JAFスポーツ 2018年 春号(第52巻 第4号 2018年5月1日発行)

Page 1

~観戦それとも参戦? 耐久の楽しさを五感で感じてみませんか~

STEP UP! スラローマー達の新たな挑戦

この声、届け!

戦いに秘めた思いを“声”で伝える女性たち

JAFスポーツ[モータースポーツ情報] JAF MOTOR SPORTS 第52巻 第4号 2018年5月1日発行(年4回、2、5、8、11月の1日発行) 1967年3月20日 第3種郵便物認可 2018
SPRING JAF MOTOR SPORTS 特集 耐久新元年2018

スーパーフォーミュラは新人&復活組が掻き回す!?GT500はかつてない激戦の予感!

月に入り、いよいよ今シーズ

ンの開幕を迎える国内ビッ グレース。今年も多くの話 題とともに早くも盛り上が りを見せているが、まず全日本スーパー

フォーミュラ選手権は、今季全戦で2ス ペックタイヤが導入されるというのが、大 きな話題のひとつだ。

F1を視野に入れる日本人ドライバーが ルーキーとして参戦することも注目ポイン トのひとつ。昨年まで3年間海外に渡り、 F1直下のシリーズでも活躍した松下信治、 また今季F2とスーパーフォーミュラの両 方に参戦することになる福住仁嶺は、周囲 の期待も一身に集めている。テストでも好 調さを見せている2人が、ベテランや他の

実力派ドライバーを相手に、どんな走りを 見せるのか、非常に楽しみだ。

Headl 4

また、今年シリーズに復帰を果たしたの が、平川亮とジェームス・ロシター。中で も、チーム・インパルのシートを得た平川 はテストからトップを争う速さを見せてお り、好成績が期待される。一方、国内トッ プフォーミュラで15年間戦ってきたアン ドレ・ロッテラーに代わり、トムスのシー トを得たロシターは、ある意味ここが正念 場。スーパーフォーミュラで速さを見せる ことで、GT500のレギュラーシートを取 り戻したいところだろう。

その他、タイトル経験者の石浦宏明や国 本雄資、中嶋一貴、山本尚貴らも、テスト から上々の滑り出し。ここに昨年、KCMG に移籍して持ち前の速さを発揮した小林可 夢偉や、チーム・インパルでルーキーイ ヤーから強さを見せた関口雄飛、昨年ルー キーとして活きの良さを見せたKONDO レーシングのニック・キャシディや山下健 太も加わり、毎レース大混戦になるのは必 至。予選から一瞬たりとも気が抜けない戦

1.FIA-F2を3年逢間戦った松下信治はダンデライアンから参戦。日本の 地から再びF1を目指す。2.P.MU/セルモインギングは王者、石浦宏明が 今年も国本雄資と最強のタッグを組む。3.トムス中嶋一貴はJ・ロシ ターをチームメイトに迎え、チームとともにタイトル奪回を期す。4.3年 ぶりトップフォーミュラ復帰の平川亮。海外で鍛えられた速さを発揮で きるか!? 5.B-MAXは鈴鹿テストで千代勝正の起用を電撃発表した。

すでにミディアムタイヤとソフトタイヤ の両方を使用して、合同テストが行われて いるが、特にソフトタイヤは昨年使用され たもの以上にコンパウンドが柔らかい。昨 年スペックのソフトは実際、決勝レースで も半分以上ラップタイムや性能の落ちなく 走り切ってしまったが、今季のソフトはそ れとは全く違うようだ。デグラデーション (性能劣化)が大きく、ラップタイムもすぐ に落ち込むというのが、多くのドライバー から聞かれた声。それでもレースでは両ス ペックの使用が義務付けられているという ことで、いかにソフトタイヤを使いこなす かというのが、今シーズンの鍵になる。

このスーパーフォーミュラには、今季

鈴鹿ファン感謝デイの翌日から2日間行われた公式 合同テストでは、WECのテストのため初日のみ走行 した小林可夢偉が2日間の総合ベストをマークした。

春の訪れとともに国内2大ビッグレースがいよいよ開幕!
Headline モータースポーツ話題のニュース深掘りCheck! レポート/貝島由美子 フォト/吉見幸夫、野澤廣幸
#01
2 5 4 1 3 4

6.NSX-GT勢は岡山国際のテストで好タイムを マーク。17号車KEIHIN NSX-GTは2日間とも好調 をキープ。7.GT-Rは今年は4台がエントリー。富 士テスト初日にトップタイムを奪った24号車 フォーラムエンジニアリングGT-RにはF3チャン ピオン高星明誠が起用された。8.2回のテストでレ クサス勢の中で最も安定した速さを見せた6号車 WAKO'S 4CR LC500。昨年の雪辱を期す。9. 今 年フル参戦が決まったJ・バトンは100号車RAY BRIG NSXで山本尚貴とコンビを組む。10.GT300 はGAINERが投入する新型のGT-R GT3の速さが まずは注目を集めそうだ。11.2台がエントリーする NSX GT3もシリーズを掻き回す存在となるか、期 待が高まる。

e

いが繰り広げられることだろう。 一方のスーパーGT。昨シー ズン、GT500クラスには、各 メーカーが新型車を投入したが、 今季はそこから各社、エンジン や空力などをアップデートして 臨む。その開発と熟成のために、 12月からはタイヤメーカーテ スト、3月からは公式合同テス トと、幾度も走行が行われてき た。テストの段階では、どの チームも手の内を完全には見せ ていないため、なかなか真の勢 力図は掴みづらいが、レクサス に大きなアドバンテージがあった昨年の前 半戦とは違い、今季は3メーカーの力がよ り拮抗しているとの見方が主流だ。 また、今季のスーパーGTは、ドライ バーの話題にも事欠かない。その筆頭と言 えるのは、元F1チャンピオンのジェンソ ン・バトン。昨年、鈴鹿1000㎞レースに

スポット参戦したバトンは、F1の次の舞台 として日本を選び、今季は山本尚貴と組ん でスーパーGTにフル参戦を果たす。次に 注目なのは、同じく元F1ドライバーの小 林可夢偉。可夢偉も、バトンと同様、昨年 の鈴鹿1000㎞にスポット参戦。今季はヘ

2018全日本スーパーフォーミュラ選手権 エントリーリスト

1 石浦 宏明 P.MU/CERUMO・INGING

2 国本 雄資 P.MU/CERUMO INGING

3 N・キャシディ KONDO RACING

4 山下 健太 KONDO RACING

5 野尻 智紀

イキ・コバライネンと組んで、シリーズ参 戦する。

残念ながら、可夢偉はWEC世界耐久選 手権との日程重複から、第2戦富士は欠場 するが、どんな戦いをするのか、注目され ている。この2人と同じく、ルーキーとし てGT500にフル参戦する一昨年の全日本 F3王者・山下健太や昨年の全日本F3王 者・高星明誠も期待の逸材。さらに今季、 名門・トムスに移籍し、中嶋一貴とコンビ を組む関口雄飛も気になる存在だ。

一方、GT300クラスにも、新たにGT3 のNSXが2台登場する他、新型の日産GT -R GT3が参戦。昨年はWTCCを走り、 今季国内レースに復帰する道上龍、昨年ま でGT500をドライブしていた安田裕信や 平手晃平が、GT300に殴り込んでくると いうことで、例年以上にレベルの高い戦い が見られることは間違いないだろう。

全日本F3もスーパーフォーミュラとともに開幕 テストではタイトル奪回を狙うトムス勢が好調  今年は8大会全19戦が組まれる全日本F3選手権も4月 21日、SFとともに開幕する。名門トムスは今年も坪井翔、宮 田莉朋の2台体制。3月上旬、鈴鹿で行われたテストでも坪井 がベストをマーク。タイトル奪取に燃える。F3・3年目を迎え る阪口晴南はHFDPからTODA RACINGに移籍。FIA-F4から は笹原右京、大湯都史樹、河野駿佑の3人がステップアップ した。昨年の王者、B-MAXからは3月下旬時点ではエースド ライバーの発表はないが、その動向が注目される。

Headl
DOCOMO TEAM DANDELION RACING 6 松下 信治 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 7 P・フィッティパルディ UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 8 大嶋 和也 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 15 福住 仁嶺 TEAM MUGEN 16 山本 尚貴 TEAM MUGEN 17 塚越 広大 REAL RACING 18 小林 可夢偉 carrozzeria Team KCMG 19 関口 雄飛 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20 平川 亮 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 36 中嶋 一貴 VANTELIN TEAM TOM’S 37 J・ロシター VANTELIN TEAM TOM’S 50 千代 勝正 B-Max Racing team 64 N・カーティケヤン TCS NAKAJIMA RACING 65 伊沢 拓也 TCS NAKAJIMA RACING 岡山国際 3/17 GT500 TOP3 1 6 WAKO'S 4CR LC500 1'18.017 2 17 KEIHIN NSX-GT 1'18.234 3 38 ZENT CERUMO LC500 1'18.250 岡山国際 3/18 GT500 TOP3 1 17 KEIHIN NSX-GT 1'18.177 2 100 RAYBRIG NSX-GT 1'18.256 3 12 カルソニック IMPUL GT-R 1'18.542 富士 3/24 GT500 TOP3 1 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 1'28.055 2 19 WedsSport ADVAN LC500 1'28.073 3 6 WAKO'S 4CR LC500 1'28.128 富士 3/25 GT500 TOP3 1 19 WedsSport ADVAN LC500 1'28.877 2 6 WAKO'S 4CR LC500 1'29.250 3 1 KeePer TOM'S LC500 1'29.326
3月上旬に行われたテストでは坪井翔が2日とも トップタイムを奪った。
6 7 9 10 11 8 5

Headline 国内モータースポーツ話題のニュース深掘りCheck!

2018年全日本スピードPN戦線、異状アリ!

勢力図がガラリと変わる全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権・開幕戦

年の全日本選手権の中で、 全日本ラリー選手権に続い

て開幕した全日本ジムカー

ナ選手権。3月10〜11日 に行われた第1戦は、茨城県にある筑波 サーキットコース1000が舞台となった。

筑波1000での全日本選手権は約14年 ぶり、関東からもアクセスしやすい立地と あって、参加台数は127台を集め、決勝 日には多くのギャラリーが詰めかけた。

その翌週には全日本ダートトライアル選 手権が栃木県の丸和オートランド那須で開

幕。こちらは例年通りの開幕日程となり、 全国から153台の参加を集めた。

Headl 今

昨年の全日本ジムカーナではN部門が 廃止されてSA部門への移行が進んだが、 全日本ダートラでもその動きが見られ、特 にN1の参加が減少して10台となった。

両選手権ともNとSA部門の再編が進み つつあるが、PN部門の隆盛は相変わらず で、全日本ジムカーナではPN3が23台、 全日本ダートラではPN1が22台と、共に 最多エントリーを数えることになった。

そして、開幕戦でのトピックを挙げるな らば、全日本ジムカーナPN1における ND5RSロードスターの大幅増殖と、両選 手権のPN2に投入された、ZC33Sスイ

フトスポーツの「いきなりの大活躍」に尽き るだろう。

全日本ジムカーナPN1では、これまで

GK5フィットRSやZC32Sスイフトス ポーツが好成績を残してきたが、2016年 に斉藤邦夫選手らがNDロードスターを本 格投入して以来、コースレイアウトを選ば ずNDロードスターに分がある状況となっ てきた。そして今年の開幕戦筑波では、フ タを開けたら13台の参加全車がNDロー ドスターとなっており、PN3における 86/BRZと同様に、後輪駆動車同士がし のぎを削るクラスに生まれ変わった。 対する全日本ダートラPN1では、相変 わらずZC32Sスイフトが速さを見せる結 果となったが、2017年SA1チャンピオン の工藤清美選手がGK5フィットRSの3型 に乗り換え、開幕戦では熟成半ばにして3 位表彰台を獲得した。GK5フィットはこ れまで関東地区では活躍が見られていた が、これを受けてフィットの台頭が全日本

PN2ではRE-05Dを武器に勢いを増 すZ34フェアレディZの河本晃一選 手(中央)が、全日本100勝目前の山 野哲也選手(左)を退けて優勝。

JAF全日本ジムカーナ選手権開幕戦・筑波サーキットコース1000

PN1はZC32Sスイフトスポーツの独壇場だった が、2016年から台頭してきたND5RSロードスター が今年の開幕戦のPN1全車を占めるという、史上 稀に見る後輪駆動ワンメイク状態になった。

ZC33Sスイフトスポーツ。モンス タースポーツカラーの小林伸人選手 が4位入賞で可能性の高さを示した。

2012年SCチャンピオンの牧野タイ ソン選手(中央)がSCに復活。西原 正樹選手や僚友の大橋渡選手を相手 に、コンマ1秒差の優勝で男泣き。

フォト/滝井宏之、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部 PN2のニューカマーとして登場した
#02 6
PN1はロードスター同士の戦い、PN2は無差別級バトルに!!

e

2017年N1チャンプ細木智矢選手 (左)とPN1チャンプ宝田ケンシロー 選手(右)ら若手期待のドライバーが 新型スイフトでPN2に挑戦した。

PN1では26歳の若林賢太郎選手(右) が全日本初参戦にして初優勝。丸和の 特殊な路面が産んだ前半ゼッケン出 走車の逃げ切り優勝だった。

PN2に殴り込んだZC33Sスイフトが、丸和の表彰台を独占!

写真の細木智矢選手を始め、宝田ケンシロー選手、河石潤選手、今村宏臣選手、鳥 居晴彦選手、平原祐一郎選手がZC33Sスイフトに乗り換えた。開幕戦では細木選 手、河石選手、宝田選手、今村選手、鳥居選手らが7位までに入り、新型の優位性 を早くも披露した。

でも広がる兆しを見せる結果となった。 そして、昨年9月にJAF登録が承認さ れたZC33Sスイフトスポーツが両カテゴ リーのPN2に本格投入され、全日本ジム カーナ筑波では小林伸人選手が4位、全日 本ダートラ丸和では、細木智矢選手が2 位、河石潤選手が3位、宝田ケンシロー選 手が4位、今村宏臣選手が6位に入り、新 型スイフトがいきなり入賞圏内を独占する 驚愕の事態が発生した。

そもそもPN2は、両カテゴリーとも駆 動方式が入り乱れる無差別級クラスとなっ ている。ここ数年の全日本ジムカーナで は、PN部門導入初期から主力車種だった FD2シビックタイプRに対して、山野哲 也選手や松本敏選手らが操るアバルト 124スパイダー、河本晃一選手が駆る Z34フェアレディZ等の後輪駆動勢が上 位を争う図式だった。そこにFK2シビッ クRが加わり、今季は2016年PN1チャ ンプのひでき選手がXMJCWミニJCW を投入。そして、土手啓二朗選手や中根卓 也選手、阪本芳司選手、いながわひろゆき 選手という実力者達もZC33Sスイフトス ポーツに乗り換えたことから、FFターボ 勢の実力も侮れなくなってきた。

全日本ダートラPN2においても、駆動

方式が異なるNCP131改ヴィッツターボ と86/BRZが、それぞれの得意なコース で勝利を奪い合ってきた。ところが、開幕 戦丸和では、乗り換えて間もない細木選手 がベテラン川島秀樹選手をコンマ差まで追 い詰めて2位を獲得。クルマへの習熟も少 ない開幕戦で挙げたこの好成績は、全日本 ダートラPN2の勢力図が、ZC33Sスイ フトスポーツの登場によって大きく塗り替 えられる可能性を示唆している。

ジムカーナの常識を覆したNDロードス

SA1等へのクラス替えが進んだこと でN1は10台の争いとなった。若手期 待の岡翔太選手はN1続投。苦手な丸 和を制して昨年の雪辱を果たした。

ターの快進撃、そして、両カテゴリーでポ テンシャルの高さを披露したZC33Sスイ フトスポーツの可能性。PN部門に登場し た新たな“勝てるマシン”の熟成が、電子 制御の攻略を含めてどこまで進むのか。今 シーズン一番の関心事となっている。

ジムカーナでもギャラリー同乗走行体験スタート!

全日本ダートトライアル選手権ではすでに選手会活動が長く続けられているが、これまで会長代 行だった谷田川敏幸選手が今年から会長へ就任して体制が一新された。昨年から本格的な活動 を始めた全日本ジムカーナの選手会では、開幕戦からギャラリー同乗走行をスタート。ジムカー ナとダートラ走行の醍醐味を全日本の会場で直に感じられる試みが今年は各地で定着しそうだ。

本番車に同乗してダート走行を体験できる全日本ダート ラ選手会の同乗走行。毎回多くの観客が参加している。

競技終了後に行われる全日本ジムカーナ選手会の同乗走 行も、お昼の抽選会で当選した観客が同乗できる仕組み。

Headl
7
JAF全日本ダートトライアル選手権開幕戦・丸和オートランド那須

全日本カート選手権の最高峰を制して4輪にステッ プアップした福住は、国内フォーミュラで2年間の修 業の後、2016年、欧州に渡った。昨年は激戦のGP3 でシリーズ3位を獲得。レッドブルアスリートにも選 ばれた。今年はF1直下のF2に参戦する。

ンダの育成ドライバーとして、 昨年、欧州で活動した松下信 治、福住仁嶺、そして牧野任 祐。この3人は今季それぞれ

活動の舞台を移し、松下が国内に戻ってスー パーフォーミュラ(SF)にフル参戦、福住が ヨーロッパでF2にフル参戦すると同時に、 国内ではSFにも参戦と、ふたつを掛け持ち

することに。そして牧野は福住と同じくF2へ フル参戦を果たすこととなった。

言うまでもなく、今季からトロロッソへの エンジン供給をスタートさせたホンダ陣営の 秘蔵っ子である彼らは、いま日本で最もF1 に近いドライバーたちであるが、彼らがF1 に到達するためには、スーパーライセンスの 取得が欠かせない。F1ドライバーになるた めに必須となっているこのスーパーライセン スの取得にはいくつか条件があるが、中でも

2017年は福住が2年めのGP3に参戦。欧州初参戦となった牧 野はヨーロッパF3選手権を追った(写真は福住)。

難しいのが各カテゴリーでのランキングに よって、FIAが割り当てたスーパーライセン スポイントを、直近の3年間で40ポイント 以上獲得することだ。

トを目指すわけだが、残念ながら松下は今季 SFでチャンピオンを獲得しても、40ポイン トには届かない。しかし福住と牧野の二人 は、2018年の活躍如何では、40ポイントを クリアしてスーパーライセンスを取得できる 可能性を持っている。

上記の3人も、2016〜2017年の過去2 年間と今季の結果によって、この40ポイン

早くからカートで頭角を現した福住は SRS-Fを経てJAF-F4のFCクラスで4輪に

デビュー、2015年にHFDP RACINGから 全日本F3選手権へと順調にステップアップ を果たした。ニック・キャシディや山下健 太、高星明誠らF3経験豊富な強豪相手に序 盤戦は苦戦を強いられるものの、その年2回 目のツインリンクもてぎでの開催となった第 14戦・第15戦で初優勝&連続ポール・ トゥ・ウインを達成するなどしてランキング

F1への最後の登竜門、F2に挑む福住仁嶺、牧野任祐はスーパーライセンスの壁を超えられるか

レポート/田口朋典 フォト/桜井淳雄

Headl

8
今年は、欧州で戦う日本人F1サミッター二人の走りに目が離せない
#03
Headline モータースポーツ話題のニュース深掘りCheck!

4位を得ると、2016年からはGP3へと勇躍。 ART Grand Prixからの参戦で、初年度は 緒戦のバルセロナでいきなり3位表彰台を獲 得するなど、上位争いを展開するも優勝には 一歩手が届かずランキング7位に。2年目と なった昨年は、2勝を上げてランキング3位 となって、今季はBWT ARDENからF2、 そしてTeam MugenからSFを戦う。

福住は過去2年のGP3でスーパーライセ ンスポイントを18稼いでおり、今季22ポイ ント獲得すればスーパーライセンスに手が届 く。残念ながらSFはF2と複数の日程が重複 しており4戦のみの参戦となるため、ランキ ング上位へ進出するためのハードルは高い が、フル参戦するF2単独でもランキング4 位以上に入れば、40ポイントを超えること が出来るし、SF、F2双方のポイントを合算 できるため、大きな障害とはならないだろう。 3月21〜23日に行われたバーレーンでの F2合同テストでは最終セッションでトップタ イムを刻んだ他、鈴鹿でのSFの合同テスト でも上位に食い込んでいるだけに日本人F1 ドライバーの最短距離にいるのは、この福住 かもしれない。

一方、牧野も福住同様にカートで活躍した のち、S-FJやJAF-F4を経て2015年にシ リーズ初年度のFIA-F4選手権に参戦。今季 スーパーGTや全日本F3選手権で活躍が期 待される坪井翔とのタイトル争いに敗れはし たものの、ランキング2位を得ると同時に SRS-Fのスカラシップを獲得し、2016年に はTODA RACINGから全日本F3に。優勝 こそ無かったが、特に雨のレースなど難しい 条件で速さを見せて表彰台を4回獲得、ラン キング5位となった。

福住同様、1年で全日本F3を卒業した牧 野は、昨年はHitech GPからヨーロッパF3

選手権に参戦。シリーズ途中で負傷し欠場す るなど、ランキング15位と順風満帆なシー ズンとはいかなかったが、初の欧州での戦い ながら後半には表彰台を経験。今年は昨年 のチャンピオンチームであるロシアンタイム からF2へステップアップ。昨年、王座争い をしたアルテム・マルケロフがチームメイト という好環境で、初めて福住と同じ土俵で戦 うこととなった。

牧野は昨年のヨーロッパF3選手権では スーパーライセンスポイントを獲得することが できなかった。2016年の全日本F3でのラン キング5位により、現在2ポイント(2016年 規定に因る)を獲得するにとどまっているが、 今季のF2でランキング3位以上に食い込め ば、一気に40ポイントを獲得できるため、 スーパーライセンスに手が届く状況にある。

二人にとって非常に重要な意味を持つ 2018年シーズンを前に、福住は「スーパーラ

イセンスのことも考えてレースをしなければ ならないが、いいリザルトを残せば自然とそ の辺はついてくるものだと思うので、とにか く集中するだけです」とコメント。一方の牧野 も「F2は今年、全車新型になりますが、やは り経験のあるチーム・ドライバーが有利なの に変わりはないと思います。でも昨年のヨー ロピアンF3は激しいレースでしたが、そこ で走れた事は自分にとってもプラスになって います。今年の目標はランキング3位以内で す。大変なチャレンジですが、頑張ります」 と語る。二人とも、今季が自身のキャリアで ひとつの大きなチャレンジの1年になること を自覚していることは間違いない。

小林可夢偉以来の日本人F1ドライバーの 復活を待ち望む多くの人たちが、今シーズン の彼らの戦いに注目することとなるが、彼ら の夢を現実のものとするかどうかは、すべて 彼ら自身に委ねられているのだ。

e牧野はF3に乗った2016年後 半にはスーパーGT500クラ スにスポット参戦。第7戦で はドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTを駆って2位 に食い込むなど非凡なところ を見せた。そのドライビング センスは高く評価されている。

9 Headl
今年は、欧州で戦う日本人F1サミッター二人の走りに目が離せない

2018 春 CONTENTS

HEADLINE

4

春の訪れとともに国内2大ビッグレースがいよいよ開幕!

スーパーフォーミュラは新人&復活組が掻き回す!?GT500はかつてない激戦の予感!

6 2018年全日本スピードPN戦線、異状アリ!

勢力図がガラリと変わった全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権・開幕戦

8 今年は、欧州で戦う日本人F1サミッター二人の走りに目が離せない

F1への最後の登竜門、F2に挑む福住仁嶺、牧野任祐はスーパーライセンスの壁を超えられるか

SPECIAL ISSUE

12

29

耐久新元年2018

〜観戦それとも参戦? 耐久の楽しさを五感で感じてみませんか〜

ステップアップ STEP UP!

スラローマー達の新たな挑戦

50 この声、届け!

戦いに秘めた思いを“声”で伝える女性たち

INTERVIEW

26

JAF Women in Motorsport 最前線

自動車業界のダイバーシティミックスで女性や若手の活躍の場を増やしたい 〜井原慶子さん〜

FEATURE STORY

41 GTレーサーが、レーシングカートに乗り続ける理

モータースポーツ界の“二刀流”佐々木大樹の終わりなき挑戦

46 TAKAは、なぜ勝てたか

勝田貴元、WRC2優勝の快挙を可能にしたものは何だったのか

GUIDE

62 初中級者のための2018国内Bライセンス競技シリーズ参戦ガイド

TOPICS

61 広大な “もてぎ南” をフル活用!

ジムカーナに学ぶ濃厚レッスン

SERIES

39 FIA便り

40 JAF重要公示解説

45 話題の登録車両をズームアップ!

56 オートテスト倶楽部

宮崎で人気のオートテスト、その楽しさのワケとは?

58 オフィシャルさん、お疲れさん!

選手の気持ちが分かるから、主催も楽しい

JAF MOTORSPORTS JAFスポーツ[モータースポーツ情報]

監修/一般社団法人 日本自動車連盟

〒105-0012 東京都港区芝大門1-1-30 ☎0570-00-2811(ナビダイヤル) 発行所/㈱JAFメディアワークス 〒105-0012東京都港区芝大門1-9-9 野村不動産芝大門ビル10F ☎03-5470-1711

発行人/山口真人 振替(東京)00100-1-88320 印刷所/凸版印刷株式会社

表紙/2018全日本ジムカーナ選手権第2戦

撮影/西野キヨシ 編集長/田代康 副編集長/佐藤均 デザイン/鎌田僚デザイン室 編集/㈱JAFメディアワークス JAFスポーツ編集部 ☎03-5470-1712

わ 由 け

2018 耐久

~観戦それとも参戦?今年こそ、 特集

新元年

耐久の楽しさを五感で体験しませんか!?~

今年は日本の耐久シーンにとっては画期的な一年になりそうだ。

1967年にわが国初の24時間レースとして 行われた富士24時間が復活し、

鈴鹿では伝統の1000kmに流れを汲む国際格式レース、 鈴鹿10Hが新しくスタートする。折りしも世界は耐久ブーム。

見て楽しい、走ってなお楽しい。

日本の耐久レースのいまを紹介する。

18

世界各地でGTマシンによる選手 権はいくつも開催されている。

欧州ではブランパンGTシリー ズを頂点に、ドイツのADAC GTマス ターズ、英国GT選手権など各国の選手権 シリーズ、アメリカのピレリ・ワールド チャレンジやユナイテッド・スポーツカー 選手権(USCC)、そしてGTアジアシリー ズなどでシリーズ戦が組まれ人気を集めて いる。

その中心となる車両はFIA-GT3であ り、現在、世界のGTスタンダードとなっ ている。日本で最も人気を集めている SUPER GTシリーズGT300クラスでも、

その中心をなすのはGT3マシンだ。今年 8月にはGT3とJAF-GTが争う耐久レー ス、鈴鹿10時間も開催される。

GT3というカテゴリーが誕生したのは 2000年代半ばのこと。GTレースは1990 年代半ばにBPR GTシリーズとして欧州 とアジアを中心に隆盛を極めた。しかしや がて自動車メーカーが力を入れ、車両はほ とんどプロトタイプカーと同様となり、 FIAの世界選手権まで開催されたが、経費 の高騰もあり消滅した。

BPR GTグローバルシリーズの主要人物 の一人だった、フランス人のステファン・

ラテル(BPRのRは彼のイニシャル)が立 ち上げた運営団体SROがGTレースの再 構築に取り組んで誕生したのがGT3クラ スだった。当時は改造範囲の広い順に

GT1、GT2、GT3、GT4と分かれ、 GT1は世界選手権となったが、やが て消滅(日産GT-Rが2011年のチャン ピオンを獲得)し、GT2はやがてGTE となりル・マン24時間を含むル・マ ンシリーズのGTマシンとなった。

GT3は、自動車メーカーが独自に 企画したポルシェカレラカップやフェ ラーリチャレンジのようなワンメイク レースを一緒に走らせようという趣旨

で生まれたクラス。当然排気量や出力 も異なるが、そこは車重やリストリク ター径、ブースト圧などで性能調整 (BoP)を実施して、各車両の性能が なるべくイコールコンディションにな るようにして運営された。

やがて欧州を中心に、セミプロやア マチュアがレースを楽しむカテゴリー として人気を集めたが、その大きな理 由は、車両を持ってさえいれば世界統 一規格であるGT3レースにはどれでも エントリーできたことだった。例えば ドイツのADAC GTマスターズに出

ているチームは、その車両で欧州を転戦す るブランパンシリーズにも出場が可能。ス ケジュールさえ合えば、1台の車両でいく つものレースに出場できるのだ。

同じドライバーがレベルアップの ために他のシリーズに出ることもで きるし、他のドライバーが乗ること も可能。しかもレース車両はメー カーが1台3,000万円ほどで販売 しており、カスタマーサービスも しっかりしているのも安心のひとつ だった。

その人気に輪をかけたのがニュル ブルクリンク24時間レースだった。 2009年にSP9-GT3、SP10-GT4 というクラスが設定されたからだ。 それまでのGT3車両の中心はラン ボルギーニ・ガヤルド、ポルシェ 911、フェラーリ430などであっ たが、2009年にはアウディR8、 アルピナB6がデビュー。2010年 にはBMW Z4、2011年にはメル セデスSLS AMGも登場。特にド イツメーカーは企業のイメージアッ プにこれらGT3マシンの成績を巧

なぜいま、 耐久が 熱いのか?

