真心ブラザーズ「今こそ自由と愛を歌わないと」戦争もコロナ禍も乗り越える…2年ぶりアルバム26日発売

スポーツ報知
2年ぶりのアルバムを発売する真心ブラザーズのYO―KING(左)と桜井秀俊(カメラ・頓所 美代子)

 2人組ロックバンド「真心ブラザーズ」が、日本コロムビア移籍後初となる2年ぶりのアルバム「TODAY」を26日に発売する。このほど、メンバーのYO―KING(ヨーキング、55)、桜井秀俊(54)が取材に応じ、新作や来年の結成35周年に込めた思いを語った。(増田 寛)

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後にレコーディングを開始したという今回のアルバム。コロナ禍に戦争と世の中に不安が漂う中、ポップなラブソングを意識した。

 YO「今こそ自由と愛を歌わないと。ラブソングだからこそ、重い世間の雰囲気をリアルに出せたと思う」

 桜井「コロナ禍初期はカラ元気も出てたけど、今はカラカラ。ポップミュージックで乗り越えようというエールですね」

 1989年、早大法学部に在籍していた桜井がテレビのバラエティー番組の素人音楽コーナーに出場するため、早大教育学部に在籍していた音楽サークルの先輩であるYO―KINGを誘って結成。今も高校野球の応援曲に使われる「どか~ん」や後に山下智久が主演したドラマの主題歌としてカバーした「サマーヌード」、問題作「拝啓、ジョン・レノン」などヒット曲を生み出し、90年代を代表するロックバンドとなった。

 YO「あの頃は、時代のスピードについていくのが大変だった。締め切りもタイトでね」

 桜井「忙しくてテンパってた中で、『サマー―』は2週間で作った。20代の若さがないと、『どか~ん』のような応援ソングだってできてなかったと思う」

 「拝啓―」はジョン・レノンを批判しているとして、当時NHKが放送を取りやめたことで騒ぎにもなった。

 YO「最初から議論を呼ぼうと思った曲でも何でもなかった。でもあの時代、あの年齢しかできない、勢いのある曲だったかな」

 桜井「実際はあまり売れてない。今思うとレコード会社と放送局が結託してたのかな」

 01年にバンドを休止し、ソロ活動に入ったが、04年、忌野清志郎さん、奥田民生らが参加したトリビュートアルバム「真心COVERS」を機に再始動した。

 桜井「待ってくれている人たちがこんなにいたのかとビックリ。早く言ってよ!」

 11月からツアーを開催し、来年は結成35周年を迎える。「つかず離れず、年間に2人で会うのは50日」をモットーにマイペースの活動を続ける。

 YO「山下達郎さんの影響で自分たち世代からアーティストが生涯現役を目指せるようになった気がする。エリザベス女王のように、ずっと生涯現役でいたいね」

 ◆真心ブラザーズ YO―KING(ヨーキング、1967年7月14日、東京都生まれ)と、桜井秀俊(さくらい・ひでとし、1968年6月6日、広島県生まれ)の2人組ユニット。89年に結成し同年メジャーデビュー。YO―KINGは2000年に元「JUDY AND MARY」のYUKIと結婚。

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