選び方・特集

《2024年》加熱式タバコ全機種解説! アイコス/プルーム/グロー/ウィズ/リル ハイブリッドを比較

現在、全国展開されている主要な加熱式タバコは16機種。ユーザーにとっては、選択肢が多くてうれしい半面、機種選びの難しさは極まっている状況だ。そこでここでは、「アイコス」「プルーム」「グロー」「ウィズ」「リル ハイブリッド」それぞれの特徴と現状をまとめた。

2024年3月15日時点において、各社公式サイトで取り扱われている製品を一挙紹介

2024年3月15日時点において、各社公式サイトで取り扱われている製品を一挙紹介

燃やさないから煙が出ない! スモークレスな「加熱式タバコ」

加熱式タバコとは、紙巻きタバコのようにタバコ葉に直接火をつけるのではなく、タバコ葉に熱を加えてニコチンを発生させる喫煙具。煙が出ない代わりに、タバコ葉に含ませたグリセリン類によって、蒸気を発生させるのが基本だ。これにより、モノを燃やす時に発生するタールの量が9割以上減少し、人体への悪影響が紙巻きタバコに比べて低減すると言われている。

また、2020年4月に「改正健康増進法」が完全施行となった関係で、「紙巻きタバコは吸えないが、加熱式タバコなら吸える」というシチュエーションが増えたことも追い風となり、注目度がますます高まっている。

とはいえ、加熱式タバコは、タバコ税がかかっている立派な「タバコ」であり、日本で流通しているノンニコチン&ノンタールの「電子タバコ(VAPE)」とは、まったく別モノだということは覚えておきたい。

加熱式タバコから発生する蒸気は、紙巻きタバコの煙とは異なり、刺激臭が比較的少ないうえ、服や髪にニオイがつきにくい(写真は「アイコス イルマ プライム」)

加熱式タバコから発生する蒸気は、紙巻きタバコの煙とは異なり、刺激臭が比較的少ないうえ、服や髪にニオイがつきにくい(写真は「アイコス イルマ プライム」)

加熱式タバコには「高温加熱式」と「低温加熱式」に大別される

加熱式タバコは、タバコ葉を加熱する温度によって、大きく2種類に分けられる。

ひとつは、約300〜350度の「アイコス」シリーズを始めとする、200度を超える高温加熱式。もうひとつは、約40/60度の「ウィズ2」が採用する低温加熱式だ。基本的には、高温加熱式のほうが喫味は強く、ニオイも強めのモデルが多い。低温加熱式は、喫味が弱くなる半面、ニオイが限りなく少なくなるというメリットがある。

現行主要モデルの特徴と加熱温度

現行主要モデルの特徴と加熱温度

紙巻きタバコユーザーも不自然さを感じにくい、“タバコ感”最強モデル「アイコス」

フィリップ・モリス・ジャパンが販売する「アイコス」は、「アイコス臭」と呼ばれる、独特の酸味のあるニオイは感じるものの、紙巻きタバコからの移行でいちばん違和感が少ないと言われることが多い加熱式タバコ。2023年12月末時点で、全世界のユーザー数は2,860万人にのぼる。

「アイコス イルマ アイ プライム」/「アイコス イルマ アイ」

そんな「アイコス」は、後述する「アイコス イルマ」シリーズを経て、2024年3月13日に最新シリーズ「アイコス イルマ アイ」を発売。

「アイコス イルマ アイ」シリーズの全ラインアップ。従来の「アイコス イルマ」シリーズと形状や重量はほぼ同じだが、機能面が飛躍的にアップデートされている

「アイコス イルマ アイ」シリーズの全ラインアップ。従来の「アイコス イルマ」シリーズと形状や重量はほぼ同じだが、機能面が飛躍的にアップデートされている

「アイコス イルマ」シリーズは、クリーニング不要の「スマートコア・インダクション・システム」を搭載し、ユーザーの煩わしさを解消した画期的なモデルだった。そして、こうした利便性をさらに高めて進化させたのが「アイコス イルマ アイ」シリーズである。

そのうちの上位機種となる「アイコス イルマ アイ プライム」と「アイコス イルマ アイ」は、「タッチスクリーン」や「ポーズモード」の搭載など、利便性とパフの効率化が実現され、よりユーザービリティーが向上した。

左が「アイコス イルマ アイ」で、右が「アイコス イルマ アイ プライム」

左が「アイコス イルマ アイ」で、右が「アイコス イルマ アイ プライム」

具体的な進化ポイントは4点。

ひとつめの「タッチスクリーン」は、必要なデバイス情報をひと目でチェックできるほか、スワイプによって直感的な操作が可能になった。LED表示によって「加熱ステータス(加熱中と加熱完了)」「残りの使用可能時間」「残りの使用可能本数」が確認できる。

「アイコス イルマ アイ プライム」と「アイコス イルマ アイ」は、ホルダーに「タッチスクリーン」を搭載

「アイコス イルマ アイ プライム」と「アイコス イルマ アイ」は、ホルダーに「タッチスクリーン」を搭載

2つめは「ポーズモード」。いくつかの条件があるものの、使用中に加熱を最長8分間一時停止でき、その後再開できる機能である。これにより、「吸い始めたけど、急にちょっとの間、両手を使わなくてはいけなくなった」みたいなシーンなどで起きる残念なロスを回避できるようになった。

