NHK朝ドラ『おちょやん』でオファーが増加した若手俳優、「ある種の生きづらさみたいなものをずっと抱えている」
2019年の俳優デビューからまだ5年目ながら、NHK連続テレビ小説『おちょやん』で主人公の弟役を演じて注目を集めるなど、順調に俳優としてのキャリアを重ねている倉悠貴さん(23)。
いまは主演作『こいびとのみつけかた』が公開スタートしたばかり。ある種の生きづらさを抱える主人公に「トワは僕自身」と重ね、現在の素直な葛藤を明かしてくれました。
――俳優デビューから5年目に入りましたが、朝ドラ『おちょやん』への出演は、一般的な注目度という意味で変化がありましたか?
倉悠貴さん(以下、倉)「僕自身が大阪出身で、物語の舞台も大阪だったこともあって、反響も感じましたし、何よりオファーに関して変わりました。そこまでは基本的にオーディションでしたけど、お仕事が続くようになりました。でも普段、道を歩いていて気づかれるといったことは一度もないです」
――半年間放送されるような、大きなお仕事に出演したことでの刺激はありましたか?
倉「リハーサルが何度もあったり、カメラも3台くらいあって。やっぱり規模が大きいなとは思いました。そうした現場を経験できたことは良かったです。でも規模の大小は関係ないかなと思っています」
――倉さんは、池田エライザさん監督の映画デビュー作『夏、至るころ』で主演を務めた時から、とても存在感がありました。今回演じたトワも不思議な空気感の男の子ですし、これから公開される映画3本(『OUT』『コーポ・ア・コーポ』『市子』)も、全く違う印象です。ただ役を演じる際には、自分自身を見つめる作業もされるのかなと思うと大変そうです。
倉「そうですね。役を演じるというのは、すり合わせでしかないので。たとえば、狂気的な役を演じる場合は、自分の中にある狂気を膨らませていくことになります」
――では倉さんは、全くゼロから作り上げるのではなく、ご自身と役柄との接点をどこかに見つけ出して膨らませていくのでしょうか。
倉「僕の場合は、ですけど。その方がキャラクターっぽくならないというか、ちゃんとリアルに生きている人の感じがするなと感じています。それに、ゼロから作るとすると相当な時間が必要ですし、根本の性格から変えなきゃいけないって本当に大変な作業なので」