ロシアのデフォルト発生、世界的金融危機にはつながらず=IMF専務理事

ロシアのデフォルト発生、世界的金融危機にはつながらず=IMF専務理事
3月13日、 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、ロシアは対外債務でデフォルト(債務不履行)を引き起こすかもしれないが、それが世界的な金融危機をもたらすことはないとの見方を示した。写真は米ワシントンのIMFで2018年9月撮影(2022年 ロイター/Yuri Gripas)
[ワシントン 13日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は13日、ロシアは対外債務でデフォルト(債務不履行)を引き起こすかもしれないが、それが世界的な金融危機をもたらすことはないとの見方を示した。
ゲオルギエワ氏は米CBSテレビの「フェース・ザ・ネーション」に出演し、ロシアのウクライナ侵攻を受けて米国や他の西側諸国が発動した経済制裁は、既にロシア経済に「深刻な」影響を与えており、同国は年内に大幅な景気後退に陥ると予想。また制裁により、ロシアは自国の資源利用と債務返済が制約され、その結果としてもはやデフォルトが「起こりえない」とは考えられなくなったと付け加えた。
ただ、そうしたデフォルトが世界の金融危機の引き金になるかと聞かれると、「今のところはノーだ」と答え、銀行のロシア向け投融資総額は約1200億ドルと決して小さくないものの、「金融システムの面で重大」とまで言えないと説明した。
ゲオルギエワ氏は、ロシアがウクライナとの戦争に勝ってこの地域に「新政権」を打ち立てた場合、IMFがウクライナのために先週承認した14億ドルの緊急支援資金をロシアが利用できるかとの質問については、この資金は「ウクライナ政府」だけが使えると述べた。
あるIMF当局者は、ゲオルギエワ氏が言及したウクライナ政府は「国際的に承認されたウクライナ政府」のことだと補足している。

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