「ポーズモード」は、「タッチスクリーン」でスワイプ操作。4つのLEDライトが点灯し、一時停止すると同時にホルダーが振動して知らせてくれる

「ポーズモード」は、「タッチスクリーン」でスワイプ操作。4つのLEDライトが点灯し、一時停止すると同時にホルダーが振動して知らせてくれる

3つめは「フレックスバッテリー」。好みのスタイルに合わせて、ホルダーのバッテリーを2つのモードから選べる機能で、「アイコスアプリ」(公式サイトから接続)と本体をBluetoothかUSBケーブルで連携させることで、アプリ上で「パフォーマンスモード」か「エコモード」かを選んで設定できる。

「アイコスアプリ」の設定画面。設定変更は、全国に7店舗ある「アイコスストア」でスタッフにやってもらうことも可能だ

「アイコスアプリ」の設定画面。設定変更は、全国に7店舗ある「アイコスストア」でスタッフにやってもらうことも可能だ

「バッテリーモード」では、初期設定の「パフォーマンスモード」なら最大3スティック(「ポーズモード」を使用しなかった場合のみ)までホルダーの連続使用が可能に。いっぽう、「エコモード」は1スティックだけ使用可能になる分、ホルダーのバッテリー寿命が最長1年間延びる(使用頻度にもよるものの、初回から「エコモード」のみを使用した場合)。なお、「エコモード」では「ポーズモード」を使用できない。

4つめは「フレックスパフ」。1回のパフで吸う量や1本のスティックで吸うペースを内蔵システムが分析し、最大4回までパフの回数が増加する機能だ。

「タッチスクリーン」搭載のデバイスは、追加されたかどうかをLED表示で確認可能

「タッチスクリーン」搭載のデバイスは、追加されたかどうかをLED表示で確認可能

なお、追加された最大4パフは、初期設定の14パフと同じく、使用開始から6分間以内に使用しなくてはならない。また、システムが自動的に使用状況を分析するため、ユーザー側はこれを設定できず、また「ポーズモード」を使用した場合は作動しない。

「アイコス イルマ アイ ワン」

「アイコス イルマ アイ」シリーズの低価格ラインが、「アイコス イルマ アイ ワン」だ。「アイコス イルマ アイ プライム」と「アイコス イルマ アイ」の「タッチスクリーン」「ポーズモード」「フレックスバッテリー」は非搭載で、LED表示による状態確認こそできないが、「フレックスパフ」は搭載。ユーザーの使用状況に応じて、最大4回までパフの回数が増える。

「アイコス イルマ アイ ワン」。こちらも従来の「アイコス イルマ ワン」と形状や重量は同じだが、いくつかの新機能が搭載され、採用パーツの質感やカラーバリエーションなども進化している

「アイコス イルマ アイ ワン」。こちらも従来の「アイコス イルマ ワン」と形状や重量は同じだが、いくつかの新機能が搭載され、採用パーツの質感やカラーバリエーションなども進化している

また、従来の「アイコス イルマ ワン」にはなかった「オートスタート/オートストップ」を新採用。タバコスティックを入れたら自動で加熱開始、逆に抜いたら加熱を停止してくれるようになった。

なお、「アイコス イルマ」シリーズから「アイコス イルマ アイ」シリーズへと、実質のアップデートがなされたわけだが、バッテリーの充電サイクル(20本ごとに充電)とポケットチャージャーの充電時間(「プライム」と「イルマ」は約135分で、「ワン」は約90分)の変更はない。とはいえ、タバコスティック1本1本を最大限楽しめるようになっており、ユーザーにとってはうれしい進化と言えるだろう。

「アイコス イルマ プライム」/「アイコス イルマ」

2021年8月に発売された「アイコス イルマ プライム」と「アイコス イルマ」は、「アイコス」史上初めて、ホルダー内の「加熱ブレード」をなくし、金属片を内蔵した専用タバコスティック「テリア スティック」の内側からタバコ葉を加熱する中心加熱方式「スマートコア・インダクション・システム」を採用。これにより、火や煙が出ないのはもちろん、スティックの残りカスや「アイコス臭」も出なくなった。つまり、本体を掃除する必要がなくなり、かつてのモデルにあった不満点をまるっと解決したというわけだ。

アルミニウム素材のポケットチャージャーと、磁石式ラップカバーを採用したフラッグシップモデル「アイコス イルマ プライム」(左)と、従来モデル「アイコス 3 デュオ」のフォルムを踏襲したスタンダードモデル「アイコス イルマ」(右)。両モデルの違いは、各ポケットチャージャーの形状や素材のみで、機能面はすべて同じ

アルミニウム素材のポケットチャージャーと、磁石式ラップカバーを採用したフラッグシップモデル「アイコス イルマ プライム」(左)と、従来モデル「アイコス 3 デュオ」のフォルムを踏襲したスタンダードモデル「アイコス イルマ」(右)。両モデルの違いは、各ポケットチャージャーの形状や素材のみで、機能面はすべて同じ