レポート/皆越和也
特集
14
PART.1 耐久新元年2018

ブランパンGTシリーズ

年間10戦(スプリント5戦 &耐久5戦)で争われる欧州 選手権で、GT3レースの頂点 とも言えるシリーズ。中でも 夏に行われるスパ24時間は このシリーズを代表する一大 イベントだ。メーカー系プロド ライバーが多数参加するプロ クラスの他にも、プロアマ、ア マのみのクラスも設定されて いる。耐久には欧州各地から 毎戦50台を超える車両が参 加して圧巻だ。

ブランパン GTシリーズアジア

アジア4カ国において6戦 で争われる選手権で、日本で も鈴鹿と富士の2大会が予定 されている。ブランパンGTシ

リーズ同様、SROがオーガナ イズしており、ひとつの大会で 1時間耐久レースを2回行う。

このシリーズはGT3を中心に GT4、さらにはワンメイクレー ス車両によるGTCクラスも設 定。香港や東南アジアのチー ムが中心だが、日本人の参加 も増えている。

みに使っていった。現在ではニュルブルク リンク24時間に160台ほど集まる参加台 数のうち、40台前後までをSP9-GT3車 両が占めるまでになっている。

日本のメーカーで最初に動いたのが日産 /ニスモのGT-Rで、2012年よりカスタ マー向けの車両として販売を開始。国内で はSUPER GT/GT300、スーパー耐久 ST-Xクラスに、また海外ではブランパン GTシリーズで2015年にシリーズタイト ルを獲得し、同年2月のバサースト12時 間では総合優勝を果たすなど活躍してい る。その後トヨタはレクサスRC F、ホン ダはNSXを投入。今年のSUPER GT/ GT300では、この3台のGT3が欧州勢と どう戦うのか注目したい。

GT3の魅力は他にもある。GTレースに はスプリントレースも開催されるが、その 多くは耐久スタイルを踏襲。つまりドライ バー3名ほどで交代しながら競争を続けて いる。そして多くのレースシリーズでは、 プロ、プロアマというクラスを設けている。

VLN(ニュルブルクリンク 耐久選手権)

ドイツ、ニュルブルクリンク を舞台に年間9戦ほどで開催 されるシリーズ。レースイベ ントはワンデイ開催で、決勝 レースは4時間を中心に6時 間の設定もある。ニュルブル クリンク24時間に出場する地 元チームの練習やテスト走 行、そしてドライバーの24時 間レースへの資格取得も兼ね られることがあるが、24時間 レースよりも手軽に参加でき るのが特徴だ。

ピレリ・ワールドチャレンジ

北米を舞台に開催されてい るサルーンカー(ツーリング カー、GT)によるシリーズで、 そのトップカテゴリーがGT3 マシンを含む「GT」クラス。今 年は11戦で争われる。GTクラ スはワンメイクレースカーの GTカップクラスとの混走で1 時間耐久レースが2回行われ る。ブランパンGTシリーズと も提携しており、将来的には 世界規模のシリーズに発展す る可能性も秘めている。

プロはプロドライバーだけの総合優勝を狙 うチームだが、プロアマというのはセミプ ロやアマチュアレーサーがプロと組む。

プロアマには若手育成というチームもあ るが、いわゆる”ジェントルマンドライ バー”が資金を持ち込み、プロと組むこと によって、その運転技術を学んだり、レベ ルアップさせることが可能になる。時には 総合優勝争いに絡むこともあり、このクラ ス設定こそが、毎回参加台数を安定させて いる要因と言えるだろう。

スーパー耐久シリーズ

25年以上も続く日本を代 表する参加型耐久レースシ リーズ。クラスは排気量や駆 動方式、車両規定により細か く区分され、トップとなるのが GT3マシンによるST-Xクラ スで、年々参加台数も増加し ている。GT4マシンはST-Zク ラスと呼ばれ今年は1台が年 間エントリーをしている。毎戦 60台近いエントリーを集めて いるが、今年は富士で24時間 レースが遂に復活する。

また車両の指定パーツや構造には一切変 更は許されないため、高価なパーツ投入と いった経費の高騰も防いできた。しかしな がら車両の開発や進化により、最近はレー ス車両自体の価格が高騰。このため、この 1〜2年でより経費のかからないGT4ク ラスや、ツーリングカーのTCRに流れる エントラントも出ている。経費の高騰は レースシリーズの衰退を招きかねないだけ にFIAやSROの手腕が試される時期に来 ているのかもしれない。

本文でも触れているように、ここ数年、改造範囲が狭く、より市販車に近いGT4車両が注目を集めている。 そして欧州のメーカーもこの傾向を早めに嗅ぎつけ、さまざまなメーカーがGT4規定の車両を次々に市場 に投入し始めている。ポルシェ・ケイマン、アウディR8、アストンマーチン・バンテージ、シボレー・カマ ロ、マクラーレン570S、メルセデスAMG、BMW M4などマシンのバラエティも豊かになっ た。特にオランダやベルギー、英国などで少しずつ盛り上がってきた流れが、と うとうドイツを含めた欧州全体に広まってきたという雰囲気だ。GT4はホ イールのセンターロックも禁止で、高価なパーツも装着不可な場 合が多く、車両も1台2,500万円程度で購入できるという。 GTアジアシリーズにもクラスは設定されて、日本のStud ieもBMW M4でフル参戦を発表している。日本では スーパー耐久シリーズにST-ZというGT4のクラスが設 けられた。今後の動きを注目していきたいところだ

次なる主役はGT4車両!?人気急上昇の秘密とは?
15
世界の代表的な耐久シリーズ

最後まで、 絶対走り 切っちゃうよ!

1回走ったら、 もうハマっ ちゃうよ! サービスは、 ばっちり 任せてよ!

耐久、 やろうぜ!

カッコイイGT3マシンで耐久レースに出るのも、 もうろん、そう遠くない夢にしておきたいけれど、日本には、リーズナブルな 競技車両で、仲間を誘ってワイワイガヤガヤ楽しめる耐久レースがあるって、 知ってました?今年最初の参加型耐久レースにお邪魔させて頂きました!

ーカルシリーズの耐久レースと いえば、一時期はN1車両しか 参加できないものとされてきた ものの、VITAの参加が許されるようにな ると、ムードも一変。今では岡山や十勝の 耐久レースでも大半を占めるようになった。 そのきっかけを作ったのが、鈴鹿クラブ マンの耐久レース(以下、クラブマン耐久) だと言ってもいいだろう。もともと純レー シングカーのRSが主役を張っていたレー スだけに、発祥の地である鈴鹿が、その存

レポート/はた☆なおゆき フォト/石原康、中島正義 PART.2 耐久新元年
16
特集 2018

何が起きても

不思議じゃないけど、 楽しいよ!

例年、夏前に開催されてきた鈴鹿クラブマン 耐久だが、今年は3月17~18日に行われたシ リーズ第2戦の中に組み込まれて開催された。 鈴鹿クラブマンレースにスプリントレースとし て設定されているクラブマンスポーツ、CS2、 FIT 1.5 Challenge Cuo、FFチャレンジの4ク ラスに、今回はクラブマンST4, ST5(スーパー 耐久ST4,ST5対象)の2クラスが追加され、計 34台が3時間の耐久レースに挑んだ。

在を見逃そうはずがなく、早々に受け入れ るようになったからだ。

そんなクラブマン耐久は、鈴鹿1000km の流れを汲むレースだ。昨年を限りに長い

歴史の幕を閉じたが、スーパーGTの一 戦とされるまで、鈴鹿1000kmはあらゆ

る車両での参加が許され、GTやプロトタ イプとN1車両が入り乱れて走っていたも の。よく「抜かれる時は、風圧でクルマが 吹き飛ばされた!」と語られるが、その時 の表情は一様に嬉々としていて、恐怖心よ

りスリルを味わっていたかのように皆、振 り返る。

いずれにせよ、アマチュアドライバーが、 トップドライバーと同じ土俵で戦える「晴れ 舞台」であったわけだが、鈴鹿1000kmに 出場できなくなってからは、クラブマン耐 久に本来の流れが引き継がれたということ は、理解していただけるだろう。

2016年に伊勢志摩サミット開催の影響 を受け、一度だけ開催されなかった年が あったものの、それを気にクラブマン耐久

も昨年からリニューアルされ、それまでの 300kmレースから3時間レースに変更。 またクラスごとにピットストップ回数が異 なっていたのを、一律6回の義務づけとさ れた。

回数の違いは、どのクラスが総合優勝を 飾ってもおかしくない、という興味も生み 出していたのだが、その是非はここではあ えて問うまい。なお、1回のピットストッ プにつき、ピットレーンのコントロールラ インから出口の計測ラインまで、180秒を 要することも義務づけられ、金属携行缶で の給油は20ℓまで。ドライバー一人の周 回数に制限はないが、登録ドライバーは必 ず予選、決勝を走らなければならない。

クラブマン耐久は独自の予選システムを 採っており、1セッションを全員が走るの ではなく、第1ドライバー、第2ドライ

17
鈴鹿クラブマン耐久は、あの伝 統の鈴鹿1000kmを継ぐアマ チュアのための耐久レースだ

S耐に参戦しているTRACY SPORTS はST4クラスにS2000、86の2台で参 戦した。S2000は現役のS耐ドライ バーである堀田誠、兵頭信一両選手が タッグを組んだが、86は小山実姫選手 ら若手が長めのスティントを担当し、経 験を積んだ。

バー、第3ドライバーが、それぞれ分かれ て走行する。そのうちの最速タイムでグ リッドが決まるが、これもまたクラブマン 耐久独自のシステムなのは、そのチームの 中で最速のドライバーがスタートを担当し なければならないこと。そのため、チーム メイトに経験を積ませるために、あえてタ イムを出しに行かなかったエースも、いた とかいなかったとか……。

さて、クラブマン耐久は6クラスで争わ

れる。CS2は、トヨタ4A-GEエンジンを 搭載するウエスト16Cのワンメイク。ク ラブマンスポーツ(以下CS)もまた、 VITAのワンメイクだ。FFチャレンジ(以 下FFC)はシビックEG6、EK4、EK9で の参加が可能。さらにFIT 1.5チャレンジ カップ(以下FIT、選手権対象外)。クラブ マンST-4とクラブマンST-5は、その名 称の通り、スーパー耐久車両そのままで出 場できるクラスだ。

今回は34台がエントリーしたが、その うち4チーム6台をピックアップすること とした。まずはVITA生みの親である、ウ エストレーシングカーズの『BITCOIN悟 VITA』。「思ったほど台数が集まらなかっ たので、賑やかにしないと」と神谷誠二郎 代表は語るも、送り込んだドライバーは昨

年の富士チャンピオン、山田遼選手と一昨 年の鈴鹿チャンピオン、中里紀夫選手。さ らに「KYOJO-CUPの練習を兼ねて」(神 谷代表)と池島実紅選手を加えた強力ライ ンアップだ。クラス優勝の最有力候補とさ れ、予選では第1ドライバーのセッション で山田選手が他を圧してクラスポールは確 実かと思われたが、第3ドライバーのセッ ションで1台の逆転を許してしまう。 「まさか最後に逆転されてしまうとは。コ ンディションはそんなに違わなかったと思 うんですが、多少クリアラップは取りやす かったかもしれませんね。まぁ、長い時間 走るレースなので(笑)」と、悔しさの中に も山田選手は少なからず余裕の表情。 同じくCSからピックアップしたのは、 オートルック筑波ガレージからエントリー の2台。『オートルックVITA-01』をいむ らせいじ選手と北野正規選手が、『オート ルック☆大武楽笑Gコレ☆VITA』を大竹 将光選手と山本絵里子選手がドライブす る。いむら選手は関東在住ながら、もて ぎ、筑波シリーズだけでなく、鈴鹿シリー ズにも挑む猛者だが、他の3人は鈴鹿での レース経験は皆無に等しい。昨年のスー パーFJ筑波チャンピオンの大竹選手に日 本一決定戦の経験がある程度だ。 「以前から“鈴鹿で走ると得るものが多い よ”と回りから言われていたので、いつか 走ってみたいと思ってました。ただあまり に回りとタイム差があると、スプリントに 出ても一人旅になって、スポーツ走行みた いになる。それだと得るものは少ないです が、耐久レースなら勉強になるかと思っ

耐久新元年 特集 2018 18
耐久、やろうぜ! PART.2

激戦区となったCSクラスに挑んだ 769号車はVITAの東西チャンピオン 経験者である山田遼、中里紀夫両選手 がVITAの指南役として乗り込み、池島 実紅選手とコンビを組んだ。バリバリ の優勝候補だったが、マシントラブル で勝利は逸す。

て」と、前向きな参戦理由を述べてくれた のは山本選手。大竹選手の記したタイム で、予選はクラス7番手につける。

一方、むしろ牽引役となるはずの、いむ ら選手は、続く8番手に。「前のもてぎの レースから、原因はよく分からないけど、 エンジンが吹けなくて。5速だけは正常に 回るんだけど3と4がモッサリだから。肝 心な燃料計とか配管系とかはちゃんと調べ

たんですけど……」と首をひねる。 次のピックアップチームは、クラ ブマンST-4クラスに出場する

TRACY SPORTSだ。今回は2台でのエ ントリーで、『TRACY MUTA Racing S2000』を堀田誠選手と、チーム代表でも ある兵頭信一選手が、『TEAM HEROʼS SPV 86』を小山美姫選手、山本謙吾選手、 青合正博選手がドライブする。このクラス は普段のスプリントには設けられていな い。敢えて討って出た理由とは。 「まずは、こういうクラスを作ってよ、

堀田選手が総合5番手、山本選手が6番手 と、上々の立ち上がりを見せた。

最後のピックアップチームはFFCのコ クピットタカハシからエントリーの 『CLN-COCKPITシビック』。しかしな がら、練習走行でエンジンが壊れ、予選は 走れず。急きょ売却が決まっていたEK4 を「お蔵出し」して持ち込んだものの、車検 を受けるのが精一杯だったためだ。

コクピットタカハシは名古屋市港区にあ るショップで、第1ドライバーの尾崎雅之 選手は、その社員。ともに走るのは坂井修

色々なことが起きるのが耐久レース。

でもその分、楽しさも2倍、3倍に

ホームコースを離れて皆で遠征で楽し めるのも耐久のいいところ。筑波の名 門ガレージ、オートルックチームも2台 のVITAを持ち込んだ。エースのいむら せいじ選手以外はほぼ、鈴鹿は初走行。 みっちり走り込んでスプリントでは得 られないスキルアップを果たした。

と我々がお願いしたわけだから、出ないわ けにはいかないと(笑)。S耐の練習にもな るしね。特にS耐にはまだ出られない予備 軍みたいな人には、いきなりだとGT3と か速いクルマと一緒で危ないけど、これな らそうじゃない。育成も小山でやっていま す。岡山の耐久とも合わせてもっと出てほ しいですね。S2000とかインテとか、そろ そろハコ替えする86もあると思うんで。 皆、案外こういうのがあるってのを知らな いんじゃないかな?」と兵頭選手。他チー ムのエントリーがないため、クラスの上位 独占は当然のことながら、CS勢を上回り、

二選手と、今回が公認初レースとなる紺戸 瑛介選手だ。過去、クラブマン耐久には二 度挑戦しているが、2014年はセルモーター のトラブルで、15年はドライブシャフト の破損により、いずれも完走を果たすに留 まっている。それだけに「三度目の正直」 (尾崎選手)を目指したわけだが、いきなり 出鼻を挫かれてしまったのだ。

幸い、嘆願書の提出により、決勝の出走 は認められたものの、「本当にぶっつけ本 番。すごく怖い条件だけど、3時間走らな いといけない」と尾崎選手。それでも、「紺 戸君には、初レースを楽しんでもらいた

19

予選日にいきなりエンジントラブルが 発生。急遽、マシン変更と大波乱のス タートとなった名古屋のコクピットタカ ハシチーム。しかし3ヵ月ぶりにエンジ ンを掛けたそのEK4が絶好調。事前の 作戦もバッチリ決まって過去最高位の 4位をもぎ取った。

耐久、やろうぜ!

い。緊張でガチガチにすると、若いので萎 縮してしまうから、まずは楽しめと言って ます。満身創痍だけど、楽しんで完走でき れば万々歳。ルーティン通りにやって、見 えるものが見えてきたらプッシュするつも りです」と、あくまで姿勢は前向きだ。

スプリントでは得られない耐久

の経験を、次のレースに生かす

さて決勝は慌ただしいこと、この上なし

だ。何せ3時間を7スティントだから単 純計算して30分間も走り続けられず、1 回ピットに入るたび1周以上の遅れを取 る。まぁ、それは全チーム同じ条件だか ら、ライバルと競い合うより、いかに想 定通りのタイムで走り続けられるかが鍵 となる。

だが、スタートから1時間を経過し て、なおピットに戻ってこなかったの が、『TEAM HEROʼS SPV 86』の山本 選手。これはタンク容量の大きいS耐車 両だからなせる技、兵頭選手が語ってい た通り、まさにS耐への予行演習とした わけだ。その後はピットストップを刻む 格好になったが、後を受けた小山選手も 1時間以上走行。惜しむらくはピット作 業違反で10秒ストップのペナルティを 課せられたこと。

一方、ペナルティは『TRACY MUTA Racing S2000 TWS』にも。こちらは ピットロードの速度超過に対して、ドラ イビングスルーが命じられる。「もった いないことした。パツパツだったから、 出口でアクセル踏むのが早かったんで ……」と反省しきりの兵頭選手。それで も総合4位とクラス優勝には満足そう。

堀田選手は「すべてはS耐のため(笑)。S 耐だと、どんどん路面状況が変わるか

ら、それにうまくアジャストできるよう 何をやったら速く走れるかをお題として 出されていたんですが、うまく行きまし た」と満足げだった。『TEAM HEROʼS SPV 86』は総合12位に入った。

一方、いきなり試練を迎えてしまった

のが『BITCOIN悟VITA』だった。スター トからトップを争うも、わずか6周でシフ トリンケージのトラブルが発生。長い時間 の修復を強いられたため、総合17位、ク ラス12位に甘んじた。「いいペースで走れ ていたんですが仕方がないです、トラブル は」と山田選手。それでも「かなり勉強にな りました」というのは池島選手で、「耐久は 初めてで、VITAそのものも1戦しか走っ ていなくて、フィーリングも分からないま までしたから、今回の経験を色んな所で活 かしたい」と満足そう。逆に新たな課題を 見出していたのが中里選手で「今まで VITAって乗り方だけだと思っていたんで すが、山田君のセットだと1秒ぐらい遅く て…。同じタイムで走れると思ってたの で、改めて奥の深さを感じました」と振り 返った。

『オートルックVITA-01』は総合10位、 クラス7位でフィニッシュ。いむら選手の 語っていたエンジン不調は最後まで尾を引

ゴールの

瞬間が 最高!
PART.2 耐久新元年 特集 2018 20

いていたようだ。「道具があっての競技で すから、仕方ないですね。でも楽しめたの で、良かったです」といむら選手。そして 『オートルック☆大武楽笑☆GコレVITA』 は総合13位、クラス9位を獲得。その結 果以上に、満足そうだったのが山本選手。 「大竹選手に上げるだけ上げてもらって、 私が下げるだけ下げるという作戦(笑)。途 中シケインでブレーキが抜けるとか、色々 ありましたが、予選より決勝で2秒タイム アップできたんで、本当に満足です」

また、大竹選手も「耐久もVITAも初め てでしたが、スプリントと違って考えるこ とが多いので、そういうのをもっと勉強し なきゃいけないと感じました。混走も初め

てなので、後も気にしなきゃいけないし、 前も追いついたら、どう抜かせばいいのか 処理の仕方が難しかったですね。今年も筑 波でスーパーFJをやろうと思っているの で今回の経験を結果に結びつけたいです」 と大いに収穫ありをアピールしていた。

さて、いきなり試練を課せられた 『CLN-COCKPITシビック』は、決勝で

は思いがけぬ展開が待ち構えていた。「ク ルマは走ってみたら元気で、2周ぐらいし たら『これならば戦える』と分かったので、 その後はプッシュしました。タイヤも問題 なし」と尾崎選手。最後尾スタートから 徐々に順位を上げて行き、気がつけば、ク ラス4位でフィニッシュ。表彰台はあと一 歩で逃したとはいえ、それより総合で前に いるのはFITが1台だけで、あとは上のク ラスか同じFFCの車両。望外の結果が得 られたといっても過言ではないはずだ。

「前半プッシュして、中間は燃費を稼いで 後半は先に給油を終わらせてプッシュとい う作戦がうまくいきました。途中SCが 入ったのも、一回離れた上位陣にも追いつ けたので大きかった。色々あったけど、昨 日の今頃の時間は終わったと思っていたわ けだから、ここまで来られたのはメカニッ クとチーム員全員のおかげ。本当に感謝で す。奇跡を起こしたクルマだから、ぜひ熱 田神宮に奉納したい(笑)」と尾崎選手。

チェッカーを担当した坂井選手は「もう 前、行くだけだったんで楽しかった。ロー

ドスターも抜けたし、FITも抑えられたし、 クラスは違うけど、レースしている感はあ りました。抜きつ抜かれつは楽しいです ね。チェッカー受けた後はウルっと、思い が込み上げてきました」と語れば、紺戸選 手も「楽しかった、それに尽きます」。さら に加えて「速度差もあり、難しかったです が、おかげでメンタルも強くなれました。 どん底からのスタートでしたから、何も怖 くなかったし、クルマも良かった。また来 年も出たい」と紺戸選手は語った。

一人の力だけでなく、皆で力を合わせな ければ結果が残せない耐久レースは、しっ かりチェッカーを受けられれば、喜びは二 倍にも三倍にもなることを、改めて実感さ せられた。だからこそ、彼らはやめられな いのだろう…。

また一年後のゴールを目指す、楽しい 日々が、さぁ始まるはずだ。

速いだけじゃ、 勝てないよ! 駆け引きが 学べるよ! たくさん、 走り込めるよ!

国内参加型 耐久レース ガイド

参加型耐久レースは全国各地のサーキットで、シリーズの中の特別戦やノンタイトルのワンメイク耐久 などの形で毎年、開催されている。ローコストで用意できる中古競技車両で気の合う仲間と楽しむ、 というスタイルが一般的。モータースポーツ仲間を誘って、ぜひチャレンジしてみませんか!?

北海道クラブマンカップ

VITA-01/N1-1000 3時間耐久 9月2日(日)

リーズナブルな初代ヴィッツとVITA対象の3時間耐久  十勝スピードウェイを舞台とする「北海 道クラブマンカップ」は全4戦で争われる が、一昨年よりシリーズに特別戦が加えられ て、VITA-01とN1-1000による、3時間耐久 として開催されることとなった。なお、N11000とは初代ヴィッツのN1車両によって 争われ、ウエイトハンデ制度も設けられてい る、十勝独自のレースである。  3時間レースには2名もしくは3名での参

加が可能で、予選には全員1周以上走って、 なおかつ基準タイムをクリアしなくてはな らない。決勝では3回以上のピットストップ が義務づけられ、ピットで停止してから、再 び動き出すまで3分以上でなくてはならな い。ドライバーの乗車時間に規定はないが、 全員に走行義務が設けられている。給油は 落下式の給油装置、金属製携行缶から、どち らでも可能であるが、1回につき20ℓまで。

JMRC東北ロードスターカップ

ロードスター90分耐久レース 8月26日(日)

新旧ロードスターを対象とした90分耐久を計画中  スポーツランドSUGOで東北ロードス ターカップを運営するケンオートが、初の試 みとして「ロードスター90分耐久レース」の 開催を予定している。これはすべてのロード

スター競技車両(MX5グローバルカップ車 両を除く)を対象としたレースで、ロードス ターカップ、パーティレース、さらにN1でも 参加が可能というもの。1回のピットストッ プが義務づけられるが、給油の有無は問わ

れず、クラスごと停止時間を分けられること となっている。なお、給油する際はJOY耐方 式で、パドック内のガソリンスタンドに限定 される。

2名以上での参加が可能で、最も特徴的 なのはドライバー交代とともに車両の入れ 替えも可能であることだ。これはSUGOで 行われる走行会では一般的なケースで、 「人のクルマは運転したくない、運転させた

ナンバー付ヴィッツ&86/BRZが競う年末恒例の一戦

「GOOD YEAR Vitz & 86/BRZ DREAM CUP」は、ナンバー付き車両を対象とした、

初の耐久レースだ。6時間で争われ、給油は JOY耐同様ガソリンスタンドで。回数は自 由ながら、給油を伴うピット滞在時間は、昨 年は6分間で、スタート時には満タンが許さ れるが、スタートドライバーの連続乗車は 60分間まで。また給油が許されるのは65 分経過以降とあって、1回目のピットは無給

油となるだけに、その1回目のタイミングが 勝敗の鍵を握る。1回の給油につき、Vitzは 20ℓ、86/BRZは25ℓまでとなっている。  2〜4名のドライバー登録が可能だが、予 選には挑むのはAドライバーだけ。なお、 Vitzに関してはシリーズ同様、タイヤはワン メイクながら、86/BRZに関してはシリーズ で認められていれば選択自由。昨年に関し て言えば、銘柄以上にクラブマンで用いられ

余談ながら、JOY耐などで見られるガソリン スタンド給油方式は、十勝で発案されたの だという。

http://tokachi.msf.ne.jp/

くない」というドライバーへの配慮でもあ る。現在まだ計画の段階だが、実現すれば 公認レースの新しいスタイルになるかもし れない。

http://roadster-cup.smack-one.com/

るタイヤの方がライフに優れることで、決勝 をより有利に戦える傾向にあった。

http://www.fsw.tv/

十勝
S U G O
富士 GOOD YEAR Vitz&86/BRZ DREAM CUP 12月16日(日) 特集 PART.3 耐久新元年2018 22

もてぎEnjoy耐久レース

JOY耐 6月30日(土)~7月1日(日)/ミニJOY耐 11月4日(日)

もてぎといえばJOY耐。究極の燃費レースをぜひ!

パドック内のガソリンスタンドで給油す

る方式を一般的にしたJOY耐の正式名称は 「もてぎEnjoy耐久レース」。その名が示す 通り、誰でもどんなクルマでも楽しめるよ

う、細かく排気量区分が定められ、なおかつ N1車両だけでなく、より改造範囲の広いN2 車両でも参加できるのが特徴のひとつだ。  7時間で争われるJOY耐の場合、ピット ストップの回数義務づけはないもの の、1回の給油で入れられるのは、 3500cc以下の車両が30ℓまで、 3501cc以上の車両ならびに過給器 つきの車両が35ℓまで。なおかつ ピット滞在時間は最短でも9分間、 最長で11分間とされるため、最小限 で済ませたいことから、燃費に優れ ることは勝敗を分ける最大の要因に

OKAYAMAチャレンジカップ2時間耐久

今季第1戦 4月21日(土)~22日(日)/今季第2戦 10月14日(日)

出たいクルマで出られる岡山の耐久は年2回開催  岡山国際サーキットを舞台に激しいバト ルが繰り広げられる、「OKAYAMAチャレン ジカップ」は、全6戦のうち2戦で2時間耐 久を開催する。出場できるのはVITAの他、 N1は86/BRZ、AE86、ロードスター、マーチ。

Nゼロは86/BRZ、ヴィッツ、そしてロードス ターも今年から加えられたが、それ以外の車 両でも2000ccまでのN1車両においては、 OTHERSクラスとして出場が可能で、過去 にはS2000が、そして今年もすでにNDロー ドスターでの出場表明あり。排気量ごと4ク ラスに分けられ、2台以上でクラス成立とな るが、1台の場合は上のクラスへの編入とな る。その他のクラスで仮に1台だけの出場と なっても、表彰台の頂点に立てるので、「何 が何でも一度は、あの場所に」という方は、 しっかりリサーチして狙って出るべきかも!

