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ロシアのデフォルト、韓国経済への衝撃は限定的… エクスポージャーは推定17億ドル

登録:2022-06-28 06:12 修正:2022-06-28 08:18
韓国の銀行、ロシア関係のエクスポージャー17億ドルと推定 
戦争勃発後、エクスポージャーは減少 
「技術的デフォルト」間接的影響も少ない見通し
ウラジーミル・プーチン大統領が27日にモスクワのクレムリンで会議を主宰する様子/AP・聯合ニュース

 ロシアが104年ぶりにデフォルト(債務不履行)に陥ったが、韓国経済に及ぶ衝撃は限定的とみられる。韓国国内の銀行がロシアのデフォルトで被りうる損失金額は17億ドルで、他国より比較的小さいと推定され、一部の取り引きは戦争勃発後に整理されたことが分かっている。

 27日の国際決済銀行(BIS)の発表によると、韓国の銀行のロシア関連のエクスポージャー(特定の国や企業に関して損失の出る可能性のある金額)は、昨年第3四半期現在で17億ドルほど。フランス(236億ドル)、イタリア(232億ドル)、オーストリア(171億ドル)、米国(147億ドル)などと比べると小規模だ。また、韓国の銀行のロシア関連のエクスポージャーは今年2月のウクライナ侵攻後、さらに減っていると把握される。政府の関係者は「韓国の銀行は戦争勃発後、ロシアとの金融取り引きの多くを整理した」とし、「そのため、他国よりロシアのデフォルトの直接的な衝撃は大きくないだろう」と語った。加えて、韓国はもともと貿易取り引きに占めるロシアの比重も比較的小さい。財界の関係者は「国内経済のロシア交易の比重は2%にすぎない」と語った。

 ロシアがデフォルトに陥れば、ロシア国債を保有している金融機関は元金や利子が受け取れない。これについて国内外の一部の銀行は、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などによる対応策も取っているとみられる。CDSとは、特定の債権が不渡りに陥った際に元金が受け取れる派生商品のこと。政府の関係者は「戦争勃発後、ロシアのデフォルトの可能性が常に提起されていたため、債権購入者のほとんどは元金が保障されるCDS契約を結んでいたと見られる」と語った。ロシア関連のCDSの現在の契約規模は25億ドルと推定される。

 今回の債務不履行は、ロシアには返済能力があるものの西側の制裁により債権者に金が渡らないという「技術的デフォルト」であることから、国内外の経済に及ぼす影響もさらに見守るべきだとする分析が出ている。加えて、ロシアはすでに西側による制裁で格付けの引き下げ、国際取り引きからの排除など、デフォルトに準ずる経済的困難に直面しているため、さらなる混乱には広がらないという可能性もある。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1048662.html韓国語原文入力:2022-06-27 16:51
訳D.K

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