新機能はほかに、使用していない時にホルダーを手前に振ると、吸える残りの本数をLED表示するなどの「スマートジェスチャー」機能や、「テリア スティック」を挿入するだけで自動的に加熱スタート、取り出すと自動停止する「オートスタート・ストップ」機能も搭載

新機能はほかに、使用していない時にホルダーを手前に振ると、吸える残りの本数をLED表示するなどの「スマートジェスチャー」機能や、「テリア スティック」を挿入するだけで自動的に加熱スタート、取り出すと自動停止する「オートスタート・ストップ」機能も搭載

「アイコス イルマ ワン」

そして2022年3月8日には、「アイコス イルマ」シリーズの低価格ラインとして、「アイコス イルマ ワン」が追加された。「アイコス イルマ」特有の「スマートコア・インダクション・システム」をしっかりと搭載し、メンテナンスフリーという特徴も受け継いでいる。そのため、味わいの面で、「アイコス イルマ」や「アイコス イルマ プライム」との違いはない。

いっぽうで、コンパクトでありながら、フル充電は約135分から約90分と短縮されており、続けて20本吸えるのもうれしいポイント。高級感のあるアルミ素材を使用しているので、チープ感も少ない。

弱点をあげるとすると、スティックを挿すと自動的に加熱が始まる「オートスタート」のほか、手前に傾けると吸える残りの本数をLED表示したり、使用中にホルダーをダブルタップ(軽く2回たたく)すると、バイブレーションで残りの使用回数を通知したりする「スマートジェスチャー」機能が非搭載という点だ。

しかし、スティックを抜くと加熱が止まる「オートストップ」は搭載されているうえ、物理ボタンを押せば、吸える残りの本数はLED表示で確認できるので、そこまで大きな弱点ではないだろう。

シンプルなたたずまいが美しい

シンプルなたたずまいが美しい

物理ボタンを使って、好きなタイミングで加熱スタート

物理ボタンを使って、好きなタイミングで加熱スタート

「アイコス イルマ」シリーズの専用タバコスティック「テリア」。写真はローンチラインアップの11種類で、2024年3月15日時点では、全21種類を揃える

「アイコス イルマ」シリーズの専用タバコスティック「テリア」。写真はローンチラインアップの11種類で、2024年3月15日時点では、全21種類を揃える

2022年4月4日には、「アイコス イルマ」シリーズで使用可能な20本入り530円(税込)の廉価版スティック「センティア」が登場。「テリア」よりも50円安く、2024年3月15日時点で全14種類を揃える

2022年4月4日には、「アイコス イルマ」シリーズで使用可能な20本入り530円(税込)の廉価版スティック「センティア」が登場。「テリア」よりも50円安く、2024年3月15日時点で全14種類を揃える

ニオイの少なさは、高温加熱式でも変わらない「プルーム」シリーズ

加熱式タバコを手掛けるメーカーの中で唯一、低温加熱式タバコを販売しているJT。2023年11月時点では、低温加熱式は「ウィズ2」を販売している。高温加熱式においては、「プルーム・エス」というモデルを展開していたが、2021年8月に、これに代わる高温加熱式の新デバイス「プルームX」を発売。そして2023年11月には、さらなる進化版「プルームX アドバンスド」を発売した。

「プルームX アドバンスド」

JTの新・加熱式タバコ用デバイス「プルームX アドバンスド」の2色「シルバー」と「ブラック」

JTの新・加熱式タバコ用デバイス「プルームX アドバンスド」の2色「シルバー」と「ブラック」

「プルームX アドバンスド」の最大の魅力は、従来モデル「プルームX」の吸い応えを強化した点だ。タバコスティックを加熱する温度を、従来の約295度から320度まで引き上げたことで、味わいの満足度を大きく高めている。

本機は、本体にタバコスティックを挿して吸うスタイル。ボディはスタイリッシュな「ナストロデザイン」を採用しており、凹凸がほとんどなく、全体的に丸みを帯びているため、手のひらにしっかりとフィットする

本機は、本体にタバコスティックを挿して吸うスタイル。ボディはスタイリッシュな「ナストロデザイン」を採用しており、凹凸がほとんどなく、全体的に丸みを帯びているため、手のひらにしっかりとフィットする

「プルームX アドバンスド」で吸えるタバコスティックは、2銘柄18種類をラインアップ。「メビウス」からは、「レギュラータイプ」3種類と、「メンソールタイプ」4種類、「フレーバーメンソールタイプ」5種類、「キャメル」からは「レギュラータイプ」1種類、「メンソールタイプ」1種類、そして「フレーバーメンソールタイプ」4種類が展開される。

「プルームX アドバンスド」で吸えるスティックは、現在「メビウス」シリーズ12種類と、「キャメル」シリーズ6種類の計18種類。そのうち「メビウス」は、2023年3月にリニュ―アル。570円から500円へと値下げしつつ、レギュラーとメンソールは味と香りが進化している。残りのオプションシリーズは、味と香りはそのままに、名称とパッケージデザインが変更された