なる。またガソリンスタンドの給油装置には 限りがあるため、一斉に向かえば渋滞も起こ りかねない。そのため、滞在時間も長めに設 定されているわけだが、渋滞を回避できるよ う、タイミングを図る、いわゆる戦術も勝敗 のカギを握ることもある。なお、70分間で 争われる、ミニJOY耐にはクラスごと義務 ピット回数と滞在時間が定められている。  予選はミニJOY耐に関しては、通常のシ ステムでAドライバーが記したタイム順に、 上位60台の決勝進出が許されるが、JOY耐 の予選は上位70台(クラスごと按分比例) が優先的に決勝進出を許されるものの、71 位以下の車両は60分予選レースで、20位以 内に入らないと、予選落ちとなってしまうの で注意したい。

http://www.twinring.jp/joytai/

2名もしくは3名での出場が可能で、予選 には登録されたドライバー全員が走行しな くてはならない。また決勝での乗車時間に 規制はないが、シリーズポイントを獲得する 上では、最低20分間の乗車が必要とされて いる。給油方法は落下式の装置でも、金属 携行缶いずれも可能だが、1回につき20ℓま で。ピットストップは2回以上で、3分間の 停止が義務づけられるが、この場合はピット レーン入口のホワイトラインから出口の蛍 光黄色マーカーまでの所用時間とされてい る。N1-86にはプロドライバーも出場するこ とも多く、昨年は谷口信輝や平川亮、中山雄 一らが走った! http://www.okayama-international-circuit. jp/index.html

オートポリス ゴールドカップレース/ツーリングカー300km耐久レース

11月11日(日)

Pオートポリスは伝統の300km耐久で走り収め!  オートポリスを舞台とする、「ゴールド カップ」のツーリングカー耐久レースは、近 頃は大半が時間レースの中、距離レースとし て行われる希少な耐久レースでもある。今

年の特別規則書はまだ公示されていない が、300km、すなわち65周のうちに昨年同 様であれば、3回のピットストップが義務づ けられている。ユニークなのは停止時間を クラスごと違えていたことで、これにより必 ずしも最速クラスの車両が総合優勝を飾る とは限らないからだ。

2名から4名のドライバーでの参加が可 能で、スターティンググリッドは第1ドライ バーと第2ドライバーのタイム合算で決め られる、S耐方式を採っている。また、決勝 では1名のドライバーが25周を超えて連続 走行することは禁じられているが、いったん ピットに戻れば、その限りではない。なお、

伝統のヒストリックカー耐久も 参加そして観戦したいイベントだ

JCCA主催の、原則として1975年までに生産された、ヒストリッ クカーが対象のイベントは年に4回程度行われるが、そのうちの1 回は60分耐久がメインイベントとなり、今年は10月21日(日)に開 催される予定だ。2名ないし3名での参加が可能で、参加が許され るのは比較的改造範囲の狭いPクラスとSクラスに限られる。その ためN2車両によるFクラスやTSカップのサニーやスターレット では参加できないのが、見る側としてはやや残念ではある。

http://www.jcca.cc/

VITAレーサーズに朗報!

ピットでの停止時間とは、コントロールライ ンからピット出口ラインまでの所要時間を 示し、4回目以降のピットストップは、それよ り短くてもいい。給油は金属携行缶からだ けに限定され、1回につき20ℓまでとされる。  ちなみにゴールドカップのツーリング カーは、エアロパーツの装着や同一メーカー であればエンジンの換装も許されたが、今 年から換装は禁止となり、またクラスごとの 排気量域も変更された。これにより、一部の 車両はクラス移行を余儀なくされたが、車 両ごと最低重量を定めているため、イコール コンディションはより保たれるようになるは ずだ。

https://autopolis.jp/ap/entry/race-car/ gold-cup/

全国転戦のカップ戦あり  今や各地の耐久レースでシェアNo.1で、主 役となっているVITA。そのコンストラクターで あるウエストレーシングカーズが設けている、 VECことVITA ENDURANCE CUPは、今年は 鈴鹿で1戦、岡山で2戦、そして十勝で1戦の全 4戦での開催が予定されている。シリーズラン キングは上位3戦の合計で決められるため、1戦でも多く出ようと、観光も兼ねて十勝ま で遠征する、本州のチームも少なくないのが特徴のシリーズでもある。

もてぎ
A
23

2018年注目の国内2大耐久レース最新観戦ガイド

富士24時間

2018年6月1日~3日

ピレリ スーパー耐久シリーズ 2018第3戦 富士SUPERTEC 24時間レース

月2~3日に、スーパー耐久シリーズ(S耐)、第3戦が富士ス ピードウェイにおいて、24時間耐久レースとして開催される。 国内の24時間レースは10年ぶりの開催。富士では1967年 と68年に24時間レースを開催したことがあり、今回は実に50年ぶり となる。海外ではル•マン(フランス)、スパ(ベルギー)、ニュルブルクリ ンク(ドイツ)、デイトナ(アメリカ)などで開催される24時間レースが 有名だが、今回の富士24時間はFIA GT3車両をトップクラスとした ツーリングカーであるため、プロトタイプカーの出走するル•マンやデ イトナとは異なり、スパやニュルブルクリンクのレースに近い。

スーパー耐久は1991年にスタートしたN1耐久ラウンドシリーズを ルーツとして、30年近く続くツーリングカーシリーズ。SUPER GTシ リーズはちょっと敷居が高いけれど、レースを楽しみたいというチーム やドライバーに人気を集めている参加型レースだ。またプロドライ バーも多く参戦しており、プロのスキルやマナーを覚えることも可能 だ。クラスもFIA GT3車両を用いるST-Xクラスから、TCR車両のク ラス、さらには排気量や駆動方式によってクラスが8つに区分される。

年間エントリー台数も57台に及んでいる。

3月には富士スピードウェイにおいて夜間走行のテストセッション を行った。富士スピードウェイとしては、地元•小山町のお祭り的なイ ベントとして育てていく方向で、物産の販売所やさまざまな企画が準 備されているようだ。また富士にはキャンプサイトもあり、ヨーロッパ の耐久レースのようにバーベ キューやキャンプを楽しみな がらレースを観戦するスタイ ルが定着するかもしれない。

鈴鹿10H

2018年8月24日~26日 第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース(鈴鹿10h)

昨年まで「鈴鹿1000km」として親しまれて来た真夏の耐久 レースが大きく衣替え。さらに過酷な10時間耐久レースとし て8月24~26日に鈴鹿サーキットにおいて開催される。し かも既に世界各国から多くのチームがエントリーしており、新たなGT 世界一決定戦としての大会となる。参加できるのは、世界的に人気を 集めているFIA GT3規定の車両で、ブランパンGTシリーズ、同アジア シリーズ、ADAC GTマスターズ、インターコンチネンタルGTチャレン ジ、日本のSUPER GTシリーズ、スーパー耐久シリーズなどからのエン トリーが集まっている。

鈴鹿10時間にはさらにSUPER GTのGT300クラスに参戦する JAF GT車両やマザーシャシーも出走が可能となっている。本来SUP ER GTシリーズでは、タイヤテストになりかねないと他シリーズへの参 戦を禁止しているが、この鈴鹿10時間で使用されるのは、SUPER GT で使用されていないピレリタイヤのワンメイクということもあり、特別 に参戦を許可するなどイベントをバックアップしている。3月下旬の時 点で30台のエントリーが集まっており、予想では40台近くが鈴鹿に 集結することになりそうだ。

これまでの鈴鹿1000kmはSUPER GTのシリーズ戦として開催さ れてきたが、元々はグループCやRS(単座席小型スポーツカー)、ツー リングカーのごった煮的レースとして人気を集めていた。観客も夏休 み最後の週末で日焼けしながら、途中遊園地のプールで泳いだりとい ろんなスタイルでレースを楽しみ、レース終了後に打ち上げられる花火 を見て夏の終わりを感じるというものだった。このスタイルは10時間 レースになっても変わりはないだろう(10時スタート、20時ゴール)。

富士24時間観戦情報

オールナイトで楽しめるキャンプエリアもあり

富士24時間の観戦チケットは3月22日より販売が開始されている。24 時間レースということで通常の前売観戦券のほかに、長時間の観戦に適し たチケットが用意される。自由席エリアに入場できる観戦券やペア観戦券 等のほか、テントやライトなどのキャンプグッズ付き「キャンプヴィレッジ パッケージ」を新たに販売。また、家族やグループでの観戦を楽しめる「グ ランドスタンドグループシート」や「グランドスタンドマルチスペース」のほ か、2日(土)のスタートから3日(日)のゴールまでグランドスタンド最上階 にある個室で観戦ができる「プラチナペアルームパス」などを用意する。観 戦料金の詳細については富士スピードウェイのHPを参照して欲しい。

http://www.fsw.tv/

優勝者に与えられる栄えあるトロフィー。続々とエントリーが集 まっており、1000kmを受け継ぐ盛り上がりは必至だ。

鈴鹿10H観戦情報 パドックビルに加え、グランドスタンド側にも特別席を用意  鈴鹿10時間耐久の観戦チケットも4月7日から販売が開始されている。 こちらのレースも長時間の観戦に対応した様々なチケット・パッケージを 用意している。パドックビル側には「VIPスイート・プレミアム」をはじめ、 「ホスピタリティラウンジ」、「ホスピタリティテラス」、「ホスピタリティテラ ス“Special”」そして「ファミリーラウンジ」を用意。一方グランドスタンド側 には大人4名(+子ども2名)まで利用できる「パノラマルーム」や最大4 〜6名まで利用OKの「パノラマテラス」等の快適な観戦エリアが用意され ている。また5月に開催されるスーパーGTとセットの観戦券も発売中だ。 観戦料金の詳細については鈴鹿サーキットのHPを参照して欲しい。 http://www.suzukacircuit.jp/

6
S耐富士伝統の一戦、SUPER TECが今年は24時間レースとして行われる。3月には 夜間走行を想定したテストも行われた。
24
25

JAF Women in Motorsport 最前線

自動車業界の ダイバーシティミックスで 女性や若手の活躍の場を 増やしたい

FIA WOMEN IN MOTORSPORTアジア地域代表委員に

して、JAFウィメン・イン・モータースポーツ・アンバサ ダーを務める井原慶子氏。女性がモータースポーツを楽 しめる環境を創り出す活動が4年めを迎えた現在、井原氏 が挑む新たなプロジェクトの狙いを聞いた。

まず、FIA WOMEN IN MOTORSPORT 委員会では、現在どのようなことが議論されているの でしょうか。

「ミッシェル・ムートンさんが代表を務めるこの委員 会では、私が関わった2013年以来『どうすればモー タースポーツ界に女性が増えるか』という議論がずっ

と続いています。そんな中で、日本はJAFウィメン・ イン・モータースポーツ ワーキンググループとして取 り組みを始めてから、毎年女性のライセンスホルダー が増えています。それまでは、更新しない人も多く、

減少傾向だったのに、です。私はレーサーなので『結 果にこだわること』がポリシーにあります。過程より 結果です。そう言った取り組みが、FIAの中でも印象 的に取り上げられていることは確かです」

先日、FIAから女性ドライバー発掘プログラム が発表されましたね。

「ドライバーを育てよう

という議論は、私がFIA の委員会に入った当初か

らありました。中々まと まらない状況が続く一方

フォト/山本佳吾、中島正義、石原康、JAFスポーツ編集部 レポート/入江大輔、JAFスポーツ編集部 昨年6月25日に開催されたLadies No.1 Race(L1レース)は、ロードスターやヴィッツ、デミオが 混走するナンバー付きレースとして、日曜午前に予選、午後に決勝が行われた。雨上がりで霧も 出た悪条件ながらも、各クラスで熾烈なバトルが勃発。にも関わらず、全車無事フィニッシュを 迎えたことは、女性ドライバーの技術力の高さを示す結果と言えよう。

で、日本は『L1シリーズ』など着実に成果を挙げてき ました。FIAも若い女性ドライバーを育成するプロ ジェクトを発表しましたが、世界的に『我々も急がな ければ』となってきたのは、凄くいい効果です。

すでに行われている『The Girls On Track』も含ま れるんですが、欧州各地のスーパーマーケット駐車場 でオーディションを行なって、選抜されたドライバー は、専門のトレーニングが受けられます。優秀なドラ イバーには、フォーミュラなのか、ラリーなのか、行

WOMEN IN MOTORSPORT「L1 Race in 富士スピードウェイ」 開催日:2017年6月25日 開催地:富士スピードウェイ(静岡県駿東郡)

きたいカテゴリーに向けた支援をしていくことになり ますね」

FIAのプログラムには、24歳以下という年齢 制限が設けられましたね。

「年齢制限には議論がありました。委員会のミッシェ ル・ムートンさんはできるだけ若いドライバーを発掘

26

FIA WOMEN IN MOTORSPORT アジア地域代表委員 JAFウィメン・イン・モータースポーツ アンバサダー

Love Drive Racing監督

井原慶子氏

FIAが2009年から始めたWOMEN IN MOTORSPORT委員会の活動を国 内でも展開するため、2014年に発足した「JAFウィメン・イン・モータース ポーツ ワーキンググループ」。発足時からアンバサダーを務める井原慶子 氏は、女性ドライバー集団「Love Drive Racing」の監督を務めるなど、女性の モータースポーツ活動の環境整備に尽力してきた。

すべきとの意見でしたが、私は逆の考え方です。これ まで私が実施したプロジェクトでも、年齢制限を設け

ていません。トップドライバーを育てるのであれば、 ムートンさんの意見が理想でしょう。でも、今は裾野 を広げる努力をすべきです。人生100年の時代に、 年齢制限はもう受け入れられません。私自身、年齢制 限で苦しんだタイプでしたしね(笑)」

昨年は日本で「L1レース」や「L1ラリー」など、 女性だけの大会が話題になりました。

「実はムートンさんは、女性だけのレースやラリーに 大反対でした。それでも『観にきて欲しい』と言えば、 来てくれるのが彼女なんですけど(笑)。

女性だけのレースを作るか、否かという議論の中 で、ムートンさんはWRC世界ラリー選手権で活躍し

てきた人ですし、そんな枠組みは必要ないと言い切り ました。実は私も同じ立場で、WEC世界耐久選手権 で表彰台に上がりましたし、ル・マンシリーズでも、 女性として世界初の総合優勝もしました。正直、男女 を分けてくれなくても、出来るわけです。でも、 WiM活動をスタートして3年間、色々な意見を聞く 中で『分ける必要がある』と変わりました」

それはなぜでしょう?

「現状、女性がモータースポーツに参加しようとする

WOMEN IN MOTORSPORT「L1 RALLY in 恵那」

開催日:2017年11月25〜26日 開催地:岐阜県恵那市周辺

と、嫌な思いをする事が少なくないからです。私はそ れを忘れていましたけど(笑)。世界で結果を残せば、 誰も『女だから』とは言わなくなるものですから。

でも、女性が活躍する環境を模索する中で、沢山の 女性が泣いて連絡をくれるんですよ。WiM活動の企 画に履歴書を送ってくれた応募者のほとんどが、同じ 様な理由を書いていました。ライセンスを取得してク ルマまで買った人が、現場で嫌な思いをすれば続けて くれません。止めて欲しくないし、楽しんで欲しい じゃないですか。

今までレース界で活躍してきた女性は、例外なく 『枠を作る必要はない』と言います。でも、やったこと のない人にとっては、女性だけのレースは『女子会み たいで面白そう!』ってなるわけです。

それにL1は”ガチ”なんです。ピットに戻ると泣い ているコもいますから(笑)。女子だけでなら本気でや れる。これは私のレース人生ではなかった光景でした」

昨年11月25〜26日に岐阜県恵那市で開催された「L1ラリー in恵那2017」は、”女性ドライバー限定”として39台のエント リーを集めた。ラリーは1500cc上下の2クラスで争われ、 L1-2クラスは今橋彩佳/保井隆宏組、L1-1クラスは栗原智 子/山田真記子組が優勝した。

27

JAF Women in Motorsport 最前線

モータースポーツにおいては、男性がコミットし た方が良い局面もあるのでは? 「もちろんです。このプロジェクトの最終的な目標 は、日本が世界におけるプレゼンスをもっと拡大する ことです。海外から帰国してダイバーシティ(多様性) が少ないことを実感したんです。それは性別の多様性

では340km/hの速度で走りながら、ドライバーの私 とピット、ドバイのファクトリーが通信しながら戦っ ていました。そんな世界では、STEMの知識を習得 したエンジニアやメカニックが必要不可欠なんです。

女性に関しては少しずつ成果が出てきたので、次は 若手エンジニアの育成。“R24”では『プロジェクト ベースドラーニング』という習得方法 を使って、レース参戦をベースに、メ カニックやエンジニアリングを段階的 に学んでいきます。

モータースポーツは様々な分野を統 合的に学べる、すごくいいツールなん ですよ」

か?

井原慶子氏率いるLove Drive Racingと日本自動車大学校がスーパー耐久参戦を通じてモータース ポーツ界の人材育成を行う「Road 2 STEM 4 Next-Gen(R24)」プロジェクト。世界に通用する女性ドラ イバーと若手メカニック&エンジニアを育成する狙いだ。

だけでなく、あらゆる分野においてです。多くの企業 や組織でダイバーシティが進めば、新規事業や新規産 業が生まれていきますよね。これまで発揮できていな かった女性の能力を活かせば、モータースポーツ界も 自動車業界も発展すると思いました。だからこそ WiMプロジェクトを進めてきました。なので、この プロジェクトは男性にぜひ手伝って欲しいんです。活 動をよく見たら『女性がたくさんいるね』という形にし

たいんですよ」

数あるダイバーシティの中から、まずは女性を、 ということだったんですね。

「日本の文化や国民性を前にして、何となく『女性を 応援しようね』くらいの活動では大きく変わりません でした。10年、15年と継続しないと人は育ちません。 それがWiMプロジェクトとして今ようやく始まっ て、3年が経ったところです」

先日、Love drive Racing監督として、STEM

人材育成プロジェクト“R24”を発表されましたね。

「女性の活躍とは別に、帰国して痛感したのが、若い メカニックやエンジニアが少ないという事です。特に 世界のモータースポーツ最前線で行われている

STEM(サイエンス・テクノロジー・エンジニアリン グ・マスマティック)を駆使した人材育成が、圧倒的 に遅れています。

総合的な知識を融合させて、電子制御のフィード バックができたり、自分が作ったソフトで解析して、 ボディの物質を開発できるようなエンジニアが、日本 には少ないんです。例えば、ル・マン24時間レース

具体的な成果はいつ頃見られます

「3年かな……。WiM活動も3年で、 ある程度ムーブメントができました。

“R24”ではル・マン24時間レースへの 参戦が目標です。女性、そして若手エ

ンジニア・メカニックと一緒にですね。

リタイアしたエンジニアやメカニッ クがサポートして、彼らを育成する。 これまで培ってきた豊富な経験を、若

手に技術や経験を継承することで、お年寄りも元気に なりますからね。

チームに老若男女がいて、ル・マン24時間という世 界最高峰に挑戦したい。彼らには違う世界を見て欲し

いんです。いつか若者がお年寄りになって、育成が繰 り返されれば、そこから外へと波及していくでしょう」

昨年は6月24〜25日に富士スピードウェイで行われた「WOMEN IN MOTORS PORT DAY」が今年も開催される。これは昨年始まった女性だけのハコ車レース 「Ladies No.1 Race(L1レース)」と同時開催された、女性にとって、モータースポー ツをもっと身近にする試み。昨年は一般車のドライビングポジション解説から、愛 車によるオートテスト、レンタルラリー車による模擬ラリー体験のほか、L1レースの 観戦会なども実施される盛り沢山な内容が好評だった。

今年はL1レースが「Women's GT」と名を変えて、富士チャンピオンレース第2 戦で開催。今回も86/BRZやヴィッツ、ロードスター、デミオ等が混走する。WOM EN IN MOTORSPORT DAYでは、今年は男性も対象としたジムカーナレッスンを 開催。運転技術を高めたい男女にとって役に立つ2日間になるはずだ。

今年も富士スピードウェイ第15駐車 場を主会場として行われるWOMEN IN MOTORSPORT DAY。昨年は2日 間で述べ100名もの女性が参加した。

あの“WOMEN IN MOTORSPORT DAY”が 5月12~13日に富士スピードウェイで開催!
28

ステップアップ

STEP UP

スラローマー達の新たな挑戦

日本独自のモータースポーツであるジムカーナとダートトライアル。

それらの頂点である全日本選手権を極めると 同じステージにおける「次の目標」を見出しにくい事も事実だ。

全日本タイトルを獲得してもなお、次へと進もうとする強者がいる。

ここでは、新たなステップに挑んだ3人のスラローマーを紹介しよう。

フォト/小竹充、滝井宏之、山本佳吾、友田宏之、JAFスポーツ編集部 レポート/加藤卓哉、JAFスポーツ編集部

DRIFTING GYMKHANA DIRT TRIAL

まだ冬の寒さが残る千葉県の浅間台スポーツ ランドに、未成年ということで、親の承諾 書を持って大会受付に現れた長髪の青年が いた。1994年の全日本ジムカーナ選手権開幕戦。 乗っていたのは、当時の代表的なジムカーナ入門車、 GA2シティだった。

一つのクラスで40台近くを集めていた最激戦区の 全日本ジムカーナAⅠクラス。そこに挑んだロン毛 の青年は「田原憲」と言い、全日本デビュー戦でいきな り3位表彰台を獲得して、全国にその名を轟かせた。

鋭い観察眼でライバルとの差異を見抜き、競り合い

を勝ち抜く術を学んだ青年は、3年後の1997年にA Ⅰクラスで初の全日本チャンピオンを獲得。田原選手 は全日本ジムカーナにおいて順調すぎるスタートを 切った。

サラリーマンだった田原選手は、モータースポーツ ショップのメカニックになった。全日本での活躍が認 められ、タイヤメーカーの開発ドライバーも務めるよ うになり、さらに活動の場を広げていった。

全日本ジムカーナでは、EK9シビック、DC5イン テグラ、FD3S RX-7とステップアップしながら、合

計5回もの全日本タイトルを獲得した。車のメカニズ ムにも精通しており、ドライビング手法と合わせた適 確なアドバイスに、田原選手の周囲にはいつも仲間の 輪ができた。

「オレは何事にも全力投球だからさ、なんか動きが目 立っちゃうみたいなんだよね」

田原選手にとって、モータースポーツは仕事になっ た。それでも、寄り道のない人生なんてつまらないと 考えて、ヒマさえあれば、海まで走ってサーフィンに 興じ、ハーレーダビッドソンにもまたがっていた。

日焼けした顔に金髪で無精ヒゲを生やし、「ジムカー ナ界のビジュアル系」なんて呼ばれていた時代もあっ た。ライバルに果敢に挑み、打ち勝った瞬間に叫び声 をあげるガッツポーズは、お世辞抜きで絵になった。

しかし、全日本ジムカーナを全力で駆け抜ける田原 選手に、可愛い道連れが増えた。子供が生まれ家族を 持つ事で、人生は自分だけのものではなくなった。 見渡せば、折からの不況で競技人口は減少する一 方。モータースポーツの未来に、暗い雲行きが漂って いた。時代は、やりたい事をやりたいようにやるのを 許さない雰囲気になり始めていた。そして、沢山の仲

やりたいコトをやってきた… そして見付けたオレの新天地

真紅のS14シルビアで挑む 田原選手。フロント265サイ ズにも関わらず大きな切れ 角を確保していてエンジン パワーも十分。いわゆる”ド リ車”としての仕上がり度合 いは高い方だ。

ジムカーナひと筋20年。慣れた古巣を飛び出して 新たに挑んだカテゴリーは……、何と「ドリフト」
J
F
A
30

「ドリフトキングダム」は、昨年まで行わ

れた「ドリフトマッスル」の流れを汲ん で今年から始まった、年間7戦の新しい

JAF公認ドリフトシリーズ。単走の成績 上位16名が、追走トーナメントに出場で きる方式で、旧「マッスルクラス」にあた るクローズド競技の「クラブマンクラス」

と、「スーパーマッスルクラス」にあたる

準国内競技の「プロクラス」の2クラス 構成だ。それぞれ土曜、日曜のワンデー イベントとして開催されている。

間や先輩たちのアドバイスを受けて、田原選手は自動 車メーカー系のテストドライバーになるという道を選 んだ。

サラリーマンに戻った田原選手に手を差し伸べたの が松本敏選手だった。松本選手のエキシージでダブル エントリーする事で、田原選手は全日本ジムカーナに参 加し続けることができた。しかし松本選手の事情で全 日本に参戦できなくなり、田原選手も活動を休止した。

「全日本ジムカーナの参戦を止めたのは、家族の生活 を優先するという理由が大きかったよね」

その後の田原選手は、全日本ジムカーナに参加する 仲間たちを現場でサポートするという形で関わる事に なった。それでも、休みの 日には目一杯趣味に興じ た。この頃、田原選手はラ ジコンに夢中になってい

た。1/10のRCカーだ。

「金曜に仕事が終わると、 そのままラジコンのサー

キットに行ってたよ。それで朝までラジコンやって、 ちょっと寝たら、土曜は家の事やって、日曜にはクル マをいじったりしてたね。オレ、これまで週末を寝て 過ごすって事がなかったからね」

実車の世界同様に、1/10RCカーの世界にもトレ ンドがある。当時のラジコンの世界では、シャフトド ライブやベルトドライブ4WDでのドリフトが流行っ ていた。そんな中で、田原選手は後輪駆動のマシン で、より角度をつけたドリフト走行を目指していた。 「行きつけのサーキットに協力してもらって、何台も のマシンで連続して行う“連ドリ”をやって、その動 画をサイトにアップしたら、15万回もカウンターが 回ってさ。中部地区で流行らせたこのトレンドを、今

田原憲[たはらけん]GA2シティで全日本ジムカーナAⅠに1994年から参戦して'97年には 自身初のチャンピオンを獲得。EK9シビックで'01年にはAⅡタイトルを獲得、'02年には FD3S RX-7に乗り換えた'02年は移行初年度でAⅢチャンプを獲得した。'03年はDC5イン テグラでN2に挑戦。N車両のFD3S RX-7で'06年にN3チャンプを獲得。'07年はSA車両 のFD3S RX-7でSA2に、'08年はN車両のNSX、'09年はN車両エキシージでN3に挑んだ。

度は関東に持ち込もうって、仲間と一緒に遠征した よ。実車で走った経験のある人達がラジコンやって るって事で目立ってたみたい。『KENBRO』っていう 名前で、ラジコン雑誌にも載ったよ」

一方、職場でも田原選手の能力は、いかんなく発揮 され始める事になる。進行するプロジェクトの中で も、重要な役割を任される事が増えてきた。そんな 中、所属する会社に自動車部が創設されて、ラリーに 参戦することになった。そして、2015年のTRDラ

全日本ジムカーナ活動の終盤では松本敏選手とのダブルエントリーで参戦。'09年で活動を休止し てからは、TRDラリーチャレンジE-2クラスに86で挑戦。2015年には須坂と新城で2勝を挙げた。 同時に、全日本ジムカーナにはサポート役として関わり、津川信次選手のメカニックを担当したり、 ダンロップ系の若手ドライバーにアドバイスをしたりと、頼れるアニキ的存在となっていた。

リーチャレンジに86でエントリー。舗装の林道はも ちろん、ダートでも格の違う走りを見せ付けて、2度 の優勝を飾った。

「TRDラリーチャレンジの特別戦で、新城ラリーに 出た時、全日本ラリーの上位陣とタイムを比較してた んだよね。そしたら、山本悠太選手とかと同じような タイムで走れるんだって事が分かったんだ。ヤツも全 日本ダートラのチャンピオンだろ。オレも、まだまだ 大丈夫だって思ったよね(笑)」

ラリーコースを走る田原選手の姿で、印象的なシー

STEP
ステップアップ
UP
31

2. 田原選手は前週土曜の練習走 行でマシンを小破。修復に時間を費やし、セッティングに不安を抱えたまま本番を迎えた。

1. 土屋圭市氏が審査員を務めるドリフトキングダムRd.2は、栃木・日光サーキットが舞台。

3. スポッターは会社の後輩であ る神谷慶祐さん。レース経験はあるがドリフト経験はない。4. 多くのメーカーからタイヤを選べるドリフト競技。前後銘柄 違いは当たり前なので慎重に見極める。

