を以下にまとめました。参考としてアップルのオンラインストアにおける本体価格も併記しています。なお、ここでの価格には新規契約・機種変更・他社からの乗り換え時に受けられる割引は考慮していません。

「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」の本体価格比較

「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」の本体価格比較

「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」の本体価格比較

「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」の本体価格比較

4機種のうち「iPhone 14」で本体価格がいちばん安い128GBモデルの本体価格に注目すると、以下のようになります。

●NTTドコモ
 最後まで使う…138,930円
 2年で返却…69,690円(24回目の支払免除)
 1年で返却…59,790円(24回目の支払免除&13〜23回目の支払額に毎回900円の割引を適用)

●au
 最後まで使う…140,640円
 2年で返却…71,760円(24回目の支払免除)

●ソフトバンク
 最後まで使う…140,400円
 2年で返却…70,200円(25〜48回目の支払免除)

●楽天モバイル
 最後まで使う…131,800円
 2年で返却…69,180円(25〜48回目の支払免除)

●Apple Online Store(参考)
 119,800円

各キャリアの「最後まで使う」場合の本体価格を比べると、最も高いのはauの140,640円、最も安いのは楽天モバイルの131,800円となります。次に安いNTTドコモは138,930円なので、楽天モバイルがほかの3キャリアと比べて約7,000〜9,000円安いことがわかります。

いっぽう、「2年で返却」する場合も楽天モバイルが最も安い69,180円ですが、最も高いauの71,760円との差額は2,580円であるため、「最後まで使う」場合ほどの違いはありません。差額の額面は大きくなりますが、この傾向はほかのモデルでも同様です。

また、買い替えサービスに早期利用特典を設けているNTTドコモの場合、「1年で返却」した時の支払総額は59,790円になります。auとソフトバンクの買い替えサービスでも購入から13か月目以降(タイミングにより変わる可能性あり)であれば端末を返却できるものの、早期に返却してもNTTドコモのような割引を受けることはできません。

乗り換え時の特典も含めた「iPhone 14」シリーズの本体価格はいくら?

続いて、乗り換え時の割引特典を考慮した「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」の本体価格をチェックしてみましょう。各キャリアは他社からの乗り換えユーザー向けに、本体価格の割引やポイント付与のキャンペーンを展開しています。今回考慮した特典は以下のとおりです。

●NTTドコモ
 5G WELCOME割…「iPhone 14」シリーズは本体価格を22,000円割引

●au
 au Online Shop お得割…「iPhone 14」シリーズは本体価格を22,000円割引

●ソフトバンク
 web割…「iPhone 14」シリーズは本体価格を21,600円割引

●楽天モバイル
 最後まで使う場合:合計19,000ポイントを付与(内訳:料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」初めての申し込みで3,000ポイント、他社からの乗り換えで16,000ポイント)
 2年で返却する場合:上記プラス5,000ポイントを付与(楽天モバイルiPhoneアップグレードプログラムの利用が対象)

「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」の本体価格比較(乗り換え前提)

「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」の本体価格比較(乗り換え前提)

「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」の本体価格比較(乗り換え前提)

「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」の本体価格比較(乗り換え前提)

割引やポイント付与を考慮した場合の「iPhone 14」128GBモデルの本体価格は、以下のようになります。

●NTTドコモ
 最後まで使う…116,930円
 2年で返却…47,690円(24回目の支払免除)
 1年で返却…37,790円(24回目の支払免除&13〜23回目の支払額に毎回900円の割引を適用)

●au
 最後まで使う…118,640円
 2年で返却…49,760円(24回目の支払免除)

●ソフトバンク
 最後まで使う…118,800円
 2年で返却…59,400円(25〜48回目の支払免除)

●楽天モバイル
 最後まで使う…112,800円
 2年で返却…45,180円(25〜48回目の支払免除)

