高橋咲良アナ ロマンチックな伝説を体感できる「七夕」地区巡り…仙台放送アナウンサーコラム「書ける」

スポーツ報知
はた織りを取材したという高橋アナ

 丸森町の大内地区に全国的にも珍しい「七夕」という地名があるのをご存知でしょうか? この珍しい地名を観光資源として生かそうと、町の観光案内所などは「七夕集落」をめぐるツアーも行っていて、そのツアーで巡る神社や、昔ながらのはた織りを体験できる場所を取材してきました。

 まず訪れたのは、集落の民家の敷地内にある「七夕神社」。そこで、なぜ「七夕」という地名がついたのか…その謎を解くカギとなる、集落に昔から伝わるお話を、町の観光案内所の方から伺いました。

 その昔「七重(ななえ)」というはた織りの上手な美しい女性がいて、川を挟んだ別の集落に住む牛飼いの男性と相思相愛の仲だったそうです。しかし2人は、理由はわからないのですが、川辺で年に一度会うのみで、生涯結ばれることなくこの世を去ってしまいました。それを知った村人たちが、後に「七重」をはた織りの神として祀り、その神社を「七夕神社」と呼ぶようになり、この「七夕神社」があることから、この辺りを「七夕」と呼ぶようになったということだそうです。まるで織姫と彦星のような2人が「七夕」という地名に関わっていたという、何とも興味深いお話でした。

 お話を伺った後は、織姫のような「七重」に思いを馳せて、人生初のはた織りにも挑戦しました。地元の女性たちに教えて頂きながら、100年以上前から使われているというはた織り機を使って、コースターを作りました。手と足を使うので、はじめは苦労しましたが、慣れてくると、織る時の「トントン」という音が楽しくてクセになり、30分程で完成! 中々味わえない貴重な経験でした。

 今年のツアーは今月9日に開催しましたが、どちらの場所も、ツアーでなくても訪れることが出来ます。地域に伝わる七夕伝説を実際に体感してみてはいかがでしょうか?

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