【高校野球】苫小牧中央・斉藤優汰１１奪三振完投、プロ１０球団のスカウトが熱視線

◆高校野球春季全道大会▽１回戦　苫小牧中央３－２北海（２４日、札幌円山）

　１回戦３試合が行われた。苫小牧中央は３―２で北海を下し、春全道２度目の出場で初勝利を果たした。プロ注目右腕・斉藤優汰（３年）が９回２失点、１１奪三振で完投した。

　春全道初白星を手にした瞬間、苫小牧中央の背番号「１」が右拳を握りしめた。９回１死三塁、勝利目前で一打同点のピンチを迎えた斉藤。相手のスクイズに対し「フライを上げてくれればいいと思って、思いっきり投げた」と力で押し込み捕邪飛。続く４番打者を三ゴロに仕留め、最少リードを守り抜いた。

　立ち上がりは制球に苦しみ、１回は自らの暴投で２失点。それでも２回以降は立ち直った。「変化球でカウントがとれた」とカーブを中心に配球を組み立て、勝負どころではこの日１４８キロをマークした直球、スライダー、フォークを低めに集めて相手打線を翻弄（ほんろう）。１１三振を奪い、無四死球、１２５球で完投した。

　北海とは昨夏の南大会１回戦でも対戦した。２年生ながら先発マウンドを託されたが、２回途中４失点で降板、２―４で敗戦していた。「自分のせいで負けた相手。組み合わせが決まってから勝ちたいと思っていた」と、自らの手でリベンジを果たした。

　高校卒業後のプロ入りを目指している斉藤の投球に、ＮＰＢ１０球団のスカウトが熱視線を送った。初視察した西武の渡辺久信ＧＭ（５６）は「（全国の高校生の中でも）目を引くピッチャー。ボールの強さは上位でしょう。夏までにもうひとランクアップする可能性がある」と目を細めた。

　次戦は４強進出をかけた釧路工戦。最速１５１キロ右腕は「（きょうは）ボールが上ずっていた部分があった。初回から低めに制球できるように心がけたい」。最大目標の夏に向け、全道の舞台で一戦一戦成長を重ねていく。（島山　知房）