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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.10
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/254p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-06-210861-5
読割 50
紙の本
「噂の真相」トップ屋稼業 スキャンダルを追え!
著者 西岡 研介 (著)
『噂の真相』エース記者の豪快スクープ人生。弱冠33歳の記者の記事がきっかけで一国の首相のクビが飛び、検察ナンバー2が辞表を書いた…。新聞記者の職を辞し、『噂真』に飛び込ん...
「噂の真相」トップ屋稼業 スキャンダルを追え!
スキャンダルを追え! 『噂の眞相』トップ屋稼業
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商品説明
『噂の真相』エース記者の豪快スクープ人生。弱冠33歳の記者の記事がきっかけで一国の首相のクビが飛び、検察ナンバー2が辞表を書いた…。新聞記者の職を辞し、『噂真』に飛び込んだ著者のスクープテクの全て。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
西岡 研介
- 略歴
- 〈西岡研介〉1967年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。神戸新聞社社会部、『噂の真相』等に勤務。現在、週刊誌記者として活躍中。
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紙の本
検察スキャンダル、首相買春スキャンダルをモノにした
2002/09/11 17:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uwasano - この投稿者のレビュー一覧を見る
「噂の眞相」という月刊雑誌がある。この雑誌は、「タブーなし、何でも書く」ことを売りにしていて、政界・官界・芸能界・文壇等のパワーエリートやオピニオンリーダーのスキャンダルを、毎号掲載している。
本書は、この雑誌のトップ記事・メイン記事をモノにしてきた記者(トップ屋)による、スクープ誕生の内幕である。
1967年大阪府生まれの著者は、1991年に神戸新聞社に入社。社会部に勤務し、警察・市役所を担当。阪神・淡路大震災、神戸連続児童殺傷事件、神戸空港建設問題などを取材。その後、「噂の眞相」記者に転職し、革マル派、日本赤軍(JRA)の重信房子、司馬遼太郎、「則定衛東京高検検事長の女性スキャンダル」「芸能人乱交パーティ」「森喜朗首相の買春検挙歴」等、スクープ記事を連発する。新聞記者時代、雑誌記者時代のそれぞれの取材の内幕を語っている。
まだ記憶に新しいこれらの事件の取材現場の状況、記事が出来上がるまで、出来上がってからの攻防戦の内幕が面白い。雑誌発売前に、なぜか政界・官界・マスコミに記事内容が漏れ伝わり、駆け引きが行われる。内部告発者のガード、右翼の襲撃など、スリリングな場面も出てくる。
「則定衛東京高検検事長の女性スキャンダル」と「森喜朗首相の買春検挙歴」の両方の記事は、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞した。「なぜ二つの大きなスクープに恵まれることができたのか?」という著者への問いに、【記者としての必要最低限のトレーニングを数年間積んだ人間が、「なんでもあり」のタブーなきゲリラ雑誌に入って、「お前の好きなこと、何書いてもエエで」と言われれば、自然にこうなるものなのである。そしてもし、「記者としての必要最低限のトレーニングを数年間積んだ人間」が、この私でなかったとしても、結果はおそらく、同じことだったろうと思う。】(p250-251)という。
これは、新聞・雑誌・テレビ局・ラジオ局等にたくさんいる記者に対する挑戦的な言葉だ。残念なことに、これらの記者は権力者と癒着し、駄目になってしまうらしい。
著者は大阪府生まれ・クリスチャンで、それらの影響が、ジャーナリスト精神=正義の心を作っているようだ(p26及びp116)。高杉良の小説『濁流』にも、同じようなクリスチャンが出てきて、宗教を押しつける企業トップと闘う場面が出てきた。このような正義の心が無いと、権力と戦えない。著者は、「黒いシール事件」の存在で、都知事の石原慎太郎氏に違和感を持つ(p129)。石原氏よりも新右翼の野村秋介氏を尊敬するという著者の考えは、真っ当なものだと思う。野村秋介氏・新井将敬氏の両人とも自殺して、もうこの世にはいないが、この事件は正義を考える上で重要だと思う。
紙の本
ジャーナリストを育てる現場
2002/07/13 03:11
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投稿者:KBT - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の知り合いの記者が、9.11アメリカ同時多発テロを中継したニュース
を見て「ショックを受けたけど、同時に現地にいるジャーナリストが羨まし
くなった。今は無名でも、この取材を体験した記者の中から、歴史に名を残
すジャーナリストが出ると思う」と感想を漏らした。
西岡研介氏は、少なくとも日本のマスコミ史の歴史を記した本の数ページを
飾るだけの成果を、政治家と検察のトップの首を取ったことで既に残してい
る。まさに「トップ屋」である氏を形成したのは、日本において同時多発テ
ロと同じくらい衝撃が大きかった阪神大震災なんだと、この本を読んで思った。
警察取材が好きな事件記者だった氏が、自分の無力さと直面しながら現場を
這いずり回った震災体験。人の感情、絶望、力強さ全てに体当たりでぶつか
ったからこそ、今の「トップ屋」が出来たのだと思う。人間の感情の機微に
鋭敏で、誰かのために泣くことの出来ない人間でなければ、自分の人生を託
すほどの情報を話そうとは誰も思わないだろう。
彼の心には、常に震災があるはずだ。彼が大事件をスクープする記事の一文字
一文字が、彼なりの震災被災者に対する弔いの言葉なのかもしれない。
紙の本
「噂の真相」記事取材の内幕!
