ジャンプではなくサンデー派、コロコロコミックではなくコミックボンボン派。人とは少し違うものを好きになる傾向が強いみなさま、お待たせしました。セガの名機「メガドライブ」を手のひらサイズに復刻した「メガドライブミニ」が、2019年9月19日に発売されました。
この「メガドライブミニ」の開封の儀、および、オリジナル版とのデザインを比較したレポートをお届けします。先に言ってしまうと、「再現度がスゴい!」です。
メガドライバー待望の「メガドライブミニ」レビュー
セガ・エンタープライズ(現セガゲームス)が1988年に発売したメガドライブ。当時8ビットのゲーム機が主流だった中で、「時代が求めた16ビット」というキャッチコピーは、今でも覚えているほど印象的でした。さらに、キラータイトルである「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のソニックが高速で走り回る姿をCMで見たときには、「こんなに速く動くのか!」と子どもながらに衝撃を受けたことを覚えています。
そんなメガドライブが手のひらサイズの「メガドライブミニ」となって、現代に復活しました。かつて遊んだメガドライブも用意してパッケージを開封していきます。
「メガドライブミニ」のパッケージ。大きくプリントされた「MD」というロゴが懐かしいですね
パッケージの背面には、全42本のタイトルがプリントされています
いざ開封! 「メガドラミニ」との対面です
パッケージの中には、本体、HDMIケーブル、USBケーブル、コントローラー、取扱説明書が入っていました
取扱説明書を見た瞬間、「このフォントは!?」と衝撃が走りました。QRコードやURLなど現代らしい要素こそあれど、可能な限り当時の取扱説明書が再現されています。このグレースケールのようなうっすらとした色合いがいい!
「ほうほう」と取扱説明書を読んでいて、ふと左上に眼を向けると、「このキャラクターいたいた!」と思わず興奮。当時って、こういった名もなきキャラクターみたいなのがいましたよね。ここまで再現するとはビックリです
「16-BIT」の文字がまぶしい真っ黒な本体。いやあ、渋い。ファミコンやPCエンジンと比べても、渋すぎるデザインです。玄人っぽい香りがぷんぷんします。おもちゃではなくゲーム機なんだぞ、というのが前面に押し出されています
ここからは、オリジナルのメガドライブと並べて、デザインを徹底比較していきます。
“メガドライブをコンパクト化した”という表現がピッタリな「メガドライブミニ」
「メガドライブミニ」の本体サイズは、154(幅)×116(奥行き)×39(高さ)mm。280(幅)×212(奥行き)×70(高さ)mmのメガドライブと比べて4分の1くらいのサイズになっています
ヘッドホンボリューム、パワースイッチも忠実に再現。リセットボタンは色味が若干明るくなっています。なお、ヘッドホンボリュームはダミーなので、実際に音量を調節することはできません
カートリッジスロット、パワーランプもオリジナルを再現しています。カートリッジスロット周囲の色味(赤紫の部分)は少し薄くなったかなという印象。なお、カートリッジスロットはダミーですが、とあるアイテムを使うと当時の雰囲気を再現できます(後述)
底面は、オリジナルと同じように通気口とねじ穴まで作りこまれています
コントローラー差込口はUSBポートに変更。時代を感じます
背面のコントローラー拡張端子は取り払われ、A/V出力端子はHDMIポートに、ACアダプターはmicroUSBポートへと変更
「メガドライブミニ」のコントローラーは、当時格闘ゲームの人気を受けて発売された6ボタンタイプの「ファイティングパッド6B」。オリジナルに付属したコントローラーパッドとは異なります
コントローラーは小さくても手にフィットするサイズ。小さすぎて操作しにくいとは感じませんでした
ここからは少しおまけですが、先日開催された「東京ゲームショウ2019」のセガブースでカプセルトイ「メガドライブカートリッジミニ」(1回500円)が出展されていました。このカプセルトイは、なんと「メガドライブミニ」に差すことができるんです。もちろん、ゲームをプレイすることはできません。
「東京ゲームショウ2019」でゲットした「ガンスターヒーローズ」のメガドライブカートリッジミニ
このミニカートリッジを差し込むと、買ったばかりのソフトを遊ぶときの興奮がよみがえります
カートリッジがあると「メガドライブミニ」のたたずまいもどこかしっくりきませんか?
電源はUSBポートから供給しますが、ACアダプター変換プラグは同梱されていないので、自分で用意。5V/1.0A/5Wの出力が可能なものであれば、市販のものを使用できます
ワクワクしながら、パワースイッチをオン!