5.「フロントの感触が変わるから、結構気になるんだよね」とタイヤカスを剥ぎ取る 田原選手。ドリフト業界ではあまり気にしない選手も多いとか。

6. 追走トーナメント1回戦の相手はS15顔の180SXを駆る 単走9位の城崎明日香選手。アンダーパワー車での練習の虫としても知られる。7. お昼の「予選結果発表」で追走の組み合 わせが発表。田原選手は8位通過。

8. 追走1回戦は田原選手の先行で始まった。6対4同士でいきなりサドンデスとなった が、田原先行6対4で迎えた後追いで、痛恨のオーバーランにより城崎選手に6.5を採られ、1回戦敗退となった。

ンがあった。長野のスポーツランド信州で行われたス ペシャルステージ。信州名物のギャラリーコーナーで は、多くの選手が立ち上がりまでドリフトを維持でき ずフラフラと走っていた。そんな中で、田原選手だけ は入口から出口までキレイにアングルを維持して走り 抜けたのだ。

「あの時の走りは、オレの中では、ドリフトの走りを 試している状態だったんだ。4速からケツを振り出し て、3-2-1とシフトダウンしながら駆け下りる。それ までダートラ場で遊んでいた経験はあったけど、この 時は、新しい走り方を試している実感があったよ。

それに、ウチの子供がオヤジの現役を知らないんだよ ね(笑)。古い雑誌とかビデオとか、そんなものでしか観 たことがない。親父が走る姿を子供の記憶に残したいっ

ていう気持ちも、自分の中で大きくなってたんだよね」

やりたい事じゃなく、やるべき事は何かと周りから 指摘される時代。田原選手は趣味や仕事、家庭では親 父として全力投球し続けていた。そして、いつかやり たい事ができるように、したたかにレールの上を走り 続けた。ここ数年、積み立ててきた貯金があった。 「ウチの場合、給料が入ったらそのまま積立に回すよ うにしてるんさ。それで生活に必要な分を貯金からお ろす。そうすると毎月貯蓄できる。嫁も昔の事を知って るから、休みになるとクルマをいじり始めたオレを見て 『また何かやんの?』って始まった。『1年真剣にやって みようかなって思ってるんだよ』って返したら、『あ、そ う』くらいなもんだった。給料をすべて注ぎ込んでるワ ケじゃないし、生活する金だけは、何とかしてるから ね。ここ1〜2年くらいは大きな買い物もしてなかった し、嫁もパートに出て子供用の貯蓄もしてたもんだか ら。これ幸いと新しい事を始められたんだわ」 田原選手の脳裏から離れなかった映像がある。長野 にあったラリーキッズ伊那で、D1ドライバー風間靖 幸選手が魅せた豪快なドリフトシーンだ。 「これはハンパねえな、ハデさがあるな! と思った よ。もう一度、ホンキで走りたいと思ったら、前に やっていたのと同じ事をやっても、新たなスキルは身 に付かないじゃない。だったら、コントロールする技 量も全く別物のドリフトだな、って思ったわけ。 角度だけじゃなく速度が大事な大会もあるって言う

1 2 3 4 5 6 7 8
「今までやってきたのと“真逆”だから大変。 でも、ドリフトではこれがオレの現状だよ」

し、もしかしたらオレ向きかも? って思ったんだ」

S14シルビア後期で真紅の“ドリ車”をコツコツと作 り上げた田原選手は、昨年末に岐阜のYZサーキット で行われる単走ドリフトイベント『みんドリ』に出場。 「この『みんドリ』は、自己申告でレベルを決めるん

だ。現場に鰐部光二選手がいたから『初級ってワケに は行かないだろう』って言われてさ(笑)。でも『追走』

の経験がなかったから中級に出たんさ。雪の降る寒空 だったけど、審査員からは『スピードは上級者より高 い』って言ってもらえて、少し自信が付いたんだ。

だけど、追走の経験がないから、追走に必要な“駆

け引き”も分からないんだよね。それに、単走でトッ プに立ったら、トーナメント方式で戦う追走では、単 走16位のヤツとの組み合せになる。似たような速度 域の組み合わせなら何とかなるかも知れないけど、速

度差があるヤツとの難しい対戦を勝ち抜いていかない と、追走では上に行けないからさ。

正直、ドリフト業界の流儀も分からないので、車速 やゼロカウンターを評価してくれると聞いたドリフト

キングダムに出る事にした。クラブマンクラスでイチ から勉強して、ちゃんと段階を踏みたいんだよね」

田原選手がドリフト競技に参戦する事を決意する と、ジムカーナ時代にお世話になった人たちが喜んで 協力してくれた。車両製作は基本的に自分。モーター スポーツショップのアージェントが場所を貸してくれ た。ロールケージもダッシュ逃げでいいかと思ってい たら、「作るならダッシュ貫通だろ(笑)」となって手 伝ってくれた。

足回りはS15シルビアでドリフトをやっていた知 り合いが無償で貸与してくれた。それはスーパーオー リンズだったので、アジュールの川村徹氏に打診した ら「憲がやるならサポートする」と言ってくれた。

ブレーキパッドはウィンマックスの伊藤和浩氏が二つ 返事で提供してくれた。エンジンの燃料調整はアルボー の柴田優作氏が見てくれて、全日本ジムカーナを戦う津 川信次選手がカッティングシートを作ってくれた。

積載車をAⅠ時代の僚友、三共モータースの鈴木 裕介選手から借りようと話してみたら「田原がやるな らタダで貸してやる」と言ってくれた。そして、競技 ドリフトには欠かせない「スポッター」役を職場の若者 に頼んでみたら、喜んで来てくれる事になった。田原 選手が再び走り始める事を、周りが後押ししてくれる 事になったのだ。

「クルマのセッティングは、ラジコンそのもの。エン ジンも馬力があれば良いって訳じゃないし、パーツも これを使わなきゃダメって話じゃない。ネットで探し てきた中古品だって十分に使える。車両のレギュレー ションも間口が広いんだって。タイヤメーカーだっ て、こんなにあるのかよっていうくらい選択肢が豊富 なんだ。

それと、ジムカーナに比べたら、若いヤツがビック

エビスサーキットのラリークロスが 今年もエキシビションで夏に開催!?

元D1GPドライバーにして、全日本ダートラSC1にS15シルビアで参 戦する熊久保信重選手。エビスサーキットのコースオーナーとして、国内 におけるラリークロスのシリーズ化にも取り組んでいる。昨年11月14 日には「ジャパンラリークロス(JRX)エキシビションマッチ」を開催し、全 日本ラリーの新井敏弘選手や全日本ダートラの谷田川敏幸選手、スー パーGTの平峰一貴選手らが参戦して多くのメディアにも注目された。 「今年はもう一度、夏過ぎぐらいにエキシビションをやりたいと考えてい ます。来季にはシリーズ戦として本格始動させ たいので、最低でも3箇所を目標に話を進めてい ます。それが見えた時点で、発表を兼ねたプロ モーションイベントの開催を検討してます」とは 熊久保氏。クラス区分は「アンリミテッド」の4 駆と2駆クラス、PNまたはSA車両程度の2輪 駆動車による「Pクラス」の合計3クラスを考え ているという。国内ラリーやスピード競技を戦う 選手のステップアップ先としても期待されてい るだけに、業界待望の試みと言えよう。

昨年11月14日に開催されたデモレース。エビスサーキット西コースを周回した。

リするほど多い! 女性ドライバーもかなりいるしね。 そうそう、ケツが滑ったらさらに掻いて止める『掻き止 め』ってのがあるのは驚いたね。収穫だったわ(笑)」

ドライバーもスポッターも素人で、あるのは全日本ジ ムカーナ、そして職業ドライバーとして培った正確無比 なドライビングテクニックだけ。その武器がどれだけ通 用するのかは、飛び込んでみないとわからない……。

2018年2月。田原選手のチャレンジが始まった。 ドリフトキングダムRd.1、筑波サーキットコース 2000。成績は単走2位、追走1回戦敗退。Rd.2の日 光サーキットでは、単走8位、追走1回戦敗退……。

ドリフト界における田原選手は、まだ入口に立った ばかり。しかし、いつだって全力投球してきた彼だけ に、その高い壁をすぐに乗り越えてくれる事を、期待 せずにはいられない。

STEP UP ステップアップ
33
エビスサーキット 熊久保信重氏
新たな トライ

どうせやるなら難しいチャレンジを オレの走りを実現する夢のDマシン

全日本ダートラD部門で破竹の連勝・連覇街道を歩む ベテランが選択した、新たな“相棒”を創る一大計画

日本ダートトライアル選手権の最高峰・D 部門に2012年から参戦している谷田川敏 幸選手。

昨年は、トレードマークの「トラストカラー」から、 横浜ゴム100周年記念カラーに模様替えしたGVB WRX STIを巧みに操り、開幕から怒涛の5連勝を挙 げて早々とタイトルを確定。2013年から続くD部門 チャンピオン連覇記録を「5」に伸ばした。

谷田川選手が挑む次なるD車両のベースは何 と「スバルBRZ」。未だホワイトボディ状態だ が、チーフメカニックの見目剛哲(けんもくたか のり)氏によりボディ補強が進行中。

今年は、40周年記念のアドバンカラーを纏った WRX STIで、自身が築いたSC部門での7連覇記録、 そして、モンスター・田嶋伸博選手が 築いたD部門7連覇記録を更新するべ く奮闘を開始。開幕戦丸和では僅差な がらも優勝し、好スタートを切った。 全日本ダートラ参戦において「観客 を魅了する走り」を身上とする谷田川 選手。信じた”自分の走り”でライバ ルとギリギリのバトルを演じて、大会 オーバーオール優勝を掴み、全日本 チャンピオン連覇を狙っている。

多くの従業員を抱える群馬の老舗運 送会社と整備工場をまとめる立場にあ

谷田川敏幸[やたがわとしゆき]かつて年イチで行われていた「オール スターダートラ」時代から、ダートラ改造車一筋で駆け抜けてきたベテ ラン。名門・トラストワークスとしてスバル車でCⅢに挑んだ1998年 には初の全日本タイトルを獲得し、'05年からはSC3で怒涛の7連覇を 達成。'12年には最高峰D部門に移って翌13年には初制覇。その後はD 部門で連覇を続けて昨年は自身14回めのタイトルを獲得。同時にD部 門5連覇を達成している。

る谷田川選手。自分とマシンの進化には余念がなく、 シーズンオフは北海道の氷上トレーニングで自身を鍛 え、愛機の新たなセットアップも常に模索している。 全日本の大会で改造車部門が走る“勝負の路面”は 「超硬質ドライ路面」と呼ばれる舗装のようなコンディ ション。日照のあるダートコースでは、午後の僅かな 時間にしか現れない希少な状況を求めて、毎週末、短 時間で濃密なセットアップを繰り返してきた。 そして、全日本ダートラでは、今季から「ダートト ライアル選手会」の会長に就任して手腕を披露。まさ に、公私共に多忙な日々を送っている。

そんな谷田川選手が、今年大きな決断をした。昨年か らほのめかしていたニューマシンの製作に、ついに着手 するのだ。ここでは、その計画について詳細を聞いた。 「新しいD車両をスバルBRZで作る事に決めたんだ」 神妙な表情でこう語る谷田川選手。BRZと言えば、 PN2のチャンピオンマシンでもある後輪駆動だが。 「そう。BRZを4駆にするんだ。現在のGVBは、も う5年になるし、自分の選手生命も考えないといけな いから(笑)、やるなら今かなと思って決めたんだ。 炭さん(炭山義昭選手)がミラージュ、キャロッセさ んがラリー車のヴィッツ4WDを作ったじゃない。

谷田川敏幸

「現物を見た人はいないからね。飾ってはあ るけど、下回りは覗かせてもらえない(笑)。 ホントは見たいんだけど、実際に競技車とし て走ってるクルマではないので、そういう夢 のあるクルマを作りたいんだよね。

2450ミリだっけ? そういうショートホイールベース のマシンで走りたいという思いもあったんだ。亀山さ

んもエボⅩを10センチ縮めたD車両を作ったしね。

そもそも、今のGVBに替えた時、GDBからホイー ルベースが長くなったので、取り回しが凄く鈍くなっ て嫌だったんだよね(笑)。やっぱりピクッと動かした ら、すぐパッと踏んで行きたい。初期応答性を良くし て、早くパワーオンして立ち上がりたかったんだ。

でも、それをやろうとすると、アシを少し硬くしな いといけなくて、そうすると、うまくトラクションがか からない。最初は何度テストをやってもダメで、結局、 運転手が「よっこらしょ!」って動かしながらトラクショ ンを掛けていく走りに変えないとダメだと思ったんだ。

それで、どこかで『初期応答性がいいクルマに乗り たい!』という思いがあって、炭さんや亀山さんの作っ たクルマを見て、オレもやりたい、って思ったんだ」

GVBの次は、VAB WRX STIへの乗り換えが既定 路線と言えそうだが、BRZという選択肢は意外だ。

「トラストワークス時代から数えて、もう20年以上 スバルでやってきてるんだよね。最近ではランサーを 相手に、全体で1割にも満たないスバル車で孤軍奮闘 してるけど、そんな自分の姿を、陰ながら応援してく れているスバル関係者の雰囲気も感じてたんだ。そう いうのも含めて、スバル車でやりたいと思ったんだ。

BRZは、ボディが入手できそうになったので出て きた選択肢。正直、ショートホイールベース化した VABと、ギリギリまで悩んだ。でも『世にないクルマ を作りたい』という思いがあったし、ケン(見目剛哲さ ん・チーフメカニック/車両製作を担当)が、ボディ を作り始めちゃったから(笑)、BRZに決めたんだ」

トミ・マキネンがトヨタ86をベースとした4WD のテストベッドを走らせた事は記憶に新しいが……。

構想としてはBRZとVABを合体させる 予定。図面上でジオメトリー等の把握はで きてるけど、各メンバーの取り付け位置等 も結構違うみたいなので、現物を組み合わ せてみないと何とも言えない状況だね」

これまで量産車ベースの改造車で戦ってきた谷田川 選手。今度は、かなりオリジナリティの高い改造車作 りとなる。もちろん、谷田川選手にとって初の試みだ。

「ホントは心配だらけだけどね(笑)。今以上のクルマ にしないと負けちゃうし、負け戦はしたくない。

『まっすぐ走るかどうか』から始まるわけだからね。

ドライバーは早くクルマを試したいから、スケ ジュールを前倒しするけど、ケンは慎重だから、冷静 に『ムリですよ』という話をしてくる。ケンはクオリ ティの高いものを作りたい事も分かってる。ロール バーは皆が驚くほど溶接がキッチリしているし、ス ポット溶接一つ取っても、頭を磨いて仕上げるからね。

対してオレは楽観的だから、そりゃ色々な障害はある けど、考えてても仕方ないので『まずやっちゃおうよ』っ てなる。軽自動車とVABを合体するわけじゃないんだ から、時間をかければできる。最終的には『やれねぇ、 じゃなくて、やるんだよ!』ってなるけどね(笑)」

始まったばかりの次なるD車両製作プロジェクト。 ダートラの改造車乗りとしては、より“自分の走り” を極められるマシンを創る事もステップアップの道筋 となる。「ドライバーとして、まだまだ実戦から学ぶ ことが多い」と語る谷田川選手の目標は、壮大だ。

「やっぱりDで10連覇。D部門の連覇はそう多くな いからね。昨年で5連覇は実現したから、10連覇は 目標……夢だね。今回のニューマシンも、その通過点 に過ぎない。皆がチャンピオン獲得を目指してるわけ だから、自分も気を抜かずにやっていきたいね。

最後のクルマに……なるかな?(笑)。こないだ健康 診断を受けて『異状なし』の結果だったし、年が5つ上 の炭さんや亀山さんも走ってるわけだから、まだまだ できるんじゃね? なんて思ってるけどね(笑)」

谷田川選手の“ここぞ”という走りは、前後のバンパーが欠 損するほどインを攻めまくる激しいもの。“自分の走り”には 人一倍こだわりを持ち、その姿勢に共感するファンも多い。 かつての全日本ダートラでは、パイプフレームに量産車のカウルを乗せた“スーパーD”マシンが驚愕のタイムを叩き出していた。近年では量産車 ベースのD車両が多勢となり、それ故、僅差の競り合いが演じられている。そんな中で亀山晃選手がデビューさせた、ショートホイールベース化し たランサー・エボⅩは昨今の事情を反映した改造と言えるだろう。また、炭山義昭選手とキャロッセが共同開発したミラージュ4WDやヴィッツ 4WDなど、FIA R車両のようにエボⅩのパワートレインを使った改造車作りもトレンドとなりつつある。

STEP UP ステップアップ
J A F
D 35
全日本ダートトライアル選手権

全日本ジムカーナでキラ星のごとくタイトルを獲得した

期待の若手が挑んだ「PN車両」という高きハードル

スロ(電子制御スロットル)と仲良くな れなくて。サイドターンの立ち上がり

で、アクセルを踏む量が全然分からな いんです。それと、クルマが重すぎです(笑)。CR-X と比べたら、BRZは29年後のクルマなので、ジェネ レーションギャップがありすぎです……」

群馬・若林自動車商会の秘蔵っ子である若林隼人選 手は、2015年にEF8 CR-Xで全日本ジムカーナデ ビュー。開幕戦の岡山国際サーキットではいきなり SA1優勝を果たし、第6戦の関越スポーツランドで は、弟の拳人選手と兄弟ワンツーを決めて、その名を 全国に知らしめた。

2015年は優勝2回でSA1シリーズ3位。2016年 はSA1の強豪達と激しい競り合いを見せた若林選手 は、後半3連勝で辛くも逃げ切り、初の全日本チャン ピオンを獲得した。

そして2017年、BRZを購入して全日本ジムカー ナにおける最激戦区と言えるPN3にスイッチした。

冒頭の言葉は開幕戦の公開練習を終えた若林選手。 GA2シティと並んで“ジムカーナの名機”と称される EF8 CR-Xとの違いはかなり大きく、開幕戦は22台 中20位という、苦しすぎるPN3の船出となった。

「開幕戦は自分の実力が“なさすぎる事”を痛感しまし

た。サイドターン立ち上がりのアクセルの量が、今は 運任せなんですよ。そしたらスピンして、運が大きく 外れた。最後のターンなんかは、逆に偶然合って回れ たんです。合う確率を上げるため……そうじゃないや (笑)。とにかく練習してモノにしないと、って感じです」 ジムカーナでは、スピードN車両やSA車両から、現 行車を中心としたPN車両への乗り換えが進んでいる。 しかし、アクティブセーフティの領域まで進化した電子 制御が標準装備された現行車では、ベテラン選手をもっ てしても、走りの正解を見出すまでに時間が掛かる。 「一昨年までは、出来上がった楽なクルマで戦ってきた 自覚があったので、これからは修業だと思って、シーズ ン途中からSA1の卒業を考えてました。

会場の緊張感を含めて、接戦の全日本ジムカーナで 戦える事が楽しいんです。PN3は台数が多くて、関 東地区戦では40台を超える時がありますよね。そう いうクラスに挑戦したいなと思ってたんです。 最初からFF車は選択肢になかったです。免許を取 得してからずっとFF車だったので、そろそろリア駆 動に移行しないとイケないと思ってました。FF車と FR車が混走するクラスでは、FR車が強い印象があり ます。排気量が小さくてもNDロードスターが速かっ たし、Z34も、124スパイダーも速い。だからFRに 乗れないと、今後はダメだと思ったんです。

PN3の86/BRZには多くの情報がありますよね。 そして、全日本のPN3には絶対的に速い人がいるの で、目標も分かりやすい。自分はアドバン以外を履く つもりがなくて。PN3はダンロップの川北忠さん、 ブリヂストンはユウさんが速い。そこに挑戦する価値 は大きいな、と思ったんです」

自ら高いハードルを設定して、一心不乱に自分のウ デや経験値を上げていく。この修験僧にも似たアプ ローチは、極めて“ジムカーナドライバー的”だ。し かし、2017シーズンは苦悩が続いた。

「初めてのFR車でしたが、ターンでクラッチを切り 忘れるとかいうのはなくて、すぐに馴染みました。 ただ、走っても走っても、上位とは常に5秒差とい

若林隼人[わかばやしはやと]2015年にEF8 CR-Xで全日本ジムカーナSA1 デビューを果たし、開幕戦でいきなり初勝利を獲得した群馬期待の彗星。 2015年はシリーズ3位に付け、参戦2年めにして早くも全日本チャンピオンに 輝いた。2017年はBRZを購入してPN3に挑んだが、参戦5戦中、ポイントを 獲得できたのは第7戦恋の浦の1点のみという惨状だった。弟の拳人選手も CR-Xで全日本SA1に参戦しており、昨年タイトルを獲得して追いかける。

「電
走っても走っても……常に“5秒差”。
でも、その険しい道のりも「楽しい」
J A F P N 部門クラス 3

う状況が続いたんです。昨年は、とにかく自分のウデ で何とかしようと思ってました。リアが出るのはアク セルの踏みすぎなので、それをもう少し我慢する、量 を減らす。そういうトライをやってました。

常に上位陣のビデオ映像とクルマの動きの比較をし てました。速い人と同じ動きになれば、同じ様なタイ ムが出るでしょ、っていう考え方です。自分で見た限 りでは、サイドターンの振り出しとかは、かなりユウ

さんの姿勢に近くなった印象がありました。でも、立 ち上がりでは、トラクションの掛かり方が全然違う。 そこで『自分はアクセルの踏みすぎなんだ』と思って、 アクセル開度にこだわってたんですよね。

それが、同じコースを何回走ってもタイムが変わら なくなって。コンマ1〜2秒の間で安定しちゃったん です。って事は、もう走りは限界なのかと。

デフとアシ。PN車両で大きく換えられるのはそこ なので、とりあえずバネから換えてみました。そした ら、立ち上がりで、もの凄く前に出るようになって、 他車とのタイム差がグッと近付いたんですよ!」

練習番長として走り込んできた自負がある。それだ けに、慣れたアプローチはなかなか変えられないもの だ。若林選手には未だ抜けない癖があるという。 「ブレーキの踏み方が強いね、って何回も言われてる のに、いざ突っ込むとやっちゃう。CR-Xの走りです

今年の全日本開幕戦筑波では、「1本めはあらゆる コーナーでリアが出てダメかと思った割にタイム が出ました」と約2秒遅れの7番手。第2ヒートは 「前半で行き過ぎたりミスはありましたが後半は悪 くなかった」という走りで、何と4位にジャンプアッ プ。トップとの差は何とか2秒を切ったものの、表 彰台の上は遙かなる道だ。筑波の表彰式では、全 日本SA1を戦う同世代の冨田悟選手と織田拓也選 手からも、出世頭として祝福を受けた。

SA1時代もビデオ比較をしてましたけど、余程調 子が悪くなければ確認程度でした。外撮り映像で事細 かに比較分析するのも、BRZに乗り換えてからです。

正直、サイドがいらないターンでも差が付いてる認識

はあったんですが、自分は『まずターンの攻略だ』と 思って、優先順位を付けていた感じです。

ターンの攻略に思いのほか時間が掛かりましたが、 それをやってきたおかげで、ターンセクションでは離 されないようになりました。これまで、パターン練習 みたいな事もしたことがなかったんですよ(笑)」

ドライビングの改善トレーニングやビデオによる分析 方法など、自分の中ではあまり経験のないトライを重ね てきた結果、シーズン後半で見えた事があるという。

「最終戦の頃になって、クルマかな? って思い始め ました。今までは“できたクルマ”しか乗ってなかっ

たので、クルマ作りとかセッティングっていうのを、

よね。BRZは重いですが、パワーがあるから加速する し、タイヤの幅が広いんで、止まっちゃうんですよ。

ビデオを見ても動きは悪くなくて、キレイにまとまっ てたんです。でも、見た目は同じ様な動きになってて も、皆さんとはだいぶ操作が違ってたんですね。

昨年からは『CR-Xでのジムカーナ』と『BRZでのジ ムカーナ』は、もう別の競技という認識です。頭は切 り替えたつもりでも、どこかは残っちゃう。それが、 皆さんの指摘で分かってきました。以前と違うのは、 『これはやっちゃった事なんだ』というのがすぐ分かる ようになった事。その分、一歩前進です!」

開幕戦筑波では、西野洋平選手、川北忠選手、ユウ 選手に続く、何と4位を獲得。悩みながらも走り続け、 そんな過程すら「もちろん楽しいです!」と微笑んでみ せる若林隼人選手。全日本の勝利やタイトル争いも経 験しているだけに、怖い存在になる事は間違いない。

PN3で実績のあるデータを元に最 初の仕様を決めた若林BRZ。自分 の手足のように扱える“マシン”に 仕上げる事も彼には新たな挑戦だ。

やったことがないんです。増して や新車なんて。

最終戦では何人かに声を掛け て、どこが悪いのかを指摘しても らいました。実は、これまでも 色々な人からセッティングについ ても指摘されていました。でも、 頭が固くて、まずは自分のウデだ と思っていたんですよね。

走っても走っても……常に“5秒差”。 でも、その険しい道のりも「楽しい」
37
38

今年初の開催となった世界モータースポーツ評議会では、昨年より話題を呼んでいた WEC富士6時間耐久のカレンダーが正式に決定された。 またFIAドリフティングカップの日本開催も決定。今年も注目のイベントが目白押しだ。

F1とWEC が 2 週連続で日本開催となることが正式に決定

2018年、新たに選出されたメンバーに よる今年最初の世界モータースポーツ評議 会(WMSC)が3月9日、スイス・ジュ ネーブで開催された。

今回のWMSCでは日本に非常に関連の ある決定がふたつ承認された。ひとつはか ねてより憶測が飛び交っていたFIA世界 耐久選手権(WEC)の日本ラウンドの日程 が変更された。富士6時間耐久レースは、 当初の10月20~21日から1週間前倒し され、10月13~14日に行われる。これ でF1、WECというふたつの世界選手権 レースが2週連続で日本で開催されること になった。

これを受けてWECとの重複を避けて日 程を調整していたスーパーGTは、10月 13~14日に予定していた第7戦オートポ リス大会を1週間後の10月20~21日に 開催すると発表した。今回の変更を受けて 改められた2018/2019WEC世界耐久選 手権のカレンダーは以下の通りだ。

2018/2019WEC世界耐久選手権カレンダー

5/5 スパ WEC6 時間 ベルギー

6-16-17 ル・マン 24 時間 フランス

8/19 シルバーストン 6 時間 英国

10/14 富士 6 時間 日本

11/18 上海 6 時間 中国

2019 3/16-17 セブリング 1500 マイル 米国

2019 5/4 スパ WEC6 時間 ベルギー

2019 6/15-16 ル・マン 24 時間 フランス

もうひとつの重要決 定事項はドリフト競技 に関するもので、昨年 日本で初開催された FIAインターコンチネン タル・ドリフティング・ カップが今年も11月2 ~4日に、東京お台場 で開催されることが決 定した。昨年は、地元 日本が誇る川畑真人選 手が総合優勝を手にし た同カップだが、2回 目を迎える今年はさら なる盛り上がりが期待されるところだ。

今回のWMSCではフォーミュラ3(F3) に関する大きな決定も行われた。これは 2019年より新たなF3の国際選手権である FIA インターナショナルF3選手権が開催 されるというもの。F1のフォーミュラ・ ワン・グループがプロモートするこのシ リーズは、F1のサポートレースとして行 われる予定だ。

現時点での最高の安全基準を満たした車 両は新設計されたものになる予定で、エン ジン、シャシー、タイヤはワンメイクとな る。最高出走台数は30台までで、1大会2 レース制を採るこのFIA F3選手権は、年 間9~10大会によるシ リーズとなる。

実質的には現在、欧州 で行われているGP3を引 き継ぐ形でシリーズは運 営されるものと見られてい

また今回のWMSCに先立つ3月7日、 ジュネーブモーターショーで正式に発表さ れた「The Girls on Track」についての報告 もなされた。これはFIA ウィメン・イン・ モータースポーツ委員会(WiM)のこれま での活動の中で最も意欲的なものと言わ れ、より多くの若い女性のモータースポー ツへの参入を促すために、欧州8ヵ国の ASN、欧州委員会、横浜ゴム等がサポー トする2年間のプロジェクトだ。