2002/04/13 10:48
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投稿者:Snake Hole - この投稿者のレビュー一覧を見る
「トップ屋」って言葉,初めて目にしたのは確か「サイボーグ009」である。わりと情けないトップ屋のコンビが「不死身のレーサー島村ジョー」の秘密を探りに,ジョーの家に忍び込んで来るんだったが……。まだ生き残っていたんだねぇ。あ,いや,職業がではなくて,この言葉が。
著者の西岡氏は神戸新聞の記者から雑誌「噂の真相」に転身し,現職の東京高検検事長を辞職に追い込んだ「則定検事長の女性スキャンダル」や,TBSと芸能界を震撼させた「芸能人乱交パーティ」,そして記憶に新しい「森首相 (当時) の買春検挙歴報道」など,たてつづけにスクープをモノにした気鋭の雑誌記者である。
この本は,神戸新聞に在籍中の「阪神・淡路大地震」から,昨年9月の「森買春歴裁判控訴」までの6年間の取材の内幕を語ったもの。オレなどのように「噂の真相」に掲載されたそれらのスクープを実際にリアルタイムで読んでいた者にとっては,彼等が取材を始める発端や,裏取りの過程,報道の余波などの紙面では語られないナニクレが非常に面白いのである。
例えば皇太子妃を「雅子」と呼び捨てにした「一行情報」に端を発した「編集部右翼襲撃事件」のリアルな描写にはそこにいたものでなければ描けない迫力があるし,首相の買春検挙歴をリークする警察幹部との密会の様子,その時の会話などには背中がゾクゾクするようなサスペンスを感じる。
氏は昨年10月で「噂の真相」を退社し,現在は「週刊誌記者として活躍中」(どこ? 週刊文春? 違うか) とのことなのだが,今後もバシバシ「ワルいヤツらを眠らせない」記事を読ませていただきたいものである。パチパチパチ。
紙の本
人としての感情と、ジャーナリズム魂と
2002/03/10 17:06
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投稿者:川原 いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『噂の眞相』を毎月読んでいる人は、編集や取材などの舞台裏を楽しめるでしょう。そうでない人も、一記者が取材をしながらどのように感じているか、またどのように活動しているかを楽しむ事ができるでしょう。読んでいて一番印象に残ったのは実はスクープの裏側ではなく、神戸新聞社で記者として働いていた時の、震災当時の描写でした。人としての感情と、ジャーナリズム魂がぶつかりあって生まれるジレンマ。震災に限らず様々な事件でそのような事が起きるのでしょうが…。それからもう一つ、ライバル新聞社の記者や捜査員との交流。激しい取材合戦の中で対立していそうな感じがあったのですが、同業者の連帯感みたいなものがあるのですねぇ。
紙の本
東京高検検事長のクビを取り、首相を窮地に追い込んだ突撃記者の東奔西走をドキュメンタリー・タッチで描く
2001/12/28 22:16
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投稿者:杉田宏樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼくの本業である音楽関係を除いて、必ず書店で購入している数少ない月刊誌の1つが『噂の眞相』である。かつての一般的なイメージは、いかがわしい匂いのするアングラ・ジャーナリズムの代表、だった『噂眞』が、1つのスクープをきっかけとして「ミニコミ」から「マスコミ」にも影響を与える存在へと、世間の認識が変わった。99年に起きた東京高検検事長・則定衛の女性スキャンダル事件。『噂眞』の記事を受けて朝日新聞が「『噂の眞相』によると」とのクレジットを入れて同件を報道したのである。本書はそのスクープをものにした元同誌記者・西岡研介(1967年大阪府生まれ)が、同誌に在職した3年半の間の波乱に満ちた出来事を記したノンフィクションである。同志社大学法学部卒業後、神戸新聞に入社。社会部に勤務し、阪神・淡路大震災や神戸連続児童殺傷事件などを取材するも、報道する側としての自分にジレンマを感じていた西岡は、以前から愛読していた『噂眞』のスタッフ募集に応募。かくしてメジャーからマイナーへと転身を図った。「則定スキャンダル」と「森喜朗売春検挙問題」という2大スクープによって、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を2年連続で受賞したほどの記者は、実は神戸新聞時代は決して優秀ではなかった。『噂眞』という環境の変化が、西岡の潜在的な能力を開花させたと言っていい。その理由を、記者としての必要最低限のトレーニングを数年間積んだ人間が、タブーなき雑誌で「何書いてもエエで」と言われれば自然にこうなる、と本人は語る。そして『噂眞』を卒業した西岡は、現在『週刊文春』の記者として活躍中だ。権力者の巨悪を眠らせておくわけにはいかない!という西岡の記者魂があればこそ、彼の人生が開けたのだろうと思う。今後、さらなる世間をあっと言わせるスクープに期待したい。『噂の眞相』2002年1月号によれば、同誌が入手した森喜朗の手形を指紋鑑定の第一人者が鑑定した結果は、森の指紋にほぼ間違いなく、誤差は5百万分の1だという。 (bk1ブックナビゲーター:杉田宏樹/音楽評論家 2001.12.29)