「プルームX アドバンスド」で吸えるスティックは、現在「メビウス」シリーズ12種類と、「キャメル」シリーズ6種類の計18種類。そのうち「メビウス」は、2023年3月にリニュ―アル。570円から500円へと値下げしつつ、レギュラーとメンソールは味と香りが進化している。残りのオプションシリーズは、味と香りはそのままに、名称とパッケージデザインが変更された

「ウィズ2」

2023年6月、JTが従来の低温加熱式タバコデバイス「プルーム・テック」「プルーム・テック・プラス・1.5」「プルーム・テック・プラス・ウィズ」と入れ替える形で発売したのが「ウィズ2」だ。

同製品は、カートリッジ内のグリセリン類を加熱して蒸気を発生させたあと、微細に刻まれたタバコ葉入りの「タバコカプセル」に通過させることによってニコチン入りの蒸気を出すという方式を採用。タバコカプセル以外は、電子タバコ「VAPE」と同じ仕組みだ。加熱温度は、「ノーマルモード」の約40度と、「ハイモード」の約60度を備える。

加熱の待ち時間がゼロで、オン/オフ自由自在であること。いつでも好きなときに吸い始め、自分のタイミングで止められることも「ウィズ2」の強みだ

加熱の待ち時間がゼロで、オン/オフ自由自在であること。いつでも好きなときに吸い始め、自分のタイミングで止められることも「ウィズ2」の強みだ

低温である分、「ウィズ2」は驚くほどニオイが少ない。隣で吸っていても気づかれないこともあるほどなので、ニオイに配慮が必要な環境で使用することが多い喫煙者にとって、救世主のような存在だ。

高温加熱式に比べると喫味は軽いが、5〜7mg程度のタール値のタバコを吸っていた人なら満足できるはずだ。低温加熱式とは思えない、しっかりとした深い喫味を実現している。

霧化したリキッドがタバコ顆粒の入ったカプセルを通ることで、味や香りの蒸気を発生させる、独自の「インフューズドテクノロジー」を採用

霧化したリキッドがタバコ顆粒の入ったカプセルを通ることで、味や香りの蒸気を発生させる、独自の「インフューズドテクノロジー」を採用

「ウィズ2」の専用タバコカプセル「メビウス」シリーズは、現在6種類で展開。「アイコス」や「グロー」には数では及ばないものの、あらゆる種類の味わいをニオイなしで、しっかりとした喫味とともに味わえるのはすばらしい。ただ、モノによっては喫味にクセがあり、レギュラー系でノドがイガイガするという人もたまにいる。実感としては、メンソールやフレーバー系のほうがこうした問題は起きにくいようだ。

専用タバコカプセル「メビウス」シリーズは、1箱にリキッドの入ったカートリッジ1本とタバコカプセル5個がセットで同梱。レギュラータイプ2種と、メンソールやフレーバータイプ4種の計6種類で展開されている

専用タバコカプセル「メビウス」シリーズは、1箱にリキッドの入ったカートリッジ1本とタバコカプセル5個がセットで同梱。レギュラータイプ2種と、メンソールやフレーバータイプ4種の計6種類で展開されている

この専用タバコカプセルのもうひとつの特徴としては、JTが自社開発した国産タバコ葉「ゴールドリーフ」を使用した「ゴールド」シリーズや、天然メンソールを使用してナチュラルな清涼感を実現しているメンソールタイプなど、素材へのこだわりが多いこともあげられる。

デバイスとフレーバーの選択肢が豊富な「グロー」

BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)が販売する「グロー」シリーズは、本体の穴に専用スティックを差し込み、周囲からタバコ葉を加熱する周辺加熱式だ。加熱温度は、デバイスや使用モードによって異なり、240〜280度に設定されている。

「アイコス」より加熱温度は低いが、普段から「ケント(KENT)」を吸っている人や、軽めのメンソールを好む人からの評判がよい。また、バッテリー一体型で、機種によっては最大約20本分を連続して吸えるのが大きなメリットだ。

2024年1月時点では、細身のスティックを使用する「グロー・プロ」シリーズは、「グロー・プロ・スリム」「グロー・プロ」のみ。いっぽう、太い専用スティックを採用した「グロー・ハイパー」シリーズは、「グロー・ハイパー・プラス」「グロー・ハイパー・X2」「グロー・ハイパー・エア」「グロー・ハイパー・プロ」の全4機種が展開されている。

細身の専用タバコスティック「ネオスティック」を使用する「グロー・プロ」(写真左)と、「グロー・プロ・スリム」(右)

細身の専用タバコスティック「ネオスティック」を使用する「グロー・プロ」(写真左)と、「グロー・プロ・スリム」(右)

