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木村拓哉、大沢たかお、萩原聖人らが熱演…90年代屈指の青春ドラマが現代でも古びない理由

 時代ごとにテレビドラマの面白さは違う。ただしそれが名作となり得るためには、いつの時代に見ても常に現代性と普遍性を感じさせることが必要ではないか。
『若者のすべて』

『若者のすべて』©フジテレビジョン

 2023年12月6日、1990年代を代表する一作である『若者のすべて』(フジテレビ、1994年)のBlu-ray BOXが発売された。2024年は、本作放送から30周年。令和の時代に、この作品はどんな意味を持つだろう? 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、青春群像の名作ドラマ『若者のすべて』を読み解く。

1990年代を駆け抜けたひとり

『若者のすべて』 視聴者や観客の年代によって、ある俳優に対するイメージはかなり違ったりする。例えば、令和を生きる新世代から見て、バブル期の時代性を反映したトレンディドラマ俳優たちの活躍など、遠い昔の出来事だろうか?  トレンディドラマに出演していた頃は、当時を代表するイケメン俳優で、平成後半や令和ではイケオジ。古今のギャップはそこそこに、息の長いキャリアを誇る代表的な俳優がいる。  萩原聖人だ。萩原こそ、1990年代を駆け抜けたひとり。今でこそ、少々困り顔のクールなおじさんキャラを演じる萩原だが、90年代の彼は、それはそれは輝かしい出演歴だった。

若者たちによるクリスマスパーティ

『若者のすべて』 長渕剛主演の映画『ウォータームーン』(1989年)で演じた少年僧を皮切りに、『学校へ行こう!』(フジテレビ、1991年)や『白鳥麗子でございます!』(フジテレビ、1993年)など、若手きってのイケメン演技派としてめきめき頭角を現す。  筆者は個人的に、黒沢清監督作『CURE』(1997年)で役所広司扮する刑事を翻弄する恐怖の殺人伝道師役の怪演が忘れがたいのだが、バブル崩壊後の1994年、満を持して主演したのが、『若者のすべて』だった。  物語は、1992年12月24日、クリスマス・イブの夜から始まる。1989年に平成に改元されてから4回目のクリスマスという設定がいい。萩原扮する自動車修理工場の若社長・原島哲生の家に友人たちが集まる。  ドラマタイトル通り、若者たちによる等身大のクリスマスパーティ。楽しそうで、いいな。と、思わず感じるのは、令和の時代にはどうも直球のクリスマス場面があんまり描かれなくなった懐かしさからだろうか?
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完璧な冒頭8分
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【商品情報】
若者のすべて Blu-ray BOX 好評発売中
発売元:フジテレビジョン/販売元:ポニーキャニオン
(C)フジテレビジョン

○Blu-ray BOX[4枚組]
価格:¥31,020(税込)
○収録内容
放送全10話

○収録分数
本編506分

【キャスト】
萩原聖人・木村拓哉・武田真治・鈴木杏樹・深津絵里・遠山景織子・EBI・大沢たかお・山口紗弥加・篠原涼子 川島なお美 ほか

【スタッフ】
脚本:岡田惠和
プロデュース:亀山千広 杉尾敦弘
演出:中江 功 木村達昭 臼井裕詞
音楽:岡崎倫典(ポニーキャニオン)
主題歌:「Tomorrow never knows」Mr.Children(トイズファクトリー)
制作:フジテレビ

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