睡眠時無呼吸症候群など、現代では多くの人が睡眠障害や睡眠に関する問題を抱えている。本書こうした睡眠の諸問題の動向、最新の睡眠研究の基礎を解説するほか、問題解決のための研究開発事例を紹介している。たとえば第9章では、昨今話題になっている眠気による交通事故や産業事故の増加の解決方法として、生体情報のセンシング技術の応用によって居眠り運転を警告できるシステム開発の研究などが紹介されている。また第11章から第26章では、睡眠自体の改善の取り組みについても述べており、たとえば、「寝具」「光」「香り」「温熱」など、睡眠環境の側面からの改善技術、良質の睡眠を得るための機能性食品や漢方薬の効率よい摂取に関する研究、また臨床の現場から期待されている副作用の少ない睡眠改善薬の開発、睡眠時無呼吸症候群の治療機器の開発など、最新の研究開発事例を紹介している。