●Apple Online Store(参考)
 119,800円

各キャリアの「最後まで使う」場合の本体価格を比べると、最も高いのはソフトバンクの118,800円、最も安いのは楽天モバイルの112,800円となっており、アップルから直接購入する場合よりも安くなります。楽天モバイルの特典がほかの3キャリアと比べて最大3,000円相当安いため、価格差は約2,000〜6,000円まで縮まっています。

いっぽう、「2年で返却」する場合の支払総額はソフトバンクの59,400円が最も高く、ほかの3キャリアと約10,000〜14,000円の差が生じています。大きな差額が生じる理由は、割引が適用される範囲の違いにあります。

ソフトバンクの「web割」は分割前の本体価格そのものが割り引かれるため、iPhoneを返却することで免除される最大24回分の分割支払額にも割引が適用されます。つまり、iPhoneを返却すると「web割」の割引額21,600円を全額享受することができず、最大で10,800円分の割引を失うことになります。

これに対し、残価設定型の買い替えサービスを提供するNTTドコモの「5G WELCOME割」とauの「au Online Shop お得割」は、返却によって免除される24回目の最終回支払分を含まない、1〜23回目までの支払総額に割引が適用されます。そのため、iPhoneの返却とは無関係に、乗り換えユーザー向けの割引を全額享受することができます。また、楽天モバイルの場合はポイント付与の形で割引が提供されているため、やはりiPhoneの返却とは無関係に特典を享受できます。

なお、買い替えサービスに早期利用特典を設けているNTTドコモの場合、「1年で返却」した時の支払総額は37,790円になります。1年で返却するとはいえ、最安モデルでも10万円を超える「iPhone 14」を、アップルから直接購入する場合と比べて3分の1の実質負担で利用できることになります。

楽天モバイルかNTTドコモがお得、買い替えサービスの条件もチェック

純粋に本体価格だけを比較すれば、「iPhone 14」シリーズをいちばん安く入手できるのは楽天モバイルもしくはNTTドコモということになります。「最後まで使う」か、それとも「2年で返却」するなら楽天モバイルがお得です。1年後に登場する(と予想される)次のiPhoneシリーズに買い替えるつもりなら、早期利用特典を設けているNTTドコモがお得です。

ただ、キャリアによってはiPhone購入時の条件次第でさらに安くなる場合もあります。auの「au Online Shop お得割」では、他社からの乗り換え時だけでなく、新規契約時にも11,000円の割引が受けられます。「iPhone 14」128GBモデルを「2年で返却」する場合の本体価格は60,760円となり、NTTドコモの同モデルを「1年で返却」する場合との差額は970円です。また、2022年10月30日までの期間限定ではありますが、auは機種変更時に最大11,000円の割引が受けられる「新iPhone機種変更おトク割」も提供しています。

いっぽう、買い替えサービスや本体価格の割引特典には注意点もあります。たとえば、NTTドコモの「いつでもカエドキプログラム」を契約するには「dポイントプログラム」に加入していなければなりませんし、楽天モバイルの「楽天モバイルiPhoneアップグレードプログラム」を契約するには楽天カードの会員である必要があります。また、ソフトバンクの「web割」で22,000円の割引を受けるには「データプランメリハリ無制限」への加入が必要です。

さらに、返却時にはiPhoneの状態にも注意しなければなりません。買い替えプログラムを利用してiPhoneを返却する時、故障などによってiPhoneの状態がプログラムの基準を満たしていないと判断されると、最大22,000円の支払いが生じたり、プログラムの特典が受けられなかったりする場合があります。万一のケースに備えて、保証サービスには加入しておくのがいいでしょう。

このような買い替えプログラムの条件も考慮したうえで、現在契約中のキャリアから購入するのか、それともキャリアを乗り換えてよりお得に購入するのか、あるいは契約しているのとは別のキャリアやアップルから購入するのかを検討しましょう!

松村武宏
Writer
松村武宏
信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。
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三浦善弘(編集部)
Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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