【亀梨和也】「怪物の木こり」でサイコパス役に挑戦!演じる上での葛藤と成長を語る

執筆者:杉嶋未来

亀梨和也

今冬、最新主演作『怪物の木こり』が公開される亀梨和也さん。サイコパスという難役に挑んだ感想、作品への思いなどについて聞きました。

profile:亀梨和也
1986年2月23日、東京都出身。06年KAT-TUNとしてCDデビュー。映画やドラマ、スポーツキャスターなど幅広く活躍。近作はドラマ「正義の天秤」、映画『事故物件 恐い間取り』など。

自分と向き合う時間の中でこの作品に巡り合えて感謝

 鬼才、三池崇史監督と初タッグを組むサスペンス『怪物の木こり』で、連続殺人鬼に狙われる主人公の弁護士、二宮彰を演じる亀梨和也さん。二宮は目的のためには手段を選ばず、殺人すらいとわないサイコパスで、自身を執拗に襲う連続殺人鬼をも仕留めようとする狂気を持っている役どころ。

 「僕は浮世離れしたような役が多いんですよね(笑)。世の中の常識的なところより、地に足がついてないような、ちょっと浮いているような役がこれまでも多く、今回はサイコパスというところで、撮影に入る前、監督とどう表現していくのかを話し合いました。こういう特異な役って、どうしてもお芝居をやりたくなっちゃうんですよね。でも、欲望を抑えて、過度にやらない方法でいくと決めたので、迷いなくできてよかったです」 

 連続殺人鬼との死闘の中、二宮の壮絶な過去が明かされていく。亀梨さんは、演じながら二宮をどう捉えたのだろう。

 「とても切ないキャラクターだと思いました。また、人って一体何だろうって考えました。置かれている環境や立場で、人としての歩み方が変わってくるでしょうし、本質的な自分って一体何だろうって。自分はこう生きてきた、こういう人間なんだと思っていた人間が、実は違うって突きつけられてしまう。考えただけでも、辛いなって」  
 
 三池監督は「どこで何をしていても亀梨くんでいないといけない。そう生きてきた亀梨くんの強さが役柄に発揮されている」とコメント。その言葉を受けての印象は?

 「そう評していただくことが多いんですけど、亀梨感が強いんでしょうね(笑)。“亀梨くん”だったら基本何でもできるという感覚です。僕自身は高いところは苦手なんですけど、グループでいったら中丸(雄一)くんが怖がるキャラクターなので譲って、俺は何でもできますよって高いところから飛び降りています。亀梨和也でいるときは嫌だなーって思っているのに、亀梨くんになると怖さが軽減されるんです。芸能生活25年で、今37歳で、生きている中で素の自分より亀梨くんでいる時間のほうが長いんですよね。自分でも不思議だけど、その感覚も偽りではないから、亀梨感が強いのかも(笑)」 

 本作を筆頭に話題作への出演は続く。さらに音楽活動やキャスター業など、ソロ活動でも魅せてくれている亀梨さんの今後の活躍が楽しみだ。

 「自分の欲望っていうより、誰かが楽しんでくれているとか、誰かを満たすことを大切にして、喜びも感じて仕事をしてきました。自分がどういたいのかとか、自分をどう見せるのかとか、僕の中ではデビューして結構すぐなくなっていたし、グループ内でいろいろあったので、自分の思いとか欲を伏せたほうがスムーズにことが運んでいたんです。でも、近年、ついに自分に向き合える時間を取り戻そうと思っている時に、今回のような作品と出会えているので、巡り合わせに感謝です」


information
映画『怪物の木こり』

原作は、第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した同名小説。斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。次のターゲットは、弁護士の二宮彰。しかし、二宮は、犯人をも凌駕するサイコパスだった……。12月1日より全国公開。

Photograph=Yutaro Yamane<TRON>  Styling=Mihoko Sato  Hair&Make-up=Koichi Toyofuku<Good>  Text=Miku Sugishima

※InRed2023年12月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人

杉嶋未来

舞台の制作を経てライターへ。映画、ドラマ、舞台のインタビューをメインに、年間150人以上の俳優を取材。アイドル、音楽、漫画、日本&韓国ドラマなどが好き。小6男児の子育て中。

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