オクモミジハグマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オクモミジハグマ
茨城県北部 2017年9月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : コウヤボウキ亜科 Pertyoideae
: モミジハグマ属 Ainsliaea
: モミジハグマ A. acerifolia
変種 : オクモミジハグマ var. subapoda
学名
Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai[1]
和名
オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)[2]

オクモミジハグマ(奥紅葉白熊、学名:Ainsliaea acerifolia var. subapoda )は、キク科モミジハグマ属多年草モミジハグマ(紅葉白熊、学名:Ainsliaea acerifolia )を分類上の基本種とする変種[2][3][4]

特徴[編集]

地下茎があり、地中を横にはう。は直立し、高さは40-80cmになり、茎には長毛がまばらに生える。は茎の中部にやや輪生状に4-7枚つき、長さ5-13cmになる葉柄があり、葉身は長さ6-12cm、幅6-18cmの腎心形または円心形で、縁は掌状に7浅-中裂し、縁に鋸歯があり、葉の両面にまばらに軟毛が生える[2][3][4]

花期は8-10月。頭状花序は穂状に多数つき、開花時には横向きになり、花柄は長さ2mmで、小さい苞がある。総苞は長さ12-15mmになる狭い筒形、総苞片は多列あり、覆瓦状に並び、乾いた膜質で、外片はごく短い広卵形、内片は長く幅2-3mmの長楕円形になる。頭花は3個の筒状花からなり、花冠は白色で、4-5裂し、左右相称、裂片は線形でよじれる。果実は長さ9.5mm、幅2mmになる無毛の痩果で、上端に長さ11mmになる羽毛状の冠毛がある[2][3][4]

分布と生育環境[編集]

日本では、本州(中部地方から西側では日本海側)と九州の北部に分布し、山地の木陰に生育する[2][3][4]。日本以外では、朝鮮半島、中国に分布する[3][4]

分類上の基本種であるモミジハグマは、本州の関東地方以西の太平洋側、四国、九州に分布し、深山の木陰に生育する[4]。オクモミジハグマと比べ、葉がより深く切れ込む[2][3]

和名の由来[編集]

オクモミジハグマは、「奥紅葉白熊」のことで、「紅葉(もみじ)」は、葉の形がカエデ(もみじ)に似て、「奥」は、基本種のモミジハグマより北に分布するのでつけられた。また、「白熊(はぐま)」とは、ヤクの尾の毛でつくった槍や兜、僧侶の払子の飾りをいい、花冠の細長い裂片のようすを白熊(はぐま)に見立てたもの[5]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ オクモミジハグマ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』pp.536-537
  3. ^ a b c d e f 『日本の野生植物草本III合弁花類p.208
  4. ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.733
  5. ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 秋・冬』pp.80-81

参考文献[編集]