左から「グロー・ハイパー・プラス」「グロー・ハイパー・X2」「グロー・ハイパー・エア」

左から「グロー・ハイパー・プラス」「グロー・ハイパー・X2」「グロー・ハイパー・エア」

この穴に専用ブラシを通すだけで、メンテナンスは完了する

この穴に専用ブラシを通すだけで、メンテナンスは完了する

「グロー・ハイパー」/「グロー・ハイパー・プラス」

後述する「グロー・プロ」シリーズは、ほかの加熱式タバコよりも細めの専用スティック「ネオスティック」を採用しているため、どうしても蒸気が細くなり、吸い応えも弱くなりがちだ。しかし、2020年4月に発売された「グロー・ハイパー」は、「ネオスティック」よりも4mm太い独自のスティックを使用することで、より強い喫味を実現している。

「グロー・ハイパー」の仕様は、「グロー・プロ」とよく似ており、スピーディーに加熱できる「IH誘導加熱方式」を採用している点や、「充電時間約90分で使用可能回数が約20回」という点が共通。また、「通常モード」のほか、吸い応えを高める「ブーストモード」を搭載している点も同じだ。ただし、加熱温度は「通常モード」で250度、「ブーストモード」で260度と、「グロー・プロ」よりも低い設定だ。

「グロー・プロ」よりほんの少し大きめな「グロー・ハイパー」

「グロー・プロ」よりほんの少し大きめな「グロー・ハイパー」

左が「グロー・ハイパー」専用スティック。4mm太くなった分、「グロー・プロ」シリーズの「ネオスティック」(右)よりもフィルターの穴の口径が大きくなった

左が「グロー・ハイパー」専用スティック。4mm太くなった分、「グロー・プロ」シリーズの「ネオスティック」(右)よりもフィルターの穴の口径が大きくなった

2021年1月には、ブースト時の加熱温度が「グロー・ハイパー」より10度高い「グロー・ハイパー・プラス」が発売された。通常モード時250度、ブーストモード時270度という設計で、理論上はより強い喫味を味わえることになっている。ただ、ブーストモードの加熱温度以外、味に影響する変化はないため、「グロー・ハイパー」を持っている人は、そのまま使い続けても問題ないとは思う。

究極の刺激を求めたい人におすすめの「グロー・ハイパー・プラス」

究極の刺激を求めたい人におすすめの「グロー・ハイパー・プラス」

「グロー・ハイパー・X2」

そして2022年9月、「ブーストモード」の専用ボタンを搭載して新登場したのが「グロー・ハイパー・X2」だ。印象的なのは、従来モデルの丸っこいフォルムを一新し、エッジの利いたスタイリッシュなバイカラーとデザインを採用したこと。マット&メタリックな質感で、高級感もプラスされているほか、サイズは前モデル「グロー・ハイパー・プラス」に比べて15%削減され、重量も7%軽減されている。

インダストリアルなデザインでよりスマートに

インダストリアルなデザインでよりスマートに

性能面での進化は特にないが、長く味わう「標準モード」と強い喫味の「ブーストモード」で、それぞれ独立した専用ボタンを搭載。従来の「ブーストモード」は、長押しでバイブが2回鳴るまでさらに2秒長押しして待たなくてはならなかったが、「グロー・ハイパー・X2」の「ブーストモード」は標準モード同様、3秒待ちでブーストできるようになった。同モードの愛用者にとっては、長押し待ちが2秒減り、だいぶ快適に使えるようになった。

ほかにも、底部に搭載されていた空気孔は廃止されており、代わりにフタで密閉される仕様を採用。このフタは付属クリーニングブラシを使って開ける仕様だ。そのため加熱機構は変わっていないものの、わずかながら喫味が強くなっている。

LEDはサイズが大きくして天面に移動させたことで、喫煙中に目視しやすくなった。スティック挿入穴がシャッター式のギミック感あふれるものになったのも楽しい。「グロー・ハイパー」シリーズのひとつの完成形と言えるだろう。

側面のボタンは、上の短いほうが喫煙時間の短い「ブーストモード」で、下の長いほうが長く吸える「標準モード」と直感的だ

側面のボタンは、上の短いほうが喫煙時間の短い「ブーストモード」で、下の長いほうが長く吸える「標準モード」と直感的だ

「グロー・ハイパー・X2」(写真左)と、「グロー・ハイパー・プラス」(写真右)。前者は、サイズの数値以上に、実際に比べてみると後者より小さく、薄く感じる

「グロー・ハイパー・X2」(写真左)と、「グロー・ハイパー・プラス」(写真右)。前者は、サイズの数値以上に、実際に比べてみると後者より小さく、薄く感じる

「グロー・ハイパー・エア」

「グロー・ハイパー・X2」でデバイスの完成形に近づいた「グロー」シリーズ。あとは同じ機能をコンパクトに実現すればよいとばかりに2023年6月に登場したのが、「グロー・ハイパー・エア」である。インダストリアルデザインの「グロー・プロ・スリム」のデザインコンセプトを受け継いだ、極限までスリム化したデバイスだ。

「グロー・ハイパー・X2」に比べて厚さを40%、重量を25%ダイエットすることに成功(高さのみ77.5→97.3mmに増加)。いっぽうで、小さなレベルの変化だが、起動時間が「グロー・ハイパー・X2」が通常モード20秒/ブーストモード15秒のところ、「グロー・ハイパー・エア」は通常モード30秒/ブーストモード20秒と延びている。

