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改修が一部終わり、戦闘機の発着が可能となった海上自衛隊の大型護衛艦「かが」の甲板が今月8日、母港の呉基地で報道陣に公開された。これについて香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは14日、同艦の空母化に激怒した中国が、攻撃的兵器の保有を禁じた平和憲法違反だと主張していると報じた。
中国人民解放軍の機関誌「国防報」も同空母の有効性に懐疑的だとし、甲板は固定翼早期警戒機には使用できないと主張。「このクラスの艦艇が大規模な戦闘集団の外で独立して行動することは困難」と記した。
さらに、「かが」のネーミングについても中国では物議を呼んでいる。艦名の由来とされる空母「加賀」は、1937年の大規模な上海爆撃と41年の真珠湾攻撃に参加した後、最終的に42年のミッドウェー海戦で米国により撃沈されたと解説。
その上で、「かが」が初めて就役した2017年、中国国防省の呉謙報道官は、先代「加賀」は「中国侵略時代の日本軍国主義の主力艦の一つ」であり「亡霊」だと批判し、「日本軍国主義」の再来だと警告。
同報道官は、「なぜ日本人が第2次世界大戦で旧日本軍が使用した名前をいつも使いたがるのか、理解できない」とし、「軍国主義の歴史と明確に決別したくないからなのか、それとも第2次世界大戦で犠牲となった人々の感情を傷つけるために意図的に挑発しているのか」と言い放った。
立命館アジア太平洋大学の佐藤洋一郎教授は同紙に、現代の日本の艦艇の多くは戦前戦中のものと名前を共有しているが、神道において特に重要な場所や自然現象にちなんで命名される傾向があると解説。例えば、出雲には出雲大社があり、そのような地名を非難することは、「日本のナショナリズムを結びつけるこじつけ的発想」だと反論した。
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