家を建てるならどれくらいの広さが必要なの?【各部屋の間取り付き解説】

リビングにインテリア写真

注文住宅でも建売住宅であっても、家の広さって重要ですよね?

でも、「どれくらいの広さがあればよいのか?」悩むところです。

間取りを考える上で、部屋の広さの目安を知ることは重要です。

この記事では各部屋ごとの広さを、初心者向けにイラストを使って解説いたします。

この記事は3~5人家族で2階建て木造住宅を想定した内容となっています。

こんな悩みを解決します。

  • 部屋の大きさってどれくらい必要なの?
  • 最低限必要な家の広さってどれくらい?
この記事を書いている人
  • 建築業界で20年以上従事
  • 住宅をはじめ商業施設、家具、デザインイベントなど幅広く建築に関わる
  • 設計、施工、不動産など、幅広く業種を経験
  • 法人、個人問わず、様々な属性の顧客と関わる

目次

部屋の大きさってどれくらい必要なの?

住宅ポータルサイトに掲載されている情報で【坪単価〇〇万円】という表記をよく見かけます。

でも、そもそも家の広さって何坪必要なのか、よくわからないですよね?

ここでは家族が生活する上で、何坪あれば不便さを感じることなく生活できるのかを解説いたします。

住宅には部屋以外にも玄関や浴室など、11項目の用途があります。

1玄関/ホール
2リビング/ダイニング
3キッチン
4トイレ
5洗面/脱衣室
6浴室(UB)
7収納
8洋室(和室)
9主寝室
10階段
11廊下

この項目の中で11の廊下だけ、目安となる広さが出しにくい項目になります。

この記事では1~10項目を1つずつ解説いたします。

読み飛ばしたい項目がある場合は、目次で気になる項目だけをクリックしてください。

玄関/ホール

玄関ホールの間取りは間口の寸法で決まります。

182cmよりも大きくなると、玄関としては贅沢な間口になり、逆に91cmだと現実的ではない寸法になります。

これらをまとめると182cmと136.5cmの2種類となります。

詳しくは次のイラストをご覧ください。

玄関とホールの間取り

面積はほとんど変わりませんが、136.5cmタイプの玄関はホールをまたぐ形で下足箱が配置されています。

また136.5cmタイプの有効寸法は123.5cmとなり、商業施設の廊下程度の幅になるため、決して使い勝手が良いとは言えません。

123.5cmがどれくらいの幅なのか、メジャーで測ってみてください。

ちょっと物足りない感じになるはずです。

リビング/ダイニング

多くの方が一番気にする部屋ではないでしょうか?

「リビング・ダイニングは、ゆとりのある12帖です!」と言われると「広いんだぁ」と思いながらも、いまいちピンこないのではないでしょうか?

また、住宅会社の多くは【リビング(L)・ダイニング(D)・キッチン(K)】の合計を表記しています。

「L・D・Kがなんと20帖もあります!」と言いながら、キッチンと通路で6帖もあり、実質のL・D14帖なんてことは、業界ではよくあることです。

では最低限必要なサイズを、次のイラストで解説いたします。

リビングとダイニングの間取り

リビング・ダイニングの間口は、広いに越したことはありませんが、間口をたくさん確保できる土地が少ない(もしくは高価格)ことも事実です。

これらを考慮し、生活する上で不便に感じない程度の間口は364cmあると良いでしょう。

318.5cmの間口でも成立しますが、【ソファーとテレビが近い】【ダイニングの通るときに椅子を動かさないといけない】といった、致命的ではありませんが後悔するポイントになることは間違いないでしょう。

