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[ニュース分析]朝米、会談場所を巡り熾烈なつばぜり合い…首脳会談初関門は通過

登録:2018-05-11 22:25 修正:2018-05-12 07:32
「トランプは板門店を好む」参謀が説得しシンガポールに 
平壌主張した北朝鮮、ポンペオ訪問時にシンガポール受け入れたもよう
グラフィック:チョン・ヒヨン デザイナー//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米統領が3月8日(現地時間)、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の首脳会談提案を電撃的に受け入れて以来、約60日たって朝米が歴史的な首脳会談を「6月12日シンガポール」で開くことに合意した。特に場所の選定問題は、両側の序盤の神経戦と交渉戦略の総合として、交渉議題とも緊密に関連しているため、首脳会談へ進む初めての関門通過という少なからぬ意味がある。

 トランプ大統領の首脳会談受け入れ以後、米中央情報局(CIA)と北朝鮮の統一戦線部の実務者が首脳会談協議のために初めて一つのテーブルに座ったのは、3月中下旬頃という。両側は外交ラインを排除して主に第3国で極秘裏に会い、相互の意中を探り合った。

 続いて当時中央情報局局長だったマイク・ポンペオ国務長官が、復活祭の週末(3月31日~4月1日)にトランプ大統領の特使資格で平壌(ピョンヤン)を訪問し、金委員長の「非核化意志」を確認し、首脳会談の議題に関する大きな枠組みを作り上げ、両側の交渉は急流に乗るかに見えた。

 だが、会談の場所を決めることは容易でなかった。米国の報道機関と韓国大統領府などの説明を総合すれば、米国の立場は大きな枠組みでシンガポール→板門店→シンガポールへと変わる流れを見せ、北朝鮮は平壌(ピョンヤン)を一貫して主張し、シンガポールに変える急転換を選択した。

 米国の立場と関連して、10日にCNN放送はホワイトハウスのジョン・ケリー秘書室長とポンペオ長官など高位当局者の間では当初シンガポールが有力な選択肢だったと伝えた。朝米首脳会談が世界にどのように映るかと関連して場所が重要な役割をすると認識していたということだ。

 彼らが初期にシンガポールを選択した基準は二つあったと同放送は伝えた。最大の考慮事項は、いわゆる「場所の政治学」で、中国やロシアのような「共産主義国家」は避けなければならないという中立性論理だった。

 第二の考慮事項は移動性で、金委員長が専用機でシンガポールまで来れるかという問題だった。その後、金委員長が飛行機で中国の大連に移動して、習近平中国国家主席と会合する姿を見せたことにより、米国の官吏たちはシンガポールでも可能だと確信したと同放送は伝えた。

 だが、トランプ大統領は長く板門店に愛着を見せていたという。大統領府の中心の関係者は11日、南北首脳会談の翌日である先月28日、トランプ大統領が文在寅(ムン・ジェイン)大統領との通話で「最も多く対話したことも板門店も関することであったし、トランプ大統領も板門店に対して最も多くの質問をした」と話した。以後、トランプ大統領は30日に板門店を好むようなツイッターを上げもした。

 それでもポンペオ長官とケリー秘書室長が、非武装地帯(DMZ)での会談が北朝鮮に譲歩しているかのように見られ誤ったメッセージを送りかねないと反対したとCNNは報道した。これに伴い、参謀たちがトランプ大統領に板門店開催を放棄させるために数週間を要したという。

 トランプ大統領が先週、数回にわたり首脳会談の日時と場所が決まったと言及したが、実際にはポンペオ長官が9日に平壌(ピョンヤン)で金委員長に直接会って最終確定したと、同放送は報道した。ウォールストリートジャーナルも「米国が今週シンガポール側に会談場所として提案した」と報道した。

 北朝鮮は比較的一貫して平壌を主張してきたが、金委員長とポンペオ長官の面談で米国のシンガポール提案を電撃的に受け入れたと見られる。韓国大統領府の中心の関係者も、チョン・ウィヨン安保室長が今月4日の訪米過程でシンガポールと通報されてはいたが「北朝鮮が積極的に会談を平壌に誘致しようとしていたし、トランプ大統領は板門店開催の意志が残っていると見られたため、最終確定までには変動の可能性があると見た」と明らかにした。

 当初5月か6月初めに開かれると予想された会談時期が、6月12日となり多少遅れたのは、米国国内の政治事情のためと知らされた。大統領府関係者は「その理由の一つは、トランプ大統領の中間選挙遊説日程であると承知している」と話した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キム・ボヒョプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/844242.html韓国語原文入力:2018-05-11 19:34
訳J.S

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