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「ぼったくり資格ビジネス」にハマったシングルマザーの後悔…“謎の講座”の価格とは

―連載「沼の話を聞いてみた」― シングルマザーのMさんは、良くも悪くも何かを引き寄せているようだ。身の上話では、強烈なエピソードが連発される。聞いていると、何かを思い出させる……。 と思ったら、まったく同じ出来事があるわけではないのだが、漫画家・沖田×華氏の『毎日やらかしています』シリーズ(ぶんか社)という作品だった。発達障害の特性から来る周囲とのトラブルやドタバタを描く実話ベースのコミックエッセイで、Mさんの日常もかなり近いように感じられる(何となく雰囲気が伝わるだろうか)。
ヒーラー認定講師沼202305-1a

※写真はイメージです(以下同)

Mさんにはじめて取材したときに聞いたエピソードだけでも、これだけの出来事がある。 ・高校時代、英会話教室で某新興宗教に勧誘され、入信する(その後脱会)。 ・通院していた歯医者の受付女性が過激自然派。Mさんがコンビニで菓子を買っていたところたまたま出くわし、治療とは関係の薄い食生活について、激しくお説教をくらう。 ・配偶者からのDVで離婚。 ・ストーカーから逃げるために上京。 ・職場をクビになり「風俗くらいしか勤まらない」と言われたのを真に受け、性産業へ。年齢的に人妻枠だったが、本人曰く「落ち着きのなさ」からか、性サービスのオファーはなく(客にチェンジされてしまう)「鼻くそをほじっていてほしい」などの特殊需要専門になる。

まだまだつづく驚きのトラブル

・近所の外国人に気に入られ、毎日バナナひと房を貢がれる。 ・友人の見合い相手である神職から、「ふたりの仲が進展しないのはお前がキツネ遣いで呪いをかけているからだ」と罵倒される。 ・アーユルヴェーダを習いに行ったら、講師がマルチ商法として有名なアロマのディストリビューター(卸売り業者)だった。座学的なものは行われず、ひたすらアロマを消費するマッサージの練習ばかりでリタイアする。 などなど……。特に性風俗を勧めた元職場の言葉はハラスメントかつ職業蔑視であり言語道断だが、トラブルが続くストレスで思考停止していたという。

生きづらさと「沼」は背中合わせ

「ずっとそんな感じだったので、ネタにしてしまおうとずっとブログを書いていたんですよ。そうしているうちに、子どもが保育園から発達障害の可能性があると指摘されます。それまで発達障害についての知識がまったくなかったので驚きましたが、検査を受けてみると親子で診断がおりました。 そのときは、すごくホッとしましたね。いままでのトラブルや困っていたことは、性格の悪さや努力不足じゃないことがわかったので。 その話もまた、ブログに書きました。すると、投稿を読んだという方からメッセージが来たんです」 それが今回の「沼の話」につながっていく。
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親身になってくれる「認定講師」の接近
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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