多くの観客がその迫力に酔いしれたFIAインターコンチネンタル・ドリフティン グ・カップが今年も台場で開催されることが決定した。

るが、FIA F3の創設によ り、カート→ F4 → F3 → F2 →F1へと続くFIAの シングルシーター・ピラ ミッドはひとまず完成とい う形になった。

これは8ヵ国で開催されるカートイベン トによってそれぞれ3名ずつ選ばれたドラ イバーが来年のル・マンでの最終選考会に 招かれ、6名のドライバーがFIAのトレー ニングプログラムに導かれるというもの。 プログラムではミシェル・ムートンWiM 委員長をはじめとするスージー・ウォル フ、タチアナ・カルデロンといった女性 レーシングドライバーのほか、トム・クリ ステンセン氏がサポートする。概要につい てはWiMアジア地域代表委員である井原 慶子氏へのインタビュー(本誌26ページ) で、その内容を語ってくれているので参照 して欲しい。

次回のWMSCはフィリピンのマニラで 6月7日に開催される予定だ。

.13 FIA
FIA便り v
GP2に続いて、GP3もFIA傘下の選手権として生まれ変わることに成りそうだ。
39

2018年JAF地方サーキットトライアル選手権カレンダー追加 のお知らせ

当該選手権カレンダーに下記の競技会が追加されましたのでお知らせいたします。

菅生サーキットトライアル選手権

№ 開催日 競技会名称 オーガナイザー 開催場所 格式 申請クラス

1 5月12日 2018年JAF菅生サーキットトライアル選手権第1戦 ㈱菅生/SSC スポーツランドSUGO 準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

2 7月28日 2018年JAF菅生サーキットトライアル選手権第2戦 ㈱菅生/SSC スポーツランドSUGO 準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

3 8月26日 2018年JAF菅生サーキットトライアル選手権第3戦 ㈱菅生/SSC スポーツランドSUGO 準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

4 9月30日 2018年JAF菅生サーキットトライアル選手権第4戦 ㈱菅生/SSC スポーツランドSUGO 準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

岡山国際サーキットトライアル選手権

№ 開催日 競技会名称 オーガナイザー 開催場所 格式 申請クラス

1 4月21日 2018OKAYAMAチャレンジカップサーキットトライアル 岡山国際サーキットトライアル選手権 Rd.1

2 6月24日 2018OKAYAMAチャレンジカップサーキットトライアル 岡山国際サーキットトライアル選手権 Rd.2

3 10月21日 2018OKAYAMAチャレンジカップサーキットトライアル 岡山国際サーキットトライアル選手権 Rd.3

4 12月1日 2018OKAYAMAチャレンジカップサーキットトライアル 岡山国際サーキットトライアル選手権 Rd.4

サーキットを

㈱岡山国際サーキット/ AC 岡山国際サーキット 準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

AC 岡山国際サーキット 準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

㈱岡山国際サーキット/ AC 岡山国際サーキット 準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

準国内 PN,N,SA, SAX,SC,AE

JAF地方サーキットトライアル選手権が3地域に拡大

月、皆さんのお手元に届いたJAFスポーツ4 月号では、今年のJAF地方サーキットトライ アル選手権について、カレンダーの公示が追 加されている。2018年のJAF地方サーキットトライアル 選手権については、昨年の12月号で、筑波サーキットト ライアル選手権のカレンダーが公示されたが、4月号では 菅生と岡山国際で地方選手権のシリーズが組まれることが 公示された。

サーキットトライアル競技は1997年にJAFが創設した 比較的歴史の新しいスピード競技。スピード競技としては 唯一、レーシングコースをフルコース走ることができる競 技で、2回設定された15〜20分の走行枠の中でタイム トライアルを行い、どちらかの枠の中でマークしたベスト タイムで順位を競う。現在、この競技が最も盛んに行われ ているのが、筑波サーキット。今年も同サーキットでは一 部、JAF地方選手権とダブルタイトルとなるシリーズも行 われるが、もちろん他地域でもサーキットトライアルは行 われており、上記の地方選手権以外にも今年は全国の公認 サーキットのほとんどで複数の競技会が開催される予定だ となっている。

サーキットトライアルにJAF地方選手権が設定される ようになったのは2014年からで、この年は仙台ハイラン ドサーキットと筑波サーキットの2会場でシリーズが行わ れた。しかしながら仙台ハイランドの閉場に伴い、仙台で の選手権は終了。この数年は筑波サーキットのみが地方選 手権の舞台となっていた。今回、ふたつの選手権の追加が 発表されたのは、やはり徐々にではあるが、前述の通り、 全国各地でサーキットトライアルの人気が高まりつつある ことが背景にあると思われる。

また今回の4月号で注目して欲しいのは、カレンダーに 併せて3選手権のクラス区分が公示されたことだ。といっ

てもご覧になっていただければ分かるように、クラス区分 は3選手権ともまったく共通。つまり極端な話、1台の車 両で3つの選手権を同時に追えることが可能になっている のだ。もちろん、関東や東北のドライバーが岡山へ遠征す るのは現実的ではないが、菅生と筑波といえば同じ東日本 のサーキット。腕試しを兼ねた遠征も一考の価値はありか もしれない。

クラス区分は改造車両をひとつの部門にまとめる一方で PN部門を作り、両部門とも4つのクラスに分けた。そし てAE車両が加わっている。また使用できないタイヤ銘柄 を事前に公表するなどタイヤについてのイコールコンディ ションは徹底している。例えばこのタイヤ規制は、JAF東 北ジムカーナ選手権と菅生サーキットトライアル選手権は ほぼ同じ規制が適用されているなど、ジムカーナドライ バーが参加した場合でも、ほぼ同じ条件で戦える形になっ ている。

今回のサーキットトライアル選手権の新設によって、地 区間の交流はもちろん、カテゴリーを越えた選手の交流も ぜひ進むことを期待したい。

サーキットトライアル発祥の地ともいえる筑波サーキットでの競技風景。 サーキットトライアルでは、気温が下がる冬がベストラップ更新の絶好の 機会とあって、シーズンオフに熱くなれるのがこの競技の特長だ。

B J A F
12 2018・4
JAF MOTOR SPORTS
[公示No.2018ー017]
㈱岡山国際サーキット/
㈱岡山国際サーキット/ AC
201804_p12.indd 12 2018/03/02 11:59
岡山国際サーキット
40

〝レジェンド〞と称される男がいる。その名は佐々木大樹。

G T

託されたレーサーだ。

レポート/水谷一夫

20 代の若さながら、

フォト/友田宏之、澤田和久、上尾雅英

輪レースの最高峰に登り詰めながら、

4

G T の 500 クラスで今年、名門インパルのステアリングを

10 代のレーシングカーター達から

5 年めを迎えるスーパー
レーサーが 理 わ 由 け 41

RACE

1.2.2010年から参戦を始めた全日本F3選手権Nクラスでは3年めの2012年にシリーズ チャンピオンを獲得。2014年にCクラスにステップアップして、その年、2勝を獲得した。 スポット参戦した2016年も富士で2連勝を飾っている。3. スーパーGTの最高峰、GT500 クラスには2014年からフル参戦。2016年は激戦区にあって2勝を上げる活躍を見せた。 4.5. 今年は伝統のカソルソニックカラーを纏うインパルのGT-Rのステアリングを握る。 今年、ステップアップした高星明誠とともにNISSANの明日を担う若手の一人だ。

ーリングカーレースの国内最高 峰カテゴリーたるスーパーGT のGT500クラスに2014年、22 歳でデビューを飾ると、翌2015年には初 優勝を達成し、たちまち将来を嘱望される 存在となった佐々木大樹。彼がもうひとつ の最高峰カテゴリーに参戦していることを ご存知だろうか。

それはレーシングカート。ジュニア時代 からカートで錚々たる戦歴を残し、2008 年に4輪レースへステップアップして以降 も、佐々木はフォーミュラ2年目の2009 年を除き、全日本カート選手権の最上級ク ラスや世界カート選手権シリーズに、ミド ルティーンのドライバーたちに交じって出 場を続けているのだ。

しかも、お遊びのスポット参戦などでは なく、スーパーGTのスケジュールと重 ならない限り全てのレースに出場。全日本 カートでは、そのすべての年で勝利を挙 げ、多くの年でチャンピオン争いに加わっ ている。2012年の世界カート選手権参戦

でも、チャンピオン獲得まであと一歩に迫 る活躍を演じてみせた。

プロドライバーとして確固たる地位を築 いた今も、なおカートレースにこだわる思 いや意義を佐々木に聞いてみると、その回 答は明快だった。

「全日本カート選手権の最上級カテゴリー はスーパーGTに似ているところがあっ て、ブリヂストン/ダンロップ/ヨコハマ という3メーカーのタイヤ開発競争がある んです。しかもカートは車重が軽いので、 レーシングタイヤの中でも一番ゴムがソフ トでグリップ力が高いタイヤを使って競争 している。だから、自分の根本的な実力を キープして向上させるために、レーシング カートはすごく重要なんです」

そして、もう一つの理由も答えてくれた。 「どんなスポーツでも年々若い選手が出て きて時代が変わって、それにつれてワザの 主流も変わっていくじゃないですか。スー パーGTでは年上の先輩ドライバーたち と争うことが多いんですが、レーシング

カートでは才能のある若い子たちと走っ て、その主流になっているワザをいち早く 知ることができる。それをスーパーGTで 先輩たちから学んだワザと合わせて自分に 採り入れたら、それこそ“ニュータイプ” じゃないけれど、今後歳を取っていっても 速く走り続けるための力を磨くことができ ると思うんです」

佐々木自身の中では、スーパーGTが レーシングカートより格上だという気持ち はないのだと言う。

「スーパーGTはハコのトップ、スーパー フォーミュラはフォーミュラのトップ、そ して全日本カートはレーシングカートの トップ。どれもトップカテゴリーであっ て、それぞれの中で凄い戦いがありますか ら。カートの選手たちは若いからレベルが 低い、なんてこともありません。そんな簡 単に勝てるレースじゃないからこそ、参加 を続けているんです」

レーシングカートでも可能な限りのフル 参戦を。そのこだわりにも佐々木ならでは の思いがある。

1 2 4 5 4 42

「やっぱりチャンピオンを獲りたいんで す。僕は(全日本カートの最上級クラスで) 2回チャンピオンを獲ってるんですけど、 チャンピオンってそんな簡単に獲れないん ですよね。やはりチャンピオンを獲り切 るってことはレーサーとしてすごく重要 で、それは1回勝つことより格段に難し い。チャンピオンを獲ることを意識しなが らレースをすると、緊張感もプレッシャー も違ってきます。そういうものをコント ロールできるようになれば、スーパーGT や他のカテゴリーにも役立ちますよね。年 間を通してレースに出てチャンピオンを獲 りにいくのは、スポット参戦とはまったく モチベーションが違います。だから、若い

子たちと同じ条件でプレッシャーを味わい ながらレースしたいんです」

スーパーGTもレーシングカートも、そ れぞれに面白くて難しい。ただ、その面白 さや難しさはそれぞれに違う。また、マシ ンの走らせ方や戦い方にも、それぞれの違 いがあるという。

「スーパーGTも(現在の全日本カートの 最上級クラスである)OK部門も、それぞ れのカテゴリーの最速レースなんです。ど ちらも最速という楽しさはあるけれど、体 感速度はカートの方があからさまに速いん ですね。実際の最高速度が130km/hくら いだとしても、300km/hくらいの感覚で 走っている。カートにはそういう面白さが

あります。それにカートは体がむき出しで 風や音をダイレクトに感じるし、パワース テアリングもないから、色んなものを体で 感じられる。それもカートの面白さかな。 一方、スーパーGTには(カートにはない) ダウンフォースを感じながら走る面白さが ありますよね。両方面白いですよ」

コーナリングの動作ひとつ取ってもふた つのレースには当然、大きな違いがある。 「大きいコースを走る4輪がひとつのコー ナーを5〜10秒で曲がっていくところを、 カートは2〜3秒で曲がっていきます。だ から、ステアリングを切るなどの動作は カートの方が相当に速くしなきゃいけない んです。スーパーGTはステアリングを 切るのもゆっくりでブレーキを踏んでいる 時間も長いけれど、カートは荷重の移動や ステアリングを切る量を瞬間的に判断し て、体が勝手に動くくらいでなきゃいけな い。一方、スーパーGTはどちらかとい うと頭をすごく使いながら走っていて、ど れくらいブレーキを残そうかとか、今はど れくらいダウンフォースが効いているのか とか、そういうことをより繊細に感じて判 断しています。速く走らせる技術の基本は どちらも同じなんだけれど、感性を働かせ ることと頭を使うことの割合が違う、とい うことですね」

もちろんレースの戦い方も違ってくる。 「まず展開が違いますよね。カートはス タートからすごく順位が替わるし、レース

6. 全日本カート選手権は2007年に初のチャンピオンを獲得。7.2007年も2年連続で全日

本の最高峰を連覇。2006〜2010年は26戦中18勝を上げて“佐々木時代”を築いた。

8.2010年代に入ると世界に活躍の場を移し、2011年、マカオで行われたCIK-FIA アジア パシフィック選手権を制した。日本で行われたカートワールドカップでも海外勢と渡り 合った。9.10.11. ここ数年は名門トニーワークスのステアリングを託されて全日本カート選 手権にレース参戦のインターバルを生かして精力的に参戦中だ。

KART
G T レーサーが レーシングカートに乗り続ける 理 わ 由 け 6 7 9 8 10 11

中の順位の入れ替わりも多いから、チャン スがあったらとにかく抜きに行くような強 い気持ちでアグレッシブに戦わなければい けない。逆にスーパーGTでは2クラス混 走ということもあって、常にアグレッシブ にいくとぶつかってしまったりタイヤを減 らしてしまったりする。ペナルティをもら うこともありますから、常に冷静さを保つ 必要がある。どちらかというと相手を出し 抜くレースっていうんでしょうか。もちろ ん最後は気持ちと気持ちの勝負なんですけ れど、そこに行くまでの組み立てや計算が すごく必要なんです」

レーシングカートに関して、佐々木は レースに出て勝利とチャンピオンを追い求 めることに加え、もうひとつ大事な任務を 負っている。それは、ブリヂストンのカー

トタイヤ開発ドライバーという役割だ。 「カートタイヤ開発の仕事は、思い切りプ ラスになっています。僕は十代からタイヤ テストをやってきて、タイヤのゴムがグ リップしているのか、構造が動いて接地し てグリップしているのか、といったセン サーをずっと磨いてきました。スーパー GTに上がってからタイヤ開発をやるよう になったドライバーとは、ぜんぜん知識の 量が違います。それに、どういう言葉で話 せばタイヤ屋さんに伝わるのか、といった

レーシングカート 4輪

レーシングカートデビュー戦の東日本ジュニ アート選手権で2位入賞。

茂原シリーズ、大井松田チャレンジカップ等、参 戦した5つのシリーズでチャンピオン獲得。

JAFジュニアカート選手権チャンピオン

全日本カート選手権FAクラスチャンピオン

全日本カート選手権KF1クラスを制し、2年連続 で最高峰クラスのチャンピオンを獲得。

CIK-FIA アジアパシフィック選手権 KF1チャンピオン

全日本カート選手権 KF1部門4戦1勝

全日本カート選手権 KF部門4戦2勝

全日本カート選手権 KF部門2戦2勝

全日本カート選手権 KF部門4戦2勝

1998年

2002年

2004年

2007年

2008年

2009年

2011年

2013年

2014年

2015年

2016年

コミュニケーションの仕方も知っていま す。だから、スーパーGTに上がった時 からタイヤ開発の面では高いレベルにいら れたと自負しています」

頭を使ってマシンを操りクールに戦う スーパーGTと、動物的な感性を高め、闘 志むき出しで競り合うレーシングカート。 その“二刀流”で、佐々木はレーシングド ライバーとしてのトータルな能力を高めて いく。だが、それは最初から周囲に歓迎さ れていたことではなかったそうだ。

「最初は(4輪レースの関係者達から)猛反 対されたんです。『混乱するから止めろ』 と。でも、僕は何でも乗れるドライバーが 本当に強いドライバーと思っているから、 『どうしてもカートをやりたい。それで遅 かったらクビにしてください』って押し通

FCJ(フォーミュラチャレンジジャパン)シリーズ 参戦

FCJ(フォーミュラチャレンジジャパン)シリーズ 2位

全日本F3選手権Nクラス シリーズ4位

スーパーGTシリーズGT300クラス参戦

スーパーGTシリーズGT500クラスデビュー。 初表彰台獲得。

スーパーGTシリーズGT500クラス参戦。初優勝。

スーパーGTシリーズGT500クラス参戦。2勝。

したんですね。そうして信念を貫いた結 果、ワザの幅も広がったし、異なるマシン を乗り替える能力も身に着いた。最近は FIA F4に出ている選手でも、チームから 『カートに乗っていいよ』って言われる風潮 になってきたけれど、それは僕がきっかけ だと思っています。

スーパーGTしかやっていないと、レー シングカートで磨かれたスピード感が鈍っ てくると思うんですね。でも、それを頻繁 に乗り替えていると、速さのイメージの違 いをコントロールして素早く対応できるよ うになる。それができる人は、どのカテゴ リーでも強いですよ」

KONDO RACINGからTEAM IMPULへと移籍したスーパーGTと、名 門トニーカートレーシングチームジャパン から継続参戦する全日本カートOK部門 で、佐々木は今年もチャンピオンを狙って いく。加えて今年はスウェーデンで行なわ れる世界カート選手権(現在は1大会で実 施)への再挑戦も決まった。26歳の“二刀 流”の意欲は、ますます高まっている。 「全日本カートは(全10戦中)2戦欠場に なってしまうけれど、シリーズポイントは 有効8戦なので、取りこぼしがなければ チャンピオンを狙えると思います。スー パーGTもカートも、まず最終戦までチャ ンピオン争いにいることが目標。年間でス ケジュールをしっかり立てて、自分のベス トの状態で最終戦を戦ってチャンピオンを 獲れたらいいですね。カートの世界チャン ピオンは、子供の頃からの夢。それも今年 に限定せずチャレンジしていきます」

G T レーサーが レーシングカートに乗り続ける 理 わ 由 け
2つのカテゴリーを乗り替えていると、速さのイメージの 違いをコントロールして素早く対応できるようになる
44

スズキ スイフトスポーツ

1トンを切る軽量ボディが魅力の一台

まさに「満を持して」デビューしてきたのがZC33S新型スイフ トスポーツだ。今回のスイフトはモデルシリーズ初の1.4リッター

ターボエンジンを搭載。最大出力は前モデルのZC23Sから4PS アップの140PSにとどまっているが、車重が1トンを切る970Kg という驚異的な軽量ボディが大きな武器だ。前モデルのZC32S と比べると実に70Kgもの軽量化が図られている。

足回りもトレッドを拡大。ZC32Sに比べて前後とも40ミリも広 がり、コーナリングでの踏ん張りが効くようになる。車両全体のデ ザインも、4つのタイヤがボディの四隅に配置されるようなイメー ジで、コーナリング性能は各段に向上したと言えるだろう。駆動系 ではミッションのギヤ比がZC32Sとまったく同じだが、ターボエ ンジンということで中低速トルクが太く、回転リミットはZC32S より低いが、それだけ早めにシフトアップでき、クロスミッション 的な使い方が可能になった。

主要諸元(6MT)

2017年9月27日より有効

SWIFT SPORT

型式/ZC33S 駆動方式/2輪駆動(FF) 全長×全幅×全高(mm)/3,890×1,735×1,500  ホイールベース(mm)/2,450 トレッド(mm)/前1,510・後1,515 最低地上高(mm)/120  車両重量(kg)/970 燃料消費率(km/L)/16.4※JC08モード(国土交通省審査値) 最小回 転半径(m)/5.1

エンジン型式/K14C型 種類/直列4気筒直噴ターボ

DOHC16バルブVVT 内径×行程 (mm)/73.0×81.9 総排気量(L)/1,371 最高出力(kW/rpm)ネット/103<140PS>/5,500  最大トルク(N・m/rpm)ネット/230<23.4kg・m>/2,500-3,500 燃料タンク容量(L)/37 使 用燃料/無鉛プレミアムガソリン

動力伝達装置/1速: 3.615・2速: 2.047・3速: 1.518・4速: 1.156・5速: 0.918・6速: 0.794・

後退: 3.481・最終減速比: 3.944 ブレーキ/前:ベンチレーテッドディスク・後:ディスク 懸 架方式/前:マクファーソンストラット・後:トーションビーム タイヤ/195/45R17

トヨタ ヴィッツ

2017年9月27日より有効=ヴィッツ、ヴィッツHYBRID GR SPORT、ヴィッツGR SPORT。 2017年10月25日より有効=ヴィッツ“GR”。

ハイブリッドモデルも登録車両に

昨年リリースされたGRシリーズは3タイプがある。エンジンは ハイブリッド以外は1.5ℓNAの1NZでパワーは109PSと従来の RSモデルと変わらず。ただ、現行モデルのベースグレードには1.5 ℓHV仕様は存在するが、1.5ℓNAエンジン搭載車がラインナッ プに存在していない。さらにベースモデルにはない5速マニュア ルミッションが搭載されており、よりスポーツ性が高められている のも大きな特徴だ。

主要諸元(ヴィッツGR SPORT・5MT)

型式/NCP131 駆動方式/2輪駆動(FF) 全長×全幅×全高(mm)/3,975×1,695×1,500  ホイールベース(mm)/2,510 トレッド(mm)/前1,460・後1,445 最低地上高(mm)/140  車両重量(kg)/1,030 燃料消費率(km/L)/17.2※JC08モード(国土交通省審査値) 最小回 転半径(m)/5.6

エンジン型式/1NZ-FE 種類/直列4気筒DOHC 内径×行程(mm)/75.0×84.7 総排気 量(L)/1,496 最高出力(kW/rpm)ネット/80<109PS>/6,000 最大トルク(N・m/rpm)ネット /138<14.1kg・m>/4,400 燃料タンク容量(L)/42 使用燃料/無鉛レギュラーガソリン 動力伝達装置/1速: 3.166・2速: 1.904・3速: 1.392・4速: 1.031・5速: 0.815・後退: 3.250・

最終減速比: 4.312 ブレーキ/前:ベンチレーテッドディスク・後:ディスク 懸架方式/前:スト

ラット・後:トーションビーム

アルファロメオ ジュリエッタ

パワーが魅力の輸入車モデルが登録

全日本ラリーへ参戦という情報もあるジュリエッタのエンジン は1.4ℓターボで170PS。気になるのは1400kgという車重。これ

は以前のランサーやインプレッサと変わらないスペックだ。だが FFということで、特にウェット路面など悪条件に強く、誰でも扱い やすい駆動方式と言える。ただ、トレッドも広いがホイールベース も長く、どこまでタイトな取り回しが可能かは実戦でのお楽しみと いうところだろう。

主要諸元(SUPER・Alfa TCT)

型式/940141 駆動方式/2輪駆動(FF) 全長×全幅×全高(mm)/4,350×1,800×1,460  ホイールベース(mm)/2,635 トレッド(mm)/前1,555・後1,555 車両重量(kg)/1,400 燃 料消費率(km/L)/15.6※JC08モード 最小回転半径(m)/5.5

エンジン型式/940A2型 種類/直列4気筒マルチエア16バルブインタークーラー付ターボ   内径×行程(mm)/72.0×84.0 総排気量(L)/1,368 最高出力(kW/rpm)EEC/ 125<170PS>/5,500 最大トルク(N・m/rpm)ネット/250<25.5kg・m>/2,500 燃料タンク容 量(L)/60 使用燃料/無鉛プレミアムガソリン

動力伝達装置/1速: 4.154・2速: 2.269・3速: 1.435・4速: 0.978・5速: 0.754・6速: 0.622・後退: 4.000・最終減速比: 4.118 ブレーキ/前:ベンチレーテッドディスク・後: ディスク 懸架方式/前:マクファーソンストラット・後:マルチリンク タイヤ/ 225/45R17

このページは公示ではありません。登録車両の型式番号等をはじめとする詳細については、JAFモータースポーツホームページ 「公示・お知らせ」でご確認下さい。(主要諸元表はメーカーのカタログ等の資料を基に作成しています)

J A F 話題 の を
VITZ
45

T“ A K A

” は︑ 2 W R C 2 ~勝田貴元︑ W R C 2 46

年2月に開催されたWRCラリー・ スウェーデンで、海外ラリー武者 修行中の勝田貴元がWRC 2初優 勝を果たした。WRC 2とは、最高 峰マシンのWRカーに準じる性能 のR5カーで競われる、サポートシリーズである。 サーキットレースに例えるならば、F1に対するF2に 相当し、WRカーへのステップアップを目指す実力あ る若手選手が多数参戦している。そのWRC 2で出場 6戦目の貴元が優勝したという事実は、日本のモー タースポーツ界にとって素晴らしい出来事である。

全日本F3選手権で2013年にシリーズ2位となる など、貴元はレーシングドライバーとして着実にキャ リアを築いてきた。しかし、貴元は最終的に全日本ラ リー王者である父の範彦と同じラリーの道に進むこと を決意。トヨタの若手ドライバー育成スカラシップ 「TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプロ グラム」に応募し、新井大輝と共に合格した。そして フィンランドに拠点を移し、2015年から海外ラリー を中心に経験を積んできた。恵まれた環境に身を置い たわけだが、少なからずハンデもあった。レース出身 のためペースノート走行の経験が少なく、コミュニ ケーションの要である英語も苦手だった。そのため初 期はなかなか結果を残せなかったが、徐々にスキルを

高め、遂に勝利を手にしたのだ。

ラリー・スウェーデンはシリーズ唯一のスノーラ リーであり、WRC 2には北欧出身の若手選手が多数 エントリーした。昨年のWRC 2王者ポントゥス・ ティデマンドや、ヒュンダイの若手育成選手であるヤ リ・フッツネを始めとする強豪が優勝候補筆頭と思わ れていた。彼らは自動車メーカーの契約ドライバーで あり、クルマの仕上がりも非常に良い。対して貴元と 大輝が乗るフォード・フィエスタR5はカスタマー カーであり、ハード面でのアドバンテージはない。い くら現在フィンランドに住んでいるとはいえ、サー キット育ちの貴元が雪道で北欧勢と互角に戦えると、 事前に予想できた者はいなかった。

しかし、結果的に貴元はラリー序盤から北欧勢と同 等以上の速さを示し、ティデマンドと終始僅差のバト ルを展開しラリーをリード。そして、WRC 2リー ダーとして迎えた競技最終日、貴元は全開アタックを 続け12秒差で背後に迫っていたティデマンドの猛攻 をしのぎ、優勝を手にした。貴元の勝利は幸運に助け られたものではなく、彼自身の速さによって掴み取っ たもの。ティデマンドの「まったくミスできない状況 で全開走行を続けたハードなバトルだった」という言 葉が、戦いの厳しさを物語る。

ではなぜ、貴元はWRC 2で優勝できたのだろう

47

本場北欧の関係者もノーマークだった勝田貴元が大金星。首 位をキープし続けた強いメンタルも賞賛に値する。ゴール後は 優勝候補と目された地元勢のドライバーと健闘を称え合った。

か? 理由はいくつかある。まず最初に言及すべきは ペースノート走行のスキルアップで、それが今回の躍 進の最大の原動力となった。もともと貴元はコーナー のきつさを6段階で表現し、それをコ・ドライバーが ペースノートに記していた。しかし6段階のスケール はやや大雑把であり、それを去年10段階に変更。表 現の幅は広がったが、ハイスピードなコーナーが多い フィンランドの道を規準にしたスケールだったため、 ツイスティで低速なコーナーが多い南欧の道では通用 しなかった。南欧で使えるのは10段階のうち1か2 ぐらいだったため、より低速なコーナーにも対応でき るような表記に再度変更。ペースノートの改善を進め ていった結果、ようやく自分にベストなシステムが見 つかり、それを試した今年1月のフィンランド選手権 「アークティック・ラップランド・ラリー」では3位 に。スノーラリーでも北欧勢と十分に戦えるという自 信を得た。

ちなみに、貴元はそのラリーではミシュランのス タッドタイヤを履いていたが、ラリー・スウェーデンで はピレリを装着。事前の限られたテストでピレリの特 性を掴み、それに合った走りを実践したのも勝因のひ とつである。ミシュランと比べるとピレリは横方向の剛 性がややソフトで、操舵に対してクルマの動きがワン テンポ遅れる。そのためミシュラン装着時とは違うド ライビングが必要であると、貴元は気づいた。そして、

ピレリの特性に合った運転を 本番で実践できたことが、ミ シュランを履くライバルに対 するアドバンテージとなった のだ。ミシュランよりもピレ リの方が路面に合っていたの では? という声も現地では 聞かれたが、そうではなく、 貴元がピレリの性能を引き出 したのだ。

短時間で運転をタイヤにア

ジャストするのは簡単なことではないが、貴元は全日 本F3時代にデータロガーの情報を頼りに同様のドラ イビング調整をしていた。「レース時代に学んだ経験 が、ラリーでも役に立ちました」と貴元は言うが、柔 軟さを備えていなければそれも不可能である。

ドライビング自体に関しても、貴元は様々なトライ をした。ひと言で雪道といっても、新雪、圧雪、そし て深い轍(わだち)が刻まれた道では走り方が変わって くる。だが貴元はそのすべてのコンディションで高い 対応力を示した。例えば、出走順がWRカー勢の後 となるR5勢は、ハイパワーかつ幅広なWRカーが深 い轍を刻んだ道を走らなければならない。WRカーと R5では轍の軌跡や幅が異なり、WRカーの轍を前輪 でトレースしようとすると、後輪は轍の外の柔らかい

48

雪に乗りスピンをしやすくなる。

そこで貴元は進入で敢えて轍を無視してドリフトさ せ、クルマの向きが変わったところで轍に入り直線的 にトラクションをかけるという運転を実践した。ティ デマンドらは進入から轍に留まり続けようと前輪を無 理にこじっていたが、貴元の走りかたの方がスタッド タイヤの駆動力を上手く引き出していたといえる。タ

イヤと路面に対する最適解を見つけた、貴元と担当エ ンジニアの勝利である。

最後に、精神力の強さも相当なものだった。僅差の 戦いが続く中で貴元は冷静さを保ち続け、心はヒート アップしなかった。そして最後の2日間は自分の限界 を超えるギリギリのドライビングを続け、大きなミス なく最後まで覇権を守り続けたのだ。

「12秒程度のリードは簡単に縮めてくるような相手 だったので、リスクを負った走りが必要でした。今回 は2位ではなく、どうしても勝ちたかったので、自分 の力をすべて出し切って走りました」と貴元。これま では経験の少なさや未完成なペースノートという理由 から、どのラリーでもやや抑え気味に走っていた。し かし今回初めて持てる力をすべて解き放った結果、貴 元は世界で通用する速さを発揮したのだ。 「まだまだ学ばなければならない事は沢山ある。今回 の優勝は嬉しいけどまだ始まりに過ぎません。WRC ドライバーになるという目標に向かって、今後さらに 努力する必要があると感じています」と貴元。WRC 2優勝によって、さらに高い目標と新たなる課題が見 つかったようだ。

今回は 2 49

この声、届け!

