「ガンプラの世界というのは奥が深い」と改めて感じる、今回はそんな商品をご紹介。「MG RB-79 ボール(Ver.Ka)」です。え? 嘘、ボールってあのボール? と驚かれる方もいるかと思います。そうです、あのボールです。しかもマスターグレード。しかもVer.Kaブランド。発売当時ガンプラファンを驚かせた機体をご紹介しましょう。
しかも3バリエーションでご紹介! MGボールトリオです
ボールといえば初代ガンダムファンならおなじみ、一年戦争末期に登場した支援ポッドのことです。正式名称は「地球連邦軍量産型中距離支援ポッド RB-79」(諸説あり)。劇中ではソロモン戦あたりから、連邦軍の量産型モビルスーツ、ジムの支援機として登場します。劇中ではそのやられっぷりも目立ちましたよね。名前のとおり、ボールのようにザクに蹴られるシーンなんかもあったりします。別名「丸い棺桶」も納得。正直、自分がパイロットで、ボールにのってア・バオア・クーに出撃しろ! と命令されたら上官殴って逃げるレベルです。
そんなボールですが、マスターグレードとしてガンプラに登場し、しかもハイディテールが特徴のVer.Kaブランドでの発売になるわけですから、ガンプラの世界も思い切っております。しかも、1つじゃありません。ボールには初代に登場した機体以外にもバリエーションがあるのですが、ガンプラでもそのうちのいくつかがキット化されているのです。今回は、2004年に発売されて今もなお販売されている「Ver.Ka」版、翌2005年発売の「RB-79K ボール (第08MS小隊)」版、2006年発売の「RB-79 ボール(シャークマウス仕様)」版の3体を紹介します。
マスターグレードといえどシンプルな機体なのでランナーはこれだけです
Ver.Ka版は発売して15年前後がたとうとしているガンプラですが、今でも量販店などで購入できます。そのシンプルさとハイディテール、さらにマスターグレードなのに量販店なら1000円台で購入できる手軽さもあり、今でも人気のガンプラです。マスターグレード初心者にももってこいですね。今回の3バリエーションは、内容的にはほぼ同じですが、機体の色合いや、オプションなど細かいところが異なっています。
シャークマウス版は機体がグレーよりブルーに近い配色です
08小隊版はオレンジの機体。武装も異なります
まずはVer.Kaから組み立ててみましょう。
ではさっそく組み立てていきましょう。15年前のガンプラですが、パーツが少なく組みやすいです。ただ結構小さいパーツが多く、初代ガンダム世代なら老眼鏡+拡大鏡が必要になるかもしれません。さらにリード線や金属パーツも付属しており、デカールも転写式と通常の2種類が用意されているなど、細かいところが充実していましたよ。
Ver.Ka版完成です。専用スタンド付き
正面から。まさにボール。なめらかな曲線が再現されています
フロントのアームは自在に動き、可動範囲も広いです
アームにはリード線や金属パーツが使われていてディテールにも凝っています
組み立て方ですが、内部パーツとなる本体を組み合わせて、そこに外装パーツをはめ込んでいく方法です。外装パーツもいくつかに分かれていて、組み合わせると自然なつなぎ目が出て、まるでスター・ウォーズのメカのようなスタイルになっていました。ここらがマスターグレードならではといったところでしょうか。
外装パーツを取り外すことができます
内部メカもディテールが凝っています
アームパーツはすぐに取り外し可能。本体とも簡単に合体できます
本体のディテールはスター・ウォーズに登場するメカのような印象も受けます
本体上部の180mm砲台も左右、上下に可動します。こう見るとボールも格好いいなと思いませんか?
同スケールのガンダムと並べて。意外と大きいという印象でしょうか?
デカールは3バリエーションともに2種類付属しており、Ver.Ka版、08小隊版は通常デカールと転写式デカール、シャークマウス版は通常デカールと水転写式デカールが付いています。
Ver.Ka版と08小隊版には転写式のデカールが付属
デカールを貼ると、さらにメカっぽさが増してボールなのにスタイリッシュな感じになりますね
では残りの2バリエーションも作っていきます。
ボールトリオ完成です。よく見ると微妙に異なっていますね
オレンジの機体の08小隊版は、ガンダム史上、唯一といってもいいくらいのボールの見せ場があります。OVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」にて、主人公、シロー・アマダが搭乗し、ザクとの戦いを繰り広げる機体です。通常ボールとは異なり、上部に連装砲台、フロントにウインチなどのオプションを追加したボールとなっています。
もう1つのシャークマウス版はOVA「機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-」に登場します。フロントに描かれた特徴的なペイントは水転写式デカールで再現されています。この2バリエーションはネット通販などではまだ購入できるところもありますが、だいぶ希少となっているようです。筆者の購入したシャークマウス版は、初期のものだったらしく、水転写式デカールが結構劣化しており、ボロボロになってしまう感じでした。
シャークマウス版はフロントのペイントが特徴的ですが、コックピット上部などがVer.Ka版よりシンプルになっています
08小隊版は機体色のほか、上部が180mm 砲台ではなく連装砲台。そしてコックピット下部にはウインチが付いています
うしろからみるとほぼ同じですね。プラモのパーツ構成や作り方オプション以外は同じでした
08小隊版は連装砲台のほかに通常の180mm砲台も付属。選択式で装備できます
シャークマウス版はウェザリングマスターで汚し塗装とつや消しのトップコートをほどこし、歴戦のボールっぽくしてみました
まさかのボールまでマスターグレードで発売されているとは、筆者もその存在は知っていましたが、実際に購入して作ってみるととてもよくできたガンプラになっていて驚きました。ガンダムタイプや複雑なモビルスーツのガンプラに飽きたら、おすすめですね。機体がシンプルだけに改造しがいや、塗装のしがいもありそうですよ。
ザクに蹴られるシーンを再現して飾ってみたり
ボールトリオ出撃! と並べてみたり。あれなんか違うボールも混じっているような……?
ほかにもガンプラには、こんなものまでマスターグレードになっているの? とか、こんなパイロット専用の機体なんてあったっけ? みたいなさまざまなモデルがあります。また機会がありましたら、ここで紹介させていただきたいと思っています。