朝鮮半島情勢の悪化に危機感 韓米高官が米国で対応策協議
【ワシントン聯合ニュース】訪米している韓国外交部の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長が18日、ビーガン国務副長官ら米政府の関係者と会い、朝鮮半島情勢の悪化を防ぐための北朝鮮への対応策を調整したようだ。
外交筋によると、李氏はワシントン入りした翌日の同日、米国の北朝鮮担当特別代表を兼ねるビーガン氏と会談したとされる。会談の場所や時間は非公開。
北朝鮮は最近、開城の南北共同連絡事務所を爆破し軍事行動も示唆するなど韓国への攻勢を強めており、南北間の緊張は高まっている。
こうした中、李氏はビーガン氏と、北朝鮮が韓国への圧力を強めた思惑など朝鮮半島情勢に対する認識を共有した上で、対北朝鮮での連携と対応策を集中的に調整したとみられる。また、米朝の非核化交渉が進展していない中、米朝・南北関係の膠着(こうちゃく)による北朝鮮の新たな挑発など状況悪化を防ぐ手立ても探ったようだ。
米大統領選を11月に控え、米朝交渉が再び勢いを得るのは難しいとみられているが、対北朝鮮制裁に阻まれた南北の経済協力などに関する調整や制裁緩和を巡る議論があったかどうかが注目される。
韓国は今年に入り、南北の鉄道・道路の連結、北朝鮮への個人旅行など独自の南北協力事業を北朝鮮に提案し、これを通じて南北関係の改善へ道筋をつけようとした。
だが米国は、南北協力事業は非核化交渉の進展と足並みをそろえるべきとの姿勢をたびたび表明。これは韓国による南北経済協力の加速をけん制するものと受け止められた。
ところが、北朝鮮による連絡事務所の爆破を受け、米国務省は北朝鮮にさらなる挑発を控えるよう呼びかけるとともに、「米国は南北関係に対する韓国の努力を全面的に支持する」との立場を示した。この先、韓国の対北朝鮮アプローチで自由度が広がるかどうかが注目される。
李氏のワシントン訪問は約5カ月ぶり。前日に訪米した李氏は動きが外部に漏れることを警戒し、日程を非公開とした。
こうした慎重な動きを巡っては、南北間の緊張が高まっていることに加え、北朝鮮が非核化や対北朝鮮制裁を調整する韓米の協議体を直接非難するなど、韓米間の調整に大きな拒否感を示していることを考慮したためとの分析もある。
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