ジャーニー (Journey) は1973年にサンタナ・バンドに参加していたニール・ショーン(G)とグレッグ・ローリー(Key,Vo)を中心として、1973年にサンフランシスコで結成している。当時のメンバーはニール・ショーン、グレッグ・ローリー、ジョージ・ティックナー(G)、ロス・ヴァロリー(B)、プレイリー・プリンス(Ds)というメンバーであった。間もなくして、ドラマーがジェフ・ベック・グループなどでキャリアを積んだエインズレー・ダンパーに変わり、1974年にはメジャー契約を獲得、1975年にデビュー作『Journey』を発表。翌年、セカンド・アルバム『Look into the Future』のリリースを目前にしてティックナーが脱退し、本アルバムと次のアルバム『Next』ではショーン、ローリー、ヴァロリー、そしてダンパーの4人編成となった。その後は、ロバート・フライシュマンがバンド初の専任ヴォーカリストとして1977年6月に加入。ニュー・アルバムのための曲作りに参加しつつツアーに臨むが、ツアー中に突如解雇を言い渡される。その後、2代目ヴォーカリストとしてスティーヴ・ペリーが加入。
スティーヴをヴォーカリストに迎えたジャーニーは 1978 年 4 枚目のアルバムとなる『 Infinity 』を発表。前作までのプログレッシヴ・ロック的な要素も踏襲しつつも、スティーヴの伸びやかなヴォーカルを活かした躍動感ある楽曲が特色となり、その後のバンドの方向性も決定付けた。本作は全米チャートで 21 位を記録したほか、初のシングル・ヒット曲も出て、プラチナ・ディスクを初めて獲得したが、ダンパーがバンドを脱退、新たなドラマーとしてスティーヴ・スミスが参加する。ジャズの流れを汲む彼の演奏はハード・ロック的でポップな作風へとシフトしつつあったバンドの志向と合致し、 1979 年発表した 5th アルバム『 Evolution 』では全米チャート 20 位を記録、続く 1980 年作の『 Departure 』では 8 位とバンドの人気は更に勢いを増した。また、「 Lovin' Touchin' Squeezin' 」や「 Any Way You Want 」などのシングル・ヒットもこの中で記録した。その後、グレッグ・ローリーがツアーでの疲労などを理由にバンドから脱退。オリジナル・メンバーはショーンとヴァロリーの 2 人だけとなってしまう。ローリーの後任にはジョナサン・ケインが迎えられた。ケインはキーボード・プレイはもちろん、メロディックな曲を書くソングライターとしての素質も持っており、後にジャーニーの楽曲に幅広いレパートリーを与えることになる。
ニール・ショーン(G)、スティーヴ・ペリー(Vo)、ロス・ヴァロリー(B)、スティーヴ・スミス(Ds)、ジョナサン・ケイン(Key)という5人編成となったジャーニーは1981年に最高傑作と評されるアルバム『Escape』をリリース。この頃の楽曲は抜群の完成度を保っており、バンドの人気も決定付けた。続く1983年の『Frontiers』も全米9週連続の2位を記録し、メガヒットとなった。 1986年には『Frontiers』に続くニュー・アルバム『Raised On Radio』を発表したが、本作はスティーヴ・ペリー、ニール、そしてジョナサンの3人の名前でのリリースであり、この頃からバンドの不仲説も囁かれるようになる。以後、バンドの活動は一旦ストップする。
1996年、前作『Raised On Radio』から実に10年の時を経て、スティーヴ・ペリー、ニール・ショーン、ジョナサン・ケインの3人にロス・ヴァロリーとスティーヴ・スミスの2人を加えた黄金期のメンバーでジャーニーは10枚目となるアルバム『Trial by Fire』を発表。アルバムは最高3位を記録し、ジャーニーがプレイする王道のメロディック・ロックの変わらぬ人気の高さをみせつけた。 『Trial by Fire』で華々しい復活を遂げたジャーニーだが、ヴォーカルのスティーヴ・ペリーが体調の不備を理由に再結成ツアーに出ることを渋った為、再結成ツアーは幻のものとなった。1998年にはライヴ・アルバム『Greatest Hits』をリリースするが、同時にスティーヴ・ペリーの正式な脱退が発表された。スティーヴ・ペリーに続いてスティーヴ・スミスも脱退を表明。バンドは新メンバーにスティーヴ・オウジェリー(Vo)、ディーン・カストロノヴォ(Ds)を加え再び5人編成としてスタートを切る。
新たなるメンバーを加えたジャーニーは2000年に11枚目となるアルバム『Arrival』を発表。その後、バンドはデビュー以来、関係を保っていたメジャー・レーベルとの契約を終了し、イタリアのメロディアス・ハード・ロック・レーベルであるFrontier Recordsに移籍。一連の動きに伴い、日本でのリリースも弊社に移籍となる。同年の夏には新しいバンド編成で『RED 13』を発表。 2006年には同メンバーによる待望のスタジオ・フル・アルバム『Generations』を発表。本作はこれまでのキャリアを全て踏襲した内容で多くのメロディック・ロック・ファンからの支持を獲得した。しかし、2006年のツアー中にスティーヴ・オウジェリーが体調を崩しツアーから離脱、代役にはジェフ・スコット・ソートが迎えられた。ジェフはオフィシャル・ホーム・ページなどを通じて正式メンバーへの昇格が発表されるが、翌年にはバンドから脱退を表明する。 しかし、バンドはすぐに代わりのヴォーカリストを探すようなことはせずに、2007年の1年間はバンドの休業宣言を出し、休業宣言から半年後の2007年12月にフィリピン出身のシンガーのアーネル・ピネダを新ヴォーカリストに迎えたことをオフィシャル・ホーム・ページで発表した。そして、2008年にはアーネルを迎えた編成でレコーディングした待望のニュー・アルバム『Revelation』をリリース。本作はアーネルのスティーヴ・ペリーを彷彿とさせる歌声をフィーチュアし、過去のヒット曲のリレコーディング曲も収録した2枚組でリリースされて、全米のビルボード誌では最高5位に入るなど、全盛期を彷彿とさせるメガヒットを記録している。