【兵庫】神戸国際大付、センバツ準V・報徳学園撃破 沖縄出身の2年生剛腕・津嘉山2失点完投

完投した神戸国際大付・津嘉山憲志郎(カメラ・義村 治子)
完投した神戸国際大付・津嘉山憲志郎(カメラ・義村 治子)

◆第105回全国高校野球選手権記念兵庫大会 ▽5回戦 報徳学園2―3神戸国際大付(21日・明石トーカロ)

  5回戦で神戸国際大付が今春センバツ準Vの報徳学園を破った。最速148キロの2年生右腕・津嘉山憲志郎が2失点、9奪三振で完投。沖縄からプロを目指して進学した“野球小僧”が昨秋と今春に敗れた宿敵にリベンジした。

 3度目の正直で報徳学園を倒した。津嘉山は「真っすぐに自信があった。コースをつけば抑えられると思った」と、センバツ準優勝校に真っ向勝負。4番・石野蓮授右翼手(3年)を3打席連続三振に斬るなど9奪三振。8安打2失点で完投し、1点差で勝利した。

 「秋と春に負けて『この夏にリベンジ』と、ずっと言葉に出してきた」。昨秋は決勝で2―4(津嘉山は登板なし)、今春は準決勝で2―3で惜敗。2日前の抽選で決まった3度目の対決は、5回戦では早すぎるような好カードだが、初戦(2回戦)に完封しただけで2試合“温存”されていた津嘉山は「いずれは当たるチーム。元気なうちに当たってくれて、僕はうれしかった」。有り余るパワーをぶつけた。

 最大のピンチは7回だった。1点差に迫られ、なおも2死二、三塁で、今秋ドラフト上位候補の堀が打席に。センバツで仙台育英や大阪桐蔭をのみこんだ報徳学園の応援歌「アゲアゲホイホイ」が球場に鳴り響いた。ここでバックの先輩たちが津嘉山を「なんくるないさ」と励ました。沖縄出身の背番号10は「うれしかった。みんなのために抑えようと思った」と自慢の直球で左飛に仕留めた。

 決勝で敗れた昨年夏も注目を集めたが、1年を経てさらに成長。西武・平良をほうふつとさせる巨漢右腕を、青木尚龍監督(58)は「野球小僧」と評し「プロ野球を目標において、そこに向かって日々ハードな練習やっている」と目を見張る。

 「いろんな人の思いもある。それをプレッシャーにせずに、力に変えたい。残り3試合、自分の投球を」。ライバルの思いも背負い、同校2年ぶりの聖地へ突き進む。(瀬川 楓花)

 ◆津嘉山 憲志郎(つかやま・けんしろう)2006年7月24日、沖縄市生まれ。16歳。幼稚園時から美東ドラゴンズで野球を始め、美東中では軟式野球部。中学3年時の21年のセンバツ開幕戦で北海にサヨナラ勝ちした神戸国際大付にあこがれて入学。1年夏の県大会は救援で7試合に登板し、30回で24奪三振、5失点(うち4失点は、社との決勝での延長タイブレーク)。最速148キロ。178センチ、92キロ。右投右打。

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