【甲子園】 興南の最速148キロ右腕・生盛亜勇太 敗戦も「今までで一番楽しかった」

スポーツ報知
興南の先発・生盛亜勇太(カメラ・谷口 健二)

◆第104回全国高校野球選手権大会第3日 ▽1回戦 興南5―6x市船橋(8日・甲子園)

 興南(沖縄)は市船橋(千葉)にサヨナラ負けを喫し、初戦で姿を消した。

 先発した生盛亜勇太投手(3年)は3回、自己最速を更新する148キロを記録。伸びのある直球で強気に内角を攻め3回まで1安打4三振の安定感抜群の投球を見せた。生盛の投球に打線も応え3回に5点を奪った。しかし、4回以降に失点。8回に同点に追いつかれ、9回の先頭打者に左前打を浴びて安座間竜玖投手(3年)にマウンドを託した。最後は右翼の位置でサヨナラ負けの瞬間を迎えた。

 昨秋に腰を痛め、九州大会は出場できなかった。ケガの間は、2010年に甲子園春夏連覇に導いた島袋洋奨コーチと体幹などを強化。エースとしてのふるまいも学んだ。しかし、春の県大会は新型コロナウイルスの集団感染で辞退。最後の夏に全てを懸けることになった。そして迎えた夏の沖縄県大会は29回1/3を投げてわずか2失点。チームを甲子園へと導いた。

 ケガを乗り越えてつかんだ甲子園のマウンド。投げる喜びをかみしめた。「今までで一番楽しかった。マウンドから見る景色は最高でした」。9回途中まで投げ6失点の投球に悔しさはもちろんある。「最後までマウンドを守るのがエース」という島袋コーチの教えは守れなかった。「最後まで投げられなかったは悔しい。まだまだスタミナや体の線の細さなど課題がある。甲子園で学んだことを生かしたい」。今後は大学に進学予定。次のステップでのさらなる飛躍を誓った。

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