戦いに秘めた思いを“声”で伝える女性たち

レーシングカート出身や、海外から遠征してくる選手も当たり前になった近年のレース界。 彼らの白熱した競り合いは、その悠遠たる背景が分かれば、なおさら面白いに違いない。 ここでは、長きに渡りレースの醍醐味を"声"で伝えてきた二人の女性にご登場いただこう。

フォト/滝井宏之、野澤廣幸、JAFスポーツ編集部 レポート/はた☆なおゆき、入江大輔、JAFスポーツ編集部

藤ソニアさんは、我々メディアの側からす ると記者会見の、ファンの側からするとテ レビ中継でもよく映っている表彰式や トークショーの「通訳」という認識が強いはずである。

それはそれで間違いではないのだが、実際にはもっ と深い役割を担った、ある意味、日本のレースを裏か ら支える立場にあった。要するに、ただの通訳ではな いというコト。その辺りは追々伝えていくとして、ま ずは通訳の仕事を始めた頃の話を聞いてみた。

――今の仕事を始めるようになったきっかけは?  今年でちょうど30年になるんですけど、鈴鹿サー

キットからスタートしたんですが、F1が翌年に行わ れる年でした。その頃はまだ学生で、友達から「メディ アとかチームが海外から来るので、いろんな言葉を話 せる人材を鈴鹿が探してる」っていう話を聞いたので、 ぜひやりたい、ってなりました。最初はメディア対応 で、少しずつ記者会見をやっていくようになりました。 ――レースとか、クルマに興味はあったんですか?  私はポルトガル出身で、クルマが好きな人が多い国 なんですよ。友達のお兄ちゃんもクルマ好きで、私も その魅力を感じてました。多くの男の子はクルマを分 解したり、エンジンを触ったり、そういう趣味を持つ

50

、届け!

環境でしたから、私も一緒になってました。ただ、レー

ス自体はテレビや雑誌を見るぐらいでしたね。

――日本にはいつ?

親の仕事の関係で、13歳の時です。ポルトガルの前 には、アフリカのアンゴラに5歳まで住んでいました。

――それまで日本語は?

まったく(笑)。父は日本人なんですけど、アメリカ 育ちなので普段は英語でした。ポルトガル育ちなんで すけど、小さい国なんで、幼い頃から英語やフランス

語も習うし。色々な国の人が集まるような環境でした

が、特に英語でしたね。現在はポルトガル語と英語、 日本語をメインに仕事として使っていますけど、あと フランス語とスペイン語もある程度はOKです。

――13歳という多感な時期に日本にやって来て、不 安じゃなかったですか?

日本は遠い、まったく知らない国だし、最初はどう しようかと思いましたね。でも、すぐに「日 本で生まれ変わった」と思うようにしたん ですよ。輪廻の世界じゃないですけど(笑)。

伊藤ソニア【いとうそにあ】ポルトガル出身で、全日本スーパーフォー ミュラ選手権やスーパーGTでは外国人ドライバーの通訳として活躍 する。ラジオDJとして活躍していた経歴もあり、語学やモータース ポーツだけでなく、音楽、マリンスポーツにも造詣が深い。

例え生まれ変わったとしても、前世のこ とは覚えていないでしょう?だけど、そう じゃなくて、前の経験を持ちながら生まれ 変われる事は、すごくラッキーだと思うよ うにしてました。だって両方とも触れられ るじゃないですか、文化に。それは凄い事 だと思って感謝しています。

――ああ、そういう前向きさが、日本語をアッという 間にマスターした理由なんですね。

そうかもね(笑)。元々語学には興味があって、色々 な言語が好きでしたからね。

日本のレースに挑む外国人には極東の地で単身、心細い思いをしている選手も少なくない そんな彼らとニッポンの架け橋となってきたのがレース通訳でお馴染みの“ソニアさん”だ

“Time flies when I am having fun!!”
選手たちの“熱”を伝えるレース通訳の要
伊藤ソニア さん 51

あらゆる現場で活躍するソニアさ ん。昨年東京・台場で初開催され たFIA Intercontinental Drifting Cupでは、FIAジャン・トッド会長 の専属通訳を担当し、JAF矢代会 長との意見交換にも同席した。

――さて、現在の仕事ですが、単なる通訳だけでなく、 多岐に渡っていると聞きます。

の過ごし方を教えてください。

日本のレースでは、まずブリーフィングが皆と接す る最初の機会。それが金曜日にあって、その後はメ ディアさんがインタビューしたい時やレース後の記者 会見ですね。後は組織同士の話し合いや、会議。  もちろんレースは見てますよ。後で「?」ってなる事も マニュファクチャラー、 スポンサーさんとの交 渉だったり。

そうですね。レース後の記者会見やトークショーの通 訳だけじゃなくて、組織と組織の話し合いにも関わるこ とがあります。例えばサーキットとFIAやFOM、FIM とか、スポンサーさんとか。スーパーGTだと、GTAと

あとはオーガナイ ザーと海外のサーキッ トとの通訳だったり ね。FIAとの様々な会

ありますからね。「あれ、 そうだったっけ?」って 事も、たまにありますけ ど(笑)。

――空き時間がある時 には?

議で海外に行くことも あります。世界で人気 を集めている、日本生 まれの“ドリフト”の 世界統一規則の会議等

――現在は、そちらがメインですか?

そう。今はそこが土台。この10年間は、そっちの 仕事の方が多いですね。だから、よりやり甲斐がある と思うんですよ。レギュレーションとか、やってきた ことを、表面だけ見ていても限度があるわけですから。 それらを、ちゃんとルーツまでよく知る事によって、 結果の理由が分かるのね。こういうレギュレーション があって、こういう風にクルマが作られていたり、そ れに対して選手が意見を持っていたりする。逆にチー ムが満足している部分はこれだってことも……。今と なっては面白いですね。

メディア対応から始まって、その後はチームや選手 が一番重要な存在になっていきました。レースの裏方 からお手伝いができるのは光栄ですよね。

――話は戻りますが、レースウィークのサーキットで

日本で行われるF1やWEC等の国際レー スでは、公式記者会見に日本語通訳が付 かないことも多い。そんな時には翻訳の 答え合わせに協力してくれることもある。 現在ではモータースポーツを構成する組 織間の通訳を担当することも多く、活躍の 場を広げている。

パドックをうろちょ ろしています。選手に 対してママ役で「ど う、元気?」、「大丈夫、 不満はない?」って声 を掛けたりね。彼らの でもお手伝いをさせていただいてます。

ストレス発散のためにしゃべって、気分転換っていう のかな? 何か調子が悪そうだなぁって感じる時に は、そういう人の側に行って「どう?」って声を掛け る。それで心を開いてくれれば。

チームがピリピリしている時は、中々そういう話が できないんですよ。したくもないだろうし。でも「そ ういう不満は私にぶつけてもいいんじゃない」って言 うと、そこからはワ〜って言って来ますよ。私は「な るほどねぇ〜。そうかそうか、大変だね〜」って(笑)。  落ち着いたところで「あなたが今そうなっていると 結果が出ないから、忘れな」って、そういう話をするこ とはよくありますよ。まるでパトロールだね(笑)。 ――それは仕事ではなく……。

そう。私のやりたい事。これまで私に対しては、あ あしなさい、こうしなさいって事があまりなくて。む しろ「じゃあ、よろしく。後は自分でやっといて」って 感じでやらせてもらってきたの。だ から、自分で勘を働かせて、できる限 りの事や気付いた事をしてきた。  それでも周りにとって不満じゃな かったから、私は未だにココに居るん でしょうね。まさか、こんなに長くや る事になるとは、当時は思わなかった けど(笑)。

――ご苦労はないですか? 特に日 本のレース業界には、抽象的な表現も 多くありますけど。

それには少しずつ慣れていきまし た、日々勉強です。でも、未だに日本 語は特に難しい。他の言語と共通点

が全然ないので、ゲームでいうと、いきなり「崖」とか 「爆弾」が現れる感じなんです。予想の付かない事が いつ出てくるか分からないので、常にアンテナを立て て、勘も磨いておかなきゃいけない。特に技術的な言 葉はね。

とはいえ、人としゃべるのは好きだし、専門的な話 を聞くのも好きだから、新たな発見があると楽しい。

何を聞いても、見ても、いつも新鮮なの。だから、あ んまり苦労とは思ってないですね。

――最近すごく感動したことがあったそうですね。

昨年、ホンダさんから人を通じて「ソニア、来ない か」って突然に依頼をいただいたんです。海外で記者 発表するので通訳してくれませんかと。光栄だな、素 敵なことあるもんだなと思いつつ、モータースポーツ 部の山本(雅史)さんに、何で私なのかを聞いてみた ら、「君には言葉じゃなくて、愛があるんだ」って(笑)。

そういう事かと思いまし

たね。山本さんは私のバッ

クグラウンドをあまり知ら ないはずだけど、知ってく れている方は沢山いるんだ なって思いました。

――心細い日本の地で親身 に接してくれたり、それこ そ日本と海外の橋渡しを、

多くの人々として来たわけ ですから……。

そうなのよね。人生って

この声、届け!

戦いに秘めた思いを“声”で伝える女性たち

鈴鹿サーキットを始め、日本で行われた 国際格式のビッグレースには、必ずソニ アさんの姿があった。長年交流してき た関係者達との出会いが現在の自分を 構成していると語る。

素晴らしいと思う。重ねていく出会いが、どんどん魅 力を増していくので、すごく面白いし、楽しい。私が レースの世界に関わってから30年が経ったけれど、 まさに「Time flies when I am having fun(楽しい

時間は本当にアッという間)」。日本のモータースポー ツが世界一であり続けるために、微力ながら貢献でき れば本当に光栄です。

今更ですが、長年築き続けてきた人間関係と信頼感 が実る日々って素敵。自分の成長や夢に向かい続けら れるのは、日本や世界中にいる家族や仲間のお陰です。 感謝です。大勢の方々の支えがあってこそ、今まで やって来られました。勉強をし続けて頑張りますの で、これからも応援よろしくお願いします!

マリンスポーツを趣味に持つソニアさん。縁のある ビーチで撮影しようとしたが、当日は生憎の雨模 様。「仕方ないね。でも、今日は“世界女性デー”。そ

んな日に話を聞いてもらえた方が光栄ですよ!」と 素敵な笑顔をいただいた。

53

「誰に、どのように戦況を伝えるか……」 難しさが “ 凝縮 ” されたカート実況の華

レーシングカートの世界は観る側にも、伝える側にも時間の余裕を与えてくれない

そんなカートレースが持つ濃密な醍醐味を伝えるべく声を枯らすのが稲野一美さんだ

――レーシングカートとの出会いはいつでしたか? 元々放送タレントとして、大学時代からテレビやラ ジオに出演してました。'96年の春頃に出演していた 番組でレンタルカートを取り上げたのがきっかけです。

琵琶湖スポーツランドで「カート大会のオフィシャ ルが足りないから手伝ってみないか」とコースオー ナーから誘われたんです。当時はローカルレースでも 120台という大盛況で、計時や受付等の仕事でした が、モータースポーツは好きだったので、面白そうだ と思って始めました。

でも、当時はカート界に専業のアナウンサーがいな くて、場内アナウンスはスケジュール進行を伝えるよ うな感じでした。DJっぽい人もいたんですが、話は 雑談中心だったりして……。そんな中、琵琶湖スポー ツランドで実況していたのがピエール北川さんでし た。オフィシャル仲間も『ピエールさんの実況は面白 い』と言っていて、この違いは何だろう? と思って いた事を覚えています。

――何が違っていたのでしょう。

カートは小さなサーキットなのですべてが見渡せま す。つまり、何が起きたかは見れば分かるんですよ。

そんな中でピエールさんは「なぜそれが起きたのか」だ けでなく「次に何が起きるのか」という展開も読んでま した。クルマが止まった原因も、エンジントラブルや チェーン切れだったりと詳しくて、その違いが、なぜ 実況席から分かるんだろうと疑問に思ってました。

――その後、稲野さんが実況を担当するわけですが。

ある時、場内アナウンスの担当者が急に来られなくな

り、代役の方もタイムトライアルに間に合わない事態が 起きました。それで「選手のご案内くらいならできます よ」と申し出て、私が代役を務める事になりました。 ですが、遅れて到着した代役の方はレースをあまり ご存じなくて、管制からの「83をダミーに!」なんて いう指示に戸惑ってました。それで私が横から「FP3 クラスの方、ダミーグリッドに集合です」なんて通訳 (笑)したりしてたんです。

それを見たオーナーが「次からアナウンスやってみ い」と言ってくれたのが始まりです。スポーツ実況は初 めてだったので、めちゃめちゃ緊張しましたよ。 ――実況では、どのようなことを心掛けていますか? 刻々と変わる状況を的確に捉えて、正確に伝える事 が大前提です。カートは参加型モータースポーツなの で、ドライバーとメカニックが場内の大半を占めま す。基本的には、プラットフォームに入らず、実況を 耳で聴きながらマシンをメンテナンスしているメカ ニックの皆さんを意識しています。そして、全日本選 手権ではお客様が加わります。なので、知らないお客 様にも分かりやすい実況を、と心掛けています。

サーキットレースではアナ ウンス業務の分業が進んで いるが、カートの世界ではブ リーフィングの司会や場内 実況、表彰式のMC等を一 人で兼任する事も多い。TT や予選、決勝が分単位で連 続するカート大会。休みも ないため場内アナウンス業 は想像以上にハードだ。

さん

前年のシリーズ順位や、前年以前の同コースでの成績、マシンのカ ラーリングや全選手に対するひと言コメント等々、あらゆる情報を細 かい文字で、1枚のエントリーリストに、ビッシリと書き込んだ稲野さ んのアナウンス資料。必要な情報が狭い紙面に厳選されている。

――カートはとにかく展開が目まぐるしいですよね。

カートはジュニアドライバーが多いので、彼らのご 家族も多い。そのため観戦に来たお客様は「これの何 が面白いんだろう」と思う方もいらっしゃいます。お 祖父ちゃんやお祖母ちゃんがいらっしゃる事もありま すよね。そもそもレースに詳しくないでしょうから、 今、何が起きていて、どこが凄いのか、何が面白いの かをお伝えできればと思っています。

――具体的にはどういう内容になりますか? コースを一望できるカートレースでは、”後追い” の実況ではあまり意味がありません。そのためには、 戦況を読む事が重要で、バトルをお伝えするだけでな く、今後どうなるのかを読まないと、盛り上げる事が できないんです。これを習得するのに時間が掛かりま した。もちろん、今でも四苦八苦してます(笑)。

最初はとにかく”取材”でした。自分に知識を蓄積 しないと何も話せませんからね。当時は大会後にチー ムが大規模な打ち上げをやっていて、そこにお邪魔し て、レースで何が起きていたのかを”答え合わせ”さ

せてもらうこともありました。そうやって色々なチー ムを回る内に、だんだんレースが見えるようになって いきました。

――現在はどんな取材や準備をしているんですか?

今も基本はピットに行って、レースに関係ないこと も含めて色々と話を聞いてます。カートは誰でもヒー ローになれるし、スタートの瞬間は全員がヒーローで す。だからこそ、その人たちを応援したいんです。

SLレースであれば、その人が主人公になれるような 情報を盛り込みますね。全日本選手権であれば、チー ムのサポート体制や、これまでのシーズンの流れ、そ してパーソナルな情報も。周りからすれば、世間話を しているように見えるかもしれませんけどね(笑)。

――それだけの準備が必要なんですね。

レースは15分の中で常に動いているので、戦況だ けを伝えれば、尺は十分に埋まります。でも、そのま まだと、赤いカートと黄色いカートが競り合っている のを、ただ眺める感じになってしまいますよね。

そこで、赤いカートの選手は「学校の支援を受けて、 学園祭を休んで参戦した……」とか、その横の黄色の 選手は「赤の後輩で、やっと憧れの先輩とレースがで きて、これは夢の対決です……」といった情報があれ ば、同じように見えるカートも、ただの赤色や黄色 じゃなくなるじゃないですか。

――稲野さんは、中団やその後方もフォローしていま す。あの台数をどうやって認識しているんですか? ローリング中に各車を「覚えます」。タイミングモニ ターもありますけど、ゼッケンも小さいですから。こ

れはもう、覚えるしかないんですよね。

1周を約50秒として、そのスパンなら、抜き所は 10秒後、30秒後、50秒後くらいに現れるんです。 例えば、鈴鹿の南コースは1-2コーナー、3-4コー ナー、下り25R、ヘアピン、最終コーナーと続く感 じですが、このレースは、どのセクションでバトルに なるのかを読み切ったら、次の集団に目を移すという やり方ですね。

――サーキット毎に抜き所を把握しているんですね。

クラスによっても抜き所が違うんです。トップ2台 がストレートを通過して、しばらく大丈夫と思った ら、3番手争いをフォロー。ここも落ち着いたと思っ たら、6番手争いへ。トップ集団がそろそろ近付いて きたら、首位争いに戻る。こんなループをずっとやっ ています。

クルマを色で識別しているので、間違う事もありま すが、ドライバーやチームの皆さんに「稲野ならば変 なことを言わないだろう」と信頼していただけている と思うので、ここまでやって来られたと思います。 ――多くのドライバーの“最初”を見てきましたね。

キッズなら5〜6歳から、16〜18歳でステップアッ プするとしても、選手とは10年以上の付き合いです。 今ではフォーミュラレースの第一線で活躍するドライ バー達も、私のイメージでは子供のままなんですよ (笑)。カートで負けてワンワン泣いていた姿が頭を巡 るので、私からすると可愛くて仕方がない(笑)。

フォーミュラに上がった直後くらいなら、彼らが レース中にどんな事をしたいのかは、手に取るように 分かります(笑)。「どこで攻める」といったドライバー の癖は、すぐには変わりませんからね。 ――そういったドライバーの成長を見 られるのは、レーシングカートの醍醐 味の一つです。

レーシングカートは、モータース ポーツの醍醐味が、僅か50秒に凝縮 されています。そして、誰が観ても「凄 い!」と感じてもらえる内容だと思って います。

それをうまく伝えきれなくて「レース に負けた……」と落ち込む事もあります が、コース上で何が起きているのか、 そして「こんな凄い事をやってるんや ね」と感じてもらえるだけの情報を持っ ていると自負してますよ!

稲野一美【いなのかずみ】大学 生の頃にカートの世界に触れて から、持ち前のバイタリティを発 揮して全日本カート選手権等で 場内アナウンスを担当する稲野 さん。近年はTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceでも実況 を担当している。京都や奈良の 歴史ガイド業も務める一方で、ク ロカン4駆をMTで乗りこなす 雄々しい一面も持つ。

この声、届け!
55
戦いに秘めた思いを“声”で伝える女性たち

JAFに登録する代表準加盟クラブで あるアライズモータースポーツ宮 崎(久木野聖代表)は、3月11日

に宮崎市内のサテライト宮崎の特設会場に おいて「チャレンジオートテストin宮崎」 (2018シリーズ第1戦)を開催。28名の 参加者が集まった。今年は全4戦で争われ るこのオートテストだが、一昨年の初開催 から数えて今回が10回目となる。オート テストがしっかりと地元に根付いた理由と 人気の秘密を探ろうと、現地を訪れた。

すっかり暖かくなった南国・宮崎。競輪 の場外車券場であるサテライト宮崎の駐車 場を利用した特設会場には、朝早くから参 加者やその家族、そしてギャラリーら50 台近い車両が詰め掛けていた。地元宮崎の

オート テスト 倶楽部

AUTOTESTCLUB Vol.1

今回で早くも10回めの開催を迎えた 南九州の地で行われるチャレンジオートテストin宮崎は、 もうすっかり全国的には老舗と呼べる

人気のオートテストイベントだ。

すっかりお馴染みのリピーターも多く、会場はフレンドリー。 誰もが楽しめる人気のイベントのヒミツを探ってみました

フォト&レポート/皆越和也

ナンバーのほか、大分、鹿児島、熊本と いった隣県、さらには山口からの参加者も。

エントラントのほとんどはリピーター で、今回初参加した人は5名。毎回コース が固定されていることもあり、歩いての コース確認をする参加者はビギナーがほと んどだ。そして開会式が終わると練習走行 がスタート。参加者数もそれほど多くない ので、たっぷり2本の練習ができ、同乗走 行や動画を撮影する参加者の姿も見られ、

コースレイアウトは毎回同じ。

そのレイアウトの形を取って

「ロブスターサーキット」と呼ば

れている。これまでいくつかの 場所で開催しており、今回のサ テライト宮崎は初開催。レイア

ウトが一緒でも場所が違うの で、毎回、攻略に頭をひねらす 楽しさがある。

非常にリラックスした雰囲気だった。 今回のクラス区分は、普通車ビギナー (5名)、軽自動車エキスパート(13名)、 普通車エキスパート(10名)の3つで、そ れぞれ2回のタイム合算で順位が決まる。 主催者から誘われてアクアで初参加となっ た若い女性2人はエンジン音も聞こえず、 ずっと電気だけで走っている様子。「競技 は全くの素人で何もかもが初めてで新鮮で した。自分では一生懸命速く走ろうと思っ てるんですが、皆さんに比べてタイムが遅 くて笑ってしまいました。それでも練習走 行から4本走って、少しずつ速くなってい くというのは面白いです。機会があればま た参加したいです」と終始笑顔だった。 「すべてのクルマに勝つチャンスがあるよ うにコースを設定しています。カリカリに

宮崎で人気のオートテスト、その楽しさのワケとは?
56

今回のコースも芝生席から観戦が可能とファミリーにも好評だったよう。メダルこそな いが、ウィナーのみに特別に贈られるTシャツ(写真下中)は最速&最強の勲章だ。「す べてのクルマに勝つチャンスがあるコース」という久木野代表(写真下左)のコンセプ トも参加者にしっかりと支持されているようだ。

宮崎で人気のオートテスト、その楽しさのワケとは?

