大黒摩季、池森秀一(DEEN)、浅岡雄也(FIELD OF VIEW)ら豪華ゲストを迎えたZARDの30周年記念ライブ「ZARD "What a beautiful memory 〜軌跡〜"」

「負けないで」など多くのヒット曲を生み出し、今も愛され続けているZARDの楽曲たち。2022年2月に開催された「ZARD "What a beautiful memory 〜軌跡〜"」は、ZARD30周年イヤーを締めくくる豪華な記念ライブとなった。その模様がMUSIC ON! TVで放送されるということで、改めてそのライブを振り返ってみたいと思う。

2月4日に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で開催されたのに続いて、2月10日には東京ガーデンシアターで開催。坂井泉水の歌声と映像をバンドによる演奏とシンクロさせるというスタイルのライブで、ゆかりのある豪華なアーティストたちがゲストとして出演し、新たなメモリアルな一日となった。

東京公演が行われた2月10日はZARDのデビュー記念日。映像と生演奏を合わせたライブはこれまで何度も行われてきたが、およそ6年ぶりの有観客公演ということで、過去一の期待度と盛り上がりがスタート時から感じられた。

「ZARDのライブにようこそ。今日は最後まで楽しんでいってください」という坂井の言葉が会場に流れ、「きっと忘れない」でライブが始まった。ギター、ベース、キーボード、ドラム、サックス、コーラス、マニピュレーターなど総勢11名のバンドの演奏は厚みと勢いがあり、坂井の歌声もしっかりと引き立たせていた。初公開となる映像とシンクロさせた「もう少し あと少し...」「雨に濡れて」など4曲を一気に聴かせ、会場をZARDの色に染めていく。

ここで司会を務める中田有紀アナウンサーが登場し、最初のゲストの葉山たけしを呼び込んだ。葉山はZARDの楽曲の編曲を多く担当しており、その中の1曲「君に逢いたくなったら...」にギターで参加した。2人目のゲストはFIELD OF VIEWのボーカル浅岡雄也。坂井が歌詞を提供した「突然」を大型ビジョンの中で歌う坂井と一緒にデュエットで聴かせてくれた。続く大野愛果は「かけがえのないもの」にコーラスを重ね、doaの徳永暁人は「永遠」でアコースティックギターとコーラスを重ねた。そして、DEENのボーカル池森秀一は、坂井が歌詞を提供した「翼を広げて」を感情を込めて歌い上げた。

中盤は「こんなにそばに居るのに」を激しい演奏で、「My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜」を優しく温かい演奏で披露。

続いてのゲストは川島だりあ。ファンの間でも人気の高い「あの微笑みを忘れないで」をパワフルな歌声で聴かせ、会場をしっかりと盛り上げた。最後のゲストとして登場したのは大黒摩季。大黒はZARDの1stシングル「Good-bye My Loneliness」にコーラスで参加しており、"いつかライブで共演したい"という夢を持っていたが、生前にそれは叶うことがなかった。しかし、時を経て、映像とのシンクロという形で共演の夢が実現。「Good-bye My Loneliness」「揺れる想い」を歌う大黒の表情は幸せに満ちていた。

終盤は、坂井の映像とバンド演奏で「心を開いて」「マイ フレンド」「君がいない」「Don't you see！」といったヒット曲を畳み掛けた。

アンコールでは「Oh my love」「Forever you」を聴かせ、最後はゲスト全員がステージに再登場し、「負けないで」を大合唱。坂井からの「今日はどうもありがとうございました！ また会いましょう！」という言葉で盛大にフィナーレを飾った。

凄腕ミュージシャンたちによる生演奏と豪華ゲスト陣との共演。坂井泉水の歌声、ZARDの楽曲は今もみずみずしく感じられ、臨場感あふれるライブとなった。初公開の映像も多く見られたことで、懐かしむだけでなく、新たな魅力の発見もできたライブになったのではないだろうか。それぞれの楽曲の魅力やZARDが愛され続ける理由もこのライブで改めて感じることができた。

文＝田中隆信

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