国連安保理、ハイチへの多国籍部隊派遣を採択

国連安保理、ハイチへの多国籍部隊派遣を採択
 国連安全保障理事会は2日、ギャングによる犯罪が横行するカリブ海の島国ハイチの治安回復に向け、加盟国に多国籍部隊を派遣する権限を与える決議案を賛成多数で採択した。写真はスポーツアリーナに避難する人々。ポルトープランスで9月撮影(2023年 ロイター/Ralph Tedy Erol)
[国連 2日 ロイター] - 国連安全保障理事会は2日、ギャングによる犯罪が横行するカリブ海の島国ハイチの治安回復に向け、加盟国に多国籍部隊を派遣する権限を与える決議案を賛成多数で採択した。
ハイチの首都ポルトープランスは大方、ギャングの支配下にあり、ハイチは1年前に事態打開のため国連に多国籍部隊の派遣を要請していた。
ハイチのジュネウス外務・宗務相は「これは単なる採択ではなく、苦境にある(ハイチ)国民への連帯を示すものだ」と指摘。「あまりにも長く苦しんできた国民にとって、かすかな希望の光だ」と述べた。
決議案は米国とエクアドルが策定、多国籍部隊による武力行使を容認している。安保理の理事国15カ国のうち中国とロシアは投票を棄権。残る13カ国が賛成した。
安保理はまた、米国の武器輸出禁止措置の対象に全てのギャングを含めた。武器輸出禁止はこれまで対象が特定の個人に限られていた。ハイチ当局によると、ギャングが使用している銃の大半は米国製と考えられている。
ハイチの多国籍部隊派遣要請への対応は、部隊を率先して主導する国を見つけるのが難航していたために遅れた。ケニアは7月に警察官1000人の派遣を表明。バハマも150人を派遣するほか、ジャマイカなども支援を表明している。
米国は軍隊を派遣しないが、多国籍部隊を支援するため1億ドルを提供する方針だ。

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