本文に移動

‘1番魚雷’に合わせようと数値修正…‘地震波’爆発力と合わない

原文入力:2010-09-10午前08:55:26(1808字)
TNT爆発力360kgに増やし地震波‘無用之物’
国防部‘天安艦科学的根拠’自ら廃棄した格好

イ・チュンシン記者、イ・ヨンイン記者

国防部がTNTに換算した北韓製‘1番魚雷’(CHT-02D)の爆発力を、当初250kg内外から360kgに増やしたのは、善意に解釈すれば誤ったものを正す次元の‘原状回復’ということができる。しかし、この場合 地震波および空中音波から測定した爆発規模が‘1番魚雷’の爆発力 360kgにはるかに及ばなくなり、幾つもない科学的根拠の地震波・空中音波の測定値を捨てざるを得ないという堪え難い境遇に陥ることになった。

ひとまず爆発力を修正することにより、‘1番魚雷’に対する説明力が高まったことは事実だ。これを知るためには、魚雷の爆薬構成に対する若干の理解が必要だ。通常、爆薬の爆発力はTNTで表示される。例えばTNT1㎏はTNTの重さが1㎏であると同時に爆発力が1㎏という話だ。問題は魚雷爆薬の場合、TNTの他にも、TNTより爆発性能が優れた他の爆薬とアルミニウムなどを混ぜ爆発力を増大させるという点だ。合調団もRDXとHMXのような高性能爆薬が船体から検出されたと明らかにした経緯がある。

国策研究機関のある専門家は「魚雷爆薬量をTNTに換算すれば、通常爆発力がTNT爆発物より1.4倍から2倍程度に増加する」と明らかにした。魚雷製作過程に精通している国内の別の専門家も「魚雷弾頭の爆発力は火薬成分の比率により単純なTNTより2倍以上の爆発力を出すこともある」と伝えた。

これに照らしてみれば、‘1番魚雷’をTNTに換算した爆発力は諸元に明示された爆薬量250kgに1.4~2倍をかけた値、すなわち350~500kgに達する。国防部が‘1番魚雷’の爆発力を最も保守的な1.44倍(360kg)に低く捉えたが、ほぼ合っているわけだ。

だが、これは国防部が5月20日発表時から現在まで‘1番魚雷’に対し3ヶ月を超えてでたらめ説明を維持してきたという意味でもある。なぜそうしたのだろうか。

専門家たちの意見を総合してみれば、ある程度の推定が可能だ。国策研究機関のある専門家は、当初のシミュレーション当時、天安艦に加えられた爆発力をTNT250kgと特定した理由を尋ねると「私どもがしたというよりは、米国専門家たちが初めに簡単なシミュレーションを実施し、250kgが有力でないかと(言い)そうなった」と伝えた。

ところでシミュレーションを始めた時点は、4月末~5月初めぐらいだったという。調査結果発表を5日後に控えた5月15日に突然引き上げられた‘1番魚雷’の爆発力に合うように発表を修正する時間がなかったわけだ。それでも当時、合調団は5月20日発表の席で 「(TNT250kgで)シミュレーションをした結果が天安艦損傷と似ているように出てきた」と明らかにすることさえした。

問題は国防部が‘1番魚雷’の名誉を回復させ、行わなければならない代価が侮れないという点だ。最初に、TNT360kgという爆発力は地震波および空中音波で感知されたエネルギー規模と合わなくなる。気象庁が推算したTNT140~180kgはさておいても、最大値で爆発規模を推定した韓国地質資源研究院(地質研)の260kgとも外れる。地震波と空中音波を天安艦の沈没時刻と位置を特定する重要な根拠の一つとしてきた国防部としては痛恨の内容だ。

二番目、爆発時に伴う水柱を説明する道もより一層遠ざかった。国防部は去る6月29日、言論労組など言論3団体で構成された言論検証委員会との質疑応答過程で模擬実験結果では水柱が200m程度まで噴き上がると明らかにした経緯がある。しかし左舷見視兵の顔に水滴が飛んだこと以外に水柱を直接目撃した将兵や哨兵はいなかった。生存将兵などの負傷が軽微だった点などに対しても爆発力が増加することにより国防部は説明により一層の困難を抱くものと見られる。
イ・チュンシン、イ・ヨンイン記者 cslee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/439207.html 訳J.S