チューニングした車両じゃなくて普通のク ルマでも勝てます。普段乗ってるクルマで 参加しても全然チャンスがなければつまら ないと思うでしょうし、次からは来ないと いうことになりかねません。皆が楽しかっ た、また次も参加しようっていうイベント を心がけています」と久木野代表。

エントリーはスマホやパソコンから事前 に行い、ビギナーが2,000円、エキスパー トが2,500円で、当日受付は+500円。

「以前にいたクラブはメンバーも高齢に なっていたこともあって、若手中心のこれ からのクラブにしたいと、3年前に立ち上

げました。ですから若い人が申し込みしや すいスマホでエントリーしてもらっていま す。将来的にはラリーやジムカーナも主催 したい」と久木野代表。

なるほど見渡してみると参加者の多くは 若い層だし、会長も35歳と若い。「安全 運転技術の向上のためにも、気軽に参加で きる入口として、あまり競技会っぽいイ メージを持たれないようなイベントにして います。常連さんたちが口コミやSNSで 発信して、それで面白そうだと思った友達 が加わってきて、それで参加者数も安定し ているのだと思います」と続けた。

審査委員長の七田定明氏(グラベルモー タースポーツクラブ代表)は「ここは場所も 良く安全も保たれています。南九州地区の 基盤をしっかり作ってもらって、オートテ ストという入門イベントからどんどんモー タースポーツ競技に興味を持って欲しいで す。今回が10回目の開催ですが、手軽に 参加できるイベントとしていいテストケー スだと思います」と評価した。

イベント終了後はゼッケンの回収と同時 に競輪の車券がプレゼントされた。「企画 書を持ち込んだら、快く駐車場を貸してい ただけることになった」(久木野代表)とい うサテライト宮崎からのささやかな参加賞 だ。表彰式の後はじゃんけん大会で盛り上 がって記念すべき10回大会は幕を閉じ た。シリーズ戦は年内にあと3回行われる 予定だ。

なかなか奥が深いです

園田涼さん/フィット

「YouTubeでこのイベントを知って今回 が初参加です。来てみたら予想以上にレ ベルが高くてびっくりしました。練習走 行から少しずつコツが摑めてきて、走る たびに面白くなっていきました。チャン スがあればまた来たいと思います」

Aライも取りたいです 福崎裕也さん/アルト(写真左)

「彼女のクルマを借りて出ています。今 回が6回目の参加ですが、足回りだけイ ジっています。走ることも大好きでこの クラブに加入して、オートテストでテクを 磨いています。今年は岡山国際サーキッ トまで走りに行く予定なんですよ」

ハマってしまって皆勤賞です 谷佳紘さん/アルト 「自分のクルマで参加できるオートテス トというのがあるよ、と聞いて初回から全 部参加しています。ノーマルの古いアル トでMTですが、楽しいのでジムカーナ も出てみたいです。参加者もフレンド リーな人が多くていいですね」

いつもはTSタカタで走ってます 吉田朝雄さん/フォーカス 「友達の紹介でこのイベントを知って5 回目の参加です。いつも使っているクル マで気軽に参加できるし、クルマの動き を知ることができるので楽しいですね。B ライは持ってます。山口在住ですが宮崎 は友達も多く風土も気に入ってます」

57

選手の気持ちが分かるから、主催も楽しい

ジムカーナのコース設定は難しすぎるとシンドイけど、簡単すぎてもつまらない。ただその“さじ加減”が競技会の評価に繋がるから なかなか大変だ。“スラローマー・ファースト”を目指して模索するオフィシャルさんの苦労を垣間見させてもらった。 フォト/友田宏之 レポート/太田進之介

月25日、茨城中央サーキットを 舞台に開催された「ICCスパーク リングジムカーナ」の決勝当日、

午前7時のゲートオープンよりはるか前。

総勢27名の競技オフィシャルたちはすで に会場入りし、各担当の委員長たちを中心 に当日設定される決勝コース設定の最終確 認作業が行われていた。

その周囲では各オフィシャルメンバーた ちが誰に指示されるでもなく、竹ぼうきで 路面の砂利やゴミを取り除くべく、掃き掃 除を黙々とこなしていく。彼らはこの茨城 中央サーキットのJAF登録チームである

ICC・Sのチーム員を中心に、その近郊と なるJMRC関東所属の各メンバーから構 成され、それぞれが競技参加経験のあるス ラローマーであることがほとんど。これは、 ジムカーナを始めとするBライセンス競技 の大きな特徴だとも言える。

その輪の中心で指揮を執っていたのは、 オフィシャルのトップに位置する競技長で あり、このイベントの組織委員長でもあり、

さらにはコースオーナーの顔も持つ神生 (かのお)恭利氏、その人だ。

「たしかに、コースオーナーがこうした格 式のイベントで競技長を務めるのは珍しい

オフィシャル さん お疲れさん

ことかもしれませんね。今日の私の役割は、 集まってくれたオフィシャルたちの長とし て、イベントの主に運営面と安全面に関す る全責任を負う立場になります。とはいえ、 彼らはここのサーキットに所属するチーム 員であったり、近隣のチームメンバーでこ こを拠点に育った顔見知りが多いことも あって、勝手知ったる仲間……という感じ です。誰かの指示がなくても自ら考え動い てくれるところは、本当にありがたいし、 心強いですね」と目を細める神生競技長。 その競技長を中心に、この日は決勝コー スレイアウト全般を司るコース委員長、競 技車両の安全面や車検業務全般を司る技術 委員長、さらに計時委員長、救急委員長、 事務局長の各メンバーが競技長と連携を図 りながら、部門のメンバーを率いてイベン トの運営を担当した。

当日、ダブルエントリーを含む全80台 のエントラント側に通知されたタイムスケ ジュールは、前述の午前7時ゲートオープ ンから始まり、7時10分から参加受付、同

3
vol.1
連載 58

20分から公式車検、そして車検受付終了 の5分後となる8時15分からコースオー プンと同時に慣熟歩行が認められた。そし て45分間のコース確認を終えると9時か らドライバーズブリーフィング、そして9 時30分にいよいよトップゼッケンのPN1 クラスから1本目の走行が始まる。

その進行の背後では、彼ら競技委員が先 回りで準備を行っており、とくにコース設 定全般の責任を負うコース委員長は、前日 から各担当長と連携を取り、当日6時過ぎ

にはコース設定を終え、7時前後をめどに 公式通知として事務局長経由でコース図を 発行することになる。

今回そのコース設計を担当したのは、か つて全日本のトップスラローマーとして活 躍した鷹巣義幸氏で、関東地区戦としては 高難易度となる1分40秒台を想定したロ ングコースを設定。そこには長さだけでな

く、各所に「コース設計者からのメッセー ジ」ともいうべき意図が込められていた。

「僕の今日の役割は、コースの安全性に配 慮しながら地区戦のレベルに相応しく、技 術も試せて魅せることもできるコースにす ることでした。茨城中央サーキットは特性 的にテクニカルな性格にはなります。それ でも僕は現役の頃、どちらかというとパイ ロンワークより中高速コーナーのブレーキ ングや豪快なコーナリングを得意としてい たので、そうしたパートを盛り込めるよう 意識しました」と鷹巣コース委員長。 「もちろん、たとえば上段から下段に戻る

今回の競技役員の皆さん

「元々はダートラ場として開場して6年、ジムカーナ 場になって30年以上経ちますがその間、転倒車が 出たのは5〜6台程度です」と神生さん。安全への 配慮は抜かりない。

競技長 神生恭利さん いわずと知れた“茨中”の コースオーナーにして今回 の競技長。5年前から始め た「エンジョイジムカーナ」 (クローズド格式・今年は 年3回開催)は満員御礼の 人気を博すなど、クラブ一 丸となってBライ競技の振 興に尽力している。

コース委員長 鷹巣義幸さん

鮮やかなカラーリングの DC2で切れ味鋭い走りを見 せてくれた元全日本ジムカー ナのトップスラローマー。

計時委員長 成島かずよしさん

SW20で栃茨シリーズを制 したこともあるスラロー マー。ICC・Sではベテラン の一人で、ここ数年は計時 委員長を担当するのが常に なっている。 救急委員長 平川龍一郎さん 成島さんと並ぶICC・Sの ベテランクラブ員。新型車 でジムカーナに出るのが信 条で、現在もBRZで関東 チャンピオン戦等に参戦。

技術委員長 石崎秀雄さん

国内ラリー界では知らぬ者 のいない敏腕メカニック。

ショップ経営のほか、現役 ドライバーとしてラリーにも 参戦中。

ような場所ではその手前で2本のパイロン をS字のようにクリアして下るよう、トッ プスピードではなく加速中に下りに入るよ う配慮したり、下段の方でもすぐに1本の パイロンを回り込むようにコーナリングす ることで、下りの途中からブレーキングを 意識する必要を設けるなど、安全性にも配 慮した設定としています」

そしてこの日、朝の車検から2名1組、4 チームのメンバーを率いて全80台の車検 をこなし、2本目走行終了後には補助に 入った鷹巣コース委員長とともに上位入賞 選手の再車検をこなしたのは、技術委員長 の石崎秀雄氏だ。

基本的に、2本目の走行を終え暫定リザ ルトで上位入賞が確定した車両は、再車検 の指定を受けパドックに設置された再車検 場へと集合。そこで角材を使用した最低地 上高の計測から始まり、車検証記載の車体 番号と競技車両の照合、ジャッキアップし

てタイヤを外してから、スプリングのたわ みがないかなど検査を進めていく。

事務局長 赤羽英喜さん 休む暇なく動き回っていた 赤羽さんも1980〜1990年 代にかけて、ジムカーナに 明け暮れた一人。最近、 DC2をまた購入して競技 に復活したとか!?

「細かくていやらしいセクションは、スラローマーでもある今回の事 務局長にすべて任せた(笑)」と鷹巣委員長。ジムカーナ競技の経 験が豊富な仲間達が競技会を支える。

「それ以外に、朝の申し送り(技術ミー ティングや審査委員会)やJAFからの特記 事項などがあれば、そちらも確認していく 形になります。こうした地区戦レベルにな ればあまりないのですが、ライセンスが取 りやすくなったことも影響してか、チーム に属さず活動を続ける方の中にはこうした 車検で当たり前とされる事案や、そのシー

59

多忙な一日となった赤羽事務局長だが、「いかに参加者の皆さ んにストレスなく競技に没頭して頂くかが使命ですから。時に 担当の長が掴まらずサインがもらえない…なんてこともありま すが、それは些細なこと、くらいに思わないと(笑)」と話す。

ズンに固有の情報など、共有が行き届いて ない方も見受けられます。新規参入を促す メリットは確かにあるんですが、チームに 属さず情報が得られない環境で活動するの は、少しもったいない気もしますね」

そうした指摘は、何も車両整備の分野だ けに留まらない。今回、コース試走に相当 するデモランも担当し、競技開始後はコー ス脇に設定されたポストのうちのひとつで コースマーシャルも務めた全日本トップラ ンカーである山越義昌選手は、オフィシャ ル経験がドライバーとしての自分の成長に もつながる可能性を指摘する。

「やはり上手な人の走りを一番近くで見ら れるわけですから。自分の考え方にはない ライン取りやターンのやり方など、参考に なる部分はあります」

事実、この日はICCの上段と中段を隔 てる1m弱の土手部分にある3番ポストで、

今回の参加台数は80台。2段に分かれる分、豊富なコースバリエーションが取れる“茨中”の今回のコースは1分40秒 前後と、パイロンジムカーナとしては長めの設定だった。7時ゲートオープンの後、50分間の車検と45分間の慣熟歩行 を終えた後、選手は2本の決勝走行に挑んだ。“茨中”育ちのオフィシャルが多く、競技運営もスムーズに行われた。

マシンの通過位置に合わせて、その都度立 ち位置を丁寧に移動しながらパイロンタッ チを確認していた山越選手は、PN3クラス の中盤、上段・下段の折り返しの都合上、 どうしてもコース修正が間に合わない状況 で素早く赤旗掲出を指示。エントラントの 再走に向け、ダメージを最小限に留める配 慮を見せていた。

前述したように、ロングコース設定と なったこの日は1本目前半からパイロン タッチやミスコースが頻発。エントラント の中からも「難しい」「覚えられない」など悲 鳴の声が聞こえた。しかし、コース委員長 の鷹巣氏はこうも付け加え た。

「僕もただドライバーとし て走っていただけの頃は、 やれ難しいだの、ありえな い設定だの、文句ばかり 言っていたんですよ(笑)。

でもオフィシャルを経験し てからは、イベントがどの ように運営されて、コース 設計者がどんな意図を持っ てそこにパイロンを置いた

こうした視点で物事を見られるドライ バーが、いつまでも“遅いまま”では終わ らないだろうことは想像に難くない。幸い、 Bライセンス保持者であればオフィシャル

全日本ジムカーナでも意外性の あるスラローマーとして知られ る山越義昌選手が今回はコース オフィシャルを担当。際どい判 定もしっかりと目を凝らして ジャッジしていた。

のか、なんとなくその背景 が見えてくるようになった。 するとライン取りも、ター ンの回し方も、コース攻略 の仕方自体が変わってくる ようになったんです」

選手として出るラリーはグラベルが多い“土系”でもある石崎 委員長。「ジムカーナ車両はきれいなので足回りの確認がしや すくていいですね(笑)」と本音もポロリ。

として参加可能な公認審判員ライセンス B3級は申請すればすぐに取得可能だ(委員 長業務はB2級が必要)。

走行会に参加するだけが速くなる方法 ……ではなく、スキルアップの近道は意外 とこんなところにも隠れていそうである。

60

モータースポーツ振興に寄与する取り組みを行う 全国各地の組織の活動を紹介するこのコーナー。 今回は栃木で開催されたレッスン会をご紹介!

フォト&レポート/JAFスポーツ編集部、イラスト/高梨真樹

「ジムカーナに学ぶドライビングレッスン会 in もてぎ」

開催日:2018年2月25日

木県のツインリンクもてぎ南 コースでは、「ジムカーナに学 ぶドライビングレッスン会 in もてぎ」が毎年開催されている。これはモ ビリティランドの協力により、JMRC栃 木ジムカーナ部会とJAF栃木支部が共同 で行っている初心者向けイベントで、今回 はJMRC栃木・茨城ジムカーナシリーズ 第1戦の終了後に行われた。

この会の特徴は、基本的な操作を学べる 複数のセクションを愛車で走りながら、ジ ムカーナを戦う現役選手からレクチャーを 受けられる事。今回の講師は西野洋平選手 や河本晃一選手、松本悟選手ら地元の全日 本ジムカーナドライバー達が担当した。

そして、希望者はその場でBライセンス 講習会も受講できるのも出色で、ジムカー ナの公認競技会、練習会、初心者向けレッ スン、Bライ講習会をワンデーでパッケー ジ化して、コース利用方法を始めとした、 限られたリソースの有効活用を行っている 事も大きな特徴となっている。

レッスンはコース内に設定されたスラロームや定常円旋 回、8の字ターン、スタート練習&急制動に加えて、ミニジ ムカーナコースを順番に走る構成。平坦かつ広大なもてぎ 南コースならではの充実した設定だった。

開催地:ツインリンクもてぎ南コース(栃木県芳賀郡) 主催:アクティブモータースポーツクラブ、JAF栃木支部 午前中にJMRC栃木・ 茨城ジムカーナシリー ズを主催したアクティ ブモータースポーツク ラブの清島氏。「県シ リーズは台数も少なく なってしまったので、大 会終了後に何かできな いかと思ってJAF栃木 支部さんと共同で始め たのがこのレッスンな んです」と語る。

アクティブモーター スポーツクラブ 清島康伸氏

4つのグループに分かれ、1グループに2名の講師が担当 する豪華な内容。現役選手とダイレクトに話せる事から、 基本から実践まで参加者の質問も多岐に渡った。

講師は全日本や関東地区戦の現役ドライバー達が担 当。運転姿勢の取り方やスムーズな走らせ方、走りに元 気のない人には気合の入れ方指導まで、参加者のレベ ルや要望に応じて、きめ細かな指導を行っていた。

参加者は、講師のクルマに連なって次のセ クションまで移動する方式。隣のセクション が霞むほど、もてぎ南コースは広大だ。

スラロームや急制動は日常では試すことがで きないため、ハンドル操作とペダル操作に特 化したこのセクションは好評を博していた。

レッスンの最後には講師陣のジムカーナ本番 車のサイドシートに乗れる同乗走行も実施。 何と受講者全員が乗れる嬉しい特典だった。

レッスンが終わると希望者に対するBライセ ンス講習会も開催された。レッスン参加者の 多くが受講して関心の高さを伺わせた。

大木敏正さん[アウディA4アバント] 「自分は若い頃に職業ドライバーをやってまし て、その時に培った運転操作がどのくらい衰 えているのかを知りたかったので、参加してみ ました。若い頃も似たようなトレーニングをし てたのでちょうど良かったんですが、やっぱ り、ちょっと衰えてましたね(笑)」

山本宣顕さん[インプレッサ]/

山本一見さん[レガシィB4 RSK] 「叔父の影響でモータースポーツ を知りました。自分たちも富士や もてぎでスーパーGTを観戦して いて、『レースっていいなあ』とか 『走れる何かをやってみたいな』と 思ってました。このイベントを知っ て、ホントはスーパーGTに出たい けど(笑)、まずは自分のクルマで 『出ることから始 めよう』と思って 二人で参加した んです」

浅野京子さん[トヨタ86]

「以前はヒーローしのいでダートを走ってい たんですが、やめてから何もしてなかったの で、クルマをちゃんと動かせるようになりた いなと思って参加しました。でも妊娠したこ とがわかったので、Bライ講習会も受けたん ですが、活動はちょっとお休みです(笑)」

モータースポーツ活性化を目指すクラブチームの飽くなき取り組み
広大な“もてぎ南”をフル活用! ジムカーナに学ぶ濃厚レッスン
61

国内Bライセンス競技 シリーズ参戦ガイド

春の訪れとともに2018年のモーター スポーツシーズンも本格的にスタート した。でもこれから車両製作や車両選 びを始めて、参加したいシリーズを探 してみようというビキナーも多いは ず。最寄の地区の入門に最適なシリー ズを紹介してみました。

北海道

ダートラジュニアシリーズは 参加しやすいATクラスも用意する

雪国北海道らしく例年、1月には開幕するJMRC北 海道ラリーシリーズは、雪、グラベル、舗装とオールラ ウンドな走りが身につくシリーズ。ビギナーにオスス メなのが、3クラスに分かれたジュニア部門とK Carク ラスだ。全戦、JAF北海道ラリー選手権と併催される ので、長いSSを走る場合もあるが、上記の4クラスは SS総距離が30kmまでと決められているため、初心者 に無理をさせない設定となっている。

ジムカーナはJMRCシリーズのミドル部門がビギ ナーにはオススメ。全クラス、通称Sタイヤの使用は 禁止なのでローコストで楽しめる。今年から86及び

スノーイベント も北海道なら では。シーズン オフはほんの つかの間だ。

東北

ラリーシリーズや雪をグラベル好きの人 に最適。サーキットトライアルも始まる

東北の入門ラリーシリーズといえば当然、JMRC東 北ラリーシリーズとなる。第2戦以降はすべてJAF東 日本ラリー選手権と併催となるため、関東のラリースト 達と腕試しもできる。東北シリーズの特長はグラベル が多くことで、今年の残す3戦もすべてグラベルラ リーとなる予定だ。なかなかダートを走ることのでき ない関東のラリースト達にもオススメのシリーズだ。

ジムカーナはJMRC東北シリーズが入門者には最

BRZ限定のクラスが新設された。会場もパイロン主体 の新千歳とコースジムカーナのスナガワの2会場に分 かれるためオールラウンドな走りを磨ける。一方、サー キットトライアルは今年も十勝スピードウェイで3戦 行われる。十勝はJMRCシリーズにも一戦組み込まれ ているが、サーキットをもっとたくさん走りたいスラ ローマーにもオススメだ。

RALLY

2018JMRC北海道ラリーシリーズ

●第1戦 1/14 千歳市 Snow ●第2戦 2/18 千歳市 Snow

●第3戦 5/13 陸別町 Tarmac ●第4戦 7/15 砂川市 Gravel ●第5戦 7/29 道央 Mix ●第6戦 9/1〜2 蘭越 町 Grave●第7戦 10/6〜7 陸別町 Gravel クラス=チャンピオン部門/RA-5、RA-4、RA-3、RA-2、RA-1。ジュ ニア部門/RA-5、RA-4、RA-3。K-Car。 HP http://jmrc-hokkaido.org/

GYMKHANA/CIRCUIT TRIAL 2018JMRC北海道ジムカーナシリーズ

●第1戦 4/8 新千歳 ●第2戦 5/6 新千歳 ●第3戦 6/3 砂川 ●第4戦 7/8 砂川 ●第5戦 8/12 新千歳 ●第6戦 9/9 十勝●第7戦 10/7 新千歳

新千歳=新千歳モーターランド(千歳市)、砂川=オートスポーツラン ドスナガワ(砂川市)

クラス=チャンピオン部門/PN-1, PN-2, SH-1, SH-2, SC。 ミド ル部門/R-1, R-2, R-Eco。 HP http://jmrc-hokkaido.org/

適。全9戦中6戦が地区戦と併催で、岩木山スキー場 で開催される残り3戦はCMSC青森ジムカーナとW タイトル戦となる。コースジムカーナが多いシリーズ の中にあってフルパイロンの岩木山は、パイロンワー クが磨ける唯一のコースだ。また第3戦は青森のモー ターランドSPでの開催。北東北のスラローマー達の 新たなメッカとなることを期待したい。

クラスは1000ccを境に駆動方式等で4つのクラス に分け、Sタイヤ装着車は全車、5クラスにエントリー

RALLY

JMRC東北ラリーシリーズ

●第1戦 1/27〜28 秋田 スノー、アイス、ターマック●第2

戦 6/16〜17 秋田 グラベル●第3戦 7/14〜15 青森 グラベ ル●第4戦 8/4 秋田 グラベル クラス=B2, B3, B4。※AE車両はB2クラスに含む。 HP http://jmrct-rally.com/

GYMKHANA/CIRCUIT TRIAL

JMRC東北ジムカーナシリーズ

ダートトライアルは今年もスナガワ、新千歳を主戦場 とするJMRCシリーズのジュニアクラスが入門にはオ ススメだ。駆動方式で2クラスに分ける形だが、AT車 のクラスも2クラス設定するなど敷居を下げてくれて いるのは嬉しいところだ。冬は2戦組まれるのが恒例 だったが今年は糠平湖の一戦のみ。雪解けを待って 本格的なシーズンがスタートする。

2018TOKACHI サーキットトライアル

●第1戦 5/20 十勝 ●第2戦 7/22 十勝 ●第3戦 10/14 十勝 全戦、十勝スピードウェイ(河西郡更別村)にて開催。 クラス分けは十勝スピードウェイのホームページ http://tokachi.msf.ne.jp/をご覧下さい。

DIRT TRIAL

2018JMRC北海道ダートトライアルシリーズ

●第1戦 1/28 糠平湖 ●第2戦 4/15 新千歳 ●第3戦 4/29 砂川 ●第4戦 5/20 砂川 ●第5戦 6/10 新千歳● 第6戦 6/24 イースト●第7戦 7/22 新千歳 ●第8戦 8/5 砂川●第9戦 8/26 砂川 ●第10戦 9/30 砂川 糠平湖=糠平湖氷上特設コース 、新千歳=新千歳モーターランド(千 歳市)、砂川=オートスポーツランドスナガワ(砂川市)、イースト= イーストジャパンオフロードスタジアム(河東郡士幌町) クラス=チャンピオン部門/FF-1, FF-2&4WD-1, RWD, 4WD-2。 ジュニア部門/J-1, J-2, AT-1, AT-2。  HP http://jmrc-hokkaido.org/

となる。また今年からスポーツランドSUGOで復活の 東北地区のJAFサーキットトライアル選手権も4戦が 組まれる。高速テクニックを磨きたいスラローマーに もオススメだ。

ダートトライアルは全戦、地区戦とWタイトルとな るJMRCチャンピオンシリーズが用意されている。主 戦場は切谷内だが、福島のヱビス、栃木の丸和も組ま れている。初級者はまずは最寄のコースにチャレンジ してみよう。

クラス=1, 2, 3, 4, 5, 6。

HP http://jmrct-g.com/ 菅生サーキットトライアル選手権

●第1戦 5/12●第2戦 7/28●第3戦 8/26●第4戦 9/30 会場はすべてスポーツランドSUGO(宮城県村田町) クラス=BD1, BD2, BD3, BD4, PN1, PN2, PN3, PN4, AE。 HP http://www.sportsland-sugo.co.jp/

DIRT TRIAL

2018JMRC東北ダートトライアルチャンピオンシリーズ

レースではすっかりお馴染みのSUGOだが、サーキット トライアルの地区戦は初開催だ。

●第1戦 3/25 SUGO西●第2戦 4/8 ヱビス西●第3戦 6/3 ML SP●第4戦 6/10※ 岩木山●第5戦 6/24 ヱビス西● 第6戦 7/1※ 岩木山●第7戦 7/22 SUGO西●第8戦 9/2※ 岩木山●第9戦 10/7 SUGO西 ※'18CMSC青森ジムカーナ併催。SUGO西=スポーツランドSUGO 西コース(宮城県村田町)ヱビス西=ヱビスサーキット西コース(福 島県二本松市)、ML SP=モーターランドSP(青森県南部町)、岩木山 =岩木山スキー場(青森県弘前市)

●第1戦 4/1 ヱビス●第2戦 4/22 切谷内●第3戦 5/20 ヱ ビス●第4戦 7/1 丸和●第5戦 7/22 切谷内●第6戦 8/26 切谷内●第7戦 9/16 切谷内 ヱビス=ヱビスサーキットダートトライアルコース(福島県二本松 市)、切谷内=サーキットパーク切谷内(青森県五戸町)、丸和=丸和 オートランド那須(栃木県那須塩原市)

クラス=S0, S1, S2, D。

HP http://jmrct-d.com/

2018
62

関東

ジムカーナはまず最寄の入門シリーズ からチャレンジするのがオススメだ

国内最大のBライセンスホルダー数を誇る関東地 区だけに、今年も多くのシリーズが用意されている。  まず「走れるラリー」は今年も群馬戦と長野戦が各 5戦ずつ開催。またスケジュールが合わずひとつのシ リーズを集中して追えないというラリーストには、両シ リーズとWタイトル戦となる関東シリーズを追うのも

RALLY

2018JMRC関東ラリーシリーズ

●第1戦 4/14〜15※1★ 群馬、埼玉 ●第2戦 5/13※1 群 馬 ●第3戦 5/26〜27※2★ 長野 ●第4戦 6/16〜17※

2 長野 ●第5戦 7/28※2 長野 ●第6戦 9/1〜2※

1 群馬●第7戦 9/8〜9※2★ 長野 ●第8戦 9/22〜23

※1 群馬 ●第9戦 9/29〜30※2★ 長野●第10戦 10/27〜28※1★ 群馬

※1=群馬ラリーシリーズと共同開催。※2=長野ラリーシリーズと共 同開催。★=JAF東日本ラリー選手権と共同開催。

クラス=A, B, C。

HP http://www.kanto-rally.jmrc.jp/ JmrcKantoRallySection/index.html

2018JMRC関東 群馬ラリーシリーズ

●第1戦 4/14〜15※ 群馬、埼玉 ●第2戦 5/13 群馬 ●第3

戦 9/1〜2 群馬●第4戦 9/22〜23 群馬 ●第5戦 10/27〜28※ 群馬 ※=JAF東日本ラリー選手権と共同開催。

クラス=A, B, C。

HP https://www.gunma-rally.com/

2018JMRC関東 長野県ラリーシリーズ

●第1戦 5/26〜27※ 長野 ●第2戦 6/16〜17 長野 ● 第3戦 7/28 長野 ●第4戦 9/8〜9※ 長野 ●第5戦 9/29〜30※ 長野 ※=JAF東日本ラリー選手権と共同開催。

クラス=下記ホームページを参照下さい。

HP http://rally-nagano.com/ 2018関東デイラリーシリーズ

●第1戦 2/25 神奈川 ●第2戦 4/22 茨城 ●第3戦 5/13 千葉●第4戦 6/3 栃木 ●第5戦 7/8 茨城●第6戦 9/16 東京/山梨●第7戦 10/14 茨城 ●第8戦 11/4 千葉●第

9戦 11/24 長野

クラス=E(エキスパート), B(ベーシック), C(チャレンジ)。

HP http://www.day-rally.com/

GYMKHANA

2018JMRC栃木・茨城ジムカーナシリーズ

●第1戦 2/25 もてき南 ●第2戦 4/1 もてぎマルチ ●第

3戦 6/10 DP那須●第4戦 7/15 もてぎマルチ ●第5戦 8/19 茨城中央●第6戦 9/9 もてぎマルチ●第7戦 10/21

DP那須

もてぎ南=ツインリンクもてぎ南(栃木県茂木町)、もてぎマルチ=ツ インリンクもてぎマルチコース(栃木県茂木町)、DP那須=ドライビ ングパレット那須(栃木県那須塩原市)、茨城中央=茨城中央サー キット(茨城県石岡市)。

クラス=PN1, PN2, PN3, PN4。AE。NT2, NT-K, NT1500, NTF, NTR1, NTR2, NT4。S2, S4, SC/D。ファースト, チャレンジK, チャ レンジ, チャレンジ特設。

HP http://tochiibagym.web.fc2.com/

全国を転戦するシリーズ

人気のTGRラリーチャレンジは 北海道、九州でJoint cupも開催

昨年は過去最高の参加台数を記録したTGRラリー チャレンジは、今年はさらにスケールアップして開催さ れる。まず北海道と九州で各地区の地区戦と併催され る形で新たにTGRラリーチャレンジ・ジョイントカッ プシリーズが開催される。上位入賞者は11月に静岡 すそので開催される特別戦に参加が可能になる。また 従来のTGRラリーチャレンジは単独開催のオリジナ ル戦と地区戦と併催となるカップ戦の全11戦を東西2 つのシリーズで開催。今年は八ヶ岳茅野が新たに加 わった。全日本と併催の最終戦新城は上級者向けの 大会として実施される形になる。

一考の価値ありだ。地区戦と併催のラリーもあるので 走り応えも十分だろう。また計算ラリーのデイラリー シリーズも9戦が開催される。今年はクラス分けが変 わったのでチエックしておきたい。

ジムカーナは6つのエリアに分かれたビギナー向け のシリーズが設定されている。クラス分けは基本的に は共通。これに各シリーズごとに独自に設定されたク ラスが加わる形だ。また富士のジムカーナコースを走 り込みたい人にはTMSC富士ジムカーナシリーズが オススメだ。トヨタ系クラブの開催だが、クラス分けは JMRCシリーズとほぼ共通。トヨタ車ワンメイクのク ラスは3クラスに分かれる。

2018JMRC埼群ジムカーナシリーズ

●第1戦 4/8 筑波 ●第2戦 5/20 宝台樹 ●第3戦 6/24 筑波●第4戦 7/22 宝台樹 ●第5戦 9/2 宝台樹●第6戦 9/23 宝台樹●第7戦 10/14 宝台樹 筑波=筑波サーキットジムカーナ場(茨城県下妻市)、宝台樹=宝台樹 スキー場駐車場(群馬県みなかみ町)。

クラス=PN1, PN2, PN3, PN4。NT-K, NT1500, NTF, NTR1, NTR2, NT4。S2, S4。86&BRZチャレンジ, ロードスターチャレンジ, フレッ シュマンFF, フレッシュマンRD, フレッシュマン4W。

HP http://motor.geocities.jp/sai_gun_gymkhana/ 2018JMRC千葉・東京ジムカーナシリーズ

●第1戦 3/18 浅間台 ●第2戦 4/8 浅間台 ●第3戦 5/20 浅間台●第4戦 6/10 浅間台 ●第5戦 7/29 浅間台 ●第6戦 9/2 浅間台●第7戦 10/21 浅間台 浅間台=浅間台スポーツランド(千葉県香取市)。

クラス=PN1, PN2, PN3, PN4。NT-K, NT1500, NTF, NTR1, NTR2, NT4。S2, S4。SC/D。NS, JOY。

HP JMRC東京 https://jmrctokyo-g.com/  JMRC千葉 http://www.chiba-gymkhana.com/ 2018JMRC神奈川ジムカーナシリーズ

