感動!北斗と南に会えた…「ウルトラマンティガ」ダイゴ・長野博インタビュー〈1〉

スポーツ報知
ティガのフィギュアを手に笑顔の長野博

 ウルトラマンシリーズ放送開始30周年となる1996年9月に放送がスタートしたのが「ウルトラマンティガ」です。昭和のシリーズを見ていた子供たちが親世代になり、親子2代のファンが生まれるなど支持を集め、その後の「―ダイナ」「―ガイア」と続く、いわゆる「平成3部作」の礎を作りました。昨年、NHKが実施した「全ウルトラマン大投票」でも、「ウルトラヒーロー部門」で見事、1位になるなど、長くファンに愛されている作品です。その主人公=マドカ・ダイゴを演じていたのが、人気グループ「V6」のメンバーだった長野博(50)です。「―ティガ」が15周年を迎えた2011年に、スポーツ報知では長野にインタビューを行いました。「今も『ダイゴ』って呼ばれることにうれしさを感じる」と語り、この年の3月に発生した東日本大震災被災地の子供たちに向けて「希望の光を少しでも早く見つけられるように」とエールを送りました。今回、この貴重なインタビューを3回に分けて再掲載します。

(毎日正午更新=文中敬称略)

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 「―ティガ」は、これまでおなじみとなっていた設定―ウルトラ兄弟はM78星雲から地球にやってきた宇宙人―というシチュエーションを引き継がなかった。滅び去った古代文明と、その住人たちの守護神だった光の巨人(ティガ)が、新たな時代を迎えようとする人類を邪悪な敵から守るために復活した―という物語だった。

 1980年に放送が始まった「ウルトラマン80」以来、実に16年ぶりとなるテレビのレギュラーシリーズ。また、ウルトラマンシリーズ30周年記念作品ということもあり、制作陣には力が入っていた。「旧来にはなかった新たなウルトラマン像を作ろう」と考えた結果が、これまでとは違う舞台設定にもつながった。ウルトラマンが状況に応じて能力の異なる3つの形態にチェンジする【注1】というのも本作からだ。それだけに、主人公を演じた長野へのプレッシャーは大きかったのではないだろうか?

 「正直、重圧はそんなに感じなかった。それよりも、子供の頃に見ていたヒーローになれる、という喜びの方が大きかったですね。『ウルトラ大百科』という本を持っていたし、当然、フィギュアも持っていましたからね」

 リアルタイムで見たシリーズは「―80」だったが、一番、好きだったのは「ウルトラマンA(エース)」だという。

 「再放送で見たんですが、怪獣より強い『超獣』が出てくる、っていうところにひかれました。それに、ウルトラ兄弟が勢ぞろいするシーンが『A』には多かった。ゴルゴダ星で磔(はりつけ)になったり…だから、映画で高峰(圭二)さん、星(光子)さんとご一緒できた時は、本当にうれしかったですね」

 2008年、映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」【注2】で長野は8年ぶりにダイゴを演じたが、この作品で昭和のウルトラヒーローとの共演を果たしている。エースになる北斗星司(高峰)、そして、約35年ぶりにウルトラマンシリーズに復活した南夕子(星)との対面は、この上ない喜びだった。

 「ウルトラマンに変身する人間が僕を含めて8人いて、『ウルトラセブン』のアンヌや『ティガ』のレナ…それぞれのシリーズのマドンナも登場しました。今までにないことですよね。『ウルトラマンメビウス』に変身する(ヒビノ ミライ役の)五十嵐隼士君は、子供の頃、『ティガ』を見ていたそうなんです。僕は『A』や『ウルトラマンタロウ』を見て育ってきた。高峰さん、僕、五十嵐君…ウルトラを愛する3世代が共演したことになる。『ああ、ウルトラマンシリーズってこうやって支持され続けていくんだな』と思ったし、そういう作品に出会えた喜びを改めて感じました」

 ◆長野 博(ながの・ひろし)1972年10月9日、神奈川県大和市生まれ。86年にジャニーズ事務所入り。88年「3年B組金八先生 第3シリーズ」に出演。95年、「V6」の一員として「MUSIC FOR THE PEOPLE」で歌手デビュー。2000年の映画「ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY」でもダイゴを演じた。現在は「晴れ、ときどきファーム! 第2シリーズ」(NHK BSプレミアム)などに出演。

 ◆ウルトラマンティガ 1996年9月7日~97年8月30日まで毎日放送・TBS系で毎土曜午後6時から放送された特撮ドラマ。全52話。21年には、本作の基本理念、設定を踏襲した「ウルトラマントリガーNEW GENERATION TIGA」が製作されるなど、根強い人気を誇る。出演は長野の他に高樹澪、大滝明利、影丸茂樹、増田由紀夫、古屋暢一、川地民夫ら。また、「ウルトラマン」で主人公のハヤタを演じた黒部進の実娘・吉本多香美がレナ役で出演し、ヒロイン的な役回りを演じた。

 【注1】ティガは戦闘状況において、異なる3つのタイプにチェンジすることが可能だった。

 ◆マルチタイプ 基本形態でスピード、パワー、攻撃力のバランスが取れている万能タイプ。必殺技はゼペリオン光線。格闘能力は高いが、重量級の敵には苦戦を強いられる。

 ◆スカイタイプ 超高速で飛び、多くの技をスピーディーに繰り出す俊敏なタイプ。パワーが劣る。必殺技はランバルト光弾。パワータイプでは動きについていけなかったメルバを倒した。

 ◆パワータイプ 怪力と高い持久力を持つタイプ。パワーや水中戦に優れる一方、技の確実性やスピードが劣る。重量級の敵に対することが多かった。必殺技はデラシウム光流。

 【注2】大決戦!超ウルトラ8兄弟 08年9月13日に公開された特撮映画。横浜開港150周年記念作品として製作され、横浜が舞台に。「かつてウルトラマンシリーズがテレビ放映されていた世界に本物のウルトラマンが現れる」という設定で、ティガ、ダイナ、ガイア、メビウスに初代マン、セブン、ジャック、Aという世界観の違う昭和と平成のウルトラマンが共演した。

 〇…円谷プロ公式サブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」では、有料プランに登録すると「ウルトラマンティガ」のほか、劇場版「ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY」、「ウルトラマンティガ外伝 古代に蘇る巨人」などウルトラマンシリーズ(一部をのぞく)がいつでも見放題となっている。ファン必読の読み物や、ここでしか見られない配信限定作品など、オリジナルコンテンツも満載。

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