永住権の維持と 再入国許可
 一度米国永住権を取得すれば、その後、永久的に米国に住むことができます(一部、重大な犯罪で移民法違反になり、国外退去を求められるような場合を除く)。しかし、移民法違反にならない場合でも永住権を失うことがあります。それは、米国を長い間離れる場合です。当事務所にも、1年を通し、永住権の維持に関して多くの質問が寄せられています。今回は、ある程度の期間、米国を離れる場合に、どうすれば永住権が維持できるかを説明していきます。

 永住権の失効と永住権カードの期限切れの違い 
 永住権カード(グリーンカード)の期限が切れると永住権が失効するのではないか、というお問い合わせもよくあります。永住権カードは、10年の期限付きです。期限切れになる前に更新の手続きが必要になります。しかし、カードの期限が切れる前に更新手続きをするのを忘れてしまっていても、永住権は失効しません。よって、永住者として滞在していくことには問題ありません。もちろん、永住権カードはいろいろな証明にもなるので、更新手続きは確実に行うのが望ましいです。また、仮に期限が切れても更新手続きができます。なお、以前の永住権カードは、期限がないものが発行されておりましたが、このカードを所持している方は、とくに更新の期限はありません。しかし、任意で新規のカードに切り替えることはできます。

 永住権の維持 
 米国に住み続ける限りは一部の移民法違反に触れて失う以外は、永住権を失うということはありません。1年のうちに50%以上米国に住んでいれば、永住権を維持できます。例えば、比較的短期間の旅行を1年のうちに数回、ということであれば永住権の維持に影響はありません。しかし、1年のうち、50%以上アメリカ国外に滞在する可能性があるという場合は、永住権を維持するための対策を考える必要があります。
 移民法は、米国移民局の再入国の許可なしに米国を1年以上継続して離れていた場合、永住権資格を失うというように規定しています。また1年未満であっても、米国に50%以上滞在していない状況がしばらく続くと、永住の意志がないとみなされて永住権を失う可能性がでてきます。しかし、永住権失効を防ぐ方法があります。再入国許可書の取得です。再入国許可書を取得するための申請はそれほど難しくありません。専用の申請書を準備し、移民局手数料を添え、移民局指定の住所へ送付すれば良いです。申請書を提出すれば、その後、指紋採取の通知が移民局より送られてきますので、指示に従い、所定の場所で指紋採取を行います。その後は、再入国許可書の発行を待てば良いのです。許可書発行まで数カ月要しますので、早めの準備が大切です。指紋の採取が終われば、その後は米国から出国し、海外で再入国許可書を受け取るという形でも構いません。
 再入国許可申請の理由ですが、以前は旅行理由に関しては、比較的厳格な理由がないと許可されませんでした。しかし、近年はさまざまな理由で許可がされるようになってきています。例えば、しばらくの間、日本の家族と離れていたが、1年程度日本の家族と過ごしたいというような場合でも、許可されることもあります。再入国許可は、最初の申請で2年間の許可をもらうことが可能で、その後、延長申請もできます。

(BaySpo 2013/08/16号 掲載)
有澤保険事務所

自動車保険をはじめ、火災保険、アンブレラ、ビジネス保険、労災保険、生命保険、健康保険などを取り扱う総合保険会社です。Farmers Insurance、Blue Cross等のエージェントであり、日本語できめ細やかな安心のサービスを提供しています。

有澤保険事務所
(408) 449-4808
No Reproduction or republication without written permission
Copyright © BAYSPO, Inter-Pacific Publications, Inc. All Rights Reserved.