こんにちは。ガンプラマニアのポッチです! ガンプラ40周年を記念して、2020年7月31日に「HGUC No. 234 HG 1/144 シャア専用ザクII」が発売されましたね。1/144スケールの「シャア専用ザク」としては、旧キットや限定版を含めると、かなりの数がリリースされています。そこで今回は、新作の特徴を見つつ、「旧HG」「RG(リアルグレード)」「オリジン版」とどこがどう変わったのかを比較していきたいと思います!
1/144スケールで発売されている「シャア専用ザクII」。中央が新作の「HGシャア専用ザクII」です
まずは最新の「HGシャア専用ザクII」の特徴を見ていきます。「『機動戦士ガンダム』におけるプロポーションを最新の技術でリバイブ」という説明通り、アレンジの少ないレトロなスタイルで立体化されているのが特徴です。
ご覧のとおりモールド量が少なく、昔の設定画に近いスタイルで再現されています。後ろ姿は、往年のファンにはたまらない立ち姿に仕上がっていますね
RG(リアルグレード)やオリジン版と比べ、レトロなプロポーションで作られているのが見て取れます。サーモンピンクを主体とした色合いで再現されているのも特徴的。また、パーツ数が少ないため誰でもサクサクと組める内容になっています。
合わせ目(パーツとパーツの隙間)が少なく色分け良好ということで、塗装をしない人でも高クオリティなシャアザクが組めるのが特徴ですね。
また、見た目はレトロですが、高可動を実現しているというギャップもポイント。その最大の特徴は、選択式の腰アーマーです。従来のプラ材質でできた「軟質タイプ」のほかに、ゴムのような素材でできた「軟質タイプ」が同梱します。
上が「硬質タイプ」、下が「軟質タイプ」。軟質タイプにした場合、脚回りの可動範囲がアップします
硬質タイプではリアスカート(腰後ろ側の装甲)が非可動ですが、軟質タイプでは動くため、可動範囲が格段にアップします
このほか、肩や腕、腰、脚など全身の可動領域が非常に広くなっています。シンプルな見た目ながら、最新フォーマットで作られているため、アクションポーズがかっこよく決まります。ここからは、武器を持たせつつ、さまざまなポージングで撮影してみました。
バランス感覚にすぐれており、片足でのポージングも得意!
足裏に肉抜きはありません。どの角度から見ても美しいです
ヒート・ホークを振り下ろすシャアザク!
このようなアクロバティックなポージングも何のその
キレイに立ちヒザが決まるうえ、フォアグリップをつかみ、両手でマシンガンを構えることができます
モノアイと照準サイトも動くので、のぞきこむようなポーズも可能
ザク・バズーカも両手で構えることができます。まさに「ファースト感」満載な見た目!
インスタ映えは間違いなさそうです……!
新作のシャアザクは、レトロな見た目に反し、2種類の腰アーマーから好きなほうを選べるなど可動域の広いガンプラに仕上がっていました。それではここから、過去の1/144 シャア専用ザクIIの特徴を振り返っていきましょう!
「HGUC No. 32 シャア専用ザク」。「ザクII」ではなく「ザク」表記になっています
HGUCシリーズの初期に発売されたシャア専用ザクは、新作のシャアザクと同じデザインコンセプトで、アレンジの少ないガンプラに仕上がっています。
過去作といえど、L字シールドの裏側が色分けされているなど、基本的な色分けは良好。ただ、合わせ目の量は多いです
可動範囲は狭く、腰をひねることができません。手足の関節は90°ほど曲がりますが、フロントスカートが干渉してキレイなヒザ立ちはできず
このようなシンプルなポーズだと、昔のTV版を思い出す見た目で展示できます。ただ、最近のHGによくあるスタンド用の穴は開いていません
HGUC No.32のシャア専用ザクは、新作と同様に「昔のアニメに近いプロポーション」で立体化されているのが特徴です。ただ2002年製ということで、腰をひねることができず可動範囲は狭め。同じコンセプトのシャアザクを買うなら、新作を選ぶほうが満足度が高いと思います。
RGシリーズの第2段として2010年に発売された「RGシャア専用ザク」
RG版の特徴は、なんといってもパーツ・モールド・マーキング数の多さに尽きます。半完成品のフレームである「アドバンスドMSジョイント」に装甲パーツを付けていく組み上げ方。多彩なマーキングの「リアリスティックデカール」も同梱されるため、工芸品のような見た目のシャアザクを組むことができます。
モノアイ周辺にはクリアパーツが使用されています。ほかの1/144スケールのシャアザクにはないRG特有の部分です
なんと、動力パイプはひとつひとつ別のパーツになっています
動かすと、装甲が連動してスライドします
アドバンスドMSジョイントの恩恵で、可動範囲が広いです
成形色が薄いピンクになっているのもRGの特徴
RG版は、ほかのタイプのシャアザクよりも3倍の組み立て時間がかかりますが、ご覧のとおり1/144スケールとは思えない細かなディテールで再現されています。ただガンプラ初心者さんでは組むのに難解なところがあったり、パーツのポロリ率が高かったりするのが難点。
オリジン版のHGは「オリジン版(左)」「赤い彗星Ver.(右)」の2種類発売されています
その名のとおり、「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」に登場する姿で立体化されたのが「HGシャア専用ザクII(オリジン版/赤い彗星Ver.)」です。
2種類発売されていますが、後発の「赤い彗星Ver.」は武器が追加されているほか、マーキングシールの量も増えています。今から買うなら「赤い彗星Ver.」一択です!
