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韓国政府、対北朝鮮人道支援を確定「国連機構に800万ドル支援」

登録:2017-09-21 21:45 修正:2017-09-22 07:53
チョ・ミョンギュン統一相「政治と分離し対処」 
年内に支援始めるかは不透明
チョ・ミョンギュン統一部長官が21日午前、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎で12部署の次官と民間委員5人が参加した中で開かれた南北交流協力推進協議会で開会を宣している/聯合ニュース

 北朝鮮の核・ミサイル挑発の中で途切れた国際機構を通じた対北朝鮮人道支援が、18カ月ぶりに再開される。韓国政府は21日、北朝鮮の幼児や妊婦などの脆弱階層に対する人道支援事業を行う国際機構に800万ドルを支援することを決めた。支援の時期は確定していないが、極限対立の中で完全に途切れた南北関係をつなぐ細い糸が結ばれたわけだ。

 政府はこの日午前、政府ソウル庁舎でチョ・ミョンギュン統一部長官の主宰で、第286回南北交流協力推進協議会を開き、ユニセフや世界食糧計画など対北朝鮮人道支援事業を実施している国連傘下の国際機構の要請により、計800万ドルを支援することを決めた。南北交流協力推進協議会は南北交流・協力に関する政策を協議・調整する機構で、この日の会議には企画財政部・外交部・法務部など関連8部署の次官と民間委員2人が参加した。

 チョ長官は会議に先立ち「政府は北朝鮮の住民、特に幼児・妊婦など脆弱階層の劣悪な状況を考慮し、人道支援は政治的状況と分離して推進するという方針を一貫して明らかにしてきた」として「北朝鮮の政権に対する制裁と北朝鮮の住民に対する人道支援は分離して対処していくということが、国際社会が共有する普遍的原則であり価値」と述べた。

 政府が支援することにした事業は、託児施設・小児病院・妊婦などを対象にした世界食糧計画の栄養支援事業(450万ドル)と子ども・妊婦を対象にユニセフが進めているワクチン接種、下痢・呼吸器感染病などに対する必須医薬品支援、栄養失調治療剤事業(350万ドル)だ。

 北朝鮮に常駐する6つの国連機構が今年3月に共同で出した2017年度事業計画書によれば、北朝鮮住民2490万人のうち食糧不足と栄養欠乏で支援が必要な人口は約1800万人に達する。また、1千人当り25人(韓国3人)に達する北朝鮮の5歳以下の子供の死亡原因のうち22%が医薬品さえあれば治療が可能な下痢と急性呼吸器疾患だ。政府が対北朝鮮人道支援の“緊急性”に言及した理由だ。

 ただし、具体的な支援の時期と規模は世論の推移を見守って決めるものと見られる。統一部当局者は「実際の支援時期と規模は、南北関係の状況など全般的な条件を総合的に考慮して推進することにした」と話した。この当局者は「年内に支援が始められるか」という質問に対しても「時期を決め打ちすることはできない」と答えた。北朝鮮の核・ミサイル挑発が続いている状況で、対北朝鮮人道支援を再開することに対する一部の批判を意識したためと見られる。国際機構を通した対北朝鮮支援は、2015年12月に国連人口基金(UNFPA)の「社会経済人口および健康調査事業」に80万ドルを支援した以後、翌年1月の北朝鮮による4回目の核実験で中断された。

 これに先立って、ユニセフ東アジア・太平洋地域事務所のカリン・フルショフ所長は20日、声明を出して「子どもは子どもであるだけで政治とは関係ない」として「北朝鮮の子どもたちが直面している困難は極めて現実的で、彼らに対する支援は非常に至急だ」と強調した。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/812035.html 韓国語原文入力:2017-09-21 19:42
訳J.S(1557字)

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