年間で72万人以上の人間を殺しているという、超凶悪な生物の一種が日本にも潜んでいるんですが、ご存じでしょうか。
パッと想像できる生物をあげるとすれば、「犬」(年間で約2.5万人)とか「蛇」(約5万人)とかですかね。トンチがきく人なら「人間」と答えるかもしれませんが、残念。2位で約47.5万人。
ちなみに、正解は「蚊」。
蚊がマラリアなどの危険な病気を媒介することで、世界中で今でも多くの人が亡くなっています。おそらく、人類史上というスケールで見ても、人間を最も多く殺しているのは蚊で間違いないでしょう。
残虐非道な超凶悪生物、蚊。夏は、こいつがいると不愉快です
さすがに、日本ではそこまで危険ではないですが(とはいえ、数年前に話題になった「デング熱」も命に関わる病気)、刺されてかゆくなるのは腹立たしい。何より、あの「プィーン」という甲高い羽音で、安眠を妨げられるのが不愉快です。
穏やかなゴロ寝を妨げる敵は、全身全霊をもって排除するのが「自堕落王(ジダラキング)」のスタイル。ということで今回は、夏の危険生物にしてゴロ寝の敵こと「蚊」を打ち砕こうと思います。ええ、文字どおり、“打ち砕いてやります”とも。
ということで、今回試してみるのは、蚊取りラケットの新製品、サンコーの「撃墜カウンター付 蚊ミナリラケット」(以下、「蚊ミナリラケット」)です。
蚊取りラケットというのは、蚊対策グッズとして割と以前からあるもの。テニスラケット型で、金属のガット部分に電流を通した状態で振り回し、そこに蚊が当たると瞬時に電気ショックを与えて焼いてしまう、という仕組みですね。
蚊取りラケットの最新モデル「撃墜カウンター付 蚊ミナリラケット」
スイッチは、「電源/モード切替」(上)と「電撃」(下)の2か所
「蚊ミナリラケット」も、基本的な部分は従来製品と同じ。
ハンドルの電源スイッチを「電撃」モードに入れれば、準備完了。あとは、「電撃」ボタンを押したまま蚊をめがけてスマッシュ! 当たれば、バチンッと高圧電流が流れて、蚊を倒すことができます。両手で叩き潰すというレガシースタイルよりも叩ける面積が大きく、高い場所へも届くのは、大きなメリットでしょう。
目の大きいガードネットの下にあるのが、通電している金属ガット。基本的に、ガットには手が触れないような仕様ですが、それでも危ないので取り扱いは要注意
ガットの目から逃げちゃうんじゃない?という懸念はあるかと思いますが、網目自体は割と細かめですし、何より蚊がガットにわずかでも触れれば、その時点で倒せてしまいます。まず、手で叩くよりは確実なはず。もちろん人間がガットに触れても危険なわけですが、ガットの両面にはしっかりした金属製のガードネットが張られていますので、うっかり触っちゃうリスクは低くなっています。
とはいえ、危ないことには違いないので、興味本位に通電したガットには触れないようにしてください。
そして、「蚊ミナリラケット」最大のポイントが、製品名にも入っている「撃墜カウンター」です。
通電した回数=蚊の撃墜数を表示してくれるので、気分がめちゃくちゃ盛り上がります。蚊を叩くたびにバチン!という音と、刻まれていくキル数のカウント。これはもう“夏の撃墜王”を目指すしかありません。何なら、ひと夏でどれだけの蚊を墜とせたかを記録に残したいところです。ちなみに、カウンターは「電撃」ボタン長押しでリセット可能。
蚊が飛び回っていそうな公園でトライ。こうして撮影している最中にも、耳元にあの羽音が……
オラ! てめぇ、蚊! かかってこい!(ブンッ!)
羽音めがけて振り回してるだけで、確実にキル数がカウントされていきます。「倒してやったぜ感」がスゴい
本モデルのもうひとつユニークな機能が、専用のラケットスタンドを使った「誘蛾灯」モード。「電撃」モードは、「電撃」ボタンを押している時にのみ通電しますが、「誘蛾灯」モードは、USBケーブル接続で給電することで常時通電します。
さらに、ラケット中央において紫外線ライトの「誘蛾灯」が点灯するので、これで不愉快な蚊を誘い込んで、バチッと電撃をくらわせることができるというわけ。ベッドサイドなどに置いておけば、あの不愉快過ぎる羽音に悩まされる確率は、大幅に減少するんじゃないでしょうか。
ラケットを付属のスタンドに差し込んで自立させたら、あとは「誘蛾灯」で蚊を誘い込みます
寝室に立てておけば、放っておくだけで蚊を退治してくれる!?
ペットや小さな子供のいる家庭では、殺虫剤や虫除けスプレーが使いづらい、というのもあると思います。実際、我が家も猫2匹と暮らしている関係上、その手の製品は使わないようにしていますし。
対して、「蚊ミナリラケット」は化学薬品を使うわけではないので、その点は割と安心。さらに、「誘蛾灯」モード時は、ラケットから数cmのところに近づくものがあると、人感センサーが働いて一時的に通電オフに。これは、なかなか気がきいたギミックではないでしょうか。ただ、センサーは液晶部に付いているので、感知範囲はちょっと狭めです。
人感センサーで接近を感知すると、蚊アイコン(通電中)→人アイコン(オフ)に切り替わります
ともあれ、これをベッドサイドに置いてひと晩寝たら、どれぐらいカウンターが上がっているかしら。ドキドキしながら、明朝に確認してみると……、表示は「00」。撃墜数ゼロです。
うーん、実は正直、この結果は予想していました。今、家の中に蚊はいません。蚊が活発に活動する気温は、大体25〜30℃と言いますが、7月末の現時点で都内の日中気温は余裕で33℃前後。最近の日本の夏は、蚊ですら元気に飛べない暑さなんです。
さらには、窓を完全に閉め切ってエアコンをフル稼動させているので、そもそも蚊が家に入る隙間も少ないということで。考えてみたら、確かに今年に入ってから、まだ家の中で蚊を1回も見ていない! なので、先述の「電撃」モードテストも屋外で行いました。
本機にモバイルバッテリーをつなげば、屋外でも「誘蛾灯」モードは使えます。というか、むしろ屋外のほうが活躍しそう
とはいえ、蚊が完全にいないかと言えば、そうでもない。
たとえば、我が家のマンション駐輪場は、近くに水場があり、隠れる草むらもあり、屋根付きで日差しもなく、日中の気温低め、と蚊の生存環境には好適。ここで、夕方に自転車の整備とかしていると、めちゃくちゃ刺されるんですよ。
「誘蛾灯」モードは、モバイルバッテリーでの給電も可能と言うことで、この駐輪場に設置して、しばらく待ってみると……、おお! バチンッ、バチンッという音とともにカウンターが上がっていきます。
最終的には、約45分でキル数4という結果に。これは、使っていなければ、確実に刺されてかゆい思いをしていたはず。
これさえあれば刺されない!というほどではないですが、でも確実に仕事はしてくれます
ほかにも、夜釣りやキャンプなど、夏の屋外アクティビティにはかなり効果がありそう。確実に蚊がいそうなところに持ち込めば、キル数もたくさん稼げそうです。まぁ、僕は自宅にこもってゴロゴロしてるのが基本なので、使う機会は少なそうですけど。