今回もまた、筆者のような昭和生まれのアラフォー・アラフィフ世代にはたまらないアイテムを見つけました。タイムマシンがあれば、当時小学生だった自分に見せてあげたいくらいのゴージャスさ。超合金魂シリーズ最新作は、「黄金戦士ゴールドライタン」より「ゴールドライタン」! なんとまさかの24金メッキ仕上げ版です!
40歳以上なら思わず懐かしさを感じるはず! ゴールドライタンです
1981年(昭和56年)から1982年(昭和57年)にかけてテレビアニメとして放映された「ゴールドライタン」(再放送時には「黄金戦士ゴールドライタン」に改題)。「科学忍者隊ガッチャマン」や「タイムボカンシリーズ」などでおなじみのタツノコプロが手がけた作品です。懐かしいですよね。当時の小学生男子はこぞってテレビを見ていたのではないでしょうか?
あの頃は巨大なロボットが主流で、合体変形するものが多い中、ライターのような日常品が変形してロボットになるという「トランスフォーマー」的な作品の先駆けとなったアニメでした。
内装もかなりゴージャスです
セット内容は本体、台座、そして解説書
その名のとおり、ライターが変形してロボットになるという「ゴールドライタン」。アニメ放映当時も、大人気のおもちゃ「超合金シリーズ」として発売されました。当時3,000円代という高額な値段にもかかわらず(国鉄の初乗り110円、煙草1箱180円の時代です)、累計150万個も売れた大ヒット商品でした。ただ、筆者もそうなのですが、当時の小学生のお小遣いではなかなか購入できず、泣く泣く諦めた人も多かったのではないでしょうか?
2006年に一度、超合金魂シリーズとして18金メッキ仕上げの「ゴールドライタン」が発売(6,300円)されているのですが、さらに12年ぶりにリメイクとなった今回は、なんと24金メッキ仕上げ。価格も12,960円になりましたが、あの頃買えずにたまった物欲を十二分に満たすアイテムとなっています。
一見、朱肉に見えてしまうこちらは台座
このように、金と赤と黒のコントラストが映えるようになっていますよ
超合金魂の魅力はその重量感。変形前のライター形態でなんと178g!
変形前は単3形乾電池とほぼ同じ高さです
それでは製品を見ていきましょう。何よりも特徴的なのは、クリスタルカットモールドで再現されたボディに24金メッキをコートしていること。そのままでもキラッキラな輝きを放つのですが、光を照らしたときの輝きが純金さながらの高級感を演出してくれます。
本体だけでもキラッキラな輝きを放つのですが……
光を当てると、さらにその輝きが増します
ただやはりこの輝きをうまく撮影するのが難しく、美しさを伝え切れないため、BANDAI SPIRITSさんにいただいたかっこいい写真も織り交ぜながら紹介していきますね。
ライター状態からロボットへの変形もアニメどおり、そして初代の超合金同様の変形が可能。また最新技術で腕や脚の可動範囲も広く、思った以上のポージングが可能になっています。付属品は交換手首が2種類、ロボット携帯時のすき間部分をカバーする、リストカバーとレッグカバー、そしてアニメでも印象的だった敵ロボットから奪い取ったメカ心臓パーツがついています。では変形させていきましょう。
ライター形態の状態からロボットへ変形させます
本体上部を手前に開くと、頭、腕が収納されています
本体下部を手前に開くと、脚部分が収納されています
正面上部を開いて、折りたたまれた腕部分と頭を取り出します。腕には付属の手首パーツを取り付けます。購入時は手首を別途取り付ける必要があるのですが、握り手首なら収納時はそのまま収納できるようになっています
続いて脚です。本体下部を開いて折りたたまれた脚を引っ張り出します。ふくらはぎの部分は空洞になっているので、別途レッグパーツをつけて補強します。こちらは収納時には取り外さないと収納できません
ゴールドライタン完成! 脚部分の可動部が予想以上に動きます
ロボット形態に変形させてみました。本体サイズはロボットに変形した状態で約13cm。材質はダイキャスト製のボディに、可動部はABS樹脂やポリ塩化ビニルが使われています。テレビアニメ当時のフォルムより、ちょっと格好よくなった印象を受けますね。
さらに可動も思った以上でした。腕と脚は折りたたまれて収納されていた部分なので、さほど動かないのでは? と思っていたのですが、さすが超合金魂最新作! かなりの自由度で動かせます。特に脚部分は柔軟に動くので、結構ムチャな体勢でも自立させることができ、ポージングの幅も広がりますよ。
脚は大きく広げることができ、また足首も動くので角度をつけても自立できます
かなり無茶なポーズでも自立できるので楽しいですね
付属の交換手首パーツを使えば、アニメどおりの必殺技、ゴールドクラッシュを再現できます。
抜き手パーツでゴールドクラッシュポーズが再現可能
またメカ心臓パーツがついているので、敵ロボのメカ心臓を取り出したシーンも再現できます。ゴールドライタンって武器を持たずに空手のような技で戦うのもおもしろかったですよね。
メカ心臓パーツを握る専用手首もついています
アニメ「ゴールドライタン」が放映された1981年(昭和56年)は、すでに「機動戦士ガンダム」の放映後で、ポストガンダムを目指すリアルロボット路線が動き出し、「太陽の牙ダグラム」が放映スタートしていました。さらに巨大合体ロボアニメも健在で「戦国魔神ゴーショーグン」、「六神合体ゴッドマーズ」、「百獣王ゴライオン」なども放映されていた時代です。
その中で「ゴールドライタン」は、ライターが変形してロボットになるという、当時は画期的というか……キワモノ的なロボットと解釈されることも多いのですが、変形したロボットが意志を持ち、主人公たちと対話をするという設定は、リアルロボットもの、巨大ロボものにはない斬新さがありました。ロボット=兵器というだけではなく「ドラえもん」や「ロボコン」のように友達として対話できる要素もあり、後に登場する「トランスフォーマー」のようなロボットものに影響を与えた作品だったのです。しかもライターですからね、子供は普通ライターを持っていません。ライターという大人のアイテムへの憧れも加わり、当時の子供たちにとっては不思議な魅力を持つ作品でした。
シンプルだけど、なぜか妙に格好よく感じませんか?
台座の中には付属パーツを収納できるスペースがあります
解説書には8ページのイメージビジュアルと設定資料付き
「ゴールドライタン」は、今の細身で格好いいロボットに慣れた人から見ると、言うまでもなくダサい格好とネーミングのロボットなのですが、一周回って逆に格好いい存在なのではないか? と、この製品を手にして思いました。クリスタルカットモールドという当時の高級ライターを思わせる仕様とか、24金メッキとか、成金趣味のおっさんかよ! と思うこともあるのですが、おっさんのダサ格好よさみたいなものが、おっさんになった今だからこそ味わえるアイテムのひとつではないでしょうか。玩具とは思えない高級感と輝きがあるので、当時購入できなかった方に、キラキラとした子供時代を思い出しながら楽しんでほしいですね。
筆者も100円ライターではなく、ゴールドライタンのような金ピカなライターになりたいです(笑)