【オリックス】3連覇へマジック点灯目前 「頭の中は課題だらけ」 中嶋聡監督の胸中はいかに 今日から2位ロッテと3連戦

スポーツ報知
中嶋聡監督

◆パ・リーグ オリックス―ロッテ(25日・京セラD大阪)

 オリックスが首位を独走し、悲願のリーグ3連覇へ着実に前進している。勝負の8月に入り、疲れが出るはずの投手陣が充実一途。24日の西武戦(ベルーナドーム)は、5-0で完封勝利を収めた。先発の宮城がパ単独トップの3完封で9勝目。チームとしても、1941年の球団記録に並ぶ「7試合連続1失点以下」の偉業を成し遂げた。

 

 エース・山本は両リーグトップの12勝を挙げ、山下、山崎福がともに9勝。防御率0点台の守護神・平野佳を軸に、山崎颯、阿部、宇田川、先発から配置転換された山岡らリリーフ陣も完ぺきな仕事を続けている。最短で26日に優勝マジックが点灯するが、中嶋聡監督は冷静沈着。前だけを向き、表情を崩すことをしなかった。

 

 「頭の中は課題だらけですけどね。いろんなことが起こる。課題だらけだと思います。いっぱいいっぱいですね、今。いろいろ、いっぱいいっぱいです」。投手陣が踏ん張っていた6試合は計14得点。22日の西武戦(ベルーナドーム)で9試合ぶりに3得点以上を記録したとはいえ、打線全体がまだおとなしい印象だ。守備面やバントなどの小技についても、まだまだ精度の高いプレーを求めたいのだろう。雰囲気をグッと引き締め、2位・ロッテとの3連戦を迎える。

 

 ここまでの対戦成績は8勝6敗1分け。本拠地の京セラドーム大阪でも、5勝2敗と勝ち越している。6試合ある1点差試合は5勝1敗。今回も僅差の戦いが予想されるはずだ。25日の初戦は中5日で山崎福が先発。プロ9年目で初の2ケタ勝利を目指すことになる。「先発としては当然、勝ちたい気持ちがある。1試合1試合、任された試合を全力で投げる。その積み重ねしかないと思っています」。今季は序盤5試合で1勝2敗と苦しんだが、3戦3勝した交流戦から急上昇。中嶋監督によって能力を引き出された一人だ。

 

 18年はキャリア初の0勝に終わった。翌19年、2軍監督に就任したのが中嶋監督だった。「サチ(山崎福)の力はこんなもんじゃないだろう」とファームでは連日、付きっきりで指導。現状打開のため、ネットスローから1球1球を大切にした。同年は主に救援で36試合に登板。8勝した21年から先発ローテーションに定着するようになった。今年のロッテ戦は3試合で1勝1敗、防御率4・70だが、好調の主砲・ポランコには6打数1安打。8打数4安打と打たれている中村奨ら助っ人の前後を固めそうな打者を警戒し、緩急自在の投球で攻撃を寸断したいところだ。

 

 勝っても、負けても、中嶋監督のスタイルは変わらない。「目の前の試合を一つ一つ。相手がどこであっても、自分たちの野球をするだけ」。相手先発の種市に対してもそれは同じだ。左太もも裏痛から復帰した森が、ここ3試合で7安打と快打を連発。自身初の首位打者を目指す頓宮もロッテ戦は打率4割2分で、種市にも9打数5安打1本塁打のキラー。勝負強い宗や中川圭を含め、チャンスでの集中力は頼りになる。

 

 ロッテとは8・5ゲーム差。3連敗してもセーフティーリードといえるが、全員が「一戦必勝」の思いを共有している。本来なら中軸に座っている杉本が、不振でファーム調整中。「全員が戦力」と21年の監督就任当初から強調してきたように、野口や渡部ら若手も1軍経験を積みながら成長している。チームは1分けを挟み、今季初の6連勝中と絶好調。貯金は26にまで増えた。「いっぱいいっぱい」と日々全力で采配し、レギュラーシーズンは残り34試合。ゴールまで足並みをそろえ、全員野球で突き進む。(長田 亨)

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