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医療法人社団 東京医心会 ニューハート・ワタナベ国際病院

(東京都 杉並区)

渡邊 剛 総長

最終更新日:2020/11/25

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一人でも多くの患者にハイエンドの治療を

京王井の頭線浜田山駅から徒歩6分にある優雅な雰囲気の外観を持つ建物が「ニューハート・ワタナベ国際病院」だ。心臓血管疾患と胸部疾患を中心に専門的で高度な治療をめざし取り組む同院の渡邊剛総長は、2つの大学で教授を務め、数々の治療法の確立に貢献してきた心臓血管外科のスペシャリスト。2014年に念願だった心臓の専門病院として同院を開業してからも、心拍動下冠動脈バイパス術や手術支援ロボットを用いた心臓手術など専門性の高い技術が心臓手術に生かされている。さらには、手術のデータ開示を積極的に行い、患者への安心感、そして日本の医療を支える保険制度の充実にも一石を投じてきた。「自分が生きている間に、一人でも多くの方に質の高い心臓手術をして差し上げたい」と語る真摯な姿勢は、開院から5年目を迎えた今も変わらない。そんな渡邊総長に、同院のことや心臓手術にかける思いなどを聞いた。(取材日2019年11月1日)

こちらの病院を開設するまでの経緯を教えてください。

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私は、天才外科医師が主人公の漫画に憧れて医師になったこともあり、将来的は心臓専門の病院をつくりたいと考えていました。41歳で金沢大学の教授になった後も、早く自分の病院を持ちたいと思っていましたが、気がつけば13年間も勤めていました。当時、まだ発展段階だった人工心肺を用いないオフポンプ手術や内視鏡手術を研究段階から一般的な実践段階にまで成長させることができたのは、大学の充実した設備や体制、多くの方々の協力のおかげです。最高の医療の提供と、最も安全な心臓手術の実施、そして患者さんにとって居心地の良い理想の病院の3つを実現するために2014年に開院。患者さんに新しい心臓を差し上げるという思いで、病院名に「ニューハート」と入れました。2019年は、心臓手術だけでも1月~10月間で457件。2018年は1月から12月までで472件でした。

力を入れていることは何ですか?

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手術の成功率を100%に近づけるよう追求することです。傷口をなるべく小さくするための努力として手術支援ロボットを導入するなど内視鏡手術や、僧帽弁形成術に力を入れています。僧帽弁形成術とは、心臓の弁の一つである僧帽弁を修復する際、もともとの弁を生かしながら障害箇所を治療する手術です。従来の開胸術ではなく、当院ではキーホール(鍵穴)手術といって、手術支援ロボットを使い小さな穴を4つ開けて行います。3Dのモニター画像を見ながらミリ単位で操作ができるので、正確性を追求しながら弁の形成が図れます。患者さんが期待できるメリットとしては、穴を開けるだけなので傷が小さい、出血や痛みが少ない、傷の治りが早い、それに伴って退院も早いなどです。それに、この手術は2018年4月から保険適応となり高額医療費制度が使えるので、その申請をすれば自己負担額の軽減が図れます。この手術のため、全国から患者さんが訪れています。

ほかにこちらの病院の特徴は、ありますか?

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私たちは、ワンストップといっているのですが、手術まであまりお待たせしないようにしています。大学病院などでは、まず内科の診察を受けて、別の日に検査を受けて、そしてまた別の日に検査の結果を聞きに行って、次に外科の診察を受けて手術が決まって、何日に検査入院をしましょうとなって、それでやっと手術日が決まって入院と早くても2ヵ月くらいかかることが多いんです。当院では、初診で外来に来ると超音波検査をして、手術適応になりそうならCT検査をして、手術日まで決めます。次に来るのは、入院して手術をする時で、手術までは2〜3週間です。遠くから来る患者さんへの負担も少ないですし、患者さんが急いでいなくても、地元の病院だって何回も通うのは大変です。初診でも、手術が必要な可能性のある人はパッと診断をして、手術をするか否かを判断して、する場合にはスケジュールまで決めてから帰れるというのは、大きなポイントかと思います。

先生の手術支援ロボットとの出会いを教えてください。

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ドイツのハノーファー医科大学に臨床留学した2年半で多くの手術を経験し、帰国後には日本でもオフポンプ手術に尽力しました。内視鏡を使った心臓手術にも傾注し、同時に限界も感じていた頃、ロボット内視鏡(手術支援ロボット)完成の一報を聞いたんですね。すぐに製造元のアメリカに飛び、目にした瞬間に「これは世界の医療を変える」と感じました。高額の機器であったため容易ではありませんでしたが、自分が行ってきたことの積み重ねやいろいろな方の後押しにより、金沢大学に導入し、ロボット内視鏡を使った心臓手術を行いました。通常の内視鏡手術は、2次元の画像を見ながら長い箸で豆をつかむような感覚ですが、ロボット内視鏡は3次元の画像を見ながら手でつかむような感覚です。そのため体の奥深いところでの細かい作業に適し、傷痕も小さくて済みます。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

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手術支援ロボットという先進の医療機器を生かして心臓だけではなく、他の疾患、特に甲状腺疾患にも広く使っていきたいです。甲状腺の病気は女性に多いのですが、手術をすると首の下に傷痕が残ってしまいます。しかし今後、手術支援ロボットを使用し、脇の下から手術が行えるようになれば、見えるところに傷が残りにくいということで、女性にとってうれしいことではないでしょうか。今後は当院にいらっしゃる患者さんにとって、理想の環境となるべく整えていきます。もちろん、心臓の手術が必要だと言われたときには、ぜひ遠くからでも来ていただきたいです。また、セカンドオピニオンを躊躇せず、受ける勇気をお持ちいただきたいです。当院では、ホームページから無料相談も受けつけていて、私自身が数日内にお返事を書いていますので、こちらもぜひ、ご利用いただきたいです。

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渡邊 剛 総長

1984年金沢大学医学部卒業。ドイツ・ハノーファー医科大学留学、金沢大学医学部外科学第一講座主任教授、東京医科大学心臓血管外科教授などを経て、2014年に同院を開院。心臓血管外科のスペシャリストで、国内でのオフポンプ手術、手術支援ロボットを用いた手術の確立に貢献する。日本外科学会外科専門医、日本胸部外科学会心臓血管外科専門医、日本循環器学会循環器専門医。日本ロボット外科学会理事長。

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