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売上高が25%アップ、AIカメラがコロナ禍を乗り切るための武器に。

右/代表取締役 緒方教介様 中央/取締役 屋宜絵理香様 左/感動部 システム課 課長 山城務様

ーはじめに、御社の事業概要を教えてください。

株式会社コーカスは、12年前にコールセンターから始まった会社です。現在の事業内容はコールセンター及び首里石鹸の物販事業になります。

コールセンターではカスタマーサポートの代行を軸に業務をしており、各クライアント様などのお客様との窓口になるので、とても大事な役割です。「あなたに電話してよかった」と言われるような、顧客をファンにするコールセンターというのが弊社の強みです。

首里石鹸は2022年10月で6周年になり、沖縄発のスキンケアブランドとして沖縄ブランドを各地に発信しています。県内に12店舗、県外に5店舗の合計17店舗を構えており「香りひろがる。記憶よみがえる。」というブランドコンセプトのもと、植物や果物などの天然素材を用いて香りや色で沖縄を感じていただけることにこだわって、モノづくりをおこなっています。

このコンセプトには「沖縄の青い海や空、太陽の光や植物たち、そして風景や人情までを形として、香りとして、ご自宅でも感じてもらいたい」という願いを込めています。

また、2019年に一部が焼失してしまった首里城のドネーション石鹸も販売しており、1つ売り上げるごとに350円を首里城の復興支援に寄付をしており、毎年およそ100万円以上の寄付ができています。

その石鹸は「首里」と命名し、数種類あるボタニカル石鹸の中で本製品は、人気の商品です。沖縄を訪れて、なにか沖縄に対して良いことをしたいというお客様が多いのだと思います。そんな皆様の想いを、我々を通じて届けています。

会社の状況を具体的な数字で言いますと、2011年当初は4人で創設した会社ですが、今では150名ほどまで従業員数が増えました。また、売上高は昨年度10.7億円、本年度は15億円ほどに着地予定です。

主力商品のマリンクレイ

ーなぜ店舗にIDEAを導入しようと思ったのですか?

販売員を公平に評価できる基準を導入しようと考えたのがきっかけでした。

そもそも、産休から戻ってきたコールセンターの従業員が心地よく働ける場所を作りたいという思いから「従業員が働きたいときにお店を開けて、閉めたいときに閉めればいいよ」というスタンスで首里城近くに店舗を構えて営業を始めたのが、首里石鹸の始まりです。

産休明けの従業員が働いていることもあり、肌に優しく、ご家族で安心して使えるような石鹸を作ろう、そしてせっかく作るなら沖縄の素材をたくさん使い、自分たちが誇れるお店になろうと志して、この首里石鹸が生まれました。

店舗がいくつか増えていく過程で、首里石鹸の販売員をどうやって公平に評価するべきかを考えるようになりました。

例えば、単に売り上げだけで見ると評価の基準にはなりません。店舗の立地が良いところだと絶対的にお客様の数は多くなるからです。

そこで、そのような外的要因を標準化するためにAIカメラの導入を検討し始めました。

AIカメラで通行者数と購入者数をカウントして、従来から計測しているPOSデータと共に“入店対購入率”を計算することが当初の目的です。入店対購入率は、入店の絶対数が多くなったとしても入店後の販売員のパフォーマンスによって、どれだけ販売できたかという比較可能な数値を取ることができるので公平な評価基準とすることができると考えたのです。

首里城近くに店を構える1号店

ー数あるAIカメラの中でIDEAを選んだのはなぜですか?

当社が求めていた3つの条件を満たしてくれたのがIDEAでした。

  1. 耐久性。沖縄の強い紫外線や台風などに耐えることができること。
  2. カウントの正確さ。IDEAで言うと、設定した2本のラインを通過した人を取り漏れなくカウントできるということ
  3. 入店誘客である「キャッチ」業務をしている販売員をカウントしないということ。

最初は様々なAIカメラを比較検討していましたが、特に耐久性という面では沖縄の紫外線や台風に対応できる、弊社が求めている性能をクリアする製品はとても少なかったです。

その時に知人に紹介していただいたのが、Intelligence DesignさんのIDEAでした。

渋谷センター街で使用しているという実績は、屋外使用に耐えうる耐久性の裏付けだと考えました。また、ニュースなどでもそのデータが使われるほど、正確性の高いAIカメラだという点も好印象でした。

人流カウントの正確性については、カメラの設置場所の環境などによって変わってくるので、設置後に正確性を上げるためのチューニングを一緒に実施できたのも良かったです。

通行者数を正確にカウントする為にキャッチ業務をしている販売員を除外することは、IDEAのシステムだと問題なく対応することができました。

また、これらの条件に加えて、時間帯別や日別、月別といった、リアルタイムでの数値の表示という機能もカメラ導入後に追加していただいています。こういった、弊社の要望に寄り添って対応してくれる姿勢もIDEAを利用し続ける理由の一つですね。

ーIDEAを導入後、当初の目的であった評価基準を設定することはできましたか?

当初考えていた、従業員の評価基準にするという話は、まだ実現できていません。

全店舗に設置できれば、各店舗の入店対購入率から共通の判断基準を用いて評価することができたのですが、カメラを導入できなかった店舗もあったためです。

導入できなかったのは、設置する為の壁がない場合や入居している物件のカメラの設置条件が厳しいといった理由からです。最初の導入の際も取付位置などに多少苦戦しましたが、それはIntelligence Designさんと一緒に解決していくことができたので助かりました。

ーIDEAの導入効果を教えてください。

昨年カメラの導入を話し合っている途中からコロナ禍の影響で店舗を開店できないという危機的な状態に陥ったのですが、沖縄の国際通りの通行者数をIDEAでカウントしていたことによって、店舗を開けるべき日なのか、閉めておくべき日なのかという判断基準を定めて利用することができています。

具体的には、1日に店舗前の通行者数が8,000人を超えれば店舗を開店させて、3日連続で通行者数が8,000人を下回ったら店舗を休みにするという基準を作りました。これは、IDEAの通行者数とPOSの売上の情報を組み合わせて、コストや売り上げなどの数字を可視化できたので定められた基準です。

当時は、コロナ禍の生活にみんなが慣れていなかったこともあり、人の動きが読みづらい時期でしたが、IDEAのデータで売り上げを伸ばせるであろう日を予測することで、コロナ禍の急激な社会の変化と上手に付き合っていくことができました。

我々にとってIDEAがなければこの1年間の激動のコロナ禍を乗り切ることはできなかった「コロナ禍の切り札」のような存在と言えますね。

結果として、一昨年度は7億、昨年度は10.7億円、今年度は予測ではありますが、15億円の売上高に着地予定で、コロナ禍でも成長を続けることができたのです。国際通り沿いのお店を開店するかしないかの選択は、事業全体の利益を増やすか減らすかに直結してくる判断でした。

2年前に全社的に給料を上げると宣言したのちに、コロナ禍に突入し、給料を約束の数値まで上げられていなかったのですが、その給料を2022年10月に実現できそうです!重要な判断基準となるデータをもたらして、会社の業績を上げ、従業員との約束を果たすことができたのはIDEAがあったからですね。

国際通り沿いの店舗

ーIDEAの導入で他に効果はありましたか?

これは意図していた結果ではなかったのですが、各販売員の入店誘導行動のパフォーマンス向上にも役立ちました。首里石鹸では、販売員が実施する販促の一つである、“キャッチ”という泡立てのパフォーマンスがあります。

入店率が分かるようになったことによって、入店率を上げるにはどのように入店誘導行動を実践するべきか、など、販売員が各々考えて行動できるようになったのではないかと思います。

また、店舗の運用方法を変化させたときの効果を数字で確認できるようにもなりました。

例えば、外に出しているディスプレイの配置を変更すると、入店率が2.3%改善されたのです。何かを改善するための施策がどのような結果をもたらしているかを見える化できたことが素晴らしいですよね。ディスプレイの配置方法など、数字を見ながら具体的に検討することができるようになりました。

IDEAが導入される前に販売員から受け取っていた情報は「今日お客様が少なかった」とか「今日はお客様が多かった」という販売員の所感でした。

そこにIDEAのデータが入ることで、感覚的な「多い・少ない」ではなくなります。「今日は通行者数6,000人に対して売り上げがこのくらいだった、目標を達成するためにこんなことをやった」など、状況が具体的になります。「その中で、良かったことはこれ、悪かったことはこれ」というロジカルな判断が可能になりますよね。

販売員の頑張りを認めてはいるのですが、経営側は根拠の無い「多かった・少なかった」という所感では次の手を打つ意思決定の判断ができない。しかし、それをすべて切り捨ててしまったら、従業員からすれば頑張っていることを否定されていると感じてしまうかもしれないですよね。そのようなすれ違いを、データを見える化することによって無くすことができました。

具体的な数字で、入店率が2%上がったら一緒に喜んで共感することができますし、1%下がったら、どのように行動を改善していくべきか、というレベルの高い議論ができるようになりました。

ー今後、IDEAで実現したいことを教えてください。

店舗内での動線分析をしたいですね。

首里石鹸の店舗では、ほとんどのお客様が主力製品のマリンクレイを購入しています。キャッチのパフォーマンスを見た人がマリンクレイを手に取るのは分かるのですが、その人が次に店舗内でどこに向かっているかということが分かれば、向かう先に売りたい商品や手に取りやすい商品を置いたりと、客単価を効率的に上げるために活用できるのではないかと考えています。

他にも、属性データをもとに、その人へのおすすめ商品をレジに表示できるように連携できるようになったりしたら、面白いですよね。

平時は、事業をより良くする為のシステム、戦時は、生き残る為のシステムとしてこれからもIDEAが活躍してくれると信じています。

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