特集2/ケーススタディ

和の現代化への試み

作品/「若王子の家」増改築
設計/横内敏人

明治中期につくられた数寄屋建築の増改築。横内さんの最初の仕事は、まさに日本的なものだった。古いものから学びとりながらも、現代の建築文化と暮らしとの両立を目指したデビュー作になった。

取材・文/豊田正弘
写真/畑亮

 横内敏人さんの事務所「森のアトリエ」は、京都市内からほど近い東山の山裾、若王子(にゃくおうじ)にある。タクシーを降りるといきなりの急坂を上って山のなかへ。息も切れかかったところに姿を見せる切妻の瓦屋根がそのアトリエだ。ガラス張りの室内からは、起伏に富んだ敷地の先に「若王子のゲストハウス」が見え、さらにそこをまわり込むと「若王子の家」。近畿地方が梅雨明けしたこの日、灼熱の市内とは対照的に、窓を全開にしたアトリエには涼風が流れ、セミと鳥の声だけが聞こえてきた。


>> 「若王子の家」の平面図を見る
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