加熱温度の切り替えは、「グロー・ハイパー・X2」より採用された2ボタン式を踏襲。滑りにくいマットなアルミニウムボディは軽快だが、意外と起動ボタンは重めなのに注意したい。指の関節部分などでグッと押し込む必要がある。

スリムになった分、本体が熱くなりやすいかと思ったが、平たいバッテリー部分をつまむように持っている限りは問題なし。「グロー・ハイパー・X2」の正常進化形だと言える。

「グロー・ハイパー・X2」から挿入口のギミックやLEDの光り方の単純化などで、限界までサイズと重量を減らした。まさに機能美

「グロー・ハイパー・X2」から挿入口のギミックやLEDの光り方の単純化などで、限界までサイズと重量を減らした。まさに機能美

「グロー・ハイパー・プロ」

正当進化の「X2」、軽量薄型の「エア」を経て2023年12月に登場したのが、「グロー・ハイパー・プロ」。BATにしては珍しく、3,980 円(税込)という強気の価格設定が、フラッグシップモデルであることを認識させてくれる。

細いスティック時代に主に採用されていた丸みのあるデザイン

細いスティック時代に主に採用されていた丸みのあるデザイン

ポイントは鮮やかな有機ELディスプレイ「EASYVIEWスクリーン」を搭載しており、バッテリー残量や加熱モードを目視できるところ(電源を入れると「Hi」とあいさつされる)。モードはダイヤル選択式になった。

そうした派手な変更の影で大きく進化していたのが、新たな加熱技術「HEATBOOSTテクノロジー」。従来モデルにおいては、「スタンダードモード」で加熱温度250度とうたわれていたとしても、実は常に250度で加熱し続けるわけではない。各社独自に喫味をコントロールするため、最適な曲線を描く温度調整を行っているのだ。これまで「グロー」はスタートダッシュで一気に高温MAXに高める方式を採っていたのだが、「HEATBOOSTテクノロジー」で少し変化したようだ。

ひと口目はマイルドに旨味を中心に味わいを高め、中盤以降で喫味を強くしていく新たな加熱曲線になっている印象。最高温度に一気に到達させないことで、独特の酸味のあるいぶったニオイがかなり低減された。「X2」や「エア」と比べると、余裕があり、洗練されたタバコの味わいを堪能できる。

加熱モードをディスプレイで確認できるが、ダイヤルの状態を見てもわかるのでそれほど意味はない

加熱モードをディスプレイで確認できるが、ダイヤルの状態を見てもわかるのでそれほど意味はない

あとどのくらい本数を吸えるかをリアルタイムで把握できるのは便利!

あとどのくらい本数を吸えるかをリアルタイムで把握できるのは便利!

「グロー・ハイパー・プロ」と「グロー・ハイパー・プラス」、そして「グロー・ハイパー・X2」「グロー・ハイパー・エア」の専用スティックのラインアップは4銘柄が展開されており、内訳は次のとおり。

・「ラッキーストライク」
→レギュラー2種+メンソール系6種=計8種

・「ネオ」
→レギュラー1種+メンソール系5種=計6種

・「クール・エックス・ネオ」
→メンソール系5種

・「ケント」
→レギュラー2種+メンソール系4種=計6種

2024年1月現在、25種類が用意されており、価格は各20本入りで400〜500円(税込)。25種類のうち22種類がメンソール(フレーバーメンソール含む)で、やはり「グロー=メンソール」というイメージは健在だ。

「グロー・ハイパー」シリーズ専用スティックは喫味を高めるため、使用するタバコ葉の量が細身の「ネオスティック」より3割多いという

「グロー・ハイパー」シリーズ専用スティックは喫味を高めるため、使用するタバコ葉の量が細身の「ネオスティック」より3割多いという

「グロー・プロ」

「グロー・プロ」は、「IH誘導加熱方式」を採用し、より満足感を高める「ブーストモード」を搭載。最速で約10秒というスピーディーな加熱と、深い味わいを実現している。
通常モードでは、従来どおりの約240度加熱だが、ブーストモードでは加熱温度がグローシリーズ最高の約280度にアップする。喫煙時間は、約3分と短いものの、使用する「ネオスティック」によっては、「アイコス」に迫る強い喫味を味わえるようになった。

ハイエンド機種の風格が漂う「グロー・プロ」。最大約20本分を連続して吸える

ハイエンド機種の風格が漂う「グロー・プロ」。最大約20本分を連続して吸える

「グロー・プロ・スリム」

「グロー・プロ・スリム」は、ブランド史上最も薄い、厚さ約15.5mmのスリムボディが特徴のデバイス。全国の「gloストア」などでは2021年9月から発売されており、12月21日には全国のコンビニエンスストアで販売が開始された。「グロー」登場初期からある細いほうのスティック(スリムスティック)を使用するデバイスとしては、最新モデルとなる。

