「ロックの女王」ティナ・ターナーさん死去、83歳 ミック・ジャガーがバイデン米大統領が別れ惜しむ…長期に渡り闘病

スポーツ報知
「ロックの女王」の異名を取ったティナ・ターナーさん(ロイター)

 「ロックの女王」と呼ばれた米人気歌手のティナ・ターナーさんが、スイス北部チューリヒ近郊の自宅で死去した。83歳だった。ターナーさんの代理人が認めた。死因は明らかにしていないが、長期間にわたり闘病していたという。グラミー賞受賞12回、世界中で1億枚以上のレコードを売り上げた、史上最も売れたアーティストの一人であるターナーさんの悲報に、世界中から悼む声が寄せられた。

 世界中のアーティストから羨望のまなざしを集めたロックの女王が、天国へと旅立った。ターナーさんの公式フェイスブックは日本時間25日、「彼女の音楽と人生への無限の情熱で、世界中の何百万人ものファンを魅了し、数々のインスピレーションを与えた。ティナ、心から寂しくなるよ」と悼んだ。

 AP通信はターナーさんの死去日を23日と伝えたが、ニューヨークタイムズ紙などは24日に亡くなったと報じた。米メディアによると2016年に腸のがんが見つかった。その後も高血圧性腎不全により透析が必要となり、18年に夫で音楽プロデューサーのアーウィン・バッハさんがドナーとなり腎臓移植手術を受けるなど満身創痍(そうい)の状態だったが、ロイター通信によると最期は安らかに息を引き取ったという。

 ターナーさんは60~70年代に当時の夫アイク・ターナー(2007年死去、享年76)との人気デュオで活躍。ただ、夫からの家庭内暴力に苦しみ78年に離婚し、86年には家庭内暴力の詳細を赤裸々につづった自伝を発表した。当時、女性著名人が夫の暴力を告発する例はほとんどなく、大きな反響を呼び、後に映画やミュージカル作品も製作された。

 離婚後は低迷の時期を迎えたが、ソロとして84年に発表したアルバム「プライベート・ダンサー」に収録した「愛の魔力」で“カムバック”。再び脚光を浴び、グラミー賞最優秀レコード賞を受賞した。18年には生涯功労賞も受賞した。91年にデュオ、21年には個人で「ロックの殿堂」入りを果たした。

 レジェンドの訃報に、英ロックバンド「ローリング・ストーンズ」のボーカルを務めるミック・ジャガー(79)は、60年代にストーンズのツアーにターナーさんが参加したことを振り返り、「とても助けてもらった」と懐かしんだ。バイデン米大統領は「逆境をはねのけ、長年のキャリアと人生を築き、伝説を作った」と称賛する声明を発表した。

 ◆ティナ・ターナー(Tina Turner)1939年11月26日、米南部テネシー州生まれ。高校卒業後、後の夫アイク・ターナーとデュオを結成。78年に離婚後はソロで活動。84年「愛の魔力」がヒットし、翌85年のチャリティーソング「ウィー・アー・ザ・ワールド」やチャリティーライブ「ライブ・エイド」に参加。同年の映画「マッド・マックス/サンダードーム」に女優として出演。93年には自伝を原作にした映画「TINA」が公開。

芸能

×