次は、「メガドライブミニ」のシステム周り、および収録タイトルをレポート。収録されているのは、以下の全42タイトルです。
魔導物語 I/レッスルボール/レンタヒーロー/ソニック・ザ・ヘッジホッグ2/VAMPIRE KILLER(バンパイアキラー)/ぷよぷよ通/コミックスゾーン/シャイニング・フォース 〜神々の遺産〜/スペースハリアーII/武者アレスタ/ランドストーカー 〜皇帝の財宝〜/ガンスターヒーローズ/ダイナブラザーズ2/ハイブリッド・フロント/ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌/魂斗羅 ザ・ハードコア/サンダーフォースIII/スーパーファンタジーゾーン/ロックマンメガワールド/アイラブ ミッキー&ドナルド ふしぎなマジックボックス/ゲームのかんづめ お徳用/パーティークイズ MEGA Q/ファンタシースター 〜千年紀の終りに〜/幽☆遊☆白書 〜魔強統一戦〜/ストリートファイターIIダッシュプラス CHAMPION EDITION/大魔界村/タントアール/ゴールデンアックス/ザ・スーパー忍/ストーリー オブ トア 〜光を継ぐ者〜/ラングリッサーII/ロードモナーク とことん戦闘伝説/ロード・ラッシュII/スラップファイト/ダイナマイトヘッディー/モンスターワールドIV/コラムス/重装機兵レイノス/スノーブラザーズ/アリシアドラグーン/テトリス/ダライアス
収録タイトルは、第1弾、第2弾と順次アナウンスされたのですが、注目なのはメガドライブの新作タイトルとなる「テトリス」と「ダライアス」でしょう。
「テトリス」は、初代アーケード版のメガドライブへの移植が発表されていながら、さまざまな事情により発売されなかったタイトル。いっぽうの「ダライアス」は、迫力の3画面プレイがアーケードゲームで好評を得ていたタイトーの超人気シューティングゲーム。「メガドライブミニ」用に1画面に凝縮し、32ビットの大容量で移植したタイトルです。
電源をオンにすると収録タイトルが並んだメニュー画面を表示。収録タイトルは、発売日順、50音順、ジャンル順、プレイ人数順にソート可能です
タイトルを選ぶと、発売日とゲーム情報が表示されます
「設定」からは言語やスクリーン、壁紙を変更可能
選べる言語は、日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、繁体字、韓国語の8種類
スクリーン設定は、オリジナルの3倍の解像度で表示する標準モード(962×672)がデフォルトで設定されています
画面全体に引き伸ばした横長(1280×720)のモードも選べます
メガドライブでは幻のタイトルだった「テトリス」
当時ゲームセンターでプレイできた「テトリス」を忠実に再現。ブロックの色とか、背景のテトリスとはまったく関係のない謎の画像とか、とにかく懐かしいです
もうひとつの注目タイトル「ダライアス」
メガドライブには「ダライアスII」が発売されていましたが、本機収録の「ダライアス」は「メガドライブミニ」用に作られた完全新作。「ダライアス」と言えばのBGMも盛り上がります。なお、アーケード版には収録されていないボスが登場するので、ファンはプレイ必須です
「メガドライブ」のキラータイトル第2作目「セガソニック・ザ・ヘッジホッグ2」。ステージを高速で走り抜けるスピード感がたまりません。あまりの速さに脳の処理が追い付かないレベルです
さまざまなタイトルを遊んでいると、当時を振り返りながら盛り上がってしまい、あっという間に時間が過ぎてしまいました。42タイトルというのも、ボリューム満点でうれしいポイントです。
すべてのタイトルに共通するのは、今のゲームと比べて難度が圧倒的に高いということでしょう。しかし、当時と違う点として、1タイトルにつき4つまでセーブができるのはありがたい。当時はRPGなどを除き、ほとんどのゲームにセーブ機能は搭載されていませんでした。アクションゲームは、セーブ機能なしでよく遊んでいたなと感心してしまいます。あまりにも難しくてクリアできなかった「大魔界村」も、セーブを活用すればクリアできるかもしれません。
筆者のような下手なプレイヤーにはありがたいセーブ機能
今回レビューした「メガドライブミニ」はコントローラーが1個付属する通常モデルですが、コントローラーが2個付属する「メガドライブミニ W」も同時に発売。2人でプレイできるゲームも用意されているので、2人でプレイしたい人は「メガドライブミニ W」を選ぶといいでしょう。
また、発売を記念して、「メガCD」「スーパー32X」「ロックオンカートリッジ」「ゲームカートリッジ」それぞれのミニチュアモデルで構成される「メガドラタワーミニ」も発売されます。「メガドライブミニ」のカートリッジスロットや拡張スロットに差し込むことで、懐かしい「メガドラタワー」が完成するファンなら必ず手に入れたい一品。なお、こちらはデコレーション用で動作はしません。
当時盛り上がったメガドライバーのみなさんにはぜひ遊んでほしい「メガドライブミニ」。作り手のこだわりが半端ない再現度高めのデザインは、当時のプレイヤーへのリスペクトが感じられます。コントローラーを持つだけで当時の思い出がよみがえってくること間違いなしです。