HGらしいパーツ数で抑えられているものの、RGにも引けを取らないディテールが特徴。多彩なマーキングシールが付属します
可動域も広く、腕の関節は180°近く曲がります
オリジン版ということで、肉付きのいい現代風プロポーションで再現されています
股間軸は前後に可動し、ザクキック!も何のその
「赤い彗星Ver.」は2019年製というだけあり、最新フォーマットで立体化されています。パーツ数はRGよりも少ないですが、適度な量で組みやすく、それでいてRGにも負けない可動域・ディテールを実現しているのが特徴です。モールドが多く、新作のシャアザクとは別の方向性でデザインされたガンプラに仕上がっています。
それでは、ここまで見てきた「HGUCシャア専用ザクII(No. 234)」「HGUCシャア専用ザク(No.32番)」「RGシャア専用ザク」「HG シャア専用ザクII(赤い彗星Ver.)」を並べて比較していきたいと思います!
古い順で並べてみました。左から「HGUCシャア専用ザク(No.32)」「RGシャア専用ザク」「HGシャア専用ザクII(赤い彗星Ver.)※オリジン版」、今回の「HGUCシャア専用ザクII(No.234)」です
スタイルはもちろん、装甲色の赤の色合いがすべて違います
頭部を比較。RG版(左から2番目)のみ、モノアイがクリアパーツで覆われています
上半身と左肩のスパイクアーマーを比較。HGUCのシャアザクは、新旧ともにモールド量が少なくマーキングシールが同梱されないので、昔のTVアニメのような印象を受けますね
ランドセルを比較。簡素な出来だった旧HGUC版に比べ、新しいHGUCではスラスターが造形されています。いっぽうRG版やオリジン版(赤い彗星Ver.)では、より細かなディテールで再現されているのが見て取れます
右肩のL字シールドとザク・マシンガンを比較
可動域を比較。左上の旧HGUC版以外はよく動きます
HGUC(No.32)は2002年発売と、18年前の古いHGなだけあり、合わせ目の量が多く可動範囲も広くありません。新作のシャアザクは旧HGUC版のアップグレード的内容になっており、サーモンピンクの装甲色をはじめ、昔ながらのテレビ版に近いレトロな姿で立体化されているのが特徴です。
RG版はパーツ数が多く、動力パイプがひとつひとつ別パーツになっています。豊富な量のリアリスティックデカールも同梱するので、工芸品のようなガンプラになっていますね。ただ、初期のRGということでパーツのポロリは多め。
オリジン版のHG シャア専用ザクII(赤い彗星Ver.)は、「渋い成形色」「緻密なモールド」「多彩なマーキングシール」と、RGに引けをとらないほど出来がいいです。
発売時期の近い「HG RX-78-2ガンダム[BEYOND GLOBAL]」と並べて。シャアザクのお供に、BEYOND GLOBALもおすすめです!
旧キットの「FG シャア専用ザク」も混ぜ、シャアザク勢揃いでディスプレイ
まとめると、今回の「HGUC シャア専用ザクII」は、「原作寄りのプロポーション」「腰アーマーが2種類付属」「高可動」が特徴のガンプラに仕上がっていました。特に「少ないパーツ数でよく動く」というのがポイントで、RGのように「膨大なパーツ数で動く」わけではないのが特徴的です。
そんな数あるシャアザクの中でも、個人的なおすすめは、新作の「HGUCシャア専用ザクII」か、オリジン版の「HGシャア専用ザクII(赤い彗星Ver.)」です。CGで描かれたオリジン版の「細かいディテール」「マーキング量」が好きなら「HGシャア専用ザクII(赤い彗星Ver.)」を、より原作イメージに近い姿が好きなら新作のHGを選ぶようにすれば失敗がないと思いますよ!