●第1戦 4/1 富士7番P ●第2戦 5/13 富士7番P●第3 戦 9/2 富士7番P●第4戦 10/7 富士G 富士7番P=富士スピードウェイ7番パーキング(静岡県小山町)、富 士G=富士スピードウェイジムカーナコース(静岡県小山町)。

クラス=PN1, PN2, PN3, PN4。NT-K, NT1500, NTF, NTR1, NTR2, NT4。S2, S4。EV。CL1, CL2, CL3, LB, 特別クラス。

HP http://akabeco.toypark.in/kanagawa/ 2018JMRC新潟ジムカーナシリーズ

●第1戦 5/6 R-spec ●第2戦 5/20 SP新潟 ●第3戦 6/10 胎内●第4戦 7/15 R-spec ●第5戦 9/2 胎内●第 6戦 10/14 R-spec●第7戦 10/28 SP新潟

クラス=PN1, PN2, PN3, PN4。NT-K, NT1500, NTF, NTR1, NTR2, NT4。S2, S4。NT1, NT2, F, F(Kカー), F(AT), F(ロードスター), F (特設クラス)。

R-spec=R-spec柿崎(新潟県上越市)、SP新潟=スピードパーク新潟 (新潟県胎内市)、胎内=胎内スキー場第3駐車場(新潟県胎内市)。 HP http://seesaawiki.jp/w/ngk2006/ 2018JMRC甲信シリーズ

●第1戦 4/22 さるくら ●第2戦 5/27 さるくら ●第3戦 6/24 清里●第4戦 7/15 R-spec ●第5戦 8/26 さるくら ●第6戦 10/28 清里 さるくら=さるくらモータースポーツランド(長野県飯田市)、清里= 清里ハイランドパーク(山梨県北杜市), R-spec=R-spec柿崎(新潟 県上越市)。

クラス=PN1, PN2, PN3, PN4。NT-K, NT1500, NTF, NTR1, NTR2, NT4。S2, S4, SC.D。CF, CR1, CR2, C4, CK, 特設(グループ参加)。

HP https://ameblo.jp/jmrc-kousin TMSC富士ジムカーナシリーズ2018

TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge

TGR Rally Challenge2018東シリーズ

●第1戦 4/22 長野(オリジナル戦)●第2戦 6/24 群馬 (オリジナル戦) ●第3戦 7/15 青森(カップ戦)●第4戦

7/29 北海道(カップ戦)●第5戦 9/23 福島(オリジナル

戦)●第6戦 11/4 愛知(全日本併催)

TGR Rally Challenge2018西シリーズ

●第1戦 3/25 広島(カップ戦)●第2戦 5/27 福井(オリ ジナル戦) ●第3戦 8/26 京都(カップ戦)●第4戦 9/9 佐賀(カップ戦)●第5戦 10/21 富山(カップ戦)●第6戦

サーキットトライアルは今年も地区戦が筑波で開催 されるほか、筑波伝統の東関東シリーズも5戦を開催。 もちろん超高速トライアルとして人気のFISCOスペ シャルステージトライアルもあと2戦開催される。  ダートトライアルは関東の主要なコースを体験でき る関東シリーズが今年も全10戦組まれる。1500ccま でのN車両とPN1車両が対象のN1500&PN1クラス がビギナーにはオススメ。また北関東のドライバーに は長野県シリーズもオススメだ。多様なレイアウトが 採れるモーターランド野沢をきっちり走り込める。関 東ではこのほか、千葉、神奈川でクローズド格式のシ リーズが開催される。HP等で情報をチェックしたい。

●第1戦 3/18 富士G ●第2戦 5/27 富士G ●第3戦 9/23 富士G●第4戦 10/28 富士G 富士G=富士スピードウェイジムカーナコース(静岡県小山町)。

クラス=PN1, PN2, PN3, PN4, PN5。NT-K, NT1500, NTF, NTR1, NTR2, NT4。S2, S4。トヨタ-1, トヨタ-2, トヨタ-3, ハイブリッド、 クローズド。

HP http://toyota-motorsports-club.jp/

CIRCUIT TRIAL

筑波サーキットトライアル選手権

●第1戦 4/8●第2戦 5/5●第3戦 6/10●第4戦 9/24●第 5戦 11/23

会場はすべて筑波サーキット(茨城県下妻市)

クラス=BD1, BD2, BD3, BD4, PN1, PN2, PN3, PN4, AE。

HP https://www.jasc.or.jp/

東関東サーキットトライアルinつくばSr戦

●第1戦 2/4●第2戦 4/7●第3戦 6/16●第4戦 9/24●第

5戦 11/23

会場はすべて筑波サーキット(茨城県下妻市)

クラス=NT1, NT2, NT3, AT, クローズド

HP http://www.geocities.jp/tmac_mp/ FISCOスペシャルステージトライアル

●第1戦 3/10●第2戦 9/15●第3戦 12/22 会場はすべて富士スピードウェイ(静岡県小山町)。

クラス=NS-1, NS-2, 86&BRZ, NS-3, NS-4, NS-5, NS-6, クローズド。 HP http://www.fsw.tv/driving/sst/index.html

DIRT TRIAL

2018JMRC関東ダートトライアルシリーズ

●第1戦 3/4 丸和 ●第2戦 4/8 千葉 ●第3戦 4/29 新 潟●第4戦 5/20 丸和 ●第5戦 6/3 野沢●第6戦 6/24 野沢●第7戦 7/15 那須 ●第8戦 8/5 新潟●第9戦 9/9 新潟●第10戦 9/23 那須 丸和=丸和オートランド那須(栃木県那須塩原市), 千葉=オートラン ド千葉(千葉市若葉区), 新潟=トライアルゾーン新潟(新潟県三条 市), 野沢=モーターランド野沢(長野県野沢温泉村)。

クラス=N1500&PN1, PN2, N1, N2, S1, S2, D。

HP http://www.jpn01.com/jmrcks2/ 長野県ダートトライアルチャンピオンシリーズ

●第1戦 5/13 野沢 ●第2戦 6/10 野沢 ●第3戦 9/16 野沢●第4戦 9/30 野沢●第5戦 10/21 野沢 野沢=モーターランド野沢(長野県野沢温泉村)。

クラス=クラス1, クラス2, クラス3, クローズド。

HP http://jmrc-nagano.org/dirt/

戦 5/26 福岡●第4戦 7/14〜15 佐賀 ●第5戦 9/8〜9 佐賀●第6戦 10/6〜7 大分

HP https://toyotagazooracing.com/jp/rallychallenge/ マツダファン・サーキットトライアル  全国を転戦するマツダ車ワンメイクのサーキットト ライアルは細かなクラス分けが参加者には嬉しい。

●第1戦 4/14 SUGO ●第2戦 6/23 岡山国際 ●第3戦 7/8 AP●第4戦 9/1 筑波 ●第5戦 9/24 富士●第6戦 11/24 岡山国際

SUGO=スポーツランドSUGO(宮城県村田町), 岡山国際= 岡山国際サーキット(岡山県美作市), AP=オートポリス(大 分県日田市), 筑波=筑波サーキット(茨城県下妻市), 富士= 富士スピードウェイ(静岡県小山町)。

クラス=デミオ, アクセラ, ロードスター, RX-8等のマツダ 車を車種・エンジン別に17クラスに分け、各クラスをさらに 改造範囲によってNORMAL/TUNEDの2クラスに分ける計 34クラス。他にクローズドクラスあり。 HP http://circuittrial.mazda-fan.com/index.html

11/4 愛知(全日本併催)
北海道 ●第1戦 1/14 ●第2戦 2/18 ●第3戦 5/13 ●第5戦 7/29 ●第6戦 9/1〜2 ●第7戦 10/6〜7 九州 ●第1戦 3/24〜25 福岡 ●第2戦 4/21〜22 宮崎 ●第3
TGR Rally Challenge Joint Cup2018
63

国内Bライセンス競技シリーズ参戦ガイド

中部

ジムカーナ/ダートラともに

ふたつのミドルシリーズを用意

中部地区の入門ラリーシリーズはJMRC中部チャレ ンジシリーズ。全3戦、JAF中部近畿ラリー選手権の 中部ラウンド及びチャレンジシリーズの上級シリーズ となるJMRCチャンピオンシリーズとの併催となる。

このクラスはドライバーに参加制限があり、過去5年 以内に全国のJMRCシリーズ及び全日本・地区戦で シリーズ3位以内に入ったドライバーは参加できな い。クラス区分は特になく、ビギナーがまずは腕一本 で切磋琢磨するシリーズとなっている。ここで実績を 積んだらチャンピオンシリーズにステップアップしよ

う。今年は北陸地区での開催はなく、3戦とも東海地 区が舞台になる。路面は舗装が主体となる予定なの で、アンダーガードなどの装備も必要はない。街乗り のクルマで思い切ってチャンレンジしてみよう。

ジムカーナは今年も東海、北陸のふたつのミドルシ リーズが用意される。東海シリーズは愛知県の美浜、 キョウセイというコースジムカーナ主体のコースが主

会場となり、北陸はともにパイロンジムカーナの富山の イオックスと石川の大日スポーツランドが舞台となる。 注目されるのはふたつのシリーズの最終戦がともに滋 賀の奥伊吹スキー場でWタイトル戦として行われる こと。中部のミドルナンバーワンを決める一戦として 大いに盛り上がりそうだ。

またこのミドルシリーズには、メインに戦っているシ リーズから遠征でもうひとつのミドルシリーズにス ポット参戦した場合(例えば普段は東海シリーズを 追っている選手が北陸シリーズに参加)でも、メインに 戦っているシリーズのポイントとして追加申請できる パワーポイント制があり、シリーズ間の交流を図って いる。

ダートトライアルも、東海/北陸とふたつのミドル シリーズを設定している。東海シリーズは全戦、地区

RALLY

2018JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズ

●第1戦 5/26-27 愛知●第2戦 6/23-24 三重滋賀 ●第

3戦 10/6-7 愛知 クラス=DE-3, DE-4.5, DE-6。

HP http://www.jmrc-chubu.jp/rally/

2018JMRC中部ラリーチャレンジシリーズ

●第1戦 5/26-27 愛知●第2戦 6/23-24 三重滋賀 ●第 3戦 10/6-7 愛知 クラス区分はなし。

HP http://www.jmrc-chubu.jp/rally/

GYMKHANA

2018JMRC中部ジムカーナ東海シリーズ

戦と併催となり、愛知県の池の平ワンダーランドと福 井のオートパーク今庄でそれぞれ2戦ずつが行われ る。クラスは駆動方式の違いで3クラスに分かれる。 池の平はブラインドコーナーが続く林間セクションを 持つが、全日本でもお馴染みの今庄は、硬質な路面を 持つテクニカルサーキットだ。

一方、北陸シリーズは今庄と能登半島の、こちらも全 日本でお馴染みの門前が舞台となる。地区戦との併催 のほかにも単独のイベントとしても開催され、今年は 全9戦のシリーズが組まれる。門前は池の平同様、 コースの半分は林道セクションだが、残る半分はロン グストレートあり、高速コーナーありのダイナミックな セクションが続く。ドラテクはもちろん、度胸も鍛えら れる好コースだ。

2018JMRC中部ジムカーナ北陸シリーズ

●第1戦 4/29 大日 ●第2戦 5/27 大日 ●第3戦 7/1 イオックス●第4戦 8/12 イオックス●第5戦 9/16 大日 ●第6戦 10/14 奥伊吹モーターパーク

大日=大日スポーツランド(石川県白山市)、イオックス=イオックス アローザスキー場駐車場(富山県南砺市)、奥伊吹=奥伊吹モーター パーク(滋賀県米原市)

クラス=S1500, PN-1, PN-2, PN-3, PN-4, RA-1, RA-2, RA-3, RA2000, SA-1, SA-2, SA-3。ストリートクラス1, 同クラス2, 同ク ラス3, EX。

HP http://www.jmrc-chubu.jp/gymkhana/

DIRT TRIAL

2018JMRC中部ダートトライアル東海シリーズ

●第1戦 4/22 池の平 ●第2戦 6/3 今庄 ●第3戦 7/15 今庄 ●第4戦 8/5 池の平 池の平=池の平ワンダーランド(愛知県豊田市)、今庄=オートパーク 今庄(福井県南越前町)、

中部のミドルシリーズは遠征先でもポイントが取れるパ ワーポイント制を活用したい

全日本でもお馴 染みの今庄は東 海シリーズでも舞 台となる。

近畿

スピード競技の入門シリーズはサイフが 厳しい学生のために優しい学割制度を導入

近畿地区のラリーシリーズは全戦、JAF中部近畿ラ リー選手権の近畿ラウンドと併催となるJMRC近畿 SSラリーシリーズと、計算ラリーで競うJMRCアベ レージラリーシリーズのふたつに分かれる。3戦が組ま れるSSシリーズはいずれも舗装が中心となる予定だ

が、第1戦は全日本選手権との併催となる。走行は 1DAYのみだが、来年も今年と同様の形が採られるよ うであればぜひチャレンジしたい。またアベレージシ リーズは日本一レベルの高い計算ラリーシリーズと 言ってもよいほど、その道のスペシャリスト達が揃う。

●第1戦 2/18 美浜●第2戦 3/18 キョウセイ●第3戦 4/8 キョウセイ●第4戦 6/10 キョウセイ●第5戦 7/29 美浜●第6戦 9/9 鈴鹿南 ●第7戦 10/14 奥伊吹 美浜=美浜サーキット(愛知県美浜町)、キョウセイ=キョウセイドラ イバーランド(愛知県岡崎市)、鈴鹿南=鈴鹿サーキット国際南コース (三重県鈴鹿市)、奥伊吹=奥伊吹モーターパーク(滋賀県米原市) クラス=S1500, PN-1, PN-2, PN-3, PN-4, RA-1, RA-2, RA-3, RA2000, SA-1, SA-2, SA-3。EX, CL-1, CL-2。 HP http://www.jmrc-chubu.jp/gymkhana/

クラス=RWD, FWD, 4WD。

HP http://www.jmrc-chubu.jp/darttrial/

2018JMRC中部ダートトライアル北陸シリーズ

●第1戦 4/1 門前●第2戦 4/15 今庄 ●第3戦 5/6 門 前 ●第4戦 7/1 門前 ●第5戦 7/29 門前 ●第6戦 9/9 門前 ●第7戦 9/30 今庄 ●第8戦 10/14 門前 ● 第9戦 10/28 今庄 門前=輪島市門前モータースポーツ公園(石川県輪島市)、今庄=オー トパーク今庄(福井県南越前町)

クラス=クラス1, クラス2, クラス3, クラス4。 HP http://www.jmrc-chubu.jp/darttrial/

とはいっても雰囲気は和やか。ラリーを楽しみたい。  またジムカーナの入門シリーズはJMRCミドルシ リーズ。今年もコースジムカーナの楽しさをたっぷり と味わえる名阪スポーツランドのCコースとEコース が主戦場だが、パイロンジムカーナの姫路と奥伊吹が 一戦ずつ用意される。シリーズを追えばスラローマー に求められる基礎テクニックを身につけられることは 間違いない。開幕戦と奥伊吹の一戦そして最終戦の3 戦が地区戦&JMRCチャンピオンシリーズとの併催に

なる。学生割引があるのも若手には嬉しいところだ。  ダートトライアルは地区戦&チャンピオンシリーズ と併催されるジュニアシリーズから入門したい。今年、 全日本復活のコスモスパークが主戦場で今庄でも2 戦が組まれる。コスモスパークはロングストレート、高 速コーナーからテクニカルなセクションまで多彩な技 が磨けるグラベルコースだ。クラスは後輪駆動・2輪 駆動・4輪駆動の3クラス。こちらも学割制度が用意 されているのでドシドシ走りこもう。

●第3戦 5/27 姫路●第4戦 7/1 奥伊吹●第5戦 7/29 名 阪C●第6戦 8/26 名阪E ●第7戦 10/7 名阪C 名阪=名阪スポーツランドC&Eコース(奈良県山添村)、姫路=姫路 セントラルパーク第5駐車場(兵庫県姫路市)、奥伊吹=奥伊吹モー ターパーク(滋賀県米原市)

クラス=AT, NB1, NB2, NB3, NB4, GT-1500, GT-1586, GT-FWD, GT-RWD, GT-4WD。RT, EXP, RS。

HP http://www.kinkigym.com/

2018JMRC近畿アベレージラリーシリーズ

DIRT TRIAL

HP http://rally2016.webcrow.jp/ GYMKHANA

2018JMRC近畿ダートトライアルジュニアシリーズ ●第1戦 3/25 コスモス●第2戦 4/22 コスモス●第3戦 5/13 今庄●第4戦 6/10 今庄●第5戦 7/15 コスモス●第 6戦 9/9 コスモス●第7戦 9/30 コスモス コスモス=コスモスパーク(京都市右京区)、今庄=オートパーク今庄 (福井県南越前町)

HP http://jmrc.kinkidirt.com/

近畿ミドルの主戦場は名阪スポーツランド。全日本も開 催される近畿のスラローマー達のメッカだ。

2018JMRC近畿ジムカーナミドルシリーズ

4/22

2018
RALLY 2018JMRC近畿SSラリーシリーズ ●第1戦 4/27-29 京都 ●第2戦 8/25-26 京都 ●第3戦 9/15-16 兵庫 クラス=DE-3, DE-4.5, DE-6。
HP http://rally2016.webcrow.jp/
●第1戦 4/15 兵庫 ●第2戦 6/3 京都 ●第3戦 7/7-8 和 歌山 ●第4戦 8/5 和歌山 ●第5戦 9/9 京都 ●第6戦 9/30 奈良 ●第7戦 10/28 京都 クラス区分はなし。
●第1戦 3/18 名阪C●第2戦
名阪E
64

中国

ジムカーナは4つのコースジムカーナ が楽しめる。岡山国際のCTにも注目

JMRC中国・四国ラリーシリーズの中に設定されて いる3つのフレッシュマンクラスがビキナーにはオス スメだ。開幕戦では長らく待たれていた広島県内での 林道SSも実現するなど、明るい話題で始まった今年 のシリーズは高知の一戦も増えて計5戦のシリーズに なる。四国で開催される残り4戦はすべてグラベルラ リーとなる予定で、他地区からもダートを求めてラリー ストが訪れるはずだ。グラベルの経験を積みたい初級 ラリーストには願ってもないシリーズだ。  ジムカーナはJMRCチャンピオンシリーズと併催さ れるフレッシュマンシリーズで腕試ししよう。シリーズ 表彰対象となるFクラスは排気量区分はなく、B、SAX、 SC車両まで参加がOK。慣熟走行ができるので計3 本走れるのも魅力だ。TAMADA、TSタカタ、備北と いった全日本も開催してきたミニサーキットに、今年は 岡山の灘崎が復活した。なお岡山国際では今年から サーキットトライアル選手権も始まる。後半2戦は秋

以降の開催。走り足りなかったスラローマーにもオス スメだ。

ダートトライアルはJMRCチャンピオンシリーズで 腕を磨きたい。メインとなるのはもちろんテクニック

RALLY

2018年JMRC中国・四国ラリーシリーズ

●第1戦 3/25 広島●第2戦 6/2 徳島 ●第3戦 7/28 高知

●第4戦 9/22 愛媛●第5戦 10/20 高知

クラス=FG-1, FG-2, FG-3, FG-4。FA, FB, FC。

HP http://jmrc-chugoku.org/rally/index.html

GYMKHANA / CIRCUIT TRIAL

2018年中国チャンピオンシリーズ/ フレッシュマンシリーズ

●第1戦 3/11 TAMADA ●第2戦 4/15 備北●第3戦 5/6 TSタカタ ●第4戦 6/3 TAMADA ●第5戦 6/24 備北 ●第 6戦 7/22 灘崎●第7戦 9/9 TSタカタ

TAMADA=スポーツランドTAMADA(広島市安佐北区)、備北=備北 ハイランドサーキット(岡山県新見市)、TSタカタ=TSタカタサーキッ ト(広島県安芸高田市)、灘崎=なださきレークサイドパーク(岡山市 南区)、

クラス=チャンピオンシリーズ/BRK, BR2, BR4, PN1, PN2+, SA2, SA4+, CDX。フレッシュマンシリーズ/F, OP, CL。 HP http://jmrc-chugoku.org/gymkhana.html

ステージタカタ。走り込むほどに度胸とウデを磨ける 好コースだ。一方の楠は速度域はタカタほど高くはな いものの、曲る、止まるの基礎テクニックが学べるビキ ナーにオススメのコースだ。

岡山国際サーキットトライアル選手権

●第1戦 4/21●第2戦 6/24●第3戦 10/21●第4戦 12/1

会場はすべて岡山国際サーキット(岡山県美作市)

クラス=BD1, BD2, BD3, BD4, PN1, PN2, PN3, PN4, AE。 HP http://www.okayama-international-circuit.jp/

DIRT TRIAL

2018年JMRC中国ダートトライアル チャンピオンシリーズ

●第1戦 3/4 タカタ ●第2戦 4/8日 タカタ ●第3戦 4/29

楠ハイランドパーク ●第4戦 5/13 タカタ ●第5戦 6/3 タ

カタ ●第6戦 6/24 タカタ ●第7戦 7/22 タカタ ●第8戦 8/26 楠ハイランドパーク ●第9戦 9/23 タカタ タカタ=テクニックステージタカタ(広島県安芸高田市)、楠=楠ハイ ランドパーク(山口県宇部市)

クラス=AE, PN1, N1, SA1, RWD, NS1, SCD1, SCD2, クローズド。 HP http://jmrc-chugoku.org/dirttrial.html

ダートラはビギナーには最適の 香川スポーツランドで腕を磨こう

ラリーに関しては四国がメインとなるJMRC中国・ 四国シリーズのフレッシュマンクラスがオススメだ。 ダートラリーを走り込んでグラベルの攻略法をしっか りとマスターしよう。

ジムカーナは今年も4つのコースをめぐる計8戦の シリーズが用意される。徳島、瀬戸内海は完全なミニ サーキットであるのに対し、全日本も開催されるみか わはフルパイロンコース。たちがわはサーキットでは ないが、コースジムカーナ的な性格が強い競技場だ。 いずれも2戦ずつの開催とあって、オールラウンドな

四国 九州

中国四国シリー ズの四国ラウン ドはたっぷり走 り込めるグラベ ルラリーが揃う。

開幕戦で多くのエントリーを集めた ラリーはチャレンジクラスにトライ!

九州のビギナーラリーストにオススメのクラスは JMRCチャンピオンシリーズの中に設定されている チャレンジ部門。2輪駆動/4輪駆動の2クラスに分か れ、排気量の区分はなく、至ってシンプルなクラス分け になっている。今年も舗装中心の全7戦が組まれ、その 内、5戦が福岡、佐賀で開催される。オーガナイザーは 全日本ラリーの主催経験のある、ラリーに精通したクラ

速さが求められる。地区戦ということもあって特にビ キナー対象のクラスはないが、Sタイヤは使用禁止で B車両までOKのR部門が参加しやすいかもしれない。 同じくSタイヤ禁止のPN部門は2輪駆動のPN車両と 2000cc以下の後輪駆動のN車両が対象。86/BRZ、 ロードスター、スイフトが激突する最大の激戦区だ。  ダートトライアルは香川スポーツランドで5戦を消 化した後、最終戦はタカタというここ数年のパターン が今年も踏襲される。香川は林道と長いストレート、

RALLY

2018年JMRC中国・四国ラリーシリーズ ※中国地区「RALLY」を参照下さい。

HP(JMRC四国ラリーホームページ) http://www. jmrc-shikoku.gr.jp/pages/rally/index.html

GYMKHANA

2018年JAF四国ジムカーナ選手権

●第1戦 3/18 瀬戸内海 ●第2戦 4/08 徳島 ●第3戦 4/22 たぢかわ ●第4戦 5/13 徳島 ●第5戦 6/10 瀬戸内 海●第6戦 7/01 みかわ ●第7戦 8/26 たぢかわ ●第8戦 9/16 みかわ 瀬戸内海=瀬戸内海サーキット(愛媛県西条市)、徳島=徳島カートラ ンド(徳島県吉野川市)、たぢかわ=モーターランドたぢかわ(高知県 大豊町)、みかわ=ハイランドパークかわ(愛媛県久万高原町)

ブが揃っているのも心強い。昨年もコンスタントに30 台弱のエントラントをキープしたが今年の開幕戦は35 台がエントリー。盛り上がりが期待できそうだ。

ジムカーナは、全国に先駆けて全クラス市販ラジア ルタイヤ対象のクラスとするなど、常に時代を見据え たシリーズを用意してきたJMRCジュニアシリーズが もちろんビキナーにはオススメのシリーズ。5戦中3戦

を福岡の恋の浦、2戦を熊本のHSR九州という設定と し、中九州、南九州のスラローマー達も参加しやすい構

RALLY

2018JMRC九州ラリーチャンピオンシリーズ

●第1戦 3/24-25 福岡●第2戦 4/21-22 宮崎●第3戦 5/26 福岡●第4戦 7/14-15 佐賀●第5戦 9/8-9 佐賀● 第6戦 10/6-7 大分●第7戦 10/28 福岡 クラス=RH1, RH2, RH3, RH4, RH5, RH6。チャレンジ1, チャレン ジ2。

HP http://www.jmrc-kyushu.gr.jp/index.html

GYMKHANA

2018年JMRC九州ジムカーナジュニアシリーズ

そしてパイロンが置かれる広場の3つのセクションで 構成されたコース。速度域は高くないが、走りの引き 出しが多くなければ勝てないコースでもある。クラス 分けはN部門とSD部門がそれぞれ2クラスに分かれ る計4クラス。両部門とも排気量制限なしの2輪駆動 車と1600cc以下の4輪駆動車が同一クラスになると いう設定だ。ビキナーは中古のN車両かPN車両でま ずはN1もしくはN2クラスにエントリーするのがいい かもしれない。

クラス=NS1, NS2, PN, RⅠ, RⅡ, RⅢ, RⅣ。AT, クローズド。 HP http://www.jmrc-shikoku.gr.jp/pages/ gymkhana/index.html

DIRT TRIAL 2018年JAF四国ダートトライアル選手権

●第1戦 3/11 香川●第2戦 4/22 香川●第3戦 6/03 香 川●第4戦 6/10 香川●第5戦 7/15 香川●第6戦 9/09 タカタ 香川=香川スポーツランド(香川県さぬき市)、タカタ=テクニックス テージタカタ(広島県安芸高田市)

クラス=N1, N2, SD1, SD2。クローズド。

HP http://www.jmrc-shikoku.gr.jp/pages/ dirttrial/index.html

成としている。今年も全クラス、Sタイヤは禁止だが、 B車両までOKという規定も継続。車両区分では門戸 を広げている。また9/23にはオートポリスでサーキツ トトライアルが開催予定だ。

ダートトライアルは全戦、地区戦と併催のJMRC チャンピオンシリーズがビギナーにはオススメだが、 JMRCジュニアシリーズもクローズド格式で設定され ている。クラブ選びも含めてイチからダートラを始め たいというビギナーには最適のシリーズだ。

HSR=HSR九州(熊本県大津町)、恋の浦=スピードパーク恋の浦(福 岡県福津市)

クラス=B-K1, B-K2, B-FF1, B-FF2, B-FR, B-4WD。

HP http://www.jmrc-kyushu.gr.jp/index.html

DIRT TRIAL

JMRC九州ダートトライアルチャンピオンシリーズ

●第1戦 2/28●第2戦 3/11●第3戦 4/1●第4戦 5/13● 第5戦 6/3●第6戦 7/22●第7戦 8/19●第8戦 9/23

※会場はすべてスピードパーク恋の浦(福岡県福津市)

クラス=N1, N2, FR, S1, S2, S3, C, D, レディース

HP http://jmrc-kyushu.gr.jp/index.html

九州のスピード競技のメッカといえばスピードパーク恋 の浦。ジムカーナ、ダートラともに楽しめる。

●第1戦 3/18 HSR●第2戦 5/27 恋の浦●第3戦

6/24 HSR●第4戦 7/29 恋の浦●第5戦 9/23 恋の浦
65
J A F M O T O R S P O R T S 1967 年 3 月 20日 第 3 種郵便物認可(年 4 2 、 5 8 、 11 1 日発行)第 52巻 第 4号 2018 年 5月 1 日発行 発行人 山口真人 03 ( 5470 ) 1711 (代) 一般社団法人 日本自動車連盟 東京都港区芝大門 1 1 番 30号 0570 ( 00) 2811 (総合案内サービスセンター) 発行所 東京都港区芝大門 1 9 番 9 号 ㈱ J A F メディアワークス 2018 SPRING 254 円+税
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.