見た目はシンプルだが、「グロー・プロ」同様のIH誘導加熱方式を採用しており、満足感を高める「ブーストモード」も搭載。いっぽうで、味の面での差はなく、連続使用回数が約20回から約16回に減り、重量が約111gから約74gに減って携帯性が高められた以外は、ほぼ同機能と言える。

ただ、「グロー・プロ」の肉厚なデザインとは異なり、極限までそぎ落とされたデザインや、見るからにチャンバー(加熱炉)と平形バッテリーを連結しただけに見えるフォルムは、スリムスティックが生み出す軽快な喫味とのバランスがとてもよい。

平たいボディが手のひらにしっくり来て、持ちやすい「グロー・プロ・スリム」

平たいボディが手のひらにしっくり来て、持ちやすい「グロー・プロ・スリム」

スリムスティックの「グロー・プロ」は、以前よりもバリエーションが減った。それでも2023年7月時点で、ブランドは「ケント」(レギュラータイプ2種+メンソールタイプ6種)と、「ネオ(neo)」(メンソールタイプ1種)の2つで、合わせて9種類。そのうち7種類はメンソールタイプなので、メンソール好きに向いたデバイスと言えるだろう。

ちなみに、フィルター内のカプセルをつぶして清涼感をアップさせる「カプセルメンソール」は、加熱式タバコでは「グロー」が元祖である。

紙巻きタバコでのファンも多い「ケント」と、加熱式タバコ用に開発された喫味の強い「ネオ」の2シリーズを用意。深い喫味を優先するなら「ネオ」、豊富なメンソールとマイルドさを求めるなら「ケント」がおすすめだ

紙巻きタバコでのファンも多い「ケント」と、加熱式タバコ用に開発された喫味の強い「ネオ」の2シリーズを用意。深い喫味を優先するなら「ネオ」、豊富なメンソールとマイルドさを求めるなら「ケント」がおすすめだ

タバコ葉×リキッド×中高温の新鮮なおいしさ「リル ハイブリッド」

2020年10月、「アイコス」を販売するフィリップ・モリス・ジャパンが、宮城・福岡県内限定販売として発売した、韓国の大手タバコメーカー、KT&G製の加熱式タバコ「リル ハイブリッド(lil HYBRID)」。2021年2月からは全国展開されている。

「リル ハイブリッド」の特徴は、平均約160度という中高温でタバコスティックを周辺から加熱し、そこに気化させたリキッドを通すという「ハイブリッド テクノロジー」を搭載している点だ。現在、日本で流通しているほかの加熱式タバコにはない構造で、新境地のおいしさを味わえる。また、加熱温度を約160度に抑えることで、ニオイも軽減されている。

使用時間は、14パフもしくは4分20秒間。本体側面のディスプレイで使用状況や、リキッドカートリッジの残量、エラーの内容などがイラストを含めた表示でわかりやすくアナウンスされる

使用時間は、14パフもしくは4分20秒間。本体側面のディスプレイで使用状況や、リキッドカートリッジの残量、エラーの内容などがイラストを含めた表示でわかりやすくアナウンスされる

「リル ハイブリッド」は、加熱ブレードを搭載せず、巻いた紙の周囲から温める周辺加熱方式。専用スティックは、使用後の葉カスがこぼれにくい構造で、デバイスが汚れにくく、クリーニングがほぼ不要だ。

左が「アイコス」の「マールボロ ヒートスティック」、右が「リル ハイブリッド」の専用スティック「ミックス」の吸い殻。「ミックス」のほうは茶色い加熱跡こそあるものの、葉カスは皆無だ。ちなみに、ウェットタイプの綿棒で内部を拭いてみたが、「アイコス 3 DUO」のような汚れは付着しなかった

左が「アイコス」の「マールボロ ヒートスティック」、右が「リル ハイブリッド」の専用スティック「ミックス」の吸い殻。「ミックス」のほうは茶色い加熱跡こそあるものの、葉カスは皆無だ。ちなみに、ウェットタイプの綿棒で内部を拭いてみたが、「アイコス 3 DUO」のような汚れは付着しなかった

「リル ハイブリッド」専用タバコスティック「ミックス(MIIX)」は、「レギュラー」、「アイス」、「アイス プラス」、「ミックス」の4種類をラインアップ。価格は20本入りで500円(税込)だが、別売りリキッドカートリッジ(60円)も必要となる。

「レギュラー」(上)は少々クセがあるので、最初に挑戦するなら「アイス」(左下)がおすすめ。ペパーミント系の辛さと冷涼感でストレートなメンソールだ

「レギュラー」(上)は少々クセがあるので、最初に挑戦するなら「アイス」(左下)がおすすめ。ペパーミント系の辛さと冷涼感でストレートなメンソールだ

2021年6月21日に発売された「ミックス アイス プラス」。「ミックス アイス」は甘さが勝っていたが、これの主役はミント。前半は特に清涼感が強めで、後半はスースー感が抜けてきて甘みが出てくるが、許容範囲の弱さ。辛さ控えめのスペアミント的な清涼感でおいしい

2021年6月21日に発売された「ミックス アイス プラス」。「ミックス アイス」は甘さが勝っていたが、これの主役はミント。前半は特に清涼感が強めで、後半はスースー感が抜けてきて甘みが出てくるが、許容範囲の弱さ。辛さ控えめのスペアミント的な清涼感でおいしい

