北乃きい32歳「女性は30代から楽しくなる」に納得。仲良しの女芸人も明かす
数々の主演作で輝きをみせてきた北乃きいさん。10代から30代への変化を振り返り「今が一番楽しい」と微笑みます。
日本製メガネで“95%”のシェアを誇るという福井県を舞台にした主演映画『おしょりん』では、母であり、経営者の妻である主人公・むめを好演。
役者人生の「集大成」として臨んだ撮影の舞台裏、さらに、32歳の現在における“リアル日常生活”について聞きました。
――最新の主演映画『おしょりん』では、身近なメガネが題材に。北乃さんは普段、かけていますか?
北乃きい(以下、北乃):はい。小学生時代に視力矯正用のメガネをかけるのを嫌がって以来、視力が悪いままで……(苦笑)。でも、役者としてのメリットもあるんです。
過去にドラマ『トイレの神様』へ出演したとき、共演の岩下志麻さんが普段メガネを愛用されていると聞いて。撮影中はコンタクトも付けず裸眼で、視力がぼやけたままカメラへ視線をやると、かえって目がキレイに見えると教わったんです。
かつての銀幕スターの方々もそうされていたようで、岩下さんに教わってから「私もずっと、メガネを貫こう」と思いました。
――明治時代の福井県を描く作品では、北乃さん演じる主人公・むめたちが暮らす家を国の重要文化財である越前市の「旧谷口家住宅」で撮影。地元の風光明媚な景色も、たくさん登場します。
北乃:重要文化財での撮影は、ずっとドキドキしていました(笑)。古民家での撮影はスタジオとは異なり、独特な香りや温度があるんです。当時を生きた人たちの空気感も伝わってきて、ぜいたくな時間でした。そこに向かう切り通しの道は、懐かしかったです。
撮影に参加してくださった地元の方に「都会に住んでいると、こういう場所はいいでしょ?」と言われたんですけど、子どもの頃は井戸水も湧いている自然豊かな環境で育ったので、むしろ、落ち着く雰囲気でした。
――地元の方々も撮影に協力されたそうですね。
北乃:過去の出演作で一番と言っていいほど、ロケ地の方々と交流したかもしれません。ケータリングでは、ご当地の料理がたくさん揃っていて、料理の一つひとつに、どこのお店のメニューかを説明する名刺が付いていたんです。福井県のB級グルメ「ボルガライス」もあって、「おいしい」と食べていたら地元の方も喜んでくださいました。
――作品の前半では女学生として、後半では母親であり経営者の妻としてむめを演じ分けていました。
北乃:19歳から35歳にかけてのむめを演じるにあたって、所作のスピードを変えました。前半の演技では着物の丈が短めで機敏に動けたので、歩くスピードも早くテキパキ動くようにして。声のトーンも高めに、心なしか目もキラキラさせるように意識していました(笑)。
後半へ向かうにつれて、徐々に動きを遅くして。夫・五左衛門役の小泉孝太郎さんをうちわであおぐシーンもあったんですけど、涼しいかと思い勢いよくあおいでいたら、所作の先生から「風が来ているかどうか、分からないくらい」とアドバイスをいただいて、たもとを持ってあおぎながら「これが30代かぁ……」としみじみ思っていました(笑)。
視力の悪さを“メリット”に感じた岩下志麻の言葉
10代と30代の女性を動きで演じわけた
映画『おしょりん』
公開中
配給:KADOKAWA
©「おしょりん」制作委員会
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©「おしょりん」制作委員会