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アヴァンギャルド・チャイナ [アート&デザイン]

大阪・中之島にある国立国際美術館で開催中の『AVANT GARDE CHINA』20 Years of Chinese Contemporary Art(中国当代美術 二十年)を観てきました。

20090308 アヴァンギャルド・チャイナ1.jpg
張洹(ジャン・ホァン)『池の水位を上げる』(1997年、ビデオ約6分)

(企画展チラシより概要紹介)
文化大革命が終わり、それまでの文化的鎖国状態から海外の新しい美術が徐々に中国にももたらされるようになった1979年、表現の自由を求め、北京のグループ星星画会のアーティストたちから始まったと言われる中国の現代美術。
その後も、天安門事件などの政治的状況の変化や市場経済体制への移行などの流れのなかで、中国現代美術も「八五美術運動」と総称される先鋭的なグループの活動、資本主義を揶揄的に扱う「ポリティカル・ポップ」や民主化運動の敗北と挫折を味わった世代による「シニカル・リアリズム」を経て現在にいたっています。

1980年代中ごろからの約20年間の中国現代美術。
欧米、日本ではすでに使わなくなりつつ“前衛”という言葉が中国でようやく積極的な意味を持つようになってきた時代です。

出展作家は50年代半ば~70年代後半の生まれ。
①黄永砅(ホアン・ヨンピン)②王広義(ワン・グァンイー)③張培力(ジャン・ペイリー)④丁乙(ディン・イー)⑤張暁剛(ジャン・シャオガン)⑥方力均(ファン・リジュン)⑦触覚小組(タクタイル・アート)⑧新刻度小組(シンカドゥ・グループ)⑨顧徳新(グ・ダーシン)⑩馬六明(マ・リウミン)⑪張洹(ジャン・ホァン)⑫孫原&彭禹(スン・ユァン&ポン・ユゥ)⑬楊振中(ヤン・ジェンジョン)⑭楊福東(ヤン・フードン)⑮曹斐(ツァオ・フェイ)⑯徐震(シュー・ジェン)

20090308 アヴァンギャルド・チャイナ2.jpg

上段左から①②⑥⑤の作品
下段は⑪⑨⑫⑩⑮

一番印象的だったのは、⑫の『老人ホーム』(2007年作品)
13組の電動車椅子とそれに乗った人物大(老人)の樹脂製の人形。車椅子に座っている老人たちは目を閉じ、力なく上を向いているか俯いて体を傾け椅子からずり落ちそう。お互いの車椅子がぶつかっても知らんぷり。時代に対する虚無感を意味するのか、単なる痴呆症の老人なのか。

他には攻撃的・反抗的な内容の絵②や無表情な人民服の家族を描いた鬱屈した絵⑤、自由の象徴的な表現、ヌードの男女が登場するビデオ作品などがありました。

【おまけ(その頃の中国のエポック)】
1976年 1月 周恩来首相、死亡
    4月 第一次天安門事件
    9月 毛沢東主席、死亡
   10月 「四人組」逮捕
1989年 6月 第二次天安門事件
1997年 2月 鄧小平、死亡
    6月 香港、イギリスから中国へ返還
1999年12月 マカオ、ポルトガルから中国へ返還 

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