不動産業から脱サラの桂慶治朗、爆笑さらって「NHK新人落語大賞」受賞!転身12年目で「本当にうれしい」

スポーツ報知
「令和5年度NHK新人落語大賞」で大賞に輝いた桂慶治朗(カメラ・筒井政也)

 東西若手落語家の登竜門のコンテスト「令和5年度NHK新人落語大賞」が11日、NHK大阪ホールで開催され、上方落語家の桂慶治朗が大賞に輝いた。

 東京は「二ツ目」、真打制度のない上方(大阪)は二ツ目と同等の芸歴かつ入門15年目未満の噺(はなし)家を対象にした大会で、104人が予選に参加。本戦には5人が進出し、出番順から、春風亭一花、柳家吉緑、春風亭昇羊、桂慶治朗、桂三実の東3人、西2人が各11分間の演目を披露。古典「いらち俥(ぐるま)」を自己流にアレンジした慶治朗が爆笑をさらい、審査員得点50点満点中49点を獲得して優勝した。

 トロフィーを手にし、思わず涙。「本当にうれしい。お世話になったいろんな人たちに感謝の気持ちを伝えたい」と喜びをかみしめた。

 桂米団治に2012年に入門して12年目で栄冠をつかんだ。高校卒業後、フリーター生活を約3年続け、お金を貯めて予備校から大学に進学し、サラリーマンを経て27歳で門をたたいた経歴の持ち主。不動産業で働いていた際に「いつかフリーで仕事をしたい」と思っていたが、家のテレビで落語を見ていた時に「落語家になろう」と突然思い立って決意した。

 「師匠を探さないければ」とネットで落語会を調べ、米団治の「親子茶屋」を見て「登場人物が生き生きしている。目の前のこれをやりたい」と感銘を受け、入門を志願。会社を辞める際に「(シングルマザーの)母親が再婚するので、親孝行する必要性が薄れた」とウソをついて転身したという。

 米団治も古典のアレンジが得意とあって「割と自由にさせてくれる師匠です。『とにかく楽しんで、普段通りに』と声をかけられました」と感謝した。

 来年で40歳。2年前は同じ桂米朝一門の女性落語家・桂二葉が大賞を獲得し、ブレークした。「二葉姉さんの活躍には憧れるし、うらやましいですが、これでテレビ・ラジオに呼んでもらえるとは思わない。ただ一つ、自分の中で形ができたので、落語の基礎をもっともっと積んでいきたい」と足元を見つめた。

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