「プルーム・テック・プラス」シリーズと異なり、「リキッド」は別売り。スティックの消費ペースと合わせる必要がないため、ムダなく消費できる

「プルーム・テック・プラス」シリーズと異なり、「リキッド」は別売り。スティックの消費ペースと合わせる必要がないため、ムダなく消費できる

「アイコス」「プルーム」「ウィズ」「グロー」「リル ハイブリッド」はそれぞれどんな人に向いているか

加熱式タバコ市場は、混迷の時代を迎えている。この現状において、「アイコス」「プルーム」「グロー」「ウィズ」「リル ハイブリッド」は、それぞれどんな人に向いているのだろうか。

まず、喫味の強さと1本の喫煙時間の長さを求めるのなら、「アイコス」である。この特徴は、加熱式タバコブーム当初から、最新モデル「アイコス イルマ アイ」シリーズに至るまで、ずっと変わらない。そして、このシリーズにおいては、これまで「アイコス」最大の課題だったメンテナンスの面倒さを、ブレードを廃止することで解消。タバコ葉をフィルターで密閉し、ニオイも低減した。

デバイスのパーツを交換して気分を変えたい人は、別売のパーツアクセサリーの種類が多い「アイコス」シリーズがよい。「アイコス イルマ アイ」と「アイコス イルマ アイ プライム」では、ホルダーのリングからラップカバー、ドアカバーまで、さまざまなカラーやテクスチャーからパーツを選び、好きなようにカスタマイズできる。

もちろん、シンプルに取り回したいなら、「アイコス イルマ アイ ワン」という低価格&一体型の選択肢も魅力的。廉価版タバコスティック「センティア」と組み合わせれば、低価格でブレードレスの魅力を堪能できるからだ。もちろん、この機種にも着せ替えパーツは用意されている。

元々チェーンスモーカーで、喫煙時間の長さは不要、あるいは「ケント」や「ラッキーストライク」、「クール」という老舗ブランドに愛着がある人は、「グロー・ハイパー・X2」を選びたい。カプセルメンソールを含むフレーバーの豊富さがいちばんのウリという印象だった「グロー」だが、太くなったスティックで味わう「グロー・ハイパー・X2」の「ブーストモード」なら、「アイコス」に迫る喫味の強さを味わえる。

そして、「グロー・ハイパー・X2」のサイズ・重量を減らして取り回しをラクにしたのが「グロー・ハイパー・エア」。強い喫味はそのままと、「グロー・ハイパー」シリーズの究極到達点と言えるだろう。これまで喫煙時間の短さからチェーンスモーカー向きだったが、最新機種の「グロー・ハイパー・プロ」ではスタンダードモードで4分30秒まで延びており、その状況は変わってきた。

いっぽう、「グロー・ハイパー」シリーズの登場により、「アウト・オブ・デート」感が出てしまっていた細身スティックを使用する“無印”「グロー」だが、目下の最新機種「グロー・プロ・スリム」はまだ現役感がある。スティックの細さ、喫味、使用時間に見合った軽快なボディは、改めて“ほどよい軽さ"を楽しむデバイスとしてバランスがよい。

ニオイが気になるのなら、「プルーム」シリーズだろう。高温加熱式の新モデル「プルームX アドバンスド」は、従来の周辺加熱に加え、気流で内部のタバコ葉を同時に温める「パワーヒートフロー」を採用。さらに、加熱温度を「アイコス」に迫る320度にまでアップさせたことで、ニオイ少なめのまま、喫味を大幅に上げてきた。

また、ニオイレスとともに、高コスパで携帯性にもすぐれているのが「ウィズ2」だ。高温加熱式とは段違いのほぼ無臭で、クルマの車内などの密閉空間でも気にならないレベルを実現している。味わいに関しては、雑味のない喫味を物足りなく感じる人もいるが、スティックを入れ替えることなく、1カプセルを断続的に吸える特性は唯一無二だ。

「リル ハイブリッド」は、「中高温(約160度)×リキッド」という異色モデル。メンテナンスフリーではあるが、別売のリキッドカートリッジとスティックの両方を用意しなければならない面倒さがあることは否めない。デバイスの重量も重めなうえ、喫味に少々クセがあるので人を選ぶ。

ランニングコストは、スティック1箱当たりの価格で判断するのもよいが、満足度を考えると、喫煙可能時間も考慮したい。たとえば、高/中温加熱式なら1本につき「アイコス」は約6分、「プルームX アドバンス」は約5分、「リル ハイブリッド」は約4分20秒、「グロー・ハイパー」シリーズと「グロー・プロ」シリーズは約4分(「ブーストモード」では約3分)と、楽しめる時間に結構差があるからだ。

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価格.comマガジン編集部
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牧野裕幸(編集部)
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牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映画雑誌の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。電動シェーバーやロボット掃除機といった白物家電のほか、加熱式タバコやホビー、フード、文房具、スポーツ、ファッションを担当しています。
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