奥行きは546cmは欲しいところです。

リビング・ダイニングがL字型に配置されている場合は、2帖くらい余分に面積を確保した方が良いでしょう。

キッチン

キッチンは【キッチン】【冷蔵庫】【カップボード】の3つ要素で構成されています。

パントリーなんてあれば最高ですが、ここでは必要最低限の要素で構成します。

次のイラストをご覧ください。

ここ10年以上、対面型キッチンが主流ですが、対面型の場合、I型キッチンがよく採用されており、255cm幅が一般的です。

対面型であれ、そうじゃなくても間口273cm×奥行き227.5cmで構成するパターンが、利便性を損なわない最小寸法になります。

この他にL字型キッチンもありますが、面積的にも使い勝手的にもオススメできません。

詳しくは次のイラストをご覧ください。

ご覧のとおり、L字型キッチンの場合、I型キッチンに比べ、面積が大きくなりがちです。

また、おり曲がっている角の部分がデッドスペースとなり、調理する面積が小さくなります。

トイレ

トイレの間取りは2種類くらいしかありませんが、少しゴージャスバージョンを載せておきます。

次のイラストをご覧ください。

マンションの場合、間口91cm×奥行き136.5cmがよく採用されています。

戸建住宅であれば、奥行き182cmは欲しいところです。

間口が136.5cmあると、ゴージャスなトイレが作れます。

イラスト右側はカウンターで、据え置き式の洗面なんかが設置できたりします。

洗面/脱衣室

洗面所はもう少し小さくても成立しますが、単身者ならまだしも、家族で利用するのであれば、次のイラストくらいのサイズ感は欲しいところです。

182cm×182cmあれば問題ないですが、間口か奥行きのどちらか227.5cmあるとリネン収納を設けることができて、利便性が格段に向上します。

浴室(UB)

浴室の場合、ユニットバス(UB)の規格が決まっているため、そのサイズで大きさが決まります。

代表的なサイズを次のイラストで紹介します。

ユニットバスは140cm×160cmのサイズを1416と表現します。

1416の場合、親と子供(未就学)2人が入ると、少し狭く感じます。

戸建住宅では1616が主流で、分譲住宅になると「1616しかない」といっても過言ではないでしょう。

収納

収納は各部屋と廊下に1つずつ設けたいところです。

部屋に設ける収納で、代表的なサイズは次の4種類です。

910cm×910cmの収納は子供部屋の最低サイズです。

間口は136.5cm欲しいところですが、それによって部屋の大きさを小さくしなければいけないのであれば、部屋を優先すべきでしょう。

主寝室は182cm×910cmか182cm×182cmのどちらかが最低サイズとなります。

最近の主寝室は、ウォークインクローゼットが主流のため、182cm×182cmを採用するケースが増えています。

廊下などに設ける収納は、掃除機などの掃除道具を収納するケースが多いため、奥行きは45.5cmでも問題ないでしょう。

部屋の収納では洋服を収納するため、45.5cmだと後悔することになります。

収納の場合、間口と同じくらい奥行きも重要となります。

洋室(和室)

マンションでは5帖が一般的ですが、戸建住宅であれば6帖は欲しいところです。

間口が227.5cmや182cmになると、ベッドと机の配置が困難になったりするため、実用的とは言えません。

そのため、間口273cmで6帖とれると、イラストのようにベッドと机が配置でき理想的です。

間口が273cmあれば、たとえ5帖でも意外と狭く感じられません。

主寝室

主寝室は洋室と違い、幅の大きなベッドを設置するため、大きめの間口が必要となります。

住宅会社が提供する図面には、「主寝室10帖」などの記載がありますが、これは収納を含めた大きさです。

主寝室の多くはウォークインクローゼット(約2帖)が採用されているため、実質は8帖程度となります。

間口は318.5cmでも成立しますが、ベッド横と歩く際、カニ歩き気味になることや、クローゼットの使い勝手が悪くなります。

奥行きは318.5cmでも大丈夫ですが、間口は364cmは確保しておきましょう。

階段

木造住宅の場合、階段の段数は15段です。

13段や18段になっている場合、その住宅はかなり変わった作りになっていると思ってください。

段数が決まっているため、必然的に面積が決まります。

ここでは代表的な2つの階段を使って解説いたします。

次のイラストをご覧ください。

まわり階段(左のイラスト)や直階段(右のイラスト)であっても同じ面積で、2帖が最小寸法となります。

やり方によっては、踏板1段分くらいは小さくできますが、専門的な内容になるためここでは割愛します。

最低限必要な家の広さって?

各部屋のサイズ感が分かったところで、一覧にまとめてみましょう。

部屋名【A】【B】
1玄関/ホール3.7㎡4㎡
2リビング/ダイニング20㎡23㎡
3キッチン6㎡6㎡
4トイレ(2つ)2.4㎡3.4㎡
5洗面/脱衣室3.3㎡4㎡
6浴室(UB)2.2㎡3㎡
7収納(各部屋と1、2階の廊下)6.5㎡7.3㎡
8洋室(3部屋)26.1㎡30㎡
9主寝室10㎡13㎡
10階段3.3㎡3.3㎡
11廊下8㎡8㎡
合計91.5㎡105㎡
28坪32坪

11種類の用途が揃っていることを前提とした最低面積は【A】の28坪です。

ですが、せっかくのマイホームなので、使い勝手が悪いのは避けたいところです。

使い勝手を考慮すれば、【B】の32坪が最低面